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吸血遊戯(1)

ああっ、ついに書いちゃった(=_=;)

創作小説なんて高校生以来かねぇ・・・
あの頃はフツーにコミケとか行ってたっけ・・・(遠い目)
ま、いいか。久しぶりに年甲斐もなく妄想するのも一興


漫画でも小説でも、吸血って言うネタは、特に操りとかね洗脳では扱いやすい代物で、ある意味では使い尽くされた感があるものではある
そういう意味ではリハビリには調度いいのかも知れない
で、この物語は「あんまり深いことは考えてません」
設定に懲りすぎても書ききれないし、ある種プロトタイプなので、もし読んでて「そりゃねぇだろ!」と突っ込みたくなっても責任持ちません(;^_^A


それは大したことのない戦闘のはずだった

某国周辺にある洞窟を根城に砦を築いている魔法族の掃討
砦はそれほど規模は大きくなかったし、積極的に人間側にちょっかいを出してくることも無かった。が、腕利きと噂に高い傭兵団や自称ハンター達の、誰一人として無事には帰ってこなかった。というのも、ほぼ例外なく全員が、"干からびた"バラバラ死体になって発見されるからである
件の洞窟は、姿を見せない犯人が静かに口を開けて待っている姿のようで、周辺住人は恐れおののいていた
事態を重くみた教会は、今まで数々の功績を挙げてきた司祭長直属の部隊投入を決定する
奇跡の将と呼ばれた騎士の率いるその部隊・・・わずか20名ほどの小隊であるが・・・が赴いた戦場では、例外なく強力な魔法族が打ち倒されてきた。教会上層部も部隊に属する兵卒も、少しの不安も持っていなかった

が、いざ掃討作戦を始めてみると大きな誤算が発覚した
行方不明になっていた者たちが、人間とは思えない呻き声を上げながら、地の底からふらふらと這い出してきたとき、部隊の全員が凍り付いた。その背後に立つ砦側の頭が、伝説の魔法族"ヴァンパイア"だったからだ。死体が"干からびて"いたのは腐敗からではなく、血を吸い尽くされていたからだったのだ
部隊は大苦戦を余儀なくされた。いかに多くの戦場を経験してきたこの部隊でも、すでに200年近く姿を現さなかったヴァンパイアに対する対策をほとんどしていなかったからだ

幻惑され血を抜かれ、"人形"と化した者たちはすでに意思が無く、切られても燃やされても苦痛を感じない。だから倒しても倒しても起き上がってくる。部隊兵達は一人、また一人と打ち倒されてしまい、部隊長と副隊長は捕らえられ牢に押し込められてしまった・・・


暗い部屋に魔法の鎖・・・いったいどこにつながれているのか、先端は虚空に吸い込まれて見えない・・・を付けられて監禁されてしまった二人の前にヴァンパイアが現れた
頭から深くローブを羽織っている彼・・・男らしい・・・は、しばらく二人を見聞するようにじっと見つめた後、牢の格子をすり抜けて入ってきた。闇に生きる魔法族にとって、こういう物理的な空間障壁を乗り越えるのは大して難しいことではないらしい

「お二人にはしばらくここに居ていただく。居心地がよろしくないのは我慢していただこう」

深くくぐもった声で彼は話しかけた

「・・・我々をこんなところに閉じこめてどうするつもりだ?あの哀れな犠牲者のように"人形"にするつもりか?部隊の兵士達はどうした?」

騎士の怒りを込めた言葉が牢に響く

「あなた方に少しお聞きしたいことがあるのです。それまでは『生きていて』いただくのでご安心いただきたい。他の方々は残念ながら、ほとんど亡くなられましたよ。"人形"になるのがそれほどお嫌だったようで。しかし、私としてはいい栄養補給ができましたが」
「くっ・・・」

