新・スパロボ学園 超外伝 ~決戦!騎士ガンダムUC VS OO 【22】~

年末に向け、熱帯魚水槽の大掃除を始めたため、手ががさがさの管理人です
ガラス表面に付いた苔が、一番の強敵
で、これに対して色々とやったのですが、その報告はまた次回


さて、今度はちゃんと早めに続きを書いたよ、22話

中盤でどうしてもやりたかった展開が来ました
ここに至るまでが大変で、この先がまた大変
山のてっぺんに行くまでの、一番大変な中腹の展開です

グロ注意な部分もありますので・・・


☆あらすじ☆
私立スパロボ学園
それは、スパロボに存在するあらゆるキャラクターが、学園生活という舞台を通じて、好き勝手するための空間である!


スパロボ学園高等部所属、神名綾人の風邪によって起きた時空の乱れにより、騎士ガンダムの世界にあり得るはずの無い歴史が、人々の意図を余所に刻まれていく
ついに、ジオン族達を狩る戦いが始まってしまった
ただ、世界の中で生きていたい
その思いを全ての物が持っているだけだというのに・・・
殺戮の幕が切って落とされていく


刹那が変身したエクシアは、まるで彼らの進軍を身を張って止めようとしているかのように、両の腕を目一杯広げて仁王立ちしていた
「どうしてこんなことをする!」
『荒熊』率いる、アーク王国軍勢の前に立ち塞がった、エクシアをはじめとしたライザードラゴンら数体のMS族や人間達
「どけ、刹那!これは必要な事なんだ!!」
仮面の下は鬼の形相であろう、デュメナス(@ニール)の叫び声は、何も知らない相手が聞いたら震え上がってしまうであろうほど、ある種の狂気に満ちたドスのきいたものであった。が、こちらも負けてない
「この森には、女子供や非戦闘員も居るんだぞ!?それを無差別に殺るのが、ソレスタルビーイングのやることかよ!」
「その声・・・カミーユ・ビダンか?」
ゼータプラス(@カミーユ)の言葉に気づいて、ヴァーチェ(@ティエリア)は少し驚いたように言った
「全く呆れたな。君ともあろう者が、この森に息づく悪意に気づかないわけはあるまい?」
「ああ、悪意には気づいて居るさ。だが、それとここに居る人たちとは関係ない!」
ヴァーチェの指摘に関しては、カミーユは森に近づいてきたときからずっと感じていた。だが、それは森その物が持っている澱のようなものであって、そこに居ざるを得なくなった人々の意思では無い、と彼は反論した
「いいや、お前の感じ方は違うね。ここに居る連中はみんな、化け物の源に過ぎねぇ。そう・・・戦いの権化って奴だ」
兄と同じく厳しい口調で言うケルディム(@ライル)
「なんでそんな酷いことを、平気で口にできるんだよ!」
「事実を言っているまでだ。ジオン族は放っておけば、みんな魔物になるのを、俺たちはこの目で見てきたんだからな」
「だから殺すのか。それが罪だというのか。生まれを咎めるのか!?」
あくまでもジオン族を滅することにこだわる三人に、エクシアはそう叫んだ
オードリーの言葉、ゲラード達の話、それらを聞いてきた彼にとっては、そのような見解は視野の狭い話だというのが判ってきていたのだ。だが
「そうだ。そうしてこのクソみてぇな内戦を終わらせて、さっさと魔王を追い返すんだよ。わかるだろうが、いくらガンダム馬鹿のお前でも!」
だいたい刹那だってそうしてきたのだ
そう、一番正義の味方を気取っていたのは、刹那だったのだ。
だからこそのケルディムの言葉だったが、今の刹那は何かを学んでいた
本人にあの頃、正義の味方気取りは無かったろう。だから『事実』にショックを受けて逃避してしまったのだから
その上でさらなる『真実』を見聞きし、それによってどうするかの答えを、グラハムに示すと約束したのだ
「そのために、この森を生け贄にしようというのなら、間違っている!」
そうして森を有象無象を一纏めにして焼き払って、どこの誰に何を捧げようというのだろうか。いや、その誰かこそが・・・?
「俺たちが本当に戦うべき相手は違う・・・俺は、彷徨ってそれに近づきつつある」
「世迷い言を言うものでは無い、刹那・F・セイエイ。彼らは・・・」
ヴァーチェが何かを言おうとしたときだった
彼方より、デルタプラスに背負われたユニコーン(@バナージ)が現れ、エクシア達の間に割って入る
「何なんだよ、あんた達は・・・どうしてそんなに戦いたがるんだ!
「戦いたがってるだと?ふざけんな、お前!?」
しかし、その言葉にエクシアがハッとしていたのには、ガンレオンぐらいしか気づいていなかっただろう
「バナージの言うとおりだ。戦いを持ち込んでるのはお前達だ。この偽者め!」
ユニコーンの言葉に威勢を得たように、デルタプラスもまた飛行形態からMS族形態に姿を戻し、剣を構えて叫んだ
「お前らがそうやってるから、今こんな混乱が起きてるんだろう!ガンダムとは、戦いを収める者だ。呼び込む者じゃ無い・・・お前達がガンダムであるものか!
デルタプラスの血を吐くような言葉を耳にし、エクシアは自重するように呟いた
「・・・ガンダム、とは・・・?」


