新・スパロボ学園 超外伝 ~決戦!騎士ガンダムUC VS OO 【29】~

見逃していたダイオウイカのNHKスペシャルを、たまたま親父がブルーレイで録画してたので、焼いて貰ってみようとしたのですが、PC側が認識しない
PS3で再生しようとしたら見られたので、ファイナライズしに失敗してるわけでも無い

DVD系統って、こういうPC系の機器と民生機での互換性のなさって、本当にいい迷惑で起きるんですよね
大抵、普通のレコーダー(民生機)で録画した奴って、PCだと再生できないんですよ
コピー関係が厳しいからなんだろうけど・・・

とはいえ、PS3で再生されたダイオウイカの特集見たら、クオリティの高さにおったまげると共に、ダイオウイカさんが怖いくらい綺麗でびっくりした
現在、NHKオンデマンドで見られるそうなので、見逃した方は是非是非御試聴アレ

NHKはこういう番組造らせたら逸品だねぇ、やっぱり・・・こういう番組は・・・


☆あらすじ☆
私立スパロボ学園
それは、スパロボに存在するあらゆるキャラクターが、学園生活という舞台を通じて、好き勝手するための空間である!


スパロボ学園高等部所属、神名綾人の風邪によって起きた時空の乱れにより、騎士ガンダムの世界にあり得るはずの無い歴史が、人々の意図を余所に刻まれていく
黒ヒイロが、魔王の息子として蘇り、スパロボ学園の面々の前に姿を現した
そのショックの隙を突き、刹那をも闇に引きずり込もうとした黒ヒイロだったが
その時、聖剣が蘇ったのだった


真っ暗な空間に、一人バンシィは佇んでいた
いや
確かにあの男に命令されて、身体は逆らえずに西の塔へ向かったはずだが、途中から記憶が無い
「良いことを思いついたから、ちょっと時空の狭間で話をしようと思ったんだよ」
ふと気づくとあの男が、まるでタロットカードの『吊された男』のように、逆さまになりながら面白そうに自分を見ている
「改めて名乗っておこう、バンシィ。俺は魔公子ヒイロ。お前の主である、魔凶公シナンジュの子だ」
「・・・魔凶公の・・・?」
そんな存在が居たとは聞かされていなかった。だが、嘘とも思えない。その男から感じる魔力は、間違いなくシナンジュの波動と同等だったから
「構えることは無い。別に何かをするってことじゃない」
魔公子ヒイロは、逆さの姿のままバンシィに近づいていく
「バンシィ。今日からは俺の騎士になれ
突然の発言にバンシィは絶句し、どうリアクションしていいものか困った様子を見せる
「大丈夫、父様の許可は取ってある」
品定めするかのような、舐め回す視線にバンシィが戸惑っているのも無視し、魔公子ヒイロは話を続けていく
「なにせ、俺とお前は似たもの同士みたいな物だからな」
「それは・・・どういう」
ズイッと顔を近づけ、怪しい笑みを浮かべながら魔公子ヒイロは言った
「受け入れられなかった悲しみ。爪弾きにされた憎しみ・・・それは俺と同じ物」
と、彼の前に燃え上がる闇を吹き出す、炎のような姿をした剣が差し出される
「これは、絶対の光から生まれた、闇の中の闇であるお前にこそ相応しい」
するり、とバンシィの手元に降りてくるそれを、彼は畏れながら眺めていた
「・・・一体?」
「父様が、聖剣の影を抜き取って造った、闇の炎の剣だ。以前は俺が使っていたものだが、受け取るが良い・・・俺の騎士になるのなら、な」
その、背筋が凍るほどの魔力を湛えた剣を目にして、手にしたくないと思わない闇の者は居ないだろう
「どうして、俺にそこまで」
「言ったろう?似たもの同士、主従仲良くやろうじゃ無いか」
やっと逆さの格好に飽きたらしく、きちんと目を合わせる姿勢に戻った魔公子ヒイロ
その威厳ある姿と、強力に放たれる魔力の前に、バンシィは自然と膝を付いてしまう
すると闇の剣は自然と彼の左手に収まり、静かに闇の炎を吹き出している
「お前には同情してるんだ。だから、いいことも提案してやろう」
頭を垂れているバンシィの耳元に、魔公子ヒイロは囁く
「壊してくるが良い。お前をこうも辛い場に追いやった者どもを」
「・・・と、申されますと」
「アーク王国をメチャクチャにしてこい、ってことさ」
魔公子ヒイロはあくまで楽しそうに嗤いながら、そうバンシィを唆した
「あの国は噂で我らの巫女を、我らの一族を葬ろうとし、あまつさえお前という有能な存在を、長きにわたって底辺にあしらってきた、無能な連中の集まりだ。もはや存在している事自体、罪にも等しい。そうは思わないか?」
「・・・ヒイロ、さま」
自らを持ち上げる魔公子ヒイロの言葉を、そのままストレートに受け止めたバンシィは、どこかなにか嬉しそうであった
いや、彼の言葉はほとんど本当であった。実際、彼が『ルシフェル』であった頃でさえ、何度も自分を追い返してきた、あの『デルタプラス』の成れの果てであるバンシィは、確かに有能であると評価してのことである
「バンシィよ、魔公子ヒイロが命ずる。アーク王国に相応しき末路を与え、その魂を狩り尽し、我と我が父に捧げるのだ」
「俺に・・・その栄誉を与えてくださる」
自らに復讐の機会を与え、その足で捧げ物を持ち帰ることを許すというのだ
「当然の事だよ、バンシィ。この役はお前にこそ相応しい」
「ありがとうございます、ヒイロ様・・・このバンシィ、間違いなく役割を果たしましょう」


