【A.C.E 3 番外】内緒のD.O.M.E

アニメの没ネタを拝借しよう 第一弾

ガンダムXの監督さん達が、最初はD.O.M.Eの「声」を、古谷徹氏にやってもらおうと考えていた、というのは有名な話ですね
もちろん、そうすると監督さん達の意図と離れてしまうので没になった、というのもこれまた有名ですが

それは置いておいて、『最初のニュータイプ』とD.O.M.Eが自称して、その存在に最も近い男が側に居るのを、関係者なら気にしないわけはないでしょう
そんなことを意識して書いた短編です
(オチ修正の第二版)


ガロードはD.O.M.Eに行って以来、一つの疑問を抱えていた
最初のニュータイプ と名乗ったD.O.M.E
その時自分の傍には、別の世界ながら原初のニュータイプと目される男がすぐ側に居た
男は黙して語らず、D.O.M.Eもまた何も答えなかった
がだしかし
もしかして
そう言うことなのだろうか?


世界崩壊の危機を乗り越え、元の地球の復興に乗り出した、月光号・フリーデン・タワーのメンバー達
数ヶ月ほど忙しく働いていたある頃、ガロードから誘いを受けたレントンとゲイナーは、フォートセバーンに集まっていた
エウレカとの時間を割かれたレントンは、ちょっとふてくされ気味だったが、仲のいいガロードの声を無視するのも気が引ける
一方、(もう誰に追われているわけでもないのに)エクソダス中(という名のお祭り)で頭がクラクラしていたゲイナーには、ちょうどよい気晴らしになる・・・はずだった

とあるカフェのテラス
「・・・で、オマエら二人は、実際どう思う?」
運ばれてきた温かいコーヒーを目の前に、ガロードからいきなり小難しい話題を振られ、二人はお互い顔を見合わせた
「どう、って言われてもねぇ・・・」
「だいたい、どうして僕らに聞くんだよ」
そう言う重い話題は、それこそジャミルやホランドに振って欲しいものだ
「聞いたって答えてくれるかっての」
だめだめ、といったように机に突っ伏してしまうガロード
ジャミルはここぞと言うときに黙ってしまうことが多い。核心を突くような話題を何度スルーされたかも分からないのは、当のガロード自身である
ホランドは・・・変なことを聞くと、すぐに拳が飛んでくる人だと、ゲイナーとガロードは最近になってようやく知り、あまり話題を振れなくなっていた
ウィッツもロアビィも彼女のことで忙しいし、ゲッターチームは若干残っているインベーダーへの対策の切り札のため、ちっとも捉まらない
結局何かあると、こうして似たもの同士の『青春三バカ』で集まってしまう、というのが最近の三人の傾向ではあった
「うーん・・・それを解明するには、僕らの世界とあちらの世界が、いつどの段階で分かれたかを調べないと・・・」
三人の中では比較的知的派のゲイナーは、そういってナデシコでかつて見た記録を思い返してみた
「どっちにもコロニーがあってMSがあって・・・でも、僕らが習った歴史には、少なくとも『一年戦争』とか『マクロス』って単語は出てこなかったよね」
とはいえ、ルリが「二つの世界の過去に共通点がある」とキッパリ言い切ったくらいだから、どこかでは一つの枝に集約するのだろう。そこがどこか、ルリは敢て言わなかったが
「だとすると、どうなるわけ?」
ガロードもレントンもイマイチピンとこないようなので、ゲイナーは続けて説明する
「僕らの世界が、バレル達の居た世界から、うんとうんと未来である可能性と
たまたま偶然、コロニーやMSが出てくる直前ぐらいの段階で枝分かれした可能性
この二つが考えられるんじゃないの?」
あ、そうか、とレントンが手を叩く
「つまり、1つ目の可能性だと、あまりにも時間が経ちすぎちゃって、過去の情報は曖昧になってるってわけ?」
そうそう、と返すゲイナーは、しかし腑に落ちない
「2つ目の可能性の方が現実味はあるけど、どっちにしろできすぎた部分はあるんだよね・・・」
そんなもんなの?と首を傾げつつ、そのまま、ガロードを見返すレントン
「ところで、それなら、ティファに直接聞いてみれば一番早くない?」
途端にがっくりとガロードが肩を落す
「う・・・それがさぁ・・・」
昨日のことだ
確かにティファに聞くのが一番手っ取り早い
それはガロードも思っていたので
「はぁティファ、かくかくしかじかなんだけど、実際どうなんだろうな?」
と問いかけてみたのだ
しかし
途端にティファは顔をこわばらせ、目を水たまりのように潤ませたかとおもうと、猛ダッシュで逃げだしてしまったのである
「ああっ!ティファ、なんで泣きながら逃げるんだ!?」
後には虚しく取り残されたガロードだけが残されていた
「・・・というわけさ」
再び机に延びてしまうガロード
まぁ、こう言うことがあったら凹むのはお互い様なので、レントンもゲイナーもあえて声はかけずに考察を続ける
「うーん、あえて答えず逃げたと」
「それはますます怪しいなぁ」
と、その時だった
三人の頭上に、突然無数の機影が出現したのである。そのMSのスピーカーから、一斉に流れてくる機械的な『声』
『ティファヲ ナカス ワルイコハ イネェカァァァ』
「ええええ!?なになになにっ!!??」
こちらに砲身を向けているMSの集団に、レントンとゲイナーは血相を変えて立ち上がる
『ニュータイプヲ ナカス ワルイコハ イネガァァァ』
「げっ、やばい!ジャミルの操ってるビットMSだッ!」
自身の危機を自覚したガロードは、そう叫ぶと残りの二人を引き連れて、その場から猛ダッシュで逃走を図った
当然、後ろからはビットMSのライフル銃攻撃が、雨あられと降り注いできている
「違うんだジャミル!誤解だっ、誤解ぃぃぃ!!」
どこにいるとも知れないジャミルに向って叫ぶガロード
「何を誤解されてるんだよガロード!」
一緒に走って逃げている二人にはワケがわからない
「ジャミルはニュータイプを苦しめるヤツには容赦がないんだよ!」
「・・・逃げてったティファが、ジャミルさんに泣きついたってことぉ!?」

