新・スパロボ学園 超外伝 ~騎士ガンダム SEED (20)~

昨日の記事で、Diabloのネタなんか載せちゃったんで、ついニコ動なんかで動画を検索したら、あるもんですなw

見てたらやりたくなったけど、もちろんWin7では動かんよなぁ
XPモードで動くんだろうか?
でも、DirectX動かないよな、確か・・・


文字だらけの20話ができました

ああ~、やっと核心部分が書けた
なので文字だらけです(苦笑


☆あらすじ☆
私立スパロボ学園
それは、スパロボに存在するあらゆるキャラクターが、学園生活という舞台を通じて、好き勝手するための空間である!


スパロボ学園高等部所属、神名綾人の風邪によって起きた時空の乱れにより、騎士ガンダムの世界に存在するはずの無い、『SEED』の時代が生まれてしまった
月光蝶の危機を乗り越えた
しかしその人時も束の間
魔王プロヴィデンスと名乗る存在の乱入により、ターンAらが連れ去られてしまう
それを追って西に向かった彼らの前に立ち塞がったのは、悪魔と化したシンであった


憎しみに狂った瞳で、邪剣エクスカリバーを向けるエビルインパルスの姿に、ストライク(@キラ)をもとよりメンバー全員が、悲痛な表情を浮かべた
「勇、どうしよう、どうしよう。シンのあの気配、人間じゃ無いよ・・・!」
エビルインパルスから漏れる、邪悪なエナジー・・・ヒメブレン達に言わせれば、負のオーガニック的イメージとでも言おうか、そのあまりの"黒さ"に彼女は怯えていた
「まさか、本当に魔物にでもなっちまったってのか、あいつ?・・・いや、だからこそ、本物じゃ無いってことも・・・!」
ユウブレンもマリューと同様、エビルインパルスという存在が自分たちを惑わすための、フェイクでは無いかと言うことは考えていたし、ある意味ではそこに救いを求めていた
だが、その横からムウがバッサリと否定の言葉を発した
「いんや、アイツは"本物"だろうさ。クルーゼの野郎のことだ、あの坊主が自分の手の内にある事を見せつけるために、わざわざこんなショーを開いたんだろうよ
ラウ・ル・クルーゼという男なら、やりかねないことだとムウは付け加えた
「フフ・・・では、私が御大将らをもう一度起こすまでの間、彼らの相手をしてやれ。どう殺そうと、それは任せよう」
「お任せ下さい、御主人様」
プロヴィデンスの影がすぅ、と消えると同時に、殺意に満ちた気配を消しもせず、エビルインパルスがストライクに襲いかかる
ストライクは振るわれた一撃を、どうにかこうにか剣で受け止めた
邪剣と聖剣が、それぞれの属性で反発し合い、凄まじい火花をあげている
「シン、止めて!君と戦うなんて、僕は・・・!!」
「我が力の前に臆したか、"ストライク"!
「ストライクじゃない、僕だよ、キラだよ!分からないの!?
「くくくっ、錯乱したか?無様だな」
やはり話が噛み合わない
彼には自分の姿が、このガンダム族の下にある"キラ"の魂が見えないのだろうか
ストライクの中のキラは、状況を打破する術を見いだせず、ただ相手の剣を振り払って距離を取ることしかできない
だが、その二人の間に、ルナが突然割り込んできた
「駄目だよ、シン!」
「なんでそいつを庇うんだ、ルナ!?何を吹き込まれた!」
「アンタこそ、あの後何されたのよ?正気に戻って!!」
「正気?俺は何もおかしくなっちゃいない」
「じゃぁ、なんであの時は、アタシをオーブに連れてったの?」
「・・・・・・・・・オーブ・・・?」
ルナの必死の呼びかけに、エビルインパルスが初めて、ぴくりと反応する
「アタシを砂漠からオーブに連れてってくれたの、シンなんでしょ?それって、あそこに行けばアタシが皆と合流できるって、そう思えたからじゃ無かったの?」
ルナは、自分のぼんやりとした記憶の中にあったあの黒い影が、このおぞましい姿と化したシンでは無いか、と感じていたのだ。いや、確信していた。あの時のあの感覚、きっとそれは間違っていない、と
「・・・・・・・・・オーブ・・・・・・・・・連れて・・・・・・行った・・・・・・ルナを・・・・・・」
何かを思い出そうとしているかのように、言葉を絞り出すエビルインパルス。それまでどんより濁っていた瞳に、ほんの少し光が戻ったように、見えた
だが直後、彼の体に走っていた赤い邪悪な文様が、妖しい光を放ったではないか
「う・・・あ・・・っ・・・」
彼は直後、電気が走ったように硬直した。かと思うと、またもや邪悪なオーラを立ち上らせ、怒りとも付かない感情を見せる
「・・・・・・・・・騙されるな、そいつらが、お前を連れ去ったんだ」
「ち、違うよっ、なんで・・・!」
ありもしないことを、確信を持って言い放つエビルインパルス
