【考察】耐Gからパイロットを護れ!

何かまた突然、考察ネタを思いついてしまいました
是非皆さんのご意見を伺いたいところである(苦笑)


現代の戦闘機乗り、またはNASAの宇宙飛行士の方々が、身体を固定されて巨大な機械に振り回されている様を、映像でご覧になったことがある方は多いはず
ああ言った耐G訓練が、特殊な環境で肉体を振り回される人間には、どうしても必要不可欠である
スペースシャトル発射時の最大Gが3G。単純に考えれば自分の体重が3倍に増えたような重みに耐えなければなりません
また、音速で飛行する戦闘機上でかかるGは、最低でも6Gを越えると言われています。瞬時とは言えこんな衝撃を受けてしうと、場合によっては脳に血液が回らなくなることがあり、そのまま意識を失って墜落事故を起こす可能性があります(まあ一応、そのためにあるのが耐Gスーツですが)
それが巨大ロボットのコクピット、しかも敵ロボットとの取っ組み合いのバトルを繰り広げるとなれば、その加圧は相当なモノのはず
ロボットの耐G対策は果たして充分なのでしょうか?


今回は特に超電磁スピンを論じてみる
それはいろいろな意味で豪快、且つ美しいロボの必殺技ではある
全高55メートルの巨体を高速回転させ、そのまま敵を突き破る様は、今見ても秀逸だと断言する
しかし子供の頃ならともかく、大人になってしまうと、あの技を放っている間のバトルチームの身を心配せざるを得なくなる
なにせ、戦闘機が機体を旋回させているのとはワケが違う。コンバトラーVが線上になって見えなくなるぐらい回っている
こうなっては(某考察本にも明記があるように)超巨大な洗濯機と同じ状態であり、中にいるパイロット達はぐちゃぐちゃのピー(規制)になってしまうだろう。あんな戦闘服じゃ耐Gになってないような気がするので・・・

もしそれを乗り越えたとしても、センサーに当たる"目"まで一緒に回転しているので、一体どうやってターゲットを見つけ出すのかと思うが、そのために前座として超電磁竜巻で目的をロックし、目測を立てていると考えればよい
でもそうすると、わざわざスピンしなくていーんじゃねーか、大体あんなに回ったらコンバトラーV自体がバラバラになるわ!という話になってしまうが、だがそこは『なるべくポジティブにロボアニメを考える』、という自分の主義に反する
ここは一つ、限りなく前向きに超電磁スピンを使える方法、を考察してみたい


え、同じ回転ならGガンダムの『超級覇王伝影弾』はどうするのかと?
あの二人の場合MFがどうのと言うより、"流派東方不敗だから"で片を付けられるんじゃないだろうか
なに、真・ゲッターロボの黒ゲッターが、『ゲッタースパイラル』を放つのはいいのかと?
ゲッター1って顔にコクピットがあるんじゃなかったですっけ?
だとしたらアレは顔が回ってないから大丈夫
もしコクピットが胴体にあっても、竜馬ならなんとでもするんじゃないですかね。そう言いきってしまえるチェンゲキャラのおかしさについては、敢えてツッコミを入れたくないけど
コホン
ここでの問題は、超電磁スピン中にかかる、コンバトラーV内部への回転の負担を、いかに0に近づけるかと言うことだ
結論としては、パイロットコクピットが、本体とは分離していればいいのである。そうすれば、コンバトラーVが超回転を行っても、コクピットは限りなく静止状態に近くなり、後は突入時の衝撃のみに耐えればよい

このような状態を作るにはいくつかの方法が考えられる
その前に、コクピットをまず球体にしておかないといけないと思う。球というのは、物質が最も安全に存在できる形で、外部からの力を分散して受け止め、自身から発せられる力も支えられる理想の形だからだ
要するに、『Ζガンダム』以降の360度全天周リニアシートが、コンバトラーVの中にもあるんだと考えて欲しい
でもあれはMS本体にがっちりくっついているので、コクピットをどううまくフローティング状態にするか考えてみる

