【A.C.E3 番外】続・ある日のナデシコB

先日、横須賀に米軍の広報漫画をもらいに行った、と書きましたが20080608-03.jpg
それがこれ、原子力空母 ジョージ・ワシントンに関するPR漫画なんですが、200ページもある力の入れよう

ちなみにこれをもらうために、なんと地元内外含めて800人以上行列したそうで・・・はい、私もその一人です
内容について言及することはしないけれど(所詮広報なんで。デキは良いよ)、在日米軍が何故これを使って広報をしたのか?というのは考えるべきですね
普通の広報というのは言うまでもなく、そりゃもうよくあるペラ紙ペーパーなんですよね。漫画という物が日本の文化なので、伝えやすいと感じたのだろうか

上に書いていますように、あんまり真剣味があってベースに行った訳じゃありません
ただ、これでも電車と徒歩で40分以内の所に住んでますから、一応ネタとしてもらいに行ったわけです
20080610-01.jpg横須賀市のヴェルニー公園から、ベースを眺めた風景
写真中央、すっぽり抜けた空間がありますね
今までキティホークが係留されていたここに、8月過ぎたらジョージ・ワシントンが来ると
原子力空母が来ることに対して特に感慨はない。だってもう小さい頃から普通の風景だし、事故ったらどこに居たって同じだよ