エリク達ジオン族の戦士達の一部は、森の北側でエクシア達とは全く別に人革連と戦っていた
そこへは、エリクが流した情報を聞きつけ、我もジオンの姫を護らんと、戦いに馳せ参じる隠れジオン族が、続々と集まりつつもあった
「隊長、海からも増援が来るようです」
「そうか・・・皆、この時を待っていたのだ。今こそ、我々の意地を見せるときだ!」
集まってくる味方の姿に興奮し、エリクはそんな風に叫んでいた
確かにその行為は、非戦闘員を逃がす時間を稼ぐという意味では、見事な働きとなっていたのは事実だ
だが彼は未だに気づいていなかった。この状況自体が、キュベレイ(@ハマーン)に指摘された、罠の状況だと言うことに
敵は物量に勝るアーク王国の、しかも量産された半コーディ族のティエレン部隊である
倒しても倒してもキリがあるはずが無い
それらを相手にしている彼らは、様々な怨念を払うための生け贄ですらない
アーク王国が人革連の元にまとまるために狩られている、ただの獲物に過ぎないのだ

この様子を見せられることで、人民は否が応でも知るだろう。人革連という存在の強大さと、それらがもたらす『恩恵』を
そういうモルモットであることを、最も嫌っているはずのエリクが、罠の中で奮戦しているという様はピエロ以外何物でも無かろう
だがその様子を、上空から満足げに見ている黒い影が二つあった
そのうちの一つがひらりとエリクの前に舞い降りる
「!?」
「そう警戒することは無い」
ルシフェルはそう言うと、手にしていたあの試作品の疑似Gマテリアルをエリクにかざした
「素晴らしい戦いぶりだ。それでこそジオンの誇り。故に貴様に、我が王からの力を分け与えてやる・・・受け取るが良い」
その瞬間、真っ赤な粒子がエリクを包み込んでいった
森の中心点
大きな木の中をくりぬいて造られた、まるで森のマンションとも言えるような場所が集中しているところに、ユーグらをはじめとした旧ラクロア派の騎士達が、女子供を集めて避難の準備を始めていた
この中にはキュベレイに託されたオードリーや、結界をつなぎ止めていたマリナの姿もあった
「ではどうあっても、軍を止めるおつもりは無いと」
「そうね。例えそこに『聖域の姫』たる貴方が居る、としてもね」
マリナは魔導球を使って、人革連の椅子にふんぞり返っているマーサと交渉していた
旧ラクロア派のマット達は、そんな交渉など無駄だと説いたのだが、マリナはこの地にあっても諦めなかった。戦いを収める方法は、何も剣だけでは無いと
そもそも、ここを逃げ出してどうするというのか
結局は『次の森』ができて、またそこに誰かが襲いかかってきて、そしてまた逃げる事の繰り返しにしかならない。
そのループを断ち切るのは、今しかないのだとマリナはユーグに強く言っていたのだった