「退いてろ、ルナ。プロヴィデンス様より頂いた、この素晴らしい力で全てを薙ぎ払ってやる。そうすれば分かる、何が正しくて何が悪いか」
そう言うエビルインパルスの言葉の邪悪さに、ルナは躊躇い震え上がって動けなかった
「・・・うぅ、違う、違うんだってば、シン・・・!!」
ルナが必死に否定しているのだが、そんなものは耳に入らないようだ
彼女の背後にいるストライクを倒すべく、エクスカリバーを振るおうとするエビルインパルス
「いい加減にするんだ、シン!」
ルナの気も知らず、ただ悪意を降り撒き続けるエビルインパルスを、ゲッター1(@竜馬)がゲッタートマホーク抑えにかかる
「邪魔をするな!」
エビルインパルスがその力をエクスカリバーに流し込んだ瞬間、邪悪な波動が剣を覆う。そうして、その切っ先が触れた場所から、ゲッタートマホークがボロボロと破壊されていくでは無いか
「なっ・・・!?」
おそらくそれは、ストライクの肩を浸食しようとしていた、あの瘴気の力なのだろう
「ふん、貴様らごときが、この力の前で何ができる。あの黒いガンダム族同様、無力さを痛感するがいい」
「まさか・・・!?」
それはおそらくルシフェルのことだ。その口ぶりは、彼の身に何らかの、恐ろしい事態が起きたことを、嫌が応にも知らせるものだ
「彼は、君のことを!」
「ストライクに味方するからだ。ヤツに味方する者は・・・みんな、こうしてやる!」
もはや見境というモノを失っている彼に、温厚なゲッター1も頭に血が上るのを抑えられなくなった
「くぉの・・・馬鹿餓鬼がぁぁぁ!!
いきなりゲッター1の外見が、ぐにょぐにょとモーフィングをかけたように溶けたかと思うと、ぐばっと形を変えて真ゲッター1(@悪い竜馬さんがインしました)に変形したでは無いか!
もちろん声も、神谷明から石川英郎に変更だ!!
「その曇った目、ぶん殴って醒ましてやらぁ!!」
「我が身に触れただけで腐るのその拳で、なにができる?」
「ぶぁかが!HP回復(小)舐めんな!!
暴走竜馬発動で、とてつもない戦闘力を発揮し始める真ゲッター1
「今だ!シンが竜馬さんにつきっきりになってる間に、あの塔へ向かってプロヴィデンスを・・・」
ストライクがこの対決の隙を突き、メサイヤの塔へ向かおうとする
バルキリー(@アルト)や、アクエリオン(@アポロ達)もそれに続こうとする
だが、それを見逃すエビルインパルスではなかった
「小うるさい雑魚共め、好きにさせるか・・・出でよ、地獄の猛犬!
メサイヤの塔に渦巻く瘴気が、再び大きな波を打ったかと思うと、その中から無数のMS族が出現したではないか
「あの形は・・・!」
「ケルベロスバクゥハウンド、か!?」
それはプラントで開発されていた、あのバクゥをベースにして、魔界の生き物を合成して生み出した魔獣達であった
「魔獣召喚?そんなことまでやってのけるなんて・・・!」
襲い来るケルベロスバクゥハウンドを、ドラグナー アイン(@ケーン)達は次々と切り伏せては行くが、それを上回るような勢いで、それらは瘴気からあふれ出てくる
「どうしたらいい?なんとか、彼を・・・」
「・・・そうか、俺の力を使えば、もしかしたら」
騎士ジャスティス(@アスラン)は、ストライクの身体から瘴気を浄化した、あの時の自分の力を思い出していた
シンの姿がエビルインパルスに変化したとき、彼の体は瘴気に包まれたように見えた。だとするならあの中に、シン・アスカという存在は残っていると考えられる。ジャスティスの聖なる力を使い、瘴気を払えば或いは
だが、それを察したかのような言葉を、後ろから世聴者アクエリアスが投げかけてくる
「残念だが、その方法では彼の者を救うことはできない・・・いや、ある意味では救えるだろうが」
「どういうことだ」
「あれが本当に、君らの言うようにコーディ族と言う者だったというのなら、身も心も魔に穢されすぎている。あの状態で浄化を行えば・・・消滅するだけだ
ストライクの場合、侵攻しようとしていた瘴気を払う、と言うことで浄化ができた。しかし、すでに戻るべき器自体が魔に侵されている"シン"という存在の場合、浄化とはつまり攻撃手段でしか無いのである
「だが、ああなっては救うことを考えること自体、無駄と言っていい。ならばせめて致命的な過ちを犯す前に、君達の手で」
「そういうわけには、行かないんです」
アクエリアスの言葉を、ストライクは遮った
「僕たちの目的は、確かにこの世界への過ちを償う、と言うこともあるけれども、学園に戻ると言うことが、最終的に達しなければならないことなんです
この後何らかの手段で、無事に世界の混乱を平定しても、キラ達はここに留まることは無いし、そうすることができない。本来の居場所では無いのだから