そうして逃げ回っている三人の前に、男が立ち塞がった
「ふっ、可憐な少女を泣かすとは・・・それでも男か?」
「・・・どっから出てきたんだよ赤いロリコン!
そう、それはシャア・アズナブルであった
「つーかあんた死んだはずだろ?」
「私の魂のふるさとに帰っただけだ。そう、麗しい少女の居る世界へ・・・」
「ここはバイス○ンウェルか!」
「それはいい。とにかく、ティファ・アディールを無闇に泣かせたことには感心できん」
突然シャアの背後に現われるサザビー
「私の方からもお仕置きさせてもらおう」
「な、なんでそーなるんだーッ!!」
いつも『お仕置きされている側』のシャアである。逆の立場になれば通常の三倍の実力を発揮すること受け合い
「なんか街の中心街で、エックスとキングゲイナーとニルヴァーシュと、大量のビットMSと見たこともない赤いMSが乱闘してるぞーツ!」
復興途中のフォートセバーンの市民が、仮設の市庁舎で指導に当たっていたカリスの元に駆け込んでくる
言っている間にも、どんどん破壊されていく町並み・・・
「貴方たち!復興手伝うつもり有るんですかっ!」
流石のカリスも怒り気味である
「あんまり暴れると、パトゥーリアで襲いますよ!!」
カリスの恐ろしい一言で正気に戻った3人+ジャミルとシャアは、騒動で荒れ果てたカフェでコーヒーを口にしていた
「いや、別に泣かそうと思ったんじゃないんだよ
かくかくしかじかで、D.O.M.Eってやっぱりアムロさんなのかって話、してただけなんだって」
ガロードの言い訳、兼事情説明を黙って聞いていたジャミルは、コーヒーを一口すすってから重い口を開いた
「・・・ガロードの知りたい気持ちは分かる
だがな、もしも自分が『もしもし、あそこの機械に遺伝子レベルで封印されて存在を抹消されたNTは自分だと思いますか?』、などと聞かれて気分がいいか?」
「・・・そんなわけ、ねぇな」
『そう言われてみた自分』を一通り想像した後、おっしゃるとーりでございます、と言わんばかりにため息をつくガロード
「あのとき、今お前達が思っていることを、一番聞きたかったのは、当のアムロ大尉本人だったろう。だが、大尉自身がそれを口にしなかったことの重みを、よく考えるのだな」
つくづく、この話題を口にしたのが、全てが終わった後でよかったと思う、青春三バカ
「知らない方がいいこともある、聞いて解決しないこともある」
ジャミルはそう言うと、一気にコーヒーを飲み込みカップを置いた
そのままシャアを伴って立ち去るジャミルの後ろ姿
青春三バカは、語り尽くせない多くを背負った悲しい大人の背中を見るのだった
ジャミルと並んで歩いていたシャアは、上空の「昼間の月」を見上げた
「D.O.M.Eか・・・一度、逢ってみたかったものだな」
どんな形であれ、ニュータイプを語ったもの
ニュータイプであったばかりに、狭いD.O.M.Eに封じ込められてしまったもの
「逢ってどうしようというのだ?こちらの世界で『逆襲』をされても困るぞ」
「何を見て、何を悟ったのか、それを聞きたいだけだ」
何故自分のように人類に絶望せずにすんだのか
何故ただ『見続ける』事を受け入れることができたのか
「・・・それはこれからの私にとって必要なのだよ」
「これから?」
聞き返して、そうかとジャミルは呟いた
「そうだな、これから君はどうするつもりなのだ」
「戦争しか能がない男だが、そちらで雇ってくれたりはするのかな?」
だから嫁さんにも恵まれんよ、と肩をすくめて自嘲気味に笑うシャア
「ほう、報酬は何がお望みかな?悪いが、ティファやエウレカは渡せんぞ」
シャアの幼女趣味に釘を刺すジャミルだが、シャアはこれまたフッと笑って返す
「いつか仕事が無くなったときに、D.O.M.Eに案内してもらいたい」
今はこちらの世界でもまだまだ小競り合いが続いている。シャアが今までの『シャアなりの生活』を続けても、ある程度問題のない状態といえる
しかしそれすら無くなったとき、戦争のない生き方ができるか、それをD.O.M.Eに問いたい・・・
「もしもD.O.M.Eの正体に思うところがあっても、それを受け入れる気構えはあるのか?」
先ほどの物言いといい、ジャミルは何かを知っているのかも知れない
シャアはそれを察していたが、だがそれを『言わない』事の意義をくみ取り、無言で頷いた