問題は地元民を装う市民団体が五月蠅くなる事さ。ハァ


さて、なんだか唐突にネタが降りてきてしまいました

弁慶さんに出したコメ返しとはまったく別に、本当に予告無く・・・
ゲイナーの漫画家生活は、また別途書きます


「ライブラリへのアクセスカード、ですか?」
ナデシコBのブリッヂ、ハーリーが素っ頓狂な声を上げる
「だって俺らがもらったこのカード、お客さん扱いなんだろ?」
彼の側に寄っているのは、この間艦に乗り込んできたばかりの、異世界の珍客三人組
「あのライブラリ楽しいんだよね。でもあそこに入る度、誰かに付き合ってもらわなきゃならないの、面倒なんだよ」
ガロード・ゲイナー・レントンがご執心なのは、ナデシコの(と言うかオモイカネの)データベースライブラリ
一度ハーリーが案内して中を説明した途端、その内容の(彼らなりの)おもしろさがヒットしたらしく、ことあるごとには入り浸っていた
とはいえ、軍関係者ではないうえ、そもそもこちらに個人情報すらない彼らである。ゲストアカウント以上のコードを持つカードの作りようが無く、データベースにアクセスしようと思う度、ライトやマックスに付き合ってもらうしかないのだ
別にその二人も勉強熱心なので、データベースに行くこと自体はやぶさかではないのだが、とはいえ二人にとっては復習にしかならないことばかりである上、分からないことがあると三人組に根掘り葉掘り質問されてたまらない、というのはハーリーも聞いてはいた
「う~ん・・・しょうがないなぁ、変なこと、しないでくださいよ?」
少しだけデータを誤魔化して、特別なアクセスカードを作るかぁ、とハーリーは諦めて返事する
後にそれが騒動を呼ぶことになる、とも知らずに
「じゃぁ、後で取りに来てください。一枚だけ、作ってあげます」
「やったぁ!ハーリー大好きっ」
嬉しそうに抱きついてくるガロードに、ハーリーは眉をひそめる
「ちょっ、止めてくださいよ、気味悪いっ」
「いいじゃん、仲良くしよ~ぜぇ」
頬ずりまでするガロードを見ていたレントンは、突然閃いたという顔をする
「あ、そうだ。ハーリーに聞きたいこと、あったんだ」
「まだ何かあるんですかぁ?」
「あのさ、アムロさんとホシノ艦長って、何年ぐらい付き合ってんの?
がしゃん!
いきなり変なことを言われ、ハーリーは思わず目の前の操作パネルに顔から倒れ込む
なっなっなっなっなっ・・・何を言うんですか、いきなりっ!?」
強打した鼻を押さえながら、ハーリーが叫ぶ
「え、違うの?」
むしろキョトンとしているのはレントンの方である
「あれ、僕もそれは意外だな」
ゲイナーまでがそんな風な反応をする
「違う違う違う、ち・が・い・ま・す!あのお二人は、そんな関係じゃありませんッ!!」
顔を真っ赤にしながら、肩を怒らせてブリッヂ全体に響く声で叫ぶハーリー
「そこまで全力で否定されると、逆に怪しいなぁ」
今はルリが席を外しているので、もぬけの空になっている艦長席を見上げ、にやけるガロード
「あそこで二人で打ち合わせしてる姿、仲むつまじいってのじゃ済まないじゃん」
「うんうん、もう"言わなくても分かってるわ"って空気バリバリだものね」
「三人とも、事情知らないで、勝手なこと言わないでくださいっ!」
と、そこにひょっこり顔を出す、もう一つの三人組、ドラグナーチーム
「お~い、ハーリー。訓練の予定データ持ってきたぜぇ」
「オモイカネに入力して・・・って」
「どったの、そこの三人組ともみ合っちゃって」
妙な格好でもみくちゃになっているハーリー+青春三バカ三人であった
「あっ、皆さん。聞いてくださいよ、この人達失礼なんですよ!」
ざっと今までの経緯をまくし立てるハーリー
「あ~・・・そりゃ、マズいでしょ。そう言うこと言うの」
開口一番、ライトが腕組みしながら難色を示す
「仮にもあの二人に限って、無い無い」
うんうん、と同意を示すタップ
「だいたいお前らなぁ、あの二人年離れすぎだろ。そう言う想像自体、おかしいんじゃねぇ?」
諭すように顔を寄せて言うケーンであったが
「え、だってホランドが、世の中にはロリコンとファザコンって性癖があるって」
アッサリそう返すレントン
「だっ・・・バカ!お前それは」
慌ててレントンの口を塞いだタップであったが、遅かった
「ほぉ~う、誰がロリコンだと」
彼らの背後にいつの間にかアムロが立っていた。恐ろしいほど殺気の籠もったオーラを纏った状態で。ゴゴゴゴゴという書き文字が目に見えそうである
例えて言うなら"燃え上がれ、俺の小宇宙!"という感じ
「私、コンプレックス抱くほど、人間関係で困ってませんよ」
その横で、一緒に静かなる闘気を漂わせているルリ
「い、いつの間にっ!?」
気配も何もなく側に寄られていたことも驚きだが、二人の目が怪しい色を帯びて光っていることの方が、何より恐ろしい
「根も葉もない噂を立てる悪い子には、お仕置きが必要ですね」
「ああ、そうだな。三人とも、ウィングゼロの串刺しバスターで灰になるのと、バルキリーのピンポイントバリアパンチで破壊されるのと、どっちにする?」
「「「どっちも嫌です」」」
即答する三人。これを聞いて、今までに見たこともないようなにこやかな顔で笑うアムロ
「そうかそうか、両方その身に受けるとは、見上げた根性だ。ヒイロ、ダイソン中尉と一緒に盛大に的にしてこい
「任務了解」
あっという間に簀巻きにされ、連れ去られる青春三バカ