「そしてそこに戻るときは、誰一人残すことは無く、全員が集まっていなければならない。彼もまた、その中の大事な一人なんです」
プロヴィデンスの企みのため、自身を倒すように憎しみを刷り込まれた彼であっても、キラにとってシンは大事な友人なのだ
このやり取りをじっと聞いていた妖鳥剣士ザンスパインは、エビルインパルスのことをふと見やってから、ボソリと呟いた
「・・・あの"血の呪詛"を解いたら、もしかしたら」
そういうとザンスパインは、エビルインパルスの全身に走っている、まるで血が流れた後のような模様を指さした
「あれはたぶん、プロヴィデンスっていうのの呪いの痕。あれが彼の心を縛っている」
先ほど、ルナの言葉で何かを取り戻そうとした彼が、無理矢理それを押し込められて"矛盾した"事を口走ったのも、それが原因だろうと言う
「呪いを解く、のか?どうやって。姫様のキスでも必要なのかよ」
『アクセル、冗談言ってる場合じゃ無いですの。ロマンはあるですけど』
彼のライバルであるキョウスケなら、洗脳エクセレンにマジでやりそうだが
「・・・呪いは、かけた本人の命を絶つか、もしくはそれよりも大きな力で弾くか、どちらかしかない」
アクエリアスは敢えて、アクセルのボケをスルーしてマジレスしてきた
「つまり、"シン"はまだ何処かに残ってる、ってことなんだよな?」
それはブラスタ(@クロウ)が、話を聞いた中で勘で弾き出した結果だが、ジャスティスも同じようなことは感じていた
(アイツはさっきから、ルナにだけは"シン"として反応している・・・)
何が彼にそうさせているかは分からない。けれどもルナが、エビルインパルスと言う姿から、シンを解放する楔であると言うことは、間違いない様に思える
これらの情報から、ストライクは状況を打破する手段が、大きく二つに分かれた、と言った
「アスラン・・・二手に分かれよう」
「プロヴィデンスを、追うのか」
「うん・・・どちらにしろ、あの人の狙いは僕だろうし」
エビルインパルスがストライクを殺すか、もしくはプロヴィデンスがその手を下そうと考えているかは別にして、結末としては彼の死を望んでいるのだろう。その望みを叶えてやるわけには行かない。だとするなら、こちらから討って出て、呪いを解かせるということは一石二鳥だ
「わかった。ならアイツは任せろ。アイツは・・・俺の部下だからな」
例えどんな場所に居ようと、どんな姿をしていようと、どんな経緯を辿ろうと、アスランにとってシンは部下であった。上官は、部下のことに責任を持つものだ
「じゃぁ俺らも残るよ」
「シンのあの状態、他人事じゃないからね」
ジャスティスと共にこの場に残るのは、キングゲイナー(@ゲイナー)やニルヴァーシュ(@レントン)、GX(@ガロード)といったシンと年齢の近い者達が名乗りを上げた
「俺はキラに着いていくぜ。クルーゼの野郎には、いろいろと聞きたいことも、言いたいこともあるしな」
「ロラン達のことも心配だ。俺達もそっちへ行く」
ストライクと共に行くのは、マジンガーZ(@甲児)やブレン(勇と比瑪)、その他にはアシュセイバー(@アクセル)といった大人達が行くこととした。マリューとムウ、Ez-8(@シロー)達もである
「ならまず、突破口を開く!!」
それまでファイター形態でケロベロスバクゥハウンドを相手していたバルキリーは、素早くガゥオーク形態に変形すると、全身のそこかしこからミサイルを発射し、塔への入り口へと集中砲火を浴びせる
「援護するぜ、ソードブレイカー!」
「俺も行きますかねぇ。アサルトコンバットパターン・・・ファイズ!」
背後からアシュセイバー、そしてブラスタの援護攻撃が叩き込まれ、ついに無限に湧いて出たて来たとでも思えたケロベロスバクゥハウンドの群れの中に、僅かな隙間が生まれる
「あそこだ、行けっ!」
180mmキャノンを発していたEz-8が、それを見逃さずに一団に号令をかける
「ほら、竜馬さんも行く!!」
「うぉぉ、離せぇ甲児っ!」
銀河大戦の関係もあるので、真ゲッター1も同席願いたいマジンガーZが、その手を無理矢理つかんで突破口へ飛び込んでいく
「ちぃ、逃がすか!」
「お前の相手は、俺がする!」
ストライク達を追おうとするエビルインパルスの前に、聖剣シュペールを構えたジャスティスが立ち塞がる
その背後には、メガゼータ(@ジュドー)やドラグナー3人組も身構えている
「ふん・・・雑魚がどれほど集まろうと、無駄なことだ」
そう嘯くエビルインパルスの周囲には、さらにケロベロスバクゥハウンドが沸いて出てくる
闇のガンダムと猟犬たち、そして聖なるガンダムと学園組の対決が、始まろうとしていた