「私の造る結界に、それほど信用がありませんか。それにこの戦いには勝ちも負けもありません。行う事自体に意味の無い、限りなく無意味な行為ではありませんか。議長ともあろう聡明な女性が、それを判って居られないとは思いません」
例えここで森の勢力がアーク王国を追い返したとして、それは次なる戦いの火種にしかなり得ない、と彼女は言いたかったのだが、マーサは鼻で笑ったような顔をした
「そこさえ無くなれば、何もかもが終わってよ」
「違います。この次に議長は権威を維持し続けるために、どこを攻めようとお考えでしょう。戦いとはそう言うものです。起こしたらもう、止めるのは困難なのです」
彼女にとっての敵は未だに色々居るだろう。地上界に於いてはオーブがそうであろうし、何より魔界の勢力が残っている
「そういう意味でも、こんなつぶし合いを続けることを、改めていただけませんか」
「・・・」
マーサはしばらく考えているようなそぶりを見せる
そうして、あちらからはちらりと見えるのだろう。オードリーの方をふっと見やると、ニヤリと笑っていった
では、鍵の巫女を差し出していただきましょう。そうすれば、軍を全て引きます」
「生け贄を・・・欲すると仰る」
「彼女という鍵さえ無くなれば、魔界の勢力は為す術を無くす。簡単なこと」
マーサがどこからか仕入れた情報からすると、鍵というものがオードリー自身によって封じられているということが、伝わってないようだった。それ故にオードリーの身柄さえ自在にできれば、いくらでも勝敗は操れると、彼女は判断していたようであった
「貴様、言うに事欠いて・・・」
キュベレイの発するプレッシャーが、魔導球にひびを入れるほど発せられたときだった
「・・・この上まだ奪うというのか・・・我らから・・・」
のそり、と現れたのはエリクだった。その目はぎらぎらと光り、魔導球の向こうに居るマーサを睨み付けている
「エリク、落ち着け。これは・・・」
彼に触れようとしたユーグは、ハッと手を引いた。彼の身体から発せられている、異常な気配に気圧されたのだ
何事かと思い、彼がエリクをよく見てみると、その胸元に見たことも無い赤い、宝石のような物がドクドクと音を立て、彼の全身に赤い光を走らせているようだった
「もはや問答無用・・・全てを、我らを阻害する全てを破壊する!魔王の力を以てしてェェェ!!
そう叫んだエリクの身体がみるみる崩れ、ドロドロドロと大地に触手を伸ばし、それらをさらにその場にいたジオン族達に向け、それこそ問答無用でその身に取り込んで行くでは無いか
「きゃあああ!」
「やめてぇぇぇ!!」
「おああああっ!?」
「姫様、姫さまぁぁぁっ!たすけてー!!」

人々の懇願を全く無視し、それらの魂と肉体を取り込んだエリクだった物は、あっという間に巨大化してまさに化け物へと変貌していく
「ジィィィィクゥゥゥ ジオオオォォォン・・・!」

