【A.C.E3 番外】After War 20(中)

ニコ動で、スパロボZ出演作のOPを集めたMAD動画が上がっていました
これを見て思ったのは、ダイナミック系と富野作品は、いろんな意味でやっぱりすごいということです
内容が全く色あせない
ダイナミック系はもちろん正統派で見がいがあります
富野作品の内容は機知に富んでいて面白い
やっぱり別格なんだなぁ

しかしそんな中、非・富野作品でもガンダムXの主題歌は際だってイイ
噛めば噛むほど味が出るスルメのようです
スパロボZでの神アレンジ期待!


昨日
「よっしゃぁ、できたぜ!」
ってアップしておきながら、仕事場でふと頭に
「あれ、エンディングこれじゃなんか足りなくね?」
と思いつき(仕事しろよw)
ただいまラストを猛執念で書き直し中・・・


最初は、単なる好奇心だった
ポロロッカによって投げ出されたあの場所は、あくまで司令クラスターのイメージによってできた、言わば彼らの聖域のようなものであり、決してスカブの内側にヒイロ達の世界が有ったわけではない
では、本当の内側には何があったのだろうか?
それ以上のことはなにも考えていなかった


だが、スカブの崩落によって新たに現われた"海"に沿って、"真の大地"を放浪していた3年前
収拾した地形データを集め、見よう見まねで西海岸の海岸線を書き起こしたとき、ガロードはそれが現す線の異様さにすぐ気がついた
その違和感が間違いであることを確認しようと、様々な土地のデータを集めれば集めるほど、彼の疑念は確信に代わって行っていた
かつてマクロスシティに降下する際、ガロードも衛星軌道上から"あちらの地球"を見下ろした。そしてその時、レントンが「学校で習った地形と少し違う」と言った地域が、他ならぬこのアメリカ大陸付近のことであった。だからガロードも、一体どこがどう違うのか、あんな混戦の中でも興味を持って見ていたのだ
その時は、たまたま二つの地球の歴史がどこかで食い違い、地殻変動か何かで地形に差が出たのだろうと、ルリもホランドも考えていたようだったし、他のメンバーも余り気にしていなかった
だが今まさに、その時覚えた海岸線が、調べれば調べるほど浮かび上がってくる

しかしそれだけなら、単にスカブの移動により本当の地球が顔を出した、と言う事実が浮かび上がってくるだけだ
ところがさらに内陸に進んで行くにつれ、あちらの一年戦争時にできたという、コロニー落としの跡と同じ場所に、風食に晒されたクレーターをいくつも発見したのだ
そして目の前に立つ、マクロスの姿
だとしたら答えは一つ

この世界は、彼らが居た地球の遙かな未来だと言うこと

だが、そんなことを他の誰に言えただろう?
これが事実だと分かったところで何も変らない、と彼が自分に言い聞かせていたとしても
世界の若者の希望になろうとしているレントンに
子を得て幸せを噛みしめるホランドに
政府というバケモノを相手にして戦うジャミルとゲインに
この思い出を形にするために日々を生きるゲイナーに