その後フリーデンIIIに到着したシャアが、フリーデンメンバーと小競り合いになってしまい、危うくやっと手に入れた戦艦を壊しそうになった物の、その後の紛争集結に一役買ったとか買わなかったとか

彼がD.O.M.Eと出会えたかどうかは、内緒
黒歴史を鑑みると、監督の意図はどうであれ、やっぱりD.O.M.Eは彼なんだろうなぁ
アムロ自身、ニュータイプが万能だという考えは少しも持ってなかったし

それを想定して
CCA後、実はνガンダムから回収されていたアムロが、連邦の実験台にされて・・・っていうSS考えたことがあったりするw
とんでもなく荒唐無稽で、いや~んな話
もし書くとしたら、これの続きになるだろうな・・・(苦笑)
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テーマ : Another Century's Episode 3 THE FINAL - ジャンル : ゲーム

2007/12/20 02:07 | SS【A.C.E 3】COMMENT(2)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

そう、全ては幻だ…

…ってな訳でどもっす

確かにあのD.O.M.Eの声の話は有名ですが、まさかここに繋げるとは、お目が高いっすねww 個人的には光岡さん(Xのナレーションも担当)の声にして正解だと思ってますが、もしアムロになっていたら、それはそれでまた某会社にとっては背筋の凍る事態になってたと思いますw

あと、最近Xの高松監督つながりで勇者シリーズ(ジェイデッカーとゴルドラン)を見たんですが、やっぱりこの作り方はXの結末とかぶる部分(メタフィクション的な意味で)が多く、納得してしまいました
ついでに、さっき挙げた作品、10年以上も前の作品のはずなのに面白くて、そして泣けました。やっぱり最近のアニメは作画技術は上がっても内容がどんどん落ちてると実感しましたorz

そして、やっぱり自分はNT=ガンダムに魂を引かれた者だと高松監督が漏らしていたようですが、何だか気持ちが分かるような気がします。おそらく今回のシャアやジャミル、そしてアムロもこんな気分なのでしょうね。…しかし、こんなに深い作品なのに幼稚と切り捨てた某監督をぶん殴りたい(笑

あと、横にあった投票フォーム、A世界や空気はともかく、B世界はマジで選ぶの地獄だったんすけどww連続とかはやっぱりダメっすよね?つか、今回のストーリーに関わった面子でもう一回、今度はスパロボでやってほしいなあ…

なんか長文ですいません。では、今日はこの辺で!!

No:143 2007/12/20 14:19 | 弁慶 #9fYuzJy. URL [ 編集 ]

過去から離れることが必要だ

要するに「ニュータイプだとかそんなの離れて話作れよ」ってことですよね、監督のメッセージは
A.C.E 3でも誰も何も言わなかったのも、D.O.M.Eのメッセージをちゃんと飲み込んだんでしょうねぇ
しかし・・・もしも本当に声がアムロだったら、Xはきっと打ち切り所じゃすまなかったでしょうねぇ
真の黒歴史にされていた可能性も否定できない。おそろしや

勇者シリーズですか
私が好きなのは、初代エクスカイザーと二代目ファイバードですね
特にファイバードのラストは泣いたわ・・・
というか、あの頃のアニメが一番面白かったと思います
いろいろな意味で、力のあるスタッフがいた時代というのでしょうか
まぁ今度また別の形で書こうと思うのですが、苦労する必要が無くなると、苦労していた理由が分からなくなって人って堕落するんですよw

投票ですか?
地獄なの分かっててやってますw
ただしヒント・毎日来てねww

そうですねぇ
A.C.E 3とスパロボDとα外伝をかけたぐらいの内容が一番いいかな(鬼発言)
今度そう言うスパロボの妄想でもやりますか!?(ぇぇ?

ちなみにこの話の続きはというと・・・
CCA後、はるか未来に飛ばされたシャアが辿り着いたD.O.M.E
そこでD.O.M.Eの正体を知ってしまった彼は、仮にも地球を救った英雄を貶めた地球人類に完全に見切りを付ける
D.O.M.Eもそれについて何も触れず、ただ黙って赤いMSを差し出す
時はα外伝の時代
突然現われた謎のMSに立ち向かう、ガンダムX、∀、ザブングル!
・・・つーのを考えてたことが、あります

ハチャメチャだ・・・

No:144 2007/12/21 22:35 | あるす #- URL [ 編集 ]

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