まず一番簡単そうな案を上げてみよう
ある程度の強度と伸縮性のある素材を紐状にして用い、緩やかに支える形でコクピット上下と本体と接続する。そしてコクピットと本体部分は密着させず隙間を作っておく。そうすると、コクピットはこの隙間にブラーンと吊されている状態になる
見た目には、ボクサーがパンチングの練習をするアレに近くなる
これは、昔懐かしそば屋の岡持を想像してもらえればよく、岡持を付けたバイクが激しく動いても、蕎麦を吊した台はある程度の水平を保ち、荷崩れを最低限に済ますのと同じ理論が使える
即ち、コンバトラーVが激しく回転しようとも、コクピット部分は独立して静止と水平を保ち続けることができるのではないか、ということだ
しかしこの例であると、回転以外の衝撃には非常に弱い。上下しか支えがないので、例えばトドメの上下が真っ逆さまになる瞬間(=マグマ獣につっこむとき)に、コクピットにかかる衝撃を吸収できない
なら、コクピットを吊すのではなく、エアーキャップのようなもので包み込んでおけばいいんだろうが、それだと回転の力はもろ加わってくるから意味がない
また、回転の真の中心点にコクピットが有る必要があるので、脚に乗っている日吉やちずるは衝撃を受け止められず、ピー(規制)なことになりかねない
その他通常の戦闘中でも、殴られたりタックルされたりしたときのランダムな振りによる衝撃に弱い可能性がある
だからと言って、左右にも支えを付けてしまうと、本末転倒になってしまう

次に考えたのは、コクピットの球体を磁力によってフローティングさせること
要するにリニアモーターの理論で、磁気の反発が適切であるならば、外部からの圧力に耐える力は抜群だと思う。衝撃に合わせて磁力を調整すれば、回転もランダムな衝撃も臨機応変に対応できるように思える
ただし、コクピット内部にとんでもない磁場が発生する
ぶっちゃけ言うと、でっかい電子レンジの中に入っているようなモノなので、パイロットの身体に致命的ダメージを与えること受け合いなのでは無かろうか
それ以前に計測機器が破壊されそうではあるが

そこで考えたのは、コクピット球を液体で包み込んでおくことである
気体は比重が軽いので、加わってきた力によって容易に動き、何かを受け止めるという衝撃対策には向かない
もちろん条件が揃えば気体も、巨大な風圧の壁となるので、否応なしに存在を意識させられるのだが(暴風に吹き飛ばされそうになる、超高速で動くと空気抵抗がとんでもないことになる...etc)
逆に、液体は外部からの力を"受け止める"のに優れている
例えば、煙に向かって手を振れば、それはすぐに影響を受けて霧散する。しかしある程度の大きさの水槽の表面を叩いても、水底は何の影響も受けない。これは液体の方が気体よりも質量があるためで、空気中を歩くよりも水中を動く方がとても大変だ、と言うことを考えればお判りいただけるかと思う
なので、コンバトラーVが高速回転しても、その回転力がコクピットに及ばないぐらいの液体で包んでおくことで、コクピットを護ることができないだろうか。また液体で満たしておけば、上下左右からの衝撃にも臨機応変に対応できるかもしれない

これは他のロボットにも流用できる理論だ
例えばこれも某考察本で言われるとおり、マジンガーのパイルダーを支える頭の上は、地上から15メートル以上の場所にある。このようにしてマジンガーが動く場合、兜甲児は3~4階建てに相当するビルの上から、クッション無く落下したのに近い衝撃を受けることになる。間違いなく死ぬ。ダイナミックキャラ補正を付けても、重傷間違いなし
しかし、マジンガー本体とパイルダーの間に、何らかの液体が存在していれば、プールでぷかぷか浮いているのと同じだから、受ける衝撃はかなり軽減されるだろう。プールにいて地震があっても、そのプールが壊れるようなことがない限り、揺れているのに気づかないのと同じである
もっと言うなら、液体は宇宙線の一部を吸収する効果がある(だから地球上では、安全な海で生命が生まれたと言われている)ので、有害な電波で満ちた宇宙の活動をサポートしうる可能性がある