森魔獣(しんまじゅう)ジャンブロ
疑似Gマテリアルに取り込まれたエリクの中にあった、ユニオン族へのわだかまりとジオン族の誇りが形を成した魔獣


「おお・・・素晴らしい。まるでジオンの魂が形になったようだ」
ジャンブロを目にしたルシフェルは、疑似Gマテリアルの力に感動し、その強大な力が森をも吸収して強大になって行く様に、何度も言えぬ思いを持って打ち震えていた
ドス、ドスと大地を踏みならし、グオオオオと咆哮を上げるそれに、かなり離れたところに居たエクシアやユニコーンたちも、さすがに異変を察知して空を見上げた
「な、何だ・・・あれはッ!?」
「クッ、この気配・・・まさかあれは、エリクなのか!」
魂で気配を感じられるゼータプラスには、その魔獣の『コア』とも言える物がエリクであると、すぐに気づいた。だが、それだけでは無かった
「なんだ・・・何ですこの声?悲鳴、悲しみ、憎しみが、たくさんッ・・・
凄まじい数の『人の声』を一斉に受け取ってしまい、ユニコーンは思わず耳を塞ぐ
だが、それは彼とゼータプラス、そしてエクシアぐらいにしか判らない感性だった
「沢山の人の魂が・・・いや、怨念が、あの魔獣に取り込まれている・・・!」
ゼータプラスにはジャンブロの『肉体』を構成しているそれに、無差別に取り込まれた人々の情念が巻き込まれていることを察知し、頭痛と目眩を抑えられなかった
「生きたい・・・嫌だ、嫌だって声が聞こえる・・・ッ!」
一方でユニコーンの中のバナージも感じていた。無理矢理ジャンブロに取り込まれ、その虜にされてしまった人々の叫び声が
「駄目だ、あんなのは駄目なんだよ!」
「解放しなければ、どうにかして・・・!」
感性の強い二人はだっと、後ろも振り返らずにジャンブロの方に掛けだしていく
「おい、待てよバナージ・・・クッ!」
ソレスタルビーイングを糾弾したかったデルタプラスだが、相方が急にあんなことを言い出したのでは合わせるしか無い。悔しそうに後ろを振り返りつつも、ユニコーンの後を追っていく
が、そんなことを感じようも無い、ケルディムやヴァーチェにしてみれば、まさに自らの予言が的中したと言わんばかりの光景にしか見えなかった
「見ろ・・・あれが本性だ、あいつらの!」
「これが、ジオン族を放置した結果だ。これでわかったろ!」
「そういう問題じゃねーだろ、今は止めるんだよ、あれを!」
我が意を得たように歓声を上げ、自らの力を放出してジャンブロを攻撃しようとするデュメナス達
だがガンレオンの言うとおり、今はそれどころではない
ジャンブロは口に当たる部分をパクリとあけると、そこから凄まじいエネルギー波を放ち、ありとあらゆる物を焼き尽くしていく
その足下ではまだ足りないとばかりに、周囲のジオン族やサイド3の森の木々すら取り込みながら、のしのしと人革連の軍が展開する方へと進路を進める
「そうだ、戦え!我らジオン族の誇りと意地を賭けて、ユニオン族を全て廃し、この場と姫を死守するのだ!そして集え、魔王の元に!!」
ジャンブロを操るルシフェルの姿を、グラハムが認めたのはその頃であった
「出たな・・・黒いガンダム族!」
宙に舞い、ルシフェルの前に立ち塞がるグラハム
「貴様は・・・」
「本来であれば、お命頂戴と行きたいところだが、旅の相方との約束もある」
グラハムは言うと、右手の聖なる力を最小限に発揮し、まるで網のような物を創り出す
「まずはその身を確保させて貰おうか。魔獣を止めるためにも!」
「フン、やれるものならやってみるがいい・・・クシャトリヤ!」
「イエス、マスター」

この光景を見上げていたエクシアは、すぐにでもその場に飛び込みたかった
だが、今はそれどころではなかった
彼は気づいたのだ
「そうか・・・これが・・・これが『敵』か・・・
ぼそりと呟いたエクシアの言葉を耳にしたデュメナスは、放れ見ろというような顔をする
「やっと判ったのか刹那。だから俺たちはガンダムとして・・・」
「違う!その考え方自体が・・・違う!」
一緒に行こうと手を伸ばしたデュメナスのそれを、エクシアは乱暴に振り払った
「ガンダム族がなんだ、ジオン族が、ユニオン族がなんだ?そんな区別があるから戦いが起きる!!全ての者達は、生きていたいだけなのに!!!!」
種族・生きる場所・一族の謂われ・・・色々なしがらみや区別はある。だが、それらをずっと引きずって、こうして世界を回してきたからこその、今の戦いでは無いのか
俺たちが破壊すべきは、倒すべきはそのしがらみ・・・今、この世界を縛っている『決まり事』なんだ。誰かを誰かが倒す・・・そういう問題じゃ無いッ!!」
ジオン族というしがらみに取り憑いた怨念が、あの魔獣を生んだのだ
その怨念を恐れるから、アーク王国が戦いを持ち込んだのだ
その戦いを利用しようとするから、ルシフェルという魔王の遣いが現れたのだ
そして魔王の『意志』によって、生きる意思にかかわらず戦いに巻き込まれる者が居る
全ては繋がっている
何もかもが、今この世界にうち経っている『規律』から生まれた、全ての影の部分なのだ

