スパロボ学園外伝 騎士ガンダム SEED~Gジェネ的外伝~【5】

台風が接近している中、皆様いかがお過ごしでしょうか

今朝出勤のために外に出たら、いきなり気温が下がっててビックリしました
動き回るとそうでも無いので、上着を着るのもちょっと迷う感じ
季節の変動が急すぎると、身体が追い付きませんなぁ


それにしても、スパロボ系のニュースが少ないですねー
ゲームショーでOGのPVは流れていたそうですが、版権もの、版権ものはどうした!


さて
想鳶流さん投稿の外伝です

だんだんお話しが濃密になって来ましたな・・・
そしてついに、スパロボ学園組と本格邂逅のようです


第5話「邂逅」

・オーブ王国王宮付近

それはこの世の物とは思えない景色にシェルドは思えた。
プラントと呼ばれるコーディ族の拠点から飛んできた巨大な光の奔流は、それを受け止めようとした別の光とぶつかり合い、周囲の物や地面を巻き上げてしまった。立つのも困難な程の突風が吹き荒れ、今尚納まろうとはしない。
なにより恐ろしかったのは、受け止めた側の光が弾けた後の現象だ。周りの建築物が光に包まれた後、まるで溶けるかのよう消えていった。また周りにいた人々が次々に傷だらけになっていく。一体何が起こったのか、皆目検討も付かなかった。
そんな中、ふっと風の勢いが弱まった。シェルドが顔を上げた先には、光の壁を形成する例の一団の姿があった。
壁は魔力か何かで作られているのか、上空に漂う嫌な光の侵入を防いでいるようだ。
「そうだ、隊長ッ!エターナ隊長!」
突風が吹いた辺りから姿が見えなくなったエターナを探す。まさか何もかもと一緒に巻き上げられたんじゃ、と不吉な想像がシェルドの頭を掠めたが、返事はすぐに戻ってきた。
「シェルド!」
「隊長!ご無事で・・・」
「ええ、それより今のうちにここの人たちの治療をするわ」
彼女らの周りには先程の突風で怪我をした人々や、既に光によって傷を受けた者が蹲っていた。エターナはその人々に駆け寄ると、怪我の部分に手をかざして治療を始めた。
「貴方も!急いで!」
「は、はい!」
隊長の言に従い、シェルドは別の場所で固まって蹲る人々に走りよった。怪我をしたのはMS族が主らしく、また痛みのせいかMSから人に変化する人、即ちコーディ族も含まれていた。
「怪我を見せてください!治します!」
「あ、ああ・・・頼むよ・・・」
肩が血塗れになったMS族の怪我の部分に手を当てて魔力を集める。一般的な法術の1つで、傷の治りを促進させる術だ。しかしどうしたことか、なかなか治りが早まらない。
「おかしいな・・・どうして・・・」
集中力は問題ないはずだし、術の掛けかたもいつもと変わりない。それなのに治るどころか、裂傷はどんどん広がってく。
「ぐ・・・うう・・・」
「な、なんで・・・なにが原因で・・・!?」
焦るシェルドとは裏腹に、怪我人の人だかりが治癒術の使える彼の周りに出来つつあった。どの人も傷の進行が早く、重症になりつつある者もいる。それが先程の砲撃により、ユウブレン達がバリアを張る前に少量ながらも侵入してきたナノマシンによるものだとはシェル度には思いもよらない。
「お願いだ・・・はやく治してくれ・・・!」
「お願いします!この子の傷が、傷が・・・!」
「う、腕が・・・!腕が崩れてく・・・!うわああああああああっ!」