「「「この艦は・・・地獄だ」」」


数時間後、ナデシコ内のカフェ
「バカだねぇ、お前らは。よりによって大尉に"ロリコン"は禁句だろ」
模擬戦を終えてカフェオレをすするリョーコ。目の前には、リョーコの訓練の脇でヒイロとイサムの的にされ、ミンチよりも酷いモノにされて延びている青春三バカの姿があった
「だいたい、ルリにとって"理想の男性"ってのはアキト以外ねぇんだし」
「アキト、って誰?」
立ち直りの早い三人。聞いたことのあるような無いような名前が出てきて、リョーコの前にぴょこんと集まってくる。呆れて大きくため息をつくリョーコ
「前の戦争の時、俺らと戦ったヤツが居てな。戦争が終わった後、前のナデシコの艦長と一緒になって、ルリを引き取ってたんだよ」
「へぇ、その人、今どうしてるんですか?」
「死んだ」
ぎくっ、っと顔をこわばらせ三人
「・・・ってことになってる」
「あ・・・そういえば、あのアマテラスで」
ピンと来たゲイナーが声を上げる
アマテラス・コロニーで遭遇した、正体不明の黒い機動兵器。それに向ってリョーコは、"アキト"と呼びかけていなかったか
「ま、ヤツが本当にアキトかどうかはわかんねぇけどな。少なくとも、ユリカは火星の後継者に捕まってるのは間違いない」
そう考えると、ルリは大切な人を亡くしたと認識していたにも関わらず、その人々が目の前に予想もしない姿で現われ、もどかしい想いをしているはずである
アムロもそれをサポートしつつ、積年のライバルとの決着を着けなければならないのだから、自然と互いを労るようになるのも道理だ
「俺たち・・・ホシノ艦長とアムロさんに、酷いことしちゃったんだな」
今更、発言の迂闊さを自覚して、シュンとする三人
「気づくのが遅せぇんだよ。ま、自覚しただけマシだな」
カフェオレを一気に飲み干し、こんっとグラスを置いたリョーコが、ヤレヤレと息を吐いてから言う
「ちゃんと謝らなきゃ」
「ああ、そうしな。ルリの仮眠が終わったら、真っ先にな」
リョーコには、今ルリの元に彼らが行くのがマズいのが分かっていたからだ
データシートを持ちながら、廊下を並んで歩く、ルリとアムロ
「まったく、困った連中と道連れになったものだな」
"親の顔が見たい"とばかりに、ホランドもとっ捕まえてとことん絞り上げた後の二人
「誤解は何事にもある物ですけどね、誤解しすぎは困ります」
「ああ、まったくだ」
と、歩みを止めるアムロ。そこはルリの自室前
「じゃぁ艦長、次の作戦開始前にもう一度ブリーフィングしよう。ゆっくり休んでくれ」
そう言って再び歩こうとするアムロの腕を、ルリがぐっと掴む
「大尉、打ち合わせ、まだ終わってません」
じっとこちらを見上げているルリに、アムロはどうしたものかという顔をしてみせる
「・・・艦長命令です」
上目遣いになって、一言そう言われては、さしものアムロも無下にできない
周囲をぐるりと見渡し、ついでにニュータイプ能力で誰もいないことを確認し、二人はそっと部屋に入り込む

ドアが閉まると同時に、軍服の上着を脱ぐルリ
と言っても第二種戦闘配備中である
そもそも地上の海軍と同じような環境だから、コロニーなどに入港していない限り、休むと言っても仮眠に過ぎない。何かあってもすぐに戦闘に出られるよう、体操服のような軽装になるだけだ
といっても、一応男女。アムロは余り直視しないようには配慮している
『そりゃまぁ、セイラさんやフラウを意識したことはあるが・・・』
それは当時のアムロが15歳だったからの話で、今の歳でルリを意識すると言うことはまったく起きない。そう言う意味では、何故あの男が小さい少女に執心するのかサッパリ分からない。と言うか理解したくもない。ニュータイプ同士だが、こればかりは分かり合いたくない
最近も、ニュータイプの素質があるとか言って、10代の少女を自らスカウトしてネオ・ジオンに入れたらしいと聞くし、本当にどうしようもないライバルである