「これが答えだ・・・グラハム!」
飛び上がったエクシアは、ルシフェルと対決していたグラハムに加勢した
「なるほど!?いい視点だ、好みだな!!」
ルシフェルの剣と、クシャトリヤのファンネルをやり過ごしていたグラハムは、エクシアの『答え』にまんざらでは無い笑みを浮かべた
「だから俺は今度こそ、お前を救う。ジオン族という縛りから!全てを、この『世界』を破壊して!!」
両手に剣を構えたエクシアが言う言葉の意味を、ルシフェルが理解できるはずも無かったのだが・・・
ジャンブロの足下まで到達したユニコーンたちだったが、自らの何十倍も巨大な体躯の前に為す術を探せずにいた
「・・・クソッ、精神感応で・・・」
コアにされているエリクを正気に戻せば・・・
そう考えたゼータプラスの横で、信じられない光景が展開され始めた
「・・・じーくじおん」
「じぃーくじおおん」

まるで何かに取り憑かれたように、森に隠れていたはずの人々が虚ろにそう呟きながら、自らジャンブロに取り込まれようとして行くでは無いか
それはおそらく、ジャンブロから放たれる怨念に感化されて、多くの人々が惑わされているのに違いなかった
この光景は、キュベレイと共に居たオードリーの前でも起こり始めた
彼女がどんなに声を掛けても、キュベレイが止めに入っても全く効果が無い
「・・・ああ、何という悲しみの声・・・!」
何時しかオードリーは感じ始めた。何故森の人々がこうもたやすく、怨念に感化されてしまっているのか
それは絶望だった
追い詰められ殺されるのを待つだけの状態に陥った、おのれの種族を呪うが故の絶望
「いけない・・・私の結界でも抑えられないなんて」
マリナすら絶望仕掛けそうになって来る状況に、オードリーは一計を案じた
「キュベレイ。私を伴って空へ」
「何をなさる・・・?」
「目を覚まささせるのです。このようなことが絶望であると、そんなように考えてはならぬと教えねばならないのです」
「邪魔をするな・・・この魔獣は、公への捧げ物として、我が戦力とする!」
エクシアと切り結ぶルシフェルは、あくまでジオン族である自分に固執していた
「もう、そんなことを考えなくていい!俺たちと一緒に帰ろう!
「帰る・・・なに、を・・・」
一瞬、何かに反応したルシフェル
その横を、突然白い影が飛び去っていく
オードリーを抱えたキュベレイであった
ジオンの姫、ミネバが言葉を聞け!目を覚ますのだ、森の住人の皆よ。絶望に捕らわれてはならない。生きたいという希望を失ってはならない!!」
上空から目一杯の声を上げ、オードリーは森に意思を響き渡らせようと声を張った
「確かに我らは今この時も追い詰められている。だからと言って、魔王に身を委ねてはならぬ!我らは我らぞ。地上に根を下ろし、住み生きてきた地上の者ぞ!絶望をもたらすのもまた地上の者であるが、それに負けて魔界に救いを求めるのでは、地上の者としての誇りを、生き物としての誇りすら失う!どんな形でも良い、生きるのだ。怨念の虜になってはならぬ!!」