「・・・どうするのだ、ガロード・ラン?」
言葉を失っているガロードを正気に返すように、シャギアが通信を入れてくる
「なぁ、あの写真立てを見つけたのは、もっと先に進んだところか?」
「ああ・・・」
オルバは言いつつ、以前この場所に来たときと、何か様子が違うことに気づいた
「兄さん、インベーダーの気配が・・・無い」
「お前も感じたか、オルバよ」
カテゴリーFなどと言われても、周囲の敵意を感じる能力はガロードよりは鋭い
「ヤツラがいねぇんなら好都合さ。俺はもっと奥に進んで、その"発掘現場"に行ってみる」
ガロードはティファに防寒着を着せながら、GXのコクピットを開けると、素早く地上に降り立って奥に進もうとする
「まぁ待て。ここまで来て一人で行くとは、ずいぶん冷たいのではないか?」
「ここはひとつ、僕らが先導して案内役を引き受けるよ」
「んなこと言って、単に興味本位なんじゃねぇの?」
「それに問題が?」
「い~や?じゃ、まぁお願いしますか」
気配を感じないとはいえ、どこに何が潜んでいるかも分からない遺跡を、奇妙な4人組が進んでいく
やがて、比較的大きな住居とおぼしき建物にたどり着いた一行。フロスト兄弟はここで例のものを見つけたという。慎重に辺りを見回した後、内部に入った彼らは、そこで図書館のような場所にたどり着いた
「ここだ」
シャギアが崩れかけたドアを慎重に開ける
そこはどれだけの時間が流れたかも分からない、今にも崩壊しそうな本棚で埋め尽くされた場所
いや、本というよりは、ガロードがオモイカネの中で見た、電子ライブラリの成れの果てに近かった。もちろん、あれそのものではなく、もっと別のシステムも入っているようには見えた
そう考えると、この空間はケーンやエイサップの生きた時代からは、もう少し時間が経った後のモノのようにも思え、ある意味ガロードにはそれは救いになったような気がした
「あの写真以外、時代を特定するようなものを、我らは見つけられなかったのだがな」
ほとんど紙の媒体が無くなっている時代の遺跡である。それもやむを得ないことだ
だが、ガロードの話からある程度の媒体が、太陽蓄電で稼働すると分かった以上、いくつかのデータは読み取れるかも知れない
少しウロウロして、ガロードは何気なく一つの"箱"を手に取り、それを壁の切れ目から差し込む太陽の光に晒してみた
彼もこの箱の使い方は良くは分からない。だが、4年近くこの地を彷徨う内に、偶然覚えた使用方法を何とか駆使し、中身を見ることは何となく分かっていた
「『第38次宇宙移民計画概要』・・・これ・・・?」
数個の内容を確認したガロードは、その記録された文書そのものに眉をひそめる
それとは別に、彼の思考を遮る声が後ろから上がる
「おかしい。この部分の"箱"がごっそり無くなっている」
棚の一部を見てシャギアが声を上げた。彼らが最初にここに来たとき、びっしり詰まっていたはずの"箱"達が、無い
「浸食でなくなったんじゃないのかい、兄さん?」
「それにしては綺麗にすっぽり抜け落ちている。見ろ、その周辺の"箱"の表面に浸食の跡がない」
「そう言えば・・・他にも同じようになっているところが・・・」
ガロードはその場所に、ちょうど今のように太陽の光が集中していることに気づいた
フロスト兄弟がこの場所に来てから5年。5年もあれば、ヤツラが学習するには充分すぎる時間だ。彼の脳裏に甦る、かつてエスタルドで戦った、あのインベーダー二人組
「・・・もし、そんなことがあったら・・・」
譫言のようにガロードがそう呟く
「どうした?」
「間に合うかどうかわからねぇけど・・・俺はこれから日本に行く」
「なんだって?いくらGXとはいえ、太平洋を越えるなど、非現実的じゃないか」
「いや、ここがあのアラスカなら、シベリアとの距離はベーリング海峡を突っ切って60キロ・・・この時期なら、流氷でもう少し狭まっている可能性もある。そのままカムチャツカ半島を走り抜ければ、GXでも乗り切れる」
「むぅ・・・首尾良くアジア方面に出られたとして、お前は何を予感しているというのだ?」
「確信はねぇ・・・だけど、ここに居たというインベーダーが居なくなったことは、もしかしたらこの予感と関係しているかも知れない」