そう考えると、エヴァの『パイロットを液体そのもので包む』LCLの発想は、耐衝撃対策としては理に適っているものと言える。ただ熱対策はされていないようで、ラミエルの攻撃でLCLが沸騰している描写があるが
しかしエヴァの場合何が問題って、ろくでもない大人達が、ろくでもないことのためにアレを使役していることなんだが、今回に関しては関係ないので割愛する
とはいえ、液体にぶつかっていく物質の運動エネルギーが高ければ高いほど、液体に衝突したときの衝撃は半端なくなる
昔、高層ビルの屋上に相当する高さから、マネキンをプールに投げ込んでみたら、マネキンがバラバラになったという実験があった。計測によるとこのときマネキンは、時速十キロ以上で鉄板に叩きつけられたのと同じ衝撃を受けていたという
つまり水面は車のエアバッグと違い、落下の運動エネルギーを拡散させたのではなく、文字通り受け止めたのである
もちろんエアバッグも万能ではなく、余りの衝撃の場合怪我をすることもあるそうだが、液体で受け止めるよりましである
まぁ今回の場合、護られる対象は液体の中にいるので、液体にぶつかりに行くデメリットは置いておこう
ただし普通の液体では、極地や宇宙での利用に向かない(=凍結してしまう)ので、なるべく凝固点が低い物質を使うのが望ましい
また水であると粘度が低いため、少量の場合相当量の回転力が加わると、一緒に回転を始めてしまう可能性もある(洗濯機がいい例)
この二つの問題を解決できるのは、流体金属ではなかろうか。要するに水銀みたいなヤツのことである。ゲル化物質(こんにゃくみたいなもののこと)でもいいのかも知れないが、自分の知る限りやっぱり極地では凍ってしまうと思う

これも某考察本で知ったことだが、流体金属はいろいろな意味でおいしいアイテムである。金属でありながら液体なので、衝撃の吸収力は抜群だし、電磁波やガンマ線は弾いてくれるので、やっぱり宇宙での有害電波に強い。金属なので"重い"から、周囲から相当の力をかけないと動かない。電流を流せるので、発電&蓄電装置を兼ねることもできる
といっても水銀の凝固点は-38.87℃なので、一般的に言われる宇宙の温度(-273度)ではこれまた凍ってしまう。尤もワタクシは科学者じゃないんで、さらに凝固点の低い流体金属があるのか分からないし、もしかしたら水銀に電気を通し続けて粒子の運動を維持し、凝固しないようにできるんじゃないかと思うんだけど、確信がないので・・・
宇宙で凍らず、且つ一定の粘度を持った流体金属があった、と仮定しておこう
そうすれば、まず最低限の問題である『上下左右からのランダムな衝撃』は、流体金属が吸収できる。前述したように、電流によって粘度(=物体のねばりの度合い)の調節できるのなら、それこそフェイズシフト装甲みたいに、ピンポイントな衝撃吸収もできると思う。だとするなら『超電磁スピンの回転』の力は、電流でコンバトラーVの回転とは逆方向の回転を流体金属に起こさせ、相殺して受け流せる可能性がある
さらに、有害な宇宙線がコンバトラーV本体を通り越しても、流体金属が弾いてくれるのではなかろうか

問題があるとすれば、金属なのでその自重は水の比ではなく重い。それに包まれる球体コクピットは、相当の強度を持っていないと、流体金属に潰されてしまうということだ
また、その金属をどこへ保管するのかも問題で、機体内部に満たしておくのか出撃前に注入するのか・・・どちらにもメリットデメリットがあるし、実用性が疑われる部分ではある
さらに、このフローティング状態で、正しく前を向いている状態をいかに維持するかである。金属の海の中で、『パイロットが前を向いて座っている』状態を人工的に創り出すためには、コクピット外周にセンサーや姿勢制御装置が大量に必要になってくる
それに、やっぱり回転の外周にいるパイロットの安全性が保障されない
この場合はどうしても、超巨大な遠心分離器に身体を固定されて入っているのと同じ状態になるので、ものすごいGがかかってくるのが容易に想像できる
スピンを始める前に、バレリーナみたいにつま先だけで直立し、なるべくコクピットを中心点に近づける、と言うことしか対処が見つからないなぁ・・・
コクピットが全部、何らかの形でロボットの中心軸に集まっていれば、比較的問題はないのだけれど