その声を聞いて、我に返る者も少なくは無かった
だが、すでにジャンブロと同化してしまった者達は・・・
ジーク・ジオン ジーク・ジオン
ただその言葉を口にする無数の顔達が、ユニコーンやゼータプラスの前に立ち塞がっていた。そのおぞましい光景は、ユニコーンの心を打ち砕くのには十分すぎた
さらには、彼らの力では、ジャンブロに傷一つつけられずにいたのも問題だった
どんなに力を込めたケルディムの光の矢も、聖なる力を使って打ち鍛えられたはずのデルタプラスの剣さえ、全く歯が立たなかったのだ
それはエクシアも同じだった。今揃っている剣を何本打ち立てても、まるでバリアのような物がそれらを全て弾いてしまう
「フ・・・我が王から直に力をいただいているそれが、貴様ら如き貧弱な力に負けると思うか」
ルシフェルの言うこともそうだがエクシアの場合、まだ全ての剣が揃っておらず、聖剣としての力を発揮できない、と言うのもあったのは想像に難くない
だが
「ぎゃあああ!!」
何気なく振りかざしたユニコーンの刃だけが、ジャンブロの一部を切り裂くことができた。その代わりに・・・ユニコーンは意図せぬ悲鳴を聞くことになったが
「なんで・・・?」
ユニコーンは手足を振るわせ、膝をがくがくとさせながら、のたうち回る肉片を見下ろすほか無かった
そこに取り込まれていた、4体程度の『人だったもの』が、悶え苦しみながら息絶えていく様に、彼は思わず吐きそうになる
「なにしてる!お前の力は通じるって判ったろ。なら!」
戦う意思自体が萎え始めたユニコーンを、デルタプラスが無理矢理抱き起こして、ジャンブロに向かって引きずっていく
「やめ・・・止めてくださいよ、デルタプラスさん・・・やめてぇぇぇ!
「子供みたいに泣くなっ!」
ジタバタ暴れるユニコーンを、デルタプラスは鉄拳制裁を加えてでも、この事態の解決策はお前しか居ないと言って、決断を下すように迫る
できません・・・できませんよ!だって!!」
取り込まれた人々に何の罪があるのか。更にその中には、為す術も無く捉えられたゲラードすら巻き込まれているのだから、さらに手が鈍るのは当然と言えば当然だった
「甘ったれるな。やらなきゃお前がやられるんだぞ!」
「嫌です!俺は殺したくない!生きたいと願っていただけの人たちを、俺は!!」
そんなやりとりをしている彼らを、ジャンブロは無慈悲にも押しつぶそうとその巨大な脚を持ち上げ始める
ハッとしたとき、ユニコーンの自己防衛能力なのだろうか、いつぞや見せた青白い光を見せつつ形と姿を変え、よりガンダム族に近い姿へと『変形』し、すると両の手から強大な白い刃が現れる
「やめ・・・止めろユニコーン、俺は!」
「ええい、なら俺がやる!!」
自らの力を使うことを拒否するユニコーンの両手を、デルタプラスが上からつかみかかって制御を奪う
「消えろ、このジオン族の怨念共が!!」
「いやだああああっ!」
デルタプラスの両腕によって、無理矢理横に振りかぶられたその光剣は、いともあっさりとジャンブロの両腕両足を切り裂き、さらにデルタプラスはトドメとばかりに、倒れ伏したその身体の上から、ユニコーンの光剣を叩き下ろして文字通り、真っ二つに切り裂いてしまった
「う、うああああっ!?」
その瞬間に発せられた、ジャンブロにされていた者達の、形容しがたい叫び声の『塊』が、ユニコーンの中のバナージと、ゼータプラスの中のカミーユに襲いかかった
「いや・・・嫌だ、あああ、ああああっ!!
人々の想念という、名状しがたい物のプレッシャーを、全身で全て受け止めてしまったバナージは、意図せずにユナイトが解かれてしまった
八つ裂きの肉塊と化し、死までの短い時間をのたうち回る『ジャンブロだったものたち』のただ中で、バナージもまた転げ回りながら顔をぐちゃぐちゃにして泣きわめいていた
「殺したくなかった、違うんだ!だって、だって!!」
大地を叩き削り取るようにむしり、草を口にしながら涙でドロドロになった顔を、自分を見下ろしているデルタプラスに向ける
「あんなに、あんなに優しくしてくれた人を・・・」
沢山の情念の中に、もちろんゲラードのそれもあったのだろう
森の中で短時間でも、言葉を交わした幾人かの人々
そう言った人々の断末魔を聞いて、正気でいられるはずも無かった
そんな情けない姿を曝す彼の醜態を、デルタプラスはギリギリと拳を握りながら見下ろしていた
「なぜ・・・」
その声にこもった黒い感情が、ただでさえ頭の重いゼータプラスへ、更に強いプレッシャーとなってのしかかる
「なんでお前にその力が有って・・・俺に無いんだよ・・・」
そのデルタプラスの背後に、何かおぞましい影が迫っているのを、その場にいた誰もが気づいてはいなかった・・・
スポンサーサイト