「・・・エターナ隊長、我らはどうしますか」
あくまで観察者として、状況を見守っていたニューラル騎士団一行は、事が大きく動いたことを察した
「魔王プロヴィデンスとやら、気になります」
そんな名の魔王など聞いたことが無い
いや、確かにこの世界自体は生まれたばかりだが、魔界自体は太古の時代から存在している。そして魔王を名乗る者など、そう簡単に"増えたり"しないのである
ただ、学園の妄想の影響で、ぽんっと現れたとは思えない
「見届けなければなりません、行く末を」
法術士フェニックス・ゼロはそう言うと、法術士シェルドらを率いてメサイヤの塔へと身を躍らせた
メサイヤの塔に突入したストライク達は、その直後から襲い来る魔物達を蹴散らしつつ、塔の下層部へと急いだ
「くそ、どっから沸いてくるんだよ、こんなに!」
しかもそれらの相手はよく見ると、さきの三つ巴の戦いで命を落とした、多くのプラントの住民やアーク王国の兵士達なのである
「酷い・・・死んだ人を、まだこんな風に使うなんて」
ヒメブレンはせめて自分の一撃が、彼らの魂を救ってはくれないか、と祈りながらチャクラ光の光を使い続けていた
「ですが、もう少しです。邪悪な気配が近づいてきました」
マリューと共に有ったラクスが、眼前に見える淡い光の渦を指さす
「あそこか、それなら!」
バルキリーは残る精神力を集結し、自身の最終兵器である反応弾をイメージして作り出す
「いっけーーーーーーーーーッ!!」
一瞬の間を置いたあと、凄まじい閃光が走って塔を震撼させる
ぱっくりと開いた反応弾の着弾痕をくぐり抜けると、そこには奇妙な渦のような魔法陣と、その中心に身を据えるプロヴィデンスの姿があった
「フフ・・・存外、早かったね」
やはりプロヴィデンスは、ストライク達がこちらに来ることを予測していた
「覚悟しやがれ、クルーゼ!!」
怒りにまかせたマジンガーZの、渾身のロケットパンチがプロヴィデンスに放たれる
だがその拳は直前で、見えない壁に阻まれてしまう
「血気盛んなのは相変わらずだね、兜甲児。だが、今私は、早々君らの相手をできないので、こうして殻に閉じこもらせてもらっている」
どうやらそこには結界のような、バリアの類が張られているようだった
やむを得ず、プロヴィデンスと相対するような形で、塔の床に降り立つストライク達
「ラウ・ル・クルーゼ・・・貴方が生きて、そしてこの世界に跳ばされていた、なんて」
「"生きていた"のではないよ」
ストライクの独り言に、プロヴィデンスはご丁寧に返答してみせる
「んだと?じゃぁお前自体が、亡霊か何かとでも言うのかよ?」
「そうだね・・・あの時、君らに討たれ、宇宙【そら】に四散した私の魂に・・・語りかける声があったのさ」
プロヴィデンスは懐かしそうに、じっくりと状況を思い出しながら語り始めた
「まさか、霊帝!?」
あの時代に死霊に語る声と言えば、霊帝ケイサル・エフェスである。だが、プロヴィデンスは首を振ってそれを否定し、話を続けた
「その声は、私に賭を持ちかけてきた。賭に勝ったら、私を蘇らせてやる、とね」