「(そんな、早く、早くしないとここにいる人たちが・・・!)」

『落ち着け、シェルド』
「え・・・?」
突然頭に響いた声にシェルドは顔を上げた。そこには半透明で見づらいが、1体のMS族が居た。紫の鎧に身を包んだガンダム族と同じ顔をしたそのMS族は、周りで叫び惑う人々と対照的に、静かにシェルドへ喋りかけた。
『そんな闇雲に術を掛けても効果は薄い。治癒術の基本は怪我の本質を見ることだ』
「怪我の、本質・・・」
『そうだ』
シェルドの傍へと歩み寄った後、彼はシェルドの腕を取ると、先程治療の上手くいかなかったMS族の肩に触れさせた。
『この者の傷は只の傷ではなくなっている。分かるか?傷の中に僅かだが異物の感覚がする』
その言葉に導かれながらシェルドが改めて集中力を掛けると、傷の中から魔力に近い何かを本当に少しだけ感じた。
『この場合、この異物が治癒の邪魔をしているのだ』
「なら、どうすれば・・・」
『お前の魔力で異物を吹き飛ばすしかない。そのまま集中するんだ』
MS族はシェルドの手を固定しながら言葉を紡いでいく。
『イメージだ。まるで風のように、不要なものを浚っていく力を。そしてその風の中に治癒術を織り交ぜるのだ』
「イメージ・・・風を、想像する・・・」
その言葉を反復しながらシェルドは掌に魔力を込めていく。するとゆっくりと傷の広がりは止まり、やがて塞がりはじめたではないか。
「やった!できた!」
『そうだ。そのイメージを忘れるな。このまま他の民の治療も行うぞ』
「・・・あなたは一体・・・?」
シェルドの問いにMS族は短く答えた。
『トルネード。今はその名だけ覚えておけば良い』
「トルネード・・・ってまさか!?」
『話は後だ。集中しろ』
「あ、はい・・・」
告げられた名前を詮索する暇も貰えず、MS族の指示でシェルドは次の患者へと手をかざしたが、頭には混乱と疑問符が乱立していた。
「(トルネード・・・・初代法術隊隊長、魔導剣士トルネードなのか?でも何でここに・・・?)」
かつて読んだニューラル騎士団に関する書物の記述が脳内で引き出されていく。そこにはこうあった。

・魔導剣士トルネード・・・・『月の繭戦線』に於いて撤退の殿役を勤め、戦死す。


・オーブ王国上空


「く、そ・・・なんてこった」

騎士フェニックスは目の前の惨状に悪態をついた。
例の黒騎士の暴走を止めさせんと介入したが、その相手をしている間に、事態は最悪とも言える方向へと傾いていた。
プラントと呼ばれるコーディ族の本拠地が無残に崩れ、多くの者が重力に贖えずに落ちていく。そうして虹色に輝く光に包まれた瞬間、その身体は一瞬にして分解されていく。そのまま消える者もいれば、一部が残って断末魔の叫びと共に地面や海へと叩きつけられる者、分解されていく己の体に悲鳴を上げてパニックになる者もいた。
さらに途中から海路を使って来た軍勢は、ここぞとばかりに攻撃を開始し、まだ息の有るコーディ族にとどめを指しながら進軍していく。
「・・・今まででも最悪の部類に入る酷さだな」
その光景を誰よりも高い空で眺めながら、ぽつりと彼は呟いた。

どうして、こうも愚かしい諍いが起きるのだろうか。
完全平和を掲げるつもりはないし、戦争根絶など出来ないのは知っている。それは今まで回ってきた時代で経験してきた事だった。
しかし、ここまでする必要があるのだろうか。それともここまでしないと気が済まないとでも言うのだろうか。
無作為に、無慈悲に、何もかも消し去って。その先に何が残るかも考えないまま。


