【A.C.E 3 番外】病気と闘え!(上)

UNIQUEが、近々ガンダムとのコラボレーションTシャツを出すそうです
ソース
うーん、正直微妙だなぁ
特に00がね・・・
ま、実物ができてみないと何とも言えませんが
歴代ガンダムが整然と並んでいるデザイン
なんていうのなら買ってやらんこともない


インフルエンザから生還したワイルドヘヴンさんに捧ぐ

ワイルドヘヴンさんのインフルエンザ+煙草がマズい、から思いついたという、非常に不謹慎なネタであります
しかし、書き始めたらあら不思議
なにやら良作の予感


そこには、B世界の大物が雁首揃え、悦びとも苦痛とも言えぬ顔をして互いを見合っていた
「やっぱり美味いな、煙草は」
「ああ、これを手放すなんて考えられねぇな」
「ホントだぜ・・・こんなところに閉じこめられるんじゃなきゃ、な」
はぁ、とため息を同時につきつつ煙を吐く、隼人・ホランド・ゲイン
その彼らの四方を囲んでいるのは、突貫で配置された強化プラスチックの壁
食堂に隣接した、4畳もないその空間にはいるべき入り口、そこにはルリの手書きで大きく
喫煙室
と貼られていた・・・

「んでこんな狭いとこで煙草ふかさにゃならねーんだよ!」
ホランドが我慢しきれず、壁を隔てた向こうでコーヒーを啜っているアムロとフォッカーに食ってかかる。当の二人は困惑顔だ
「そうは言われても、こっちの世界で、ましてや宇宙戦艦で煙草を吸うなんて、非常識だからなぁ」
かつての上司グローバル艦長が、マクロスのブリッヂでパイプを吹かしては、オペレーター達に文句を言われていたのが懐かしい
「アンタも煙草ぐらいやりそうだが・・・やっぱりやらんのか?」
フォッカーの雰囲気なら、葉巻も似合いそうな気もするのだが、と隼人
「昔地球に住んでた頃は多少やったが、マクロスに乗り始めてからは吸うに吸えなかったからな・・・自然と止めちまったよ」
「空気のリサイクルの面から考えると、非効率的なんだよな、そう言うの」
アムロがそう言いつつ、彼らのど真ん中に設置された、これまた急いで取り寄せた特別製の空気清浄機を見ながら言う
「コロニーの空気リサイクルにだって神経質なのに、それよりもっと狭くて物資のやり取りのキツイ宇宙戦艦の中じゃ、くしゃみの一つだって災難の元なんだぜ?」
閉ざされた空間であるスペースコロニーでは、はしかでさえ気を抜けばあっという間に大流行してしまう。さらに気密度が高く、空気の搭載量に限界のある宇宙戦艦では、ちょっとしたウィルスでさえ正しく除去できない危険性をはらんでいる。だから、例え微熱であっても何らかの病気を発症した場合、即座に隔離か離船を余儀なくされるものなのであった
そう言えば二日ほど前寄港したコロニーでは、出るときも入るときもウンザリするほど検疫を受けていた
「宇宙時代ってのは、意外と厳しいもん、ってことね・・・」
ジャミルが煙草をやらないのも、言われてみれば宇宙と地上を行き来する戦争の影響なのかも知れない
「煙草なんてもんは、地球に暮らす金持ちの道楽なのさ」
大自然という偉大なリサイクル装置の中にいればこそ、煙草も味わえるというものなのである
「ちっ、めんどくせぇなぁ。美味い空気と美味い煙草をやるのは、あっちに帰るまでお預けってか・・・へ、へっくし!?」
「おいおい、言った側からくしゃみか?意外とノリが良いんだなアンタ」
ハッハッハッと笑うフォッカーだが・・・
「いや・・・何か本気で・・・寒気がしてきた・・・」
やなかんじ、という表情で振り返るホランド
「・・・ム、気のせいか俺もフラフラしているような」
頭を抑える隼人
「ゴ、ゴホッ?これは煙でむせているのとは・・・違うぞ?」
急に咳き込み始めるゲイン
顔を見合わせたアムロとフォッカーは、こくりと頷くとすぐにナデシコC医務室に駆けだした