(蘇らせてやる・・・?)
その言葉に、後ろで聞いていたフェニックス・ゼロは眉をひそめていた
魔界の者は、命の宿る器を作ることはできない。それを許されているのは、天界に連なる者だけである。ましてや異界の存在の死霊に、この世界に適合した器を与えるなどと

「賭け・・・?」
フェニックス・ゼロの思惑など知る由も無いストライク達は、ただプロヴィデンスの言葉を聞いているしか無い
「安請け合いをして、最初は後悔をしたよ。私には想像の外の、あの魔界に身を堕とした後、そこから這い上がってこれるか、何て内容だったのでね」
彼の魂は有無を言わさず、暗黒に包まれた魔界へと投げ落とされたのだという
「大変だったさ。書物で見知っていても、魔物とやらと対峙するのはね。だが、その先にあるものを得るために、私は無限の時間の中で這い回り・・・そして、その者のところに辿り着いた」
魔界と地上の狭間の空間
それまでの完全なる闇と、薄ぼんやりとした光の漏れるその場で、クルーゼはその者と相対した
「たいした物だ、とお褒めの言葉を頂いたあと、私はこの肉体を得た」
その言葉は型どおりの賞賛だったのかも知れないし、本気でクルーゼの精神力をたたえていたのかも知れない。だが、クルーゼにとって問題は、この後のことであった
そしてクルーゼは、無限の荒野に人々の意志が集まり、新たなるSEEDの時代が出来上がる瞬間を見た
「その者は言った。私はこの時代で、神にも悪魔にも成れると。何故ならここは、私のあの時代を投影した世界だからだ、とね。つまりこの世界に居る者達の行動は、私には手に取るように分かるというカラクリだ」
それだけであれば、クルーゼの心は大して動かなかっただろう
だが、あり得たはずも無い過去から、わかりきった未来が来る中で、確実に分かっていてクルーゼの心を乱す事実があった
それはこの世界に於いても必ず、キラ・ヤマトに該当する存在が、必ず英雄となるであろう事が決まっていること、であった
「そんな世界の存在が、許されようはずは無い!」
プロヴィデンスとなったクルーゼは決意した
来るべき未来を破壊し、世界を破壊し、今度こそ絶望をもたらすと
しかし、そのために自身が手を下すのは、あまりにも馬鹿げていた
いや、破滅を導くのは、愚かなこの世界の住人共で無ければならない
自らの存在の不自然さも知らず、与えられた役だけをこなすこの住民共が、互いの愚かさ故に滅びていくので無ければ