二人が兜の下から睨み付けたが、それ以上何ができるはずもなかった

「さて・・・私はここに居を構えるヴァンパイア。齢150歳ほどで若輩者ですが、仲間内では"伯爵"と呼ばれております」

"伯爵"は貴族らしい会釈をしながらそう名乗った。その仕草から察するに、"伯爵"というのは"転化"する前の地位なのだろう

「お二人ともしばらくお付き合いいただくのです。お話しやすいようお名前を教えていただけませんか?」
「魔法族に名乗る名など無い」

副隊長の方が吐き捨てるように言う。その声は女性の物だった

「気の強い女性は好みですよ。けれども女騎士殿、相手が名乗っているのに貴方が名乗らないのは、騎士としてどうでしょうね?」

痛いところを突かれた。しばしの沈黙の後、彼女は諦め気味に返事をした

「教会の大司教様直属部隊の副隊長、ナタリエ・グルームバィス・・・」
「ほう、貴方があのナタリエ殿ですか。お噂はかねがね。ということはあなた様が・・・」
「部隊長のミハエル・ローランドだ」

言われる前に隊長の方が答えた。"伯爵"は二人をさらに興味深く見やった

「奇跡の騎士殿とお会いできるとは・・・これはこれは、思ってもみなかったお客様をお迎えしたようだ」

パチンと"伯爵"が指を鳴らすと、ナタリエの纏う鎧が一気に外れて床にがらがらと転がった。亜麻色の長い髪があらわになる。女性の体に合わせた特注のサーコートから垣間見える、まだ20になったばかりの美しい白い肌は、牢獄の暗闇でも美しい
彼女は突然のことに驚き、顔を赤らめ叫んだ

「ヒッ!な、なにを!」
「鎧兜を着けたままではまともな会話もできないでしょう?これは噂以上の美人でおられる・・・それにしても」

"伯爵"はちらとミハエルの方を見やった

「貴方の鎧は私の魔力を受け付けなかったようですね」
「かもしれないな。この鎧は司教様が特別にご用意くださったものだから」

神々しい光さえ感じそうな重厚な装飾の施されたプレートメイルは、"伯爵"が直接触ることもできないくらいの『陽』の気をたたえている。特別製であるというのは嘘ではないらしい

「貴方は鎧を脱いで私に顔をさらしてはくださらないのかな?」
「・・・馬鹿な!これを取るなど私には・・・!!」

"伯爵"はフゥとため息をつくと、ナタリエの首に手を伸ばしてぐっと掴んだ

「二度は言いません。鎧を取っていただけないと、彼女の命を保証しかねますが?」
「・・・い、いけませんミハエル!それを取っては・・・」

ナタリエが叫ぼうとするが、喉元をさらにキツく押さえられて声を封じられた。苦しそうにあがく彼女をみて、ミハエルは仕方なさそうに鎧を取り始めた

「・・・私は鎧に触れませんからね、なるべく牢の扉の近くに投げておいていただきたい。後で"人形"に運ばせますから・・・」

"伯爵"は用心深く言った。ミハエルは無言で鎧をがちゃんがちゃんと投げる
鎧の下から現れたのは、短く切りそろえた金髪と美しく透き通る青い瞳をもった20後半と思える青年であった。奇跡の騎士というわりには華奢で、それほど肉付きがいい訳でもないのがアンバランスであったが、いかにも汚れのない姿勢の持ち主であるのは、漂う気品から察することができた
最初は目を見開いて驚き、その後彼の姿をじっと見つめていた"伯爵"は、ナタリエの首から手を離して、そのまま踵を返した

「待て!どこへ行く!?」
「今日はこれくらいにしよう、と思っただけですよ。ああ、そうそう。その鎖を切ろうとか考えない方がいいですよ。どうせ『人間には』切ることも繋がれた先を見つけることもできない代物ですからね」

またも牢を易々とすり抜けた"伯爵"は振り返らずに闇の中に消えていった
《続く》
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テーマ : 創作オリジナル - ジャンル : アニメ・コミック

2006/06/17 20:47 | 創作小説-1COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

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