「インフルエンザね」
ずらりと並べられたベットの上で、う~んう~んと唸っているB世界一同(ゴウ除く)を見渡しつつ、イネスはさらりと言った
「いんふるえんざぁ?イネスさん、それなんですかぁ」
厳重にマスクと手袋をさせられたうえで、やれお粥やらやれ水やら配るのを手伝わされていたヒカルは、聞き慣れない病名に声を上げた・・・が、今度はジャミル達が震え上がった
「イ・・・インフルエンザ・・・だとっ!?」
「・・・死ぬっ・・・俺はもう・・・ここで終わりだ・・・!」
全く状況が読めないナデシコ三人組は、お先真っ暗と言い出したロアビィやウイッツを落ち着かせるのがやっとである
「あなた達がインフルエンザを知らないのも、検疫をすり抜けたのも無理無いわね。この病気については最近、こちらの人類の大半が強い抗体を持ってしまって、それほど脅威じゃなくなってるから」
あくまで軽やかにそう言いつつ、抗インフルエンザ薬のデータを探すイネス
「・・・な、何だって?死の病のインフルエンザ・・・そ、それが?」
驚いて飛び上がったジャミルだが、すぐにくらりときてしまいイズミにようやく支えられている
「なぁ、インフルエンザってやつぁ、そんなに大変な病気なのかよ?」
「そうね、20世紀の初め頃には、この病気のせいでヨーロッパ地域だけで、5,000万人以上の人が亡くなったのよ」
あくまで情報端末の画面を見ながら、イネスは解説を始める
「この病気にかかると、猛烈な熱や吐き気に襲われて、場合によっては脳炎を起こすこともあり得るの。しかもこのウィルスは変異スピードが速くてね、昔は適切なワクチンを作れなかったの。ヒイロ君やケーン君達のお爺さんの世代くらいまでは、やっぱり大変な流行があったらしいわ」
それが最近になり、代々重ねてきた遺伝子治療の結果か、ほとんどのインフルエンザウィルスを克服する抗体を、生物的に持つことに成功したのである
「と、言うわけで対処方法が確立されてるから、安心してちょうだい。最も、ワクチンの備蓄なんて無いから、薬を大急ぎで作らなきゃいけないけど」
抗体を持った人間の体液を使えば、応急処置的に血清を作ることはできるのだという
「・・・それでさっき、ドモンが倒れてたわけか」
ガラにもなく食堂(医務室がいっぱいなので)の長椅子に倒れ伏していたドモンを思い浮かべ、リョーコは言う
「あら?彼血の気多いから、2リットルくらいもらっても大丈夫だと思ったんだけど」
相変わらず鬼のようなことをさらりと言うイネス
「それ、下手すると乏血性ショック起こすよ・・・」
翌日
どうにかこうにか間に合わせた薬で、タルホ達がやや快方に向う中、一人エウレカだけがさらなる症状悪化に襲われていた
「どういうこと?アナフィラキシーに似た症状が起きているわ」
インフルエンザの症状が改善しないばかりか、どうやら抗インフルエンザ投薬に拒絶反応まで起きているらしい
ジャミル達の話では、B世界ではインフルエンザにかかってはまず生きていられないほど、医療事情がよくない。と言うことは、過去にエウレカがインフルエンザにかかり、自力で治癒して抗体ができ、それに対してA世界で作った薬が過剰反応した、とは少し考えにくい
「似てますね、コミリアが風邪を引いたときと・・・」
心配して様子を見に来ていたマックスが、ふと漏した一言に、イネスはピンと来た