オーブから少し離れた会場付近
「それでは、トゥアハー・デ・ダナンを、アメノミハシラの楔として・・・」
「AS隊と、バルキリーのうち数小隊を、あちらに残して来たのはいいですが」
「ただでさえ選りすぐってきた部隊を、また分けたのは少なくない痛手です」
魔公子の出現の衝撃を認めないのか,それとも忘れようというのか
ビアンを中心とした幹部会は、着々と侵攻準備を進めていた
「何なんだよ、学長も誰も彼もさ。俺や刹那達の気持ち、判ってんのかよ」
「判ってるからこそ、ああして先を考えてるんだ。黙って判断を待とう」
逸る気持ちでイラついているシンを、竜馬(TV版)が優しく諫めている

とはいえ、やることは決まってるのに、何故にこんなに彼が焦っているかというと、騒動が一段落したときに
「サイコーのギグだったぜお前達!」
そう言ったバサラは、アンコールの声が鳴り響く中でギターを収め、大きく西に向かって腕を振りかぶった
「次のコンサート会場が決まったんでな。悪いがこのライブはここまでだ。じゃあな!
西の地へ行くというバサラの宣言に、会場から大きなどよめきが起きる。が、そんな物をあっさり無視して、彼は竜鳥へ変形したかと思った瞬間、西の地に向かって飛び去っていく
もちろん、ミレーヌ達やアレルヤも大慌てで、その後を追いだしたのは説明するまでも無い
「スメラギさん、バサラが!」
「・・・どうしてあの彼は、こう気が早いの・・・」
アレルヤからの通信を受け取り、スメラギはバサラのある種の勘の良さに嘆きつつ、額を抑えざるを得なかった

そんなわけで
スパロボ学園本陣は、大慌てで部隊を再編しつつ、すでに西の地に向かって歩みを進めていたのであった
「それもこれも、バサラが自分勝手だから・・・」
「いつも通りだろ。言っても仕方ない。それより」
バサラの電波ッぷりを愚痴るシンに対し、問題はお前の方だと隼人は言った
「キラとアスランと分かれて、お前一人で魔界の領域に入るのは・・・」
部隊分けの時、彼ら二人は思うところが有りながらも、アメノミハシラをカガリらと護るためにオーブに残った。せっかく帰ってきた『弟』が、また西の地へ行くことをこちらの世界のカガリが、不安の種にして心労を溜めるのを防ぐためだった
『大丈夫。僕らが付いてます』
『実績はある。それに、修行もした。そうだろう、シン』
デスティニーの姿になっているシンには、翼としてウッソが、剣としてドモンが付いている。それで一度魔力の渦を乗り越えてきたのだ
更にはこの時に至るまで、精神を安定させる修行を怠らなかった
「ああ・・・俺がその中を駆け抜けて、アイツを一発ぶん殴って、目を覚まささせてやるんだ」
自分こそが黒ヒイロを救う、その一人であらねばならない
そう思うなら、存分に殴っておいで、とキラとも約束してきたシンであった
「とはいえ、ぶん殴って事が済むなら、事はそう難しくは無いはずだ」
殴って正気に戻るなら、このクォヴレーですら珍しく感情にまかせ、バコッと一発やって居るだろう。そうも行かない状況だからこそ、今は全員が待っているのである