そう言う意味では、合体ロボじゃない連中は、この流体金属理論は上手く使えそうだ
同じスーパー系では、ライディーンの『ゴッドバードチェンジ』の突入衝撃への有効策として使えそうではないか
また、そもそも生体メカであるオーラバトラーや、まさに金属生命であるブレンパワードなんかは、本当にコクピット周辺が液体(=彼らの体液)で満たされていそうな気もする
あ、でもバルキリーみたいな可変ロボには応用できないか
あれはもろ戦闘機と同じシステムのコクピットだからね。まぁマクロスという作品自体が、ガチンコ肉体勝負よりも射撃戦重視なので、アレでいいのかも知れない
その他、初代ガンダムとVガンダムも厳しいような気がする(=コア・ブロックシステムはほぼ飛行機)
逆に同じ可変ロボでも、Ζガンダムはコクピットが完全に内蔵されているので、この点はクリアできそうである

うーむ、コンバトラーVの問題を解決しようとして、単機ロボのコクピットに終着してしまうとは、皮肉な話だ
後は、戦闘服が耐Gスーツとして適切かどうか、という点なのだけど・・・これはまた別に考えてみたいと思います
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テーマ : スーパーロボット大戦 - ジャンル : ゲーム

2009/11/21 01:15 | アニメ考察COMMENT(3)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

興味深いですね。

確かにそういう激しく回転する技を出したりすると中の人が心配になりますよねww(と言いつつ私コンバトラーVって見た事ないんですけどね・・・)
バルキリーはVF-25については解説されてます。
wikiによれば、操縦桿と射出シートをかねた耐Gパワードスーツである「EX-ギア」や、「ISC(Inertia Store Converter(慣性蓄積コンバーター))」という装置で、コクピット周辺に生じた機動慣性を異次元空間に一時待機させ、少しずつ通常空間に還元することで瞬間的な慣性負荷からパイロットを保護するというシステムが有ります。(後者は非現実的ですが・・・)
まぁ、今回のお題であるコンバトラーについては、戦闘服にそれなりの機能があると考えるのが妥当ですかね・・・。
話は変わりますが、現在でも「バイオスーツ」とかいういわゆるパイロット用ノーマルスーツのような宇宙服も開発されているくらいですから。
では、長文失礼いたしました。

No:1631 2009/11/22 23:51 | レウス #dvUYBDnY URL [ 編集 ]

MFにも液体金属は使われているようなので(シャイニングフィンガーの設定などから)、案外液体金属での対G制御というのはアリかもしれませんね。
ここからはかなり非現実な話ですが、上にも書かれている中心部への安定性の維持についてこんな考えがあります。
事前に流体金属内に、衝撃の大きさや方向性に合わせたパルスを受信するナノマシンもしくはユニットを組み込んでおき、パルスを感知したユニットは、流体金属内の組成に働きかけ、安定性を維持させる……書いてたら力学とかを無視した暴論になってしまいましたが、まぁ夢のある話の1つとして勘弁願いますw

No:1632 2009/11/23 21:17 | GBS #- URL [ 編集 ]

鋭意執筆中

スパロボ学園執筆中の管理人です

レウスさん>
>VF-25については解説されてます(略
・・・そこまで行くと奇想天外すぎて、実現がどうのと言うのを語るのが嫌になってしまいますな。さすがオーバーテクノロジーの産物、マクロス
>コンバトラーについては、戦闘服にそれなりの機能があると考えるのが妥当
あんな薄っぺらい服に、どんな科学が使われているのでしょうか・・・
そう考えると、南原博士と四ッ谷博士って、どんだけマッドサイエンティストなんだろう・・・

GBSさん>
>MFにも液体金属は使われているようなので(略
ああ、そういえばそうでした。すっかり忘れてたw
あのなめらかなモビルトレースの動きといい、そうなるとGガンの世界はオーバーテクノロジーだらけですな、やはし
>流体金属内ナノマシン
なるほど
確かにまだこの現代では非現実的ですが、ナノマシンが実用化されているGガンの世界ならばありなのかも
ナノマシンと言えばナデシコにも登場してますな
あの辺でも案外使われていたりして?

No:1633 2009/11/24 00:35 | あるす #- URL [ 編集 ]

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