日本・北海道
平原に巨体を晒すタワーの近くに、スーパーイズモ艦が接近してくる
「ようこそ日本へ、ユルゲンス艦長」
「お招き感謝する・・・と言いたいところだが、我々をわざわざロンドンから呼ぶぐらいだ、のんびりしている場合ではないのだろう?」
合いの手を入れる間もなくユルゲンスに言われ、隼人は手許のパネルを操作する
「まずはこれから送る画像を見て欲しい。ここ2ヶ月ほどの間に、北海道近辺に現われた、インベーダー反応のモノなのだが」
スーパーイズモ艦に転送されたその画像は、数機の人型兵器とおぼしき影であった
「これはKLFか?」
それからインベーダーの反応が出ているというのなら、これはKLFと融合したメタルビーストと言うことだろう。が
「ハヤト・・・こいつは、エステバリス、ではないのか?」
「こっちはバルキリーに見えるぜ?」
ジャミルとゲインが口を挟む。驚いてウイッツとロアビィも画像をのぞき込むが、確かにそう言われればそう見えなくもない
「北海道に設置していた監視カメラの映像だから、確かにそうだとは言えない。だが」
否定する要素もないほど、細部が似ているその画像に、一同は言葉にできない奇妙な不安を抱いた
「でも司令、ホント何度も言うけど、おかしいじゃない?これが、こっちにあるはず無いじゃないの」
ケイが金切り声を上げるのも無理はない。バルドナドライブは、今や朽ち果てるのを待つばかりの海の藻屑と化しているし、だいたい彼らの機体を記録したデータがあったとしても、それを再現するような技術自体、こちらにはないのだから
「だからこそ、わざわざ俺らを遠くから呼んだ、そう言うことっしょ?神司令」
落ち着け、と言うように合いの手を入れるウイッツ
「その通りだ。だが、ほぼ全員の意見が一致した以上、ほぼ間違いなくあれらの機体である、と言うことになってくるな」
「そっちでハッキリ確認してないわけ?」
2ヶ月もあれば、接触戦闘の一つもありそうなことで、ロアビィの意見ももっともである。それはガイも分かっていることで、ため息混じりにこれに応える
「面目ないんだが、他の場所で出たインベーダーに手間取っちまって、北海道に来たのは実は今日が初めてなんだよ」
なるほどねぇ、と腕組みしてモニターの向こうの隼人を見るゲイン
「事情はよく分かった。んで、俺たちに捜索を手伝えと?」
「まぁそういうことだな」
「エスペランザに乗るのは久しぶりなんでね、まずはリハビリさせてくれんか?」
「よく言う。隙を見てはシベリアを駆け回っていたというのに」
一応議会には"侯爵様"として出席するものの、それが終わればあっという間に"黒いサザンクロス"に衣替えしてトンズラするゲインに、ジャミルは度々困らされているのである
「と、ところで。ホランドとゲイナーは呼んでないのか?」
話を逸らそうと、ゲインは姿が見えない人間の名をわざと出す
「あの二人は、月光号でアムール川の付近からこちらに向っているはずだ」
「あのう、司令・・・ガロードは?」
もう一人の姿の見えない人物について、レントンは何となく言い出しづらい顔で声を出す
「ヤツはこちらでも行方がつかめん。"真の大地"は電波が通りにくいからな・・・衛星中継で広域に電波放出しても、放送をつかめていない可能性の方が高い」
「そうですか・・・」
目線を落すレントンの肩を、ジャミルがそっと叩く
「どうしたレントン?彼ほどの悪運の持ち主が、事故に遭うなど考えにくいがな」
「そうじゃないんです。最後に逢ったとき、俺もしかしたらあいつにちょっとキツいこと言っちゃったかもって思って」
そう言えばいつもの三バカで、なにやら言い合いをしていたな、とジャミルもその光景を思い出す
「だってあいつ、あれからずっと音沙汰無いでしょ。3年ですよ?もしかしたら、俺たちのこと嫌いになって、ずっとあそこから帰ってこない気なんじゃないのかな」
「ふふ、ガロードに限ってそれはないだろう。そのうち、『わりぃわりぃ』と笑って現われるさ。確かに長いこと音沙汰がないのは、感心できないがね」
そう言うとジャミルは、背が伸び自分とほとんど目線が同じになったレントンの正面に立って、ぐっと拳を握ってみせる
「なに、帰ってきたら一発殴ってやればいい。意外とそれで、気が済むものだぞ?」
「な、殴っちゃうんですか?」
物騒なことを言われている、とつい引いてしまうレントン
「その場になったら、意外と勢いで行ってしまうものさ」
ジャミルにぽんと背中を押されながら、レントンはタワーの会議室へふらふらと歩かされていった
オホーツク海が見えようとしている海岸付近を、月光号が征く
神隼人の非常招集に応え、何が待つかも分からない北海道へ向おうというその艦の中で