数時間前にエターナから言われた言葉が蘇る。
『だから、貴方が呼ばれたのかもしれないわ』
「俺が呼ばれた理由など、どうでもいいが・・・」

「俺は俺の役目を果たすしかないな」

そう見遣った先にはオーブ王国の宮殿へと避難していくガンダム族2体を追撃せんとする黒騎士が居た。
「頼むから保ってくれよ・・・!」
自身にそう言い聞かせながら、騎士フェニックスは未だ月光蝶の光が舞う嵐へと羽ばたいた。ピリピリと身体が焼け付く感覚を堪えながら、ガンダム族に剣を振りかざした黒騎士の背中に組み付くように突進し、そのままもんどりうつように落ちていく。2人は地面すれすれで別れるとそのまま剣を引き抜いての白兵戦へと雪崩れ込んだ。
『どうして、みんな死に急ぐの!』
「さあな!俺にもさっぱりだ!」
何度もすれ違いながら剣戟を交わし、再度上空へと舞い上がっていく。騎士フェニックスが魔法の光弾を放てば、即座に倍になって返ってくる。それを避け、鍔迫り合いからの斬撃。その中で騎士フェニックスの体はナノマシンにより傷ついていった。未だどこにも欠損が無いのは流石と言えるが、それでもボロボロになっていく肉体での戦闘は無理が生じてくる。
「くっ・・・まさかこんな目に二度も合うとはな・・・」
過去の戦いを思い返しながら、自身の体たらくを皮肉っていた騎士フェニックスだったが、ふと目の前の黒騎士を見遣った。

傷が見当たらない。

それは月光蝶の光に因るものだけでなく、それまでの剣戟や魔術で付けたはずの傷も、その体に残ってはいなかった。
「おかしい。確かに何度か手ごたえはあったはずだが・・・まさか再生しているのか?」
そこまで考えた騎士フェニックスの頭に、ある1つの仮定が浮かんだ。


かつて、自身がニューラル騎士団団長として腕を振るっていた頃。
騎士フェニックスには2つの能力が備わっていた。

1つは『終焉の炎』。身体の内側から魔力を通して具現する炎で、圧倒的な破壊力を誇る彼の能力。秘技『バーニング・ファイア』も、この能力の応用として編み出されたものだ。
もう1つは『再生の翼』。これは彼の生来から突出した魔力の賜物による物で、無意識に身体の傷を治していく能力であった。
この2つの能力があったからこそ、騎士団に比肩する者無しと謳われ、彼に騎士団長を務め上げることを可能にしたのだった。

その能力、特に後者である『再生の翼』が眠りから覚めた後に不自然な程弱体化しているのを騎士フェニックスは自覚していた。しかしそれは今までの眠り、或いはその前の戦いが原因だと考えていた。否、思い込んでいた。

改めて黒騎士の姿を見る。驚くほどに自分に良く似た姿だ。・・・・・・もしかすると。
「・・・こいつが俺の能力を奪ったのか?」
ただの仮定に過ぎない。眠っている間、神殿の命の樹に安置されていた自分から能力を奪えるはずもないし、それがあればエターナの口から何か聞いていてもおかしくないはずだ。
それでも、この黒騎士が能力を奪ったと考えれば、自身の能力の弱体化も説明がつくように思える。
そこまで考えた時、脈絡も無く黒騎士の足元付近に魔方陣が現れ、それが鎖のようにその体を縛り付けた。
『う、うあああああっ!?』
黒騎士は必死に拘束を解こうと身悶えするが、強力な法術なのかビクともしない。
「これは・・・?」
「剣を収めてください。騎士フェニックス殿」
2人の間に割り込むように出てきたのは世聴者アクエリアスだった。
「ジュナス!?何故お前がここに・・・」
「無駄話はまた後でお願いします・・・ここに来るまででだいぶ疲れましたから」
そう言うアクエリアスの体は至る所に傷が付き、羽織っているローブもボロボロと崩れている、あの月光蝶の吹きすさぶ嵐を無理やり通り抜けてきたのは明白だった。
「・・・そのMS族の捕縛は神殿からの指示か?」
「神殿?なにかあったんですか?」
「・・・何も知らないのか」
神殿側からの命でアクエリアスが拘束したのかと騎士フェニックスは考えたが、どうやら違うらしい。
「そいつは突如神殿に侵入し騎士団を攻撃した、俺たちの敵だ」
「まさか・・・!そんなはずは!」
「事実だ。おまけに神殿の一部を破壊し、この世界に俺たちを突き落としたのもある」
「嘘だ・・・何かの間違いじゃ・・・」
「事実だと言っている」
言い切った後、騎士フェニックスは剣を構えた。
「ジュナス、そいつを引き渡せ。もしかしたらこの世界について何か知っているかもしれん」
「・・・条件があります」
「なんだ?」
「引き渡す代わりに、僕とシスも同行させてください。それなら――――」