と言うのも、聖剣復活のどさくさのせいか、オーブに『置きっ放し』にされた、氷柱に封印されたリボンズであったが、その結界の封を解くのは容易ではなかった。尋常ならざる魔力によって施された、その呪いの影響を解いて彼から事情を聞き出すには、すぐにというわけに行かなかったのである
その一方で、刹那はあれ以来、ユニコーンと対峙して部屋から出てこない
なぜならば、神の遣いたるユニコーンは、バンシィはもとより「魔公子」の存在に異議を唱え、その存在を抹殺する気満々だったからだ
そこにはバナージの意志の欠片も見当たらなかった
それは別として、ユニコーンは本来はそう苛烈にならずとも、物事を解決する方法を知っているのかも知れない、と言う推測をゼロがしていた
それもまた、ユニコーンが神の遣いと言うことに、根拠を求めていた
そこで刹那は、ダブルオーライザーまで進化した、この世界の自らの器の『対話』の力に賭けて、ユニコーンの・・・バナージの意志を問うていたのであった
レウルーラの尖塔・玉座
漆黒の闇の中に、オードリーを捕まえた魔公子ヒイロの姿がゆらりと浮かぶ
オードリーにくっついた状態の、キュベレイ(@ハマーン先生)も一緒だった
彼女らを玉座の隅にポイ投げした魔公子ヒイロは、そのまま玉座の魔凶公シナンジュに飛びついた
「ただいま、父様!」
「おかえり。ちゃんと仕事をしてきたね」
膝に乗って甘えてきた魔公子ヒイロを、まるで本当に子供をあやすように、シナンジュは頭を撫でて仕事ぶりを褒めた
「嬉しいな。褒めてくれた」
完全に子供返りした口調で、『父』からの褒め言葉にうっとりする魔公子ヒイロ
「バンシィはどうした?」
「ん、アーク王国に狩りに行かせた」
「そうか、いい判断だ」
えへへ、とまた嬉しそうに笑う魔公子ヒイロだったが、すぐに表情を少し硬くしてしまう
「でも二、三、失敗しちゃったけど・・・」
刹那を連れてこれなかったことが、余程心残りらしい
更に言うなら
「・・・あれ、か」
厳しい表情でこちらを見ているオードリーと、その前に敢然と立ち塞がるキュベレイの姿に、魔公子ヒイロは困ったようにため息をついた
「先生まで付いて来ちゃうとは、ちょっと予想外だったな」
シナンジュの膝元から離れ、けったいな物を見るかのように、キュベレイの方に近づいていく魔公子ヒイロ
「・・・」
キュベレイは言葉を発せず、ただじっと相手の様子を窺っているように見える
「でもまぁ、ここはジオンのお膝元。こうすれば先生だってチョイとしたものさ」
と、指を弾いて魔力を発する魔公子ヒイロ
その波動に触れればジオン族であれば、ひとたまりも無く闇に堕ちるはず
・・・が
キュベレイはそれを自ら発するオーラで弾き飛ばしてしまった
「私にそのような物、効きはせん!」
「・・・!」
さしもの魔公子ヒイロであっても、これには驚き表情を硬くせざるを得なかった
「なるほど?噂通りの女傑とお見受けした」
シナンジュはキュベレイの中に居る、ハマーン先生の何かを知っているかのようにそう口にした
おそらく魔公子ヒイロから、学園の情報を色々と聞き出したのだろう
「野暮なことは止めておきなさい、ヒイロ」
そこまでの方であるならば、邪道な真似をする必要は無いとシナンジュは言った
「えー・・・でも、どっちにしろ先生にも巫女にも、希望は無いんだし」
ぷくぅとむくれる魔公子ヒイロの言を聞いて、オードリーはキュベレイの後ろから絞り出すように言葉を発した
「・・・それは、どういう意味です」
「言葉通りさ」
知りたい?と言うように、魔公子ヒイロは悪戯っぽく嗤ってみせる
「おそらく学園の連中はこっちに向かってくるだろうけど、当然ここに到達させるつもりは無い。俺がありとあらゆる手段を用いて妨害してやる」
そして万が一それを誰かが乗り越えたとして、と彼は付け加えて話してきた
「その誰かとすれば、刹那とユニコーンだろう」
「ユニコーン・・・そうだ・・・貴方達は、バナージとデルタプラス殿に何をしたのです!」
疑似Gマテリアルの事件があって以来、ユニコーンに乗っ取られたようになってしまったバナージと、あの時に影を纏ったことで黒いユニコーンと化したデルタプラス
一体全体アレは何事が起きたのだろうか
「今のユニコーンは、父様が影を抜いたから、ちょっと暴走気味なのさ」
あらゆる物には光と影がある。それは善の者でも悪の者でも同じ。それぞれ持っている光と闇の比率が違うだけに過ぎない
神の遣いという光れるユニコーンにだって、当然影はある
「神の遣いの影だから、当然その邪悪さは推して知るべしでしょう」
