スパロボ学園外伝 騎士ガンダム SEED~Gジェネ的外伝~【9】

仕事始めでいろいろあって、記事更新が遅くなりました

想鳶流さんの外伝が、ついについにやって参りました

そして内容を読んでちょっとびっくり
想鳶流さんにもチョイと先読みされてるなー(苦笑
本編の26話も半分ぐらいはできてるので、しばらくは軽快に更新できそうです


●前回までのあらすじ

リオン・カージに近い別次元にある世界、ニューラル。
スパロボ学園にて起きた新たなる世界の創世と同時に襲撃してきた騎士ハルファス。
それに応戦したニューラル騎士団のエターナ、シェルド、眠りから覚めた騎士フェニックスは戦いの末に下界へと飛ばされてしまう。
そうして流れ着いた先でスパロボ学園の面々と邂逅し、またかつての騎士団員とも再会した彼らは、オーブ王国の下で世界の安寧を取り戻すべく行動を開始する。
また、様々な状況が混在するなか、ハルファス、ルシフェル、そして「可能性の力」なるものの正体を見極めるため、ジュナスことアクエリアスはエリスと共に旅だった。

一方騎士団では、下界で進められている「オペレーションEFB」に協力するための準備をする一方で、女神アプロディアの命により、暗黒闘士デビルjr.一派とT-3隊を下界へと派遣していた。
また各地に散った「執筆者」に集結の知らせを送る。その一部、ストライカーカスタム、リガズィム、カチュアの面々は、サイド3の森にてカミーユらと接触するが、一連の襲撃、惨劇の後、
傷ついたジオン族の生き残りと共にリ・ホームへと身を寄せたのだった。




第9話「問いかけ」



・ジャンク屋連合空挺リ・ホーム


光輝く魔導球の向こうから、バサラを始めとしたファイヤーボンバーの歌声が聴こえてくる。
歌だけではない。歌に重なる歓声が、人々の姿が、表情が、映像を通して伝わってくる。
それは刹那やニールらだけでなく、傷つき、何とか生き延び同乗しているジオン族達にも空気を伴って伝播していく。
「すごい・・・」
マリナがポツリと呟きにアルブレードも頷く。
「ああ、これならば作戦も上手く行くだろうな」

『・・・そいつは『オペレーションE.F.B』てヤツか?』
いつからそこに居たのか、ストライカーカスタムがゆっくりと近寄る。
「・・・そういえば、お前のことを忘れていたな」
ストライカーカスタムの質問には答えず、アルブレードは彼に向き直る。
「お前は、お前たちは何者だ?カミーユ達からは旅の者だと聞いたが」
『そのままの認識で構わねえよ。それよりさっきの質問に答えてほしいんだが?』
「・・・何故その名を知っている?」
『ちょっとしたツテだよ。んで、どんな作戦なんだよ?』
「それを知ってどうすんだ?」
両者の雰囲気に重いものが射してきたのを察し、ガンレオンことランドが軽い雰囲気で問う。
『今後の身の振り方ってのに、な』
「答えになってないな。あのゼータ族の女性の方が話は上手そうだ」
『うっせーよ。マリアはあのカミーユとかいうのに付き添って・・・!?』
そう気だるげに話していたストライカーカスタムの表情が訝しげに変わる。
「? おい、どうし・・・」
『伏せろッ!!』
ストライカーカスタムが叫ぶと共に抜刀した瞬間、彼らの傍にあった窓が吹き飛んだ。
それに紛れる様に艇内へと飛び込んできた影はその手に握った刃を刹那へと振り下ろす。
『チィッ!』
「セツナ!」
ハッと顔を上げた刹那の目に飛び込んだのは、此方に剣を振り下ろした青く獣の顔をしたMS族と、グラハムとストライカーカスタムがその剣を二人掛かりで抑える光景だった。
「く、何奴!?」
『お、お前、何故ここに!?』
弾き飛ばしたグラハムの疑問とストライカーカスタムのそれはやや違った。そしてアルブレードやガンレオンもそれは同じだった。
「お前、アクエリアスか?」
『アルブレード殿に、ガンレオン殿・・・それに』
侵入してきた影―――――アクエリアスはストライカーカスタムを見て、ゆっくりと剣を収めた。
『ビリー隊長・・・あなたまで』
『久しぶりだな。少しは青臭さは抜けたか?』
『・・・どうでしょうね』
アクエリアスは苦笑したが、彼を知らないソレスタメンバーやグラハム、未だユニコーン状態のバナージやオードリーは警戒を解かない。
「おいランドにクォヴレー、こいつは?」
「ニューラル騎士団という別次元からの客人だ。我らと同じくな」
「一応、協力関係なんだがな」
「そんな奴が何で刹那を?」
『・・・ガンダムルシフェル
そのアクエリアスの一言に全員の視線が刹那へと向けられる。
その刹那は以前よりは力が籠った、しかしまだ覚束ない視線をアクエリアスに向ける。
「・・・アイツに何の用があって」
『! その手に握られているのは・・・』
「これは・・・」
刹那が握りしめていたのは、あの凄惨な現場から唯一取り出せた黒ヒイロの形見であるロケットペンダントの破片だ。
それを確認したアクエリアスは溜息をついた。
『そういうこと、か・・・』
『おいジュナス、どういうことだ』
ストライカーカスタムの問いかけにアクエリアスは一同を見渡した。
『これは説明すべきなんでしょうね。・・・ほんの数日前――――』