「おーまーえーなー!ここはあんまり熱い展開にすんなって最初に言ったろうが!」
「せっかくのロボット漫画の初回が、さっぱりな話じゃ締まらないじゃないですか!」
「どアホ!なんのために、連載前に全部の話のシナリオ考えたと思ってやがる?勝手にそれを変えるんじゃねぇっつーの!!」
「アホって、失礼じゃないですか!だいたい非常招集かかってる中、それでも漫画描かせる貴方の方がアホですよっ!!」
「締め切りは戦いよりも、命より大事なんだよ、メガネヒキコモリっ!」
「矛盾してますよ、死んだら漫画書けないでしょ、不良中年っ!」
なんというか底辺な口論が繰り広げられていた
説明すると、隼人からの招集をかけられたその時、ようやくペン入れの終わった原稿を携えたゲイナー(というかキングゲイナー)は、シンシア(というかドミネーター)に首根っこ掴まれて月光号に差し出されていたところだった
ちなみになんでオーバーマン同士で出頭していたかというと、ゲイナーがオーバースキルを使って何とか原稿を早く上げようとしていたからである(オーバーマンサイズのペンで上手いことペンを入れているゲイナーは、相当器用ではある)
が、そんな二人の熱い議論に、水を差す子供の泣き声
「せっかくすやすや寝ててくれたのに、どうしてくれんのよ、あんた達っ!」
今度叫びだしたのはタルホの方だった
「ンだよ、だからユウキはブリッヂなんかに連れてこねぇで、ミーシャ辺りに任せときゃいいって・・・」
「バカ言わないでちょうだい。子供の面倒見ないで、船の操縦にうつつを抜かす母親がどこにいるって言うの?あんたこそ、子供の面倒人任せにして雑誌の編集長気取ってエラそうにしない!」
バルドナドライブ事件後、しばらくして二人の間に授かった子を、タルホはちゃんと自分の手で育てるのだと言って、ホランドの心配を他所に艦に乗せながら連れ歩くことになった
そろそろ喋るだけでなく、好き勝手に歩き回る年頃になるのだが、流石にブリッヂで暴れられるのは困るので、こう言うときはおんぶにだっこしながら月光号の操縦をしているのであった
「何か、マックスさんの所のミリアさんを思い出す風景ですね」
いつぞや、コミリアを引き連れてクアドラン・ローでナデシコにやってきたミリアを思い出し、遠い目になるゲイナー
「やだね~、いつかあんな冷めた夫婦になるような喩えは止めてくれよ」
とりあえず関わらないフリをしていたギジェットが、ふとレーダーに映る影に気づいて叫ぶ
「当艦の前方、10時の方向を高速で移動する機体あり!・・・識別、ガンダムX!!」
この数年行方をくらましていた機体が、しかも予想外の位置に現われたことに、ホランド以下月光号ブリッジは騒然とする
「ギジェット、あっちに通信を入れろ!」
「了解!」
否や、マイクを取るホランド
「ガンダムX!こちら月光号だ、聞こえるか!?」
しばらく応答はなかったが、数分して雑音が返ってきたかと思うと
『・・・聞こえたよ、ホランド』
「ガロード、本当にガロードかい?」
懐かしい声に、思わずゲイナーも声を上げる
『んだぁ?ゲイナーそこに居んのか。つーか月光号、どこ飛んでんの?』
「ばかたれ、お前の斜め後ろだよ。どこまで前しか見てねぇんだ、テメェは」
呆れて頭をかくホランド
「まぁいい。かなりちょうどいいところで逢った。テメェの用事は後回しにして、月光号と進路とスピードを合わせろ。日本で何かあったらしくてな、隼人に呼ばれてんだよ。ワイヤーを垂らすから、とりあえずそいつをガンダムに繋げな」
『・・・日本、で?』
一瞬ぎくりとしたように黙って、そう返してくるガロード
「ん・・・どうした?」
ホランドの方も、ガロードの気配が妙だと気づいて声をかける
『何があったか、聞いてる?』
速度を落して月光号に近づいてきたガンダムXは、牽引用ワイヤーを器用に機体に接続している。その操作をしながらも、ガロードは心ここにあらずという感じだ
「詳しくは何も。現地じゃねぇと何とも言えない、とか言ってやがったな」
「どうしたのさガロード。あのときも変だったけど、今日はもっと変だよ?」
ガロードの応答はない。が、その沈黙は"何か考えている"気配を漂わせていたので、ホランドもゲイナーもあえて声をかけず、彼の声を待っていた
『あのさ・・・俺、マクロス、見たんだ
意を決して声を出すガロード
「・・・何言って・・・」
ゲイナーはもちろん、タルホもギジェットも、ガロードが何を言わんとしているか、全く予想もできず、二の句も告げない
『"真の大地"を旅して、気づいたんだ。スカブの大地の下から、あいつらの世界の大地が顔を出してるって。でも確信が持てなかった・・・誰かに聞いてもらって、済むって問題でもない。確かな証拠は、地形だけだったから・・・でも、あったんだ。アラスカが、マクロスシティが、バレル達との写真が!