そう考える間にも、ルリは結わいていた髪をほどき、簡易ベッドにもぞもぞと入り込む
彼女がシーツの隙間から自分を見ているのに応えるように、アムロはやれやれと肩をすぼめながら枕元に腰を落す
『添い寝』
最近・・・と言うか、アムロがナデシコに転任になった辺りから、ひっそり続いている習慣
これを知っているのは、リョーコを始めとした一部の人間だけだ
どうしてもルリが、こうしないと寝られない、と言って聞かないのである
もう子供じゃ有るまいし・・・と思うのだが、アキトとユリカを失って、精神的に不安定になっていたのを、何とか立ち直って軍に戻ってきたばかりだから、まだ無理をしているのかもとアムロも一応理解は示していた
だが、こう所帯が増えてくると、目撃比率も上がってくるだろうし、いざ目撃された日には今日のようなことでは済まないだろう
「まったく・・・俺は、アキト君の代替品じゃないんだぞ」
ぺちん
思わず愚痴をこぼしたアムロの頬に、軽くルリの掌が飛んできた
強くはない、けれど感情のこもった平手
「アムロさん、そう言うセリフは、ダメです」
こう言うとき、ルリはアムロを階級ではなく、アムロとファーストネームで呼ぶ
怒っているような、悲しんでいるような、複雑な感情のこもった金色の瞳で、じっとアムロを見上げるルリ
「私は今、ナデシコの"お袋さん"で、アムロさんは"おやっさん"です。"お袋さん"が困ったり辛いときは、"おやっさん"は慰めるのがお仕事です。だから、拒否権無しです」
頬を赤らめながらの力説
なんだかもの凄い理屈を言われているようなのだが、ルリの必死さはその掌から充分アムロに伝わっていた
「・・・悪かったよ、ルリちゃん」
アムロもこの場では、ルリと呼ぶようにしていた
ついうっかりしたことを言ったのを自覚し、アムロは素直に謝って頭を撫でる
「さ、もう寝るんだ。次の任務はまたキツイよ」
「はい・・・おやすみなさい」
彼女が目を閉じたのを確認し、部屋の電気を消してそっと外に出るアムロ

「ふ~う・・・俺も、父親像を求められる歳になった、って事なんだろうけど」
ドアに背もたれながら、宙を見上げて呟く
こういう疑似親子の関係の維持にも、そろそろ限界があるのではと考えては来ていた
アキトの代りはある程度できても、ユリカの代りばかりはどうにもできないからだ
「ベルかチェーン辺りに来てもらうか・・・?いや、それよりも」
ふと思いついたアムロは、少し廊下を歩いたところで内線を手に取る
「ああ、ハーリーかい。艦長は仮眠に入ったよ」
『了解です。じゃあ、これから6時間は、大尉を艦長代理として動くよう、オモイカネの管理シーケンスを変更しますね』
「頼む。じゃぁ俺はこれから、ジャミルとのブリーフィングと、その後Dチームの訓練に行くから、ちゃんとハーリーが艦長を起こしてくれよ」
『はい、了解しました・・・って、えええええ!?
思いもかけない提案を受け、何をどうしてそんなことを言われているのか、理解できずに叫ぶハーリー
「あいつらと模擬をやり始めたら、そう短い時間じゃ終わらないだろ」
『いや、そうですが、でもなんで僕なんですか?』
お姫様は、王子様のキスで目覚めるのがお約束なんだよ。じゃぁ頼んだよ」
アムロはそう言うと、ハーリーの返事は聞かずに内線を切った

彼氏彼女の関係にはほど遠いかも知れないが、姉妹のような関係から一歩抜け出した、もう少し親密な関係にお互いなれれば、俺になんて頼らなくても強くなれるんじゃないのか

「さ~て、後はあの黒い機動兵器を早く捉まえて、アキトの首に紐をかけないと」
アムロは両腕をうんと伸ばしながら、ジャミルと待ち合わせしている会議室へ歩み始めた
それから数十分後
オモイカネへのアクセスカードを取りに来た青春三バカが見たのは
いろいろ妄想しすぎて鼻血を吹き、自分の出した血の海に溺れているハーリーの姿であったという
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テーマ : Another