テーマ : スーパーロボット大戦シリーズ - ジャンル : ゲーム

2012/12/16 21:08 | 偽騎士ガンダムUCVSOO本編COMMENT(2)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

スパロボUXについての追加情報です。
今回参戦する鉄のラインバレルですが、「原作漫画版」だそうです。(友人曰くアニメとは内容が別物なんだとか)
新スパの真ゲッターやニルファのクロボン、Wのアストレイ、NEOのダイテイオー等に続いての非映像化作品の参戦は今後も期待できそうですね。
レーバテインとか月のライディーンとかゲッターロボアークとか出ないかな・・・。

No:3836 2012/12/16 22:29 | ホームズ #- URL [ 編集 ]

騎士ガンダムSEED ASTRAY&騎士ガンダムOOP


・サイド4 ムーア王国跡

遥か昔、この地にムーア王国があったのだがジオン界が落下した事で自然の理(ことわり)が変異していた……ムーア王国は滅び、民はアーク王国に難民として住んでいた。そして戦える者はジオン族へ戦いを挑むのである。

イオ「やれやれ……故郷はどうして“縛る”のかねぇ」

数時間前、ムーア同胞騎士団はかつての故郷に潜むジオン族のスナイパー部隊の討伐を命じられているがその故郷は雷が鳴り響き、構造物が浮遊する“魔空間”となっている。ムーア同胞騎士団らが使用する機体はジムだがシールドを其々保持する義腕がある。

イオ「全く、親父が王だからって……」
小隊長「各機煙幕を抜けるぞ!」
イオ「なんかヤバイ予感が」

イオが使用する魔法剣破壊、小隊長も即死。


イオ「ふう、コアファイターがあるだけでもマシか……しかたねぇなぁ」


・サイド4 ムーア王国跡

リビングデット師団、それは残党ジオンに置いて過去の戦いで手足を失い、魔導義肢にしている騎士達で構成されたスナイパー部隊である。彼らが使用するビックボーガンは魔導剣を一撃で砕き、騎士も死に至らしめる武器であるのだ。

ダリル「さっきのジムは手ごたえなかったな」

ダリルも足を失った騎士であるが、師団の中には脚が丸ごとない人もいる。

ダリル「……フーバーは騎士小隊長昇進と十字勲章か」

自分も軍紀違反の魔導オルゴールを持ちこんでいるのを黙って貰っているので先程砲撃した後に彼に手柄を譲る事にした。

ダリル「!!!」

数分寝た位に仲間からのコールが来た。何とアーク王国の騎士が人間まま接近してダリルを殺したのだ。

ダリル「ね、狙えない!」
イオ「ジオン系魔導剣の扱い方をうけてよかったぜ、悪いがこの魔導剣はいただきだ」

ダリル「ちぃ!」

イオ「おおっと、あんたらの交信魔導で射点位置も把握した。帰り道は死角を選んでゆっくり帰るさ」

イオ(@リュックドム)は手にしたボーガンでビックボーガンを破壊する。

イオ「ヘイ!義足野郎、お前がエーススナイパーらしいが音楽の趣味は平凡だながっかりだぜ」
ダリル「運が良いだけの男は口が軽い、この空間を脱出しても次は必ずしとめてやる。俺の魔導義足を笑ったな。ダリル.ローレンツ曹長だ」
イオ「イオ.フレミング少尉、常に魔導スピーカーをONにしときな。ジャズが聞こえたら俺が来た合図だ」


二人が聞くオルゴールから聞えるのはどちらも属しない“サンダーボルト歌劇団”の司会者の声が聞えていた。


あとがき

元ネタは『機動戦士ガンダム サンダーボルド』……イオはムーア王国の王子様と言う事にしてます。

No:3837 2012/12/17 12:39 | YF-19k(kyousuke) #vOF08ZPo URL [ 編集 ]

コメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する

 | BLOG TOP |