・数日前 下界 とある荒野の上空

異界から再びクシャトリアと共にリオン・カージに舞い戻ったルシフェルは、シナンジュの命を果たすべく、
サイド3の森へと向かっていた。その途中、ふと何かを感じて地上を見下ろした。
「? どうされたのですかマスター」
「いや、なんでも、ない」
そう返したルシフェルだったが、何故だかその場で止まってしまう。まるで誰かが呼んでいるかの様な錯覚すら覚えるのだが、
不思議と不快感や違和感は無い。
「(なんだこれは・・・懐かしい?)」
浮き上がったその感情の方にルシフェルは疑問を持つ。自分にはリボンズやルシフェルとの記憶しかない。それとも自分が失ってしまったという記憶の断片がそう感じさせるのか。
そんな考えに囚われたまま、ふらふらとルシフェルは地上の荒野へと降りていく。
「マスター? 何かあるのですか?」
「呼んでいる・・・誰だ・・・」
クシャトリアを空に置き去りにしたまま地表に降り立ったルシフェルは、そこに何やら幾何学的な模様が砂で描かれている事に
気づいた。
「これは・・・」
何も考えなしにそれに手を伸ばした瞬間、その方陣からジャラリという金属音と共に飛び出した鎖がルシフェルの右腕を拘束した。
「な!?」
それまでのぼんやりした意識から現実に引き戻すかのような結果に、ルシフェルは咄嗟に獄炎を方陣と鎖に放ったが、
それらは頑としてルシフェルを離さない。
『やはりかかったな・・・』
「なに!?」
後ろから掛けられた声に振り向くと、そこにジュナスことアクエリアスが地面から生えるように現れたのが目に映った。
「なんだ、貴様は?」
『それはこちらのセリフだ。何故だ』
「なに・・・?」
『何故、お前がそんな姿でそこにいる!?』
獣の如き形相をさらに険しくさせたアクエリアスはルシフェルの頭を鷲掴みにした。
「グッ!」
『お前の記憶を覗かせてもらうぞ』
「マスター!?」
『お前の相手は彼らだ』
自由な左手でアクエリアスが印を結んだ瞬間、他の場所にも描かれていた複数の方陣が光り輝き、辺りの砂を集めてMS族の形を作り、
上空から迫るクシャトリアの迎撃に飛び出した。
「なに!?」
「「「我ら古代戦士サーペント!主命に於いて突貫せん!」」」
かつてバロックガンによって封印が解かれた戦士の一団を模した土人形は、各々の武器を振るう。
クシャトリアは咄嗟に魔導ファンネルを展開して攻撃するも、方陣を核としたサーペントには効果が薄いようで、腕や足を吹き飛ばされようとクシャトリアに恐れず向かっていく。
その戦闘を尻目に、アクエリアスはルシフェルの脳内から記憶を遡るように見ていく。抵抗しようともがくルシフェルだったが、鎖に阻まれそれは叶わない。
『・・・これは!』
そうしてアクエリアスが見た光景は、後に刹那がルシフェルとの邂逅の果てに見たもののほんの一部であったが、彼を驚愕させるには十分すぎた。
『騎士ヒイロ・・・いや、神聖騎士ウイングガンダムの別次元の同位存在、だと!?』

アクエリアスがルシフェルを追いながら、結界を抜けられる原因を調査する中で得た情報で整理していった結果、それはかつて神聖な存在であったであろう誰かが、
裏切りその他の理由で魔王側に寝返り、それでも残った神聖な力の残留による結果だろうというのが彼の推論だった。
そして以上の条件と自分のみが共振を感じたという状況から、相手は以前関わったことのある者だと結論を出していた。
そして今ルシフェルが、その共振を逆に利用して張った罠に掛かり、邂逅を果たした事で、ショックではあったが結論は正しかったと考えたのだ。
だが、実際には神聖騎士ウイングガンダムに相当するヒイロではなく、その存在に酷似した者、つまり「黒ヒイロ」であったのだ。
『この世界とは直接には関係のない者を連れ去り、手駒に堕とす・・・魔王の実力は一体・・・』