『うああああああああああッ!!』

突如アクエリアスの言葉を遮る悲鳴のような叫びと強烈の魔力の具現に、騎士フェニックスは咄嗟にアクエリアスの腕を引っ張り込んだ。
果たしてそこに見えたのは、蒼い炎に包まれた黒騎士の姿だった。
「・・・エリス!!」
「なに?・・・いや、それよりこれは!」
それは色こそ違えど、「終焉の炎」に酷似した魔の炎だった。身体の内側から迸るように猛る炎に、束縛の魔方陣が軋み、崩れ去ってしまった。
「そんな・・・!?」
驚愕の表情のアクエリアスの隣で、しかし騎士フェニックスはだんだん強くなっていく炎が、その宿主である黒騎士本人を燃やし始めていることに気づいた。
「こいつ、制御出来ない力を使ったクチか!?」
『いやああああああああ!!』
熱と痛みに耐えかねたようにもがく黒騎士。炎は未だ衰えないままオーブ王国の王宮に向かって落ち始めた。このままいけばエターナ達の居る場所に墜落する。
「まずい!!」
「エリスッ!」
先に飛び出したのはアクエリアスだった。ナノマシンに喰われるのを省みず後を追い、速度を合わせて横に並ぶと、燃えさかる炎ごと黒騎士ことエリスの身体を抱き留めた。
「ぐううッ!!」
全てを燃やし尽くすそれに苦しみながらも何とか落下コースをずらさんと足掻くが、最早それだけの力はアクエリアスには無く、炎に耐えるしかない。
「あの馬鹿!」
騎士フェニックスも近づき手を貸そうと試みるが、傷ついた手では燃え盛る2人には触れることすら出来ない。みるみる近づいてくる王宮に万事休すか、と思い始めた。

その時不思議な事が起こった。

突然目の前に紅い光の帯が現れ、それを何か見定める暇もないままに潜り抜けてしまった。その光帯に触れたとたん、それまで猛々しかった炎は、水を掛けられたの如く鎮まり、傷だらけになって人間態へと戻ったアクエリアスことジュナスと、彼に抱きしめられた少女が見えた。
「これは・・・」
光の発生源を見遣ると、そこには大きな翼を背負ったガンダム族がそれをはためかせながら天を見上げているのが見えた。
「(出来れば今すぐ首根っこ掴んで問いたいのはやまやまだがな・・・)」
そう心中でつぶやいた騎士フェニックスは、ガンダム族の顔を頭に焼き付けながら、ジュナス達を掴んだ。



そのガンダム族ことキラが発生させた「光の翼」を呆然と見上げていた竜馬たちは、その視界に何か落ちてくるのが入ってきたことに、一瞬気を回し損ねた。
「あれ、なんか落ちてき―――――」
気づいた時には遅く、なかなかのスピードで落ちてきたソレは見事に甲児をクッション代わりに落着した。
「ぐふうっ!?」
「な、なんだなんだ!?」
「大丈夫ですか甲児さん!?」
「・・・やれやれなんとか王宮へのダイブは防げたか」
何とか落下軌道を変えた騎士フェニックスが顔を上げると、そこには見たことも無い顔が複数で迎えてくれた。
「・・・なんだ貴様ら」
「いや、それはこっちの台詞なんだが・・・」
いきなりの不躾な言葉に、呆れたように竜馬が返す。その顔をよくよく見ると、騎士フェニックスはさっきまで見上げていた集団だと気づいた。
「なるほど、こうして見るとやはり違和感があるな」
「あの、それより甲児さ――――」
「おい、貴様ら」
ニルバーシュことレントンの言葉を踏み潰した騎士フェニックスは真上で繰り広げられている戦いに目を向けた。
「この事態の関係している中心人物なら、今の状況を教えてほしいんだが」



「・・・はやくどいてくれよ」
甲児の嘆きは消え去った月光蝶の如く、宙で四散した。
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テーマ : スーパーロボット大戦 - ジャンル : ゲーム

2011/09/20 23:06 | Gジェネ的外伝COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

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