「故に私は、あれから得た力を使い、過去に干渉して争いの種を撒いた・・・」
人間族に紛れて、コーディ族への不信を説いて周り
コーディ族を縛る結界を考案した、と嘯いてそれらを密かに設置し
その一方でコーディ族達に技術を提供し、あの巨大な島を造る手助けをし
自身の分身を使い、アズラエルとザラ議長双方を惑わし続けた
「そして、オーブを骨抜きにしておくことも忘れなかった」
そう言ってプロヴィデンスは、忌々しげにムウの顔を見やった
「だのに、こうして三度お前の顔を見ようとはね、ムウ・ラ・フラガ!」
「んだと・・・!?」
彼はプロヴィデンスが自身に何を言わんとしているのか、全く察しが付かなかった
「真っ先に殺してやったというのに!そこの、愛する彼女の前でこちらの世界のお前を!手をもぎ脚をもぎ、腹を貫いて!!」
「・・・なっ・・・!」
あまりに凄惨な場面に居合わせたこちらのマリューは、その精神的ショックで心を閉ざしてしまった
また、同様に騎士団長であるムウを護れなかった、と嘆いたこちらの世界のEz-8も同様に、自身を死の一歩寸前に追い詰めるほど、悩み苦しむことになったのだ
「そうして、魔力を用いて、騎士ストライクの精神を殺した・・・そこまでさせてもらったというのに、君らがやってきた!」
そこで初めてストライクの中のキラは、自分がどうしてもこちらの世界の自分と意思疎通ができなかった理由を理解した。彼の心自体が、既に死んでいたのだ
「だが、逆に好機ではあった。君らは、自身が張り巡らされた、巨大な蜘蛛の巣に引っかかっているなど、知る由も無かったのだから」
それはプロヴィデンスにとって、本物へ本物の復讐を果たせる、絶好の機会が訪れた事を意味していたからだ
「唯一の計算外が、あのシン・アスカ君と、ルナマリア・ホーク嬢だったわけだが・・・」
自身の掌の外にある"キャラクター"の乱入が、少なからずともプロヴィデンスの目論見を狂わせる原因になり得た
「彼の心を覗いて驚いたよ。レイが、ギルがあんなことになったとはね。しかし、上手く使える話でもあった」
シンの心の中にあった、キラとの行き違いによるわだかまり、アスランとの確執といったものは、プロヴィデンスにとってはあまりにも面白いシチュエーションだったのだ
「彼を上手く使えば、私にとって最高の状況で、キラ・ヤマト・・・君を追い詰めることができる。君の苦しむ顔が、痛みに歪む顔が見れる・・・フフ、喜びで胸が躍ったよ。そして今、それは果たされようとしている・・・!」
何も知らず、完全にプロヴィデンスの手に堕ちたシンは、今や彼の復讐のための操り人形と化していた。それに心を痛めないキラでは無い。これが分かっているプロヴィデンスは、勝ち誇ったような嗤い声を上げた
だが、それに対するストライクの・・・キラの反応は、プロヴィデンスの予想とはやや違っていた
「貴方は・・・」
わなわな、と肩を震わせたストライクは、キッと強い意志を秘めた瞳を、プロヴィデンスに向けた
「貴方はそんな下らないことのために、この世界の人々を、僕の大事な友人を、あんな風に!」
「下らない・・・だと?」
思わぬ言葉にプロヴィデンスは眉をひそめた
「この世界は、スーパーロボット大戦の世界とも、ましてや僕らのコズミック・イラの世界とも全く違う。貴方が復讐を果たすべき世界ではあり得ない!ここに居る人たちは、僕たちとは関わりすら無い、ただの"影"だ。それを貴方は!!」
「キラの言うとおりだ。器が小せえんだよ・・・クルーゼ、お前がやっていたことは、自分に怪我をさせた岩と同じようなモンが転がってたから、それを代わりに壊したってのと同じような、低レベルも良いもんだぜ
ブラスタが吐き捨てるように、同意の言葉を口にした。それの思いは、マジンガーZ達も同様だった
「僕は貴方を、今度こそ倒す!そして、シンを取り戻してみせる!!」
決意を新たにするストライク。だが、それを見てプロヴィデンスはくくっ、と嗤った
「それでも彼を救うのか。君に未だに、わだかまりと怒りを抱えた彼を!?」
「わだかまりを持たない人が居るものか・・・諍いの無い人間関係なんてありはしない!」
ニュータイプと呼ばれる、心の比較的通じやすい人々でさえ、延々と戦争をし合うのだ。ましてや只の人同士で、どうしてそんなに都合の良い人間関係を築けようか
「・・・言うようになった、キラ・ヤマト。学園という場所は、ただ名ばかりでは無いようだな」
昔の彼であれば、ただひたすらに『平和のために』とか『誰かが苦しんでいるか』、というような事をばかりを主張したかも知れない。しかし、今の彼は違う
「でもね・・・彼を元に戻すのは、不可能だよ」
希望を捨てようとしないストライク達が、プロヴィデンスは実に目障りだった
「造り直したからね、彼の肉体も魂も、魔族として」
「・・・!?」
その意味が分からず、ユウブレンや真ゲッター1らは、言葉を詰まらせるしか無い
「あの者曰く、あれは"魔界転生"という秘術らしい。それは、虫がサナギを作り、身体を作り替えて行く過程に等しい」
それこそシンは一度"溶かされ"て、どろどろにされたようなものである
「そしてこの間、実に魂は無防備だ・・・楽しかったよ、隙だらけの彼の心を、私の都合の良いように作り替えるのは・・・
自出が魔族であると思い込ませ、スパロボの仲間達の記憶を封じ、彼の中の尊敬していた人物、デュランダルの印象をプロヴィデンスにすり替え、キラへの憎しみを異常なまでに増大させ、そして対象をストライクへと変化させたのだ
「クルーゼ・・・いや、プロヴィデンス・・・このド外道が・・・なんてことをしやがる!」
シンに施された術の、あまりの非道さに真ゲッター2(@隼人さんが出て来ました)は憤りを露わにする
「何が?酷いも何もどうせ彼は、もう以前のことを何も覚えては居ないんだよ」
「だからと言って・・・諦めない!」
勝ち誇って嗤うプロヴィデンス相手に、それでもストライクは屈しなかった
「せめて、貴方の支配からだけでも、解き放つ!・・・そうしなければ、ルナマリアが・・・」
ストライクも、エビルインパルスと化したシンが、ルナを求めていることだけは分かっていた。なんとか、プロヴィデンスの支配から逃れられば、或いはルナを救いとして光を与えられるかも知れないし、ルナの心も救えるかも知れない
「それは困る。せっかく、私が得た魔力のほとんどを、使い切ってまで造った手駒だ」
魔界転生の術は、魂その物を操作する術であるため、強大な力を必要する。言わば新米魔王であるプロヴィデンスには、少々度が過ぎたようだ
「んならなおさらだ!この結界とやらをぶち破って、てめぇをぶん殴る!」
ソーラーアクエリオンの放った拳が、光を伴って結界に激突する。もちろん最初はそれは侵入を阻まれるが、怒りに燃え上がったプラーナの篭もったそれが、徐々に結界を通り抜けようとする
「・・・まぁ、こうなるのは分かっていた。だからこそ、あの二人の力をいただいたのさ!
プロヴィデンスが居座っていた場所で、おぞましい光が漏れ輝く
すると、それまで小さく結界の中にうずくまっていた彼の体が、みるみる巨大化していく。プロヴィデンスの下半身は、まるで巨大な蛇かその類の様相となり、ずるずると気味の悪い音を立てている
やがて、その姿は塔の最下層を覆い尽くさんばかりのものとなり、スーパー系であるソーラーアクエリオンですら、プロヴィデンスであったものを見上げるほどとなった
しかし、何より一行が驚いたのは、その蛇の腹の部分であった
そこには、あのターンXとターンAが、彫像のように埋め込まれていたのだ