一方で、ルシフェルもまた戸惑っていた。
アクエリアスによって強制的に記憶を穿り返された彼には、断片的に表れる記憶の奔流に惑わされていた。
見たことのない景色、風景、人、物。
しかしそのどれもに先ほどのアクエリアスの罠であった共振とは比べ物にならない程の感情が湧き出てくる。
「なんだ、これ、は・・・これ、が・・・!」
だが、その感情を考えようとすると、書き換えられたスフィアによって行動がリセットされる。
それがルシフェルが先ほどからなすがままになっている原因だったが、やがてその繰り返しにも終わりがやって来た。
「マスター!!」
『ッ、サーペントをやったのか!?』
妨害を打ち破ったクシャトリアの突撃を、やむを得ず回避したアクエリアスの手がルシフェルの頭から離れる。
「グ・・・オオオオオオオオオオッ!」
束縛から解放されたルシフェルはその勢いのままに、アクエリアスに地獄の炎を浴びせた。
『く・・・!?』
自らを飲み込まんとする炎を法術を持って食い止め、なんとか消しきったアクエリアスだったが、その時には既に二人は消えた後だった。
『逃げられた、か』
すぐに追わなくてはと考えるアクエリアスの傍に、今まで離れたところに居る様言っておいたエリス―――――ことハルファスが降り立った。
『? どうした?』
「行きましょう。目的はすぐそこです」
『え・・・』
「『可能性の力』・・・あれに接触しなくては」
そう呟くハルファスは遠く空を見つめる。その視線の先には何も見えなかったが、ルシフェルから感じる共振は未だアクエリアスに伝わってきていた。
『あのガンダム族。ルシフェルの行く先にその力が?』
「ええ。きっと」
『・・・分かった』
二人はルシフェルらを追うように、空へと舞い上がった。






「それで波長を追い、このリ・ホームに突貫してきたと」
『微かであっても確かに感じていたので・・・まさか、その様な結果になっているとは知らず、無礼を働いてしまった』
「いや、そいつはまあ構わないだろ。窓の修繕はしないとだけどな」
アルブレードからのこれまでの経緯を聴き、頭を下げるアクエリアスにガンレオンは気にしないとばかりに笑いながら、吹き飛んだ窓を指さして答えた。
『出来ればそのルシフェル、いや黒ヒイロ殿の洗脳を解きたかったが』
「もし、なんて言わない事さ。特に今の状況じゃな」
今までの話を黙って聞いていた刹那を見やりながら、ニールはアクエリアスの言葉に返し、その気配を察し、アクエリアスもまた頷いた。
『それで、『可能性の力』の話だが』
「・・・それはユニコーンの事ですか?」
それまで静かに聞いていたオードリーは変身の解けないバナージの手を握りながら問いかけた。答えようとしたアクエリアスを制し、その二人に静かにハルファスが近付いた。
「それは私の領分よ」
「貴方ならば何とか出来るのですか?」
オードリーの問いに頷いたエリスは光を纏い、騎士フェニックスによく似たガンダム族の姿、騎士ハルファスへと変化した。
するとそれまで黙していたユニコーンが顔を上げた。ハルファスもまたその視線を受けとめる。

「お前は・・・?」
「私は・・・
「我もまた、鍵なり」
「そう、神より無下に落とされた、鍵」
「鍵は、箱のために」
「鍵は、扉のために」
「箱より出ずるのは?」
「扉の先に在るのは?」
「我は知らぬ」
「鍵は唯、鍵故に」
「では、我は?汝は?」
「私も貴方も、人と在る」
「故に?」
「故に」


「・・・なれば、満つる刻に」
最後にそう呟いたユニコーンは、また口を閉じてしまった。
「・・・どうなのですか?」
静かに見守っていたが、堪え切れなかったのかオードリーがハルファスに訊いた。
「・・・彼の中で答えは出たのかもしれない」
エリスの姿に戻ったハルファスの言葉は曖昧だった。
「でも、まだその時じゃない」
「その時・・・?」
「『ラプラスの箱』の鍵足り得る時」
「まだ辛抱の時だと・・・」
アルブレードの言葉にエリスが頷く。
『おいジュナス、どうなってんだ?なんでアイツが・・・』
『今はまだ解りかねます。けれどそれももうすぐ分かるかもしれません』
エリスの姿を見てフェニックスらと同様に戸惑うストライカーカスタムにアクエリアスはそう答えた。
それが確信なのか、それともアクエリアスが時たま言う「宇宙の声」とやらから来るのか、ストライカーカスタムには分からなかった。

「着いた!オーブだ!」
最早目と鼻の先に見える島国からは迸るように立ち上る光の帯が見える。戦いの時は、個人の意思や思惑を無視し、刻一刻と近付いていた。

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テーマ : スーパーロボット大戦シリーズ - ジャンル : ゲーム

2013/01/04 23:39 | Gジェネ的外伝COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

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