先に彼がバンシィに言ったように、それは闇の中の闇である
一方で、光にとって影とはある種のブレーキで有り、そのブレーキを抜かれたユニコーンは止まることを知らず、光の力を奮うことに躊躇いを無くしている、というのである
「ユニコーンはその影を取り戻すために、バンシィを殺すだろうね」
しかし、バンシィもまた力を求め、ユニコーンを殺すだろうと彼は予言した
「互いが互いを求め合い殺し合い、果てない争いの後に互いを殺めるか、どちらかが生き残るか・・・まぁ、俺が力を与えたバンシィが、やられるわけ無いと思うから」
そうすればオードリーを救う者は誰も居なくなる。シナンジュを止める者は誰も居なくなると言うわけだ
が、しばらく考えたオードリーは、また絞り出すようにこういった
「なぜバンシィを殺そうとすると思うのです。そうで無い方法もあるかもしれないのに」
「・・・へぇ、どんなやり方かな。俺はそれ以外に解決方法、知らないよ?」
言われて、彼女とて何かのやり方を知っているわけでは無かった
だが、何か思うところがあるような気がするらしいことを、キュベレイは彼女の雰囲気から察し、あえて口を挟まずにいた
「それでもバナージは・・・彼はやってくれると信じます」
「ユニコーンに取り込まれっぱなしの彼に期待するわけか」
ふぅん、と呟いた後、魔公子ヒイロは何か閃いたらしく、悪戯っぽい笑みをまた浮かべた
「じゃあオードリー、俺と賭をしよう」
「・・・賭」
慎重にこちらを見ている彼女に、左の人差し指を天井に向けて、嬉しそうな黒ヒイロはこういった
ユニコーンがお前の言うとおり、バンシィを殺さず事をどうにか納めたら、俺と父様はお前を諦める。でも俺の言うとおりになったら、ちゃんと巫女としての役割を果たして貰う。どう、面白そうだろう?」
結末は見えてるけどね、と彼はクスクスとオードリーを嘲笑った
さすがにかなり危険な橋を渡る交渉内容と言えた。安易な返答は徒になると思ったのか、キュベレイが何事かを言おうとした前に、オードリーはそれを了承するようにこくりと頷いた
「交渉成立。じゃぁ、それまでは別室で大人しくしててよね」
パチンと彼が指を弾いた次の瞬間、二人は窓も扉も見当たらない、洞窟というのにもはばかられるような穴蔵に、光も無く閉じ込められてしまった
「お嬢様、お加減は」
心配するキュベレイに、オードリーは力強い意志を秘めた瞳を向け、こくりと頷いた
「しかし、あのような危険な賭を・・・」
彼女を軽率とまでは言わないが、現状を考えると迂闊な判断だと考えたキュベレイが、オードリーをたしなめようとする。しかし
「キュベレイ、私は思うのです。アレが言うように、光の中の闇が『阻むもの』ならば、それは・・・」
光の中の闇が邪悪だとは限らないということではないか
それは光の者たろうとする意志、正義であろうとする行動を取ろうとするユニコーンが、時として発揮しなければならない、慈悲や手加減という物が含まれているのでは無いのか、と
「光の者であることを主張し続けることが、時として善では無いと言うことを、ソレスタルビーイングが証明しているではありませんか」
刹那達が天の意志を、つまり光の者であることを世界に『押しつけた』が故に、世界に歪みが起きてサイド3の森の悲劇のような物を誘発したのだ
「もしそうだとすれば・・・ユニコーンが優しさを失っているだけなら・・・バンシィにユニコーンが持っていた優しさがあるのなら・・・」
「お嬢様・・・仰りたいことは判りますが」
一理ある考えではある。しかしそれは推測に過ぎない
これが全く意味を成さない推論である場合、今の自分達が光と闇の宿命の対決を、回避させる手段はゼロにも等しいのである
「バナージを信じてはならないというのですか?」
「現にあの少年は、ユニコーンに飲み込まれて、もはやただの器と化して居るではありませんか」
「飲み込まれているのは認めます。けれども私は聞こえました」
彼女が連れ去られるその瞬間、バナージがユニコーンの内から嘆きの叫びを上げる、その悲しみの声を
彼の意志は確かにあるのだと、オードリーは確信していた
だからこそ賭けたのだ。自らが正しいと思うことに
いつでも自分のために、身を挺してきたバナージに対して、今彼女ができることは、結末を信じることだけしか無かったのだ
粛々と進む、スパロボ学園の艦隊
その後方に位置する場所で進んでいた、プトレマイオスIIの一室で、刹那とユニコーンの『会話』にならない話が続いていた
「どうしたらいい・・・どうしたらあいつを救える?」