「前から気になっていたのよ、エウレカちゃんのこと」
まだ熱が下がらずにベットに横たわっているホランドは、そうイネスに言われても目線をそらして答えない
「そちらの事情はよく分からないけれど、あの子には特別な何かがあるんじゃないの?」
横で聞いているタルホの方は、明らかに動揺しつつも、ホランドの出方をうかがっていて、自分からはどうしていいか判断しかねているようだ
「前にウチの娘が風邪をひいて薬を与えたとき、同じようなことがあったんです。片親であるゼントラーディは我々と肉体構造が違うし、そもそもなるべく病気をしないように抗体が強化されてる。そのせいで地球製の薬で拒絶反応が出たんですね」
エウレカが今抱えている状況は、マックスが語るコミリアの過去と、まさに近い状況といえる
「インフルエンザ投薬は、発症から48時間が分かれ目なの。もう時間がないわ、エウレカちゃんを助けるためにも、何かヒントだけでもくれないかしら?」
のそり、と体を起こすホランド。エウレカの秘密と命を天秤にかけることなど、彼にはできなかったのだろう
「・・・エウレカは・・・人の姿をコーラリアン・・・人間の創った薬は、エウレカには効かねぇ、特別な力を持つヴォダラクの僧侶じゃねぇと・・・」
ついに言ってしまった、とがっくり肩を落すホランドとタルホだったが
「なるほど、それで合点がいったわ」
イネスは驚いた風もない。続けて
「何とかなるのか、イネスさん」
「インフルエンザに『なる』からには、彼女の体の構造は、どこか何かが人間に近いはずよ。逆に言えば、その僧侶に頼らなくても『治す』方法だってあるはずだわ」
「コミリアん時はどうしたんだ?」
「確か・・・丸二日点滴と水分補給させて、薬の成分を体外に出させましたね。風邪の方は、ゼントラーディから引き継いだ抗体が何とか対応したようです」
「薬の拒絶反応はそれで何とかなるな」
「問題はインフルエンザ自体への対応だ。我々はコーラリアンの情報に疎い。あちらのトレゾア研究所なら、何らかの助言が得られるかもしれんが・・・」
「善は急げ、ですね。ハーリー君、月光号を牽引してあちらに移動しますが、大丈夫ですか?」
「はい!本艦の防衛率は約30%程低下しますが、エウレカちゃんのためです、何とかやってみせますよ!!」
その場に集まっていた主要なメンバーは、キビキビと持てる力をいかに発揮するか討論し、全力を尽くす決意を示し始める
「あんたら・・・驚かない、のか?」
思ったような反応がなかったので、ホランドはどうにも調子が狂って眼をぱちくりさせている
「ん?何か問題があったか」
「だってお前、エウレカは人間じゃないんだぜ?」
「それがどうかしたのか?」
ショウが皆を代表して即答する
ホランドとタルホは絶句して二の句が継げない
「彼女に薬が効かない理由が分かった、ただそれだけのことじゃないの」
マリナもあっけらかんとして続ける
「それとも何かぁ?俺たちが『ひぇ~っ、怖い怖い』とか言い出すとでも思ってたの、おたくら」
大げさな素振りをワザとしてみせるタップ
「そんな馬鹿な反応するようなら、アッサリ異星人と子供作らないし、チャムに驚いたりしないって」
「なによ、アタシが何かしたの、ライト!」
即興で漫才してみせるライトとチャムに、ホランドもタルホも驚きを通り越して、渇いた笑いを出し始める
「・・・すまねぇ、アンタらのこと、まだちゃんと信用し切れてなかったんだな、俺は・・・」
「無理ないね。秘密を抱え込むと、誰でも心が固くなるものだから」
エイサップにぽんっと肩を叩かれ、思わず熱いものが胸からこみ上げるのを、ホランドは久しぶりに感じた

『ナデシコCに搭乗されている皆さん、艦長のホシノ・ルリです
これより本艦は特別任務を実行します
我々の大切な仲間である、エウレカさんを助けるため、月光号を牽引しつつトレゾア研究所へ接近
ゴウさんを護衛に付けてイネスさんを研究所と接触させ、特効薬の作成を行う、と言うものです
時間はほとんどありませんし、こーゆー時に限って敵が襲ってくるのはパターンだと思います
そうなったなら、我々の持てる力を駆使し、全力でやっつけちゃってください
では、よろしくお願いします』

(続く)
おまけ
ヒカル「ところでぇ~、なんでゴウさんは、インフルエンザにならなかったんでしょぉ~?」
イズミ「バカとなんとかは風邪を・・・
ストナァァァサァァンシャイイィィィーン!!
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テーマ : Another Century's Episode 3 THE FINAL - ジャンル : ゲーム

2008/02/05 23:58 | SS【A.C.E 3】COMMENT(2)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

あり?(笑)

いつもながらに笑わせて頂きましたw
自分の何気ない一言がこんなSSになるとは・・・恐るべし!
ネタの投下のために爆撃目標地点を選定中の矢先に先制攻撃受けちゃいましたよw
そういえばグローバル艦長の記述ですが・・・
実は自分、Gロボ(OVA)の長官とグローバル艦長に影響されてパイプ始めたんですよ(笑)
こうもピンポイントでツボを突いてくるたぁ、あるすさん・・・アンタは一流の整体師はたまたトマホークミサイルかとw
ACEで例えるならば・・・そう、カーフミサイルだ!(褒め言葉のつもり)

とりあえずは、またネタの投下のために地下にでも潜伏しますかね・・・

No:192 2008/02/06 15:32 | ワイルドヘヴン #- URL [ 編集 ]

ステルス攻撃

不謹慎なネタがツボにはまるとは・・・
しかもお褒めの言葉をいただけるほど
自分はステルス戦闘機なのかも知れません

>実は自分、Gロボ(OVA)の長官とグローバル艦長に影響されてパイプ始めたんですよ(笑)
A.C.Eでパイプ煙草と言えば、グローバル艦長しか居らんかったので書いたのですが、それがビンゴとはw
「艦長、禁煙ですよ」
と言われては、しょんぼりパイプを仕舞うグローバル艦長が可愛かったww

そしてネタ、もう一つ使わせてもらって後半〆ましてございますwww

No:193 2008/02/07 02:18 | あるす #- URL [ 編集 ]

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