どんな言葉でも例えようもない、表現しようのない感情を込め、絞り出すように声を出すガロード。ゲッコーステイトの誰もが、何をどう理解していいかも分からない言葉
だが、ホランドだけは違っていた
「そうか・・・出てきたのか、ついに
『!?・・・ホランド、アンタ、まさか知って・・・』
「ああ、知ってたさ。正確に言うと、そうだろうと聞いていた、と言う方が正しいが」
「ちょ、ちょっとホランド?どういう事なの・・・サッパリ話が・・・」
だが、動揺するタルホにホランドは応えない
代りに響く、ガロードの悲鳴のような叫び
『やっぱり・・・やっぱりそうなのかよ?結局戦いは無くならなかったのか?あれだけのことをやっても、やっぱり戦争し合って、皆滅びちまったって言うのか!?』
「・・・ガロード」
その悲痛な訴えに、ホランドは目を閉じ、唇を噛む
『繰り返してるのかよ、俺たちは!?ずっとずっと、同じ事繰り返して、今ここに居るってのかよ!』
「落ちつかねぇかガロード!」
ガン!と計器パネルを叩くホランド。その声に、思わずガロードも驚いて口をつぐむ
「テメェ、この3年ティファとべったりすぎて、脳みそ蕩けてんじゃねぇのか?ゲイナーの漫画読んで、ちっと頭冷やせっ!!」
なんで僕の漫画で頭が冷えるの?と、頭の上に"?"が山のように浮かんでは消えるゲイナー
『なっ、なんだよそれ・・・わっけわかんねぇ!』
納得しかねると抗議するガロードだが、ホランドはそれを無視して通信を続ける
「んで、それと日本の件は、関係あるのか?」
『・・・マクロスシティには、5年前のスカブ消失直後から、インベーダーが出てたらしいんだ。でもつい数日前俺がそこへ行ったとき、インベーダー共も姿を消してた。埋もれていた古い資料の一部と一緒に』
「なに・・・?」
『今、インベーダー共が行く場所って言ったら、ゴウ達が居る日本しかないだろ?』
ガロードの言わんとしていることを察して、ホランドは唇をかむ
「タルホ、月光号のスピードを上げろ。とにかく、出せる目一杯のスピードに」
「ホランド・・・?」
「例の話は道すがらする!今は時間がねぇんだ、とにかく急いで北海道にいかねぇと」
『ほう、楽しみにしてたのだがな』
『出し惜しみは良くないんじゃない?』
「・・・なんでてめーらがそこに居るんだよ」
話の続きが聞けずに不満そうな声を上げるフロスト兄弟と、その声が聞こえたことに不満を顕わにするホランド
『いや、アラスカで拾っちまって・・・なにより生きてたって事が驚きなんだけどな・・』
間に挟まれた格好のガロードは、いい迷惑であった
広い北海道の平原に、タワーとスーパーイズモ艦がその勇姿を晒している
その近くを、エスペランザがさも気持ちよさそうに駆け抜ける
「ふ~ぅ、地球のためとはいえ、お堅い貴族なんて面倒面倒、っと」
一度身についたアウトロー生活から、足を洗うことも抜け出すこともできず・・・と言うよりも、抜け出す気もさらさら無いゲイン
確かに、新連邦の再度の腐敗を防ぐ、と言う名目がなければとても我慢できないだろう
だが、彼がこんな風にフラフラしているのは、別にそんなことのためじゃない
確かにあの映像に映っていたのは、彼らの機体に見えた。だが・・・
ケイの動揺も分かるし、隼人の冷静な分析も分かる。そして、そうは言っても皆目見当も付かない自分もいる。
要するに気持ちの整理のためであった
「全く以て気持ちが悪い・・・」
そう、何気なく愚痴った瞬間であった
目の前に一斉に現われる、見慣れたバルキリーの姿
「本当に・・・出た!?」
ゲインは慌ててタワーへの通信回路を開く
「隼人、見えるか?例のヤツラが出たぞ!」
その声を聞き、慌ててモニターに取り付く隼人
「どうなんだ、これは本当にあのバルキリーだって言うのか?」
「いや、反応はインベーダー・・・メタルビーストという計数値を出している!」
「ちっ、やっぱりそういうオチかよ!」
舌打ちしながら出撃する、竜馬のブラックゲッターを先頭に、次々と機体がタワーから飛び出す
「タチの悪い変装だなオイ!胃に悪いんだよ、そう言うのは!!」
避けんでトマホークを振りかざすブラックゲッターに、別の場所からビームが飛んでくる。何事かと視線を向けたとき、さしもの竜馬も背筋に寒いモノが走った
そこにずらりと現われた者は、 
『無駄な争いをするつもりはない』
草原に響く、アムロの声
『武器を捨て僕たちの言葉を聞けば戦いは起らない』
同じように響く、輝の声
あまりのことに絶句するタワーのメンバー達
『我々は平和をもたらした』
『我々に従えば間違いはない』