何度も何度も、この質問をユニコーンにぶつけるために、『対話』の力を発揮しようとしていた刹那だったが
「神の使者だというお前なら判るだろう?頼む・・・」
「闇は闇。消し去るほか無い」
「俺は殺す方法を聞いているんじゃ無いと!」
何度聞いてもこの回答しか返ってこない始末で、刹那のイライラも何もかもも疲れ果てそうになっていた
「何故そうやって、『自分と違う』とあいつらの存在をただ、否定しようとするんだ?」
血がにじみそうなほど手をぎゅっと握りしめ、腹の底から押し出すように刹那はユニコーンにそう言葉を向けた
「光と闇が、相容れることは無い」
「ならなぜ、お前の影からバンシィが生まれた?」
「魔王の邪法により我が力が、魔王に汚染された。これを許すわけにはいかない」
「だから殺すのか!」
「必然」
「ならなぜ、バナージは泣いている?」
刹那には聞こえるのだ。バナージが今、泣いて叫んで嘆いている様が
「その心が判らないのか?辛くて苦しくて、どうにもできない悲しみに打ちひしがれている、そのバナージの意志が!」
刹那も同じ気持ちだから、その意志がよく判る。ある意味では『分り合って』居るのかも知れない。共に大事だと思っている相手を、魔界の闇に飲み込まれて失い、あまつさえその相手と刃を交えなければならないかも知れない、その理不尽に憤っているから
「それが判れば、別の手段だって考える余地はある」
「今のままでは、相容れることは永遠に・・・」
と、ユニコーンがそこまで言いかけたときだった
それまで怒りを露わにしているかのように、角を真っ二つに開いていたユニコーンが、グググとその角を収めだしたかと思うと、白い身体をゆらゆらと不安定にし出す
「それ・・・それで・・・も・・・」
聞こえてきたのはバナージの声であった
もがくように必死な彼の思いを感じとった刹那は、思わずその硬い手を取ってやる
「・・・バナージ」
思わずそう、彼の名をほとんど初めて口にした刹那の目は、本人では気づいていなかったが、金色に光っていた
「俺はあの人を、闇から救い出したい・・・」
徐々にであるが、ユニコーンの中からバナージの姿が、ハッキリとした形を取り始めたように見える
「俺もアイツを、闇から救い出したい」
「方法は・・・判らないけど」
「そうか。お前も判らないか・・・」
「けど、あの人の姿の痛々しさが悲しい。辛くて苦しいんだ・・・」
「よく判る。俺もアイツが、闇に酔っている姿を見て、痛ましくて悲しかった」
「この悲しい心だけは、ハッキリ判る」
「悲しみが力になるかも知れない、というのか」
「だってその思いがあるからこそ、あの人を救いたいと思うんじゃ無いですか」
「ああ・・・そうか、そういうことか・・・」
「想いだけで力になるとは思わないけれど・・・でも」
「相手を判り、思いやる気持ちは大事だ。だから・・・お前は帰ってきたんだな」
ひとしきり言葉を交わし終わったとき
そこには涙で顔をくしゃくしゃにしたバナージと、その手を優しく取ってやっている刹那の姿があった・・・
先頭を行くアーガマの中で、ビアンの周囲に指揮官クラスの人間が多数集まっていた
彼らの全ての表情には、緊張と同様に怒りの模様が浮かんでいた
その中でビアンはマイクを取り、おもむろに声を上げる
「ワシがスパロボ学園学長、ビアン・ゾルダークである・・・学園の精鋭全員に告げる。総員白兵戦用意・・・!」
いつもなら逆になるあの台詞も、今日は静かな怒りを秘めた号令となっている
これに合わせたように、各戦艦からマジンガーやダンバイン、ゴーショーグン・キングスカッシャーと言ったような機体が、(SDサイズになっているが)次々と飛び出していく
「良いか。彼らは我々から三度も黒ヒイロ君を奪った。この怒りは筆舌に尽くしがたい」
その言葉に全員が頷いた
一度は誘拐し、二度目に殺し、そして三度目に壊した
いくら洗脳ネタが多いスパロボでも、一人のキャラクターをここまでコケに扱われた事は無いのだ。赦すことはできないと、誰も彼もが憤りを胸に秘めていた
「容赦する必要は無い。立ちはだかる物を全て微塵にしつつ、我々は目指す」
ビアンの手がすいっと上がる
「その赤き尖塔を・・・焦土殲滅作戦開始!!」
西の大陸の上陸した彼らは、一路レウルーラの尖塔を目指して駆けだした
目の前に立ちはだかる物は、いかなる物でも排除してでも辿り着く
それが作戦のシンプル且つ、難しい内容だった・・・
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テーマ : スーパーロボット大戦シリーズ - ジャンル : ゲーム