「くははははっ、ターンタイプの力というのは凄いね。少々の細工で肉体に取り込んだだけで、これだけのパワーを得られる!苦労して蘇ってもらった甲斐があったと言うものだ」
プロヴィデンスは失った自信の魔力の補填として、ターンタイプをその身に取り込んだのだ
「・・・馬鹿なっ!」
「あの二人の力を奪ったって言うの?それじゃ、アイツ・・・」
そう
目の前の相手は、瘴気を身に纏いながら月光蝶を降り撒き、何かあればナノマシンで再生する、最凶最悪の形態を手に入れていたのだ
「さぁ・・・今度こそ世界の終焉、神々の黄昏、ラグナロクと行こうじゃ無いか」
破壊神と化したプロヴィデンスは、最後の仕上げのための生け贄を見下ろして、そう嘯いた
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テーマ : スーパーロボット大戦 - ジャンル : ゲーム

2011/09/28 02:04 | 偽騎士ガンダムSEED本編COMMENT(2)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

ほほぅ♪

そちらの魔界転生は魂さえも変化させるのですな(笑)

まぁ個人の認識の違いですな
私は「記憶と人格と精神の複合体」に魂が宿れば人って考えですから。
ぶっちゃけキラの複合体にクルーゼの魂が入ってもキラってなりますね、私の場合♪

RPGで「魂を与える」なんて呪文から考えたんですけどね。
蘇生させるやつの意識みたいなのが混じると危ないなぁってね

No:3117 2011/09/28 22:35 | 飛白 #- URL [ 編集 ]

霊的なものは難しい

> そちらの魔界転生は魂さえも変化させるのですな(笑)
まぁ、魂という道具を使って、粘土のように何かを造る、と言う錬成のイメージです

> RPGで「魂を与える」なんて呪文から考えたんですけどね。
> 蘇生させるやつの意識みたいなのが混じると危ないなぁってね
それなんて犬夜叉?

No:3118 2011/09/29 01:31 | あるす #- URL [ 編集 ]

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