何が起っているのか分からない
人間、そう言う状況が一番怖い


今まで沢山のバケモノを屠り、今またその役目を果たさんとしているというのに、手の震えが止まらない。頭の中が混乱してまとまらない
「なん・・・なの・・・何なのよこれ、どういう事よォォ!」
たまらずにケイが悲鳴を上げる
「落ち着くんだケイ、アレはメタルビーストだ。中に人など居ない」
状況を受けても一人冷静なゴウがそう声をかけるが
「でも、でも!じゃぁなんであの声がするの?あの機体が目の前にあるのよ!」
「ケ、ケイ!」
ケイの動揺を反映してか、真ゲッターの操縦がままならなくなる。必死で安定させようとするガイだが、そう言う本人でさえ歯の根が震えているのを自覚して、冷や汗が止まらない
「ゴウ、ガイ!一旦下がれ、そのままじゃ戦闘なんざできやしねぇぞ!」
真ゲッターを守るように立ち塞がるブラックゲッターやエスペランザ
「とは言ったものの・・・こりゃ悪夢じゃ済まないぜ、竜馬さんよ」
「ああ、悪夢なんざ何度も見てきたつもりだが・・・」
身構える二機の前に迫る、ガンダムの姿をしたモノたち
『愚かな戦いは、繰り返さないのではなかったのか?』
聞き慣れた、しかし抑揚のない声が、まるで呪いの言葉のように響く
「これほど、
夢であって欲しいと思ったことは、ねぇな・・・」

眼前の平原に、ゆらゆらと現われる思い出の向こうにしかないはずのそれが、まるで幽鬼のように彼らに襲いかかろうとしていた・・・

《続く》
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テーマ : Another Century's Episode 3 THE FINAL - ジャンル : ゲーム

2008/06/07 23:24 | SS【A.C.E 3】COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

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