2013/01/27 19:32 | 偽騎士ガンダムUCVSOO本編COMMENT(3)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

ガンダム新作

アムロ「『機動戦士ガンダム THEORINI』がアニメ化決定しました」
シャア「出来ればTVシリーズと同じ声優さんでしたかったが……何人か代代わりしているしなぁ」
ランバ「俺の親父は誰が担当するんだ?」
ブライド「先代(のCVさん)がラフでアフレコすると言う思い出があったからなぁ。今はそうでもないか」


輝「THE FIRSTはアニメ化する予定も無いか……」
イサム「それにしてもハリウット版マクロスの企画が生きていた事態に驚いたぜ……」←数日前に監督決定。
ガムリン「最もロボテックスになるかもしれないけどね」

アルト「こればかりは複雑だからなぁ」

No:3879 2013/01/29 17:22 | YF-19k(kyousuke) #vOF08ZPo URL [ 編集 ]

公開はいつ

THE ORIGINのアニメ化が報道されて久しかったですが、いつ公開なんでしょうねぇ
今月のダムAを見ると、新しい騎士ガンダムもやり出すみたいだし・・・

やるやる詐欺になりませんように

No:3880 2013/01/29 21:17 | あるす #- URL [ 編集 ]

あるすさん>

返信どうもです。

騎士ガンダムもやるのならGアームズも……SEED、OO、AGEでやって欲しいですなぁ。

No:3881 2013/01/30 01:09 | YF-19k(kyousuke) #vOF08ZPo URL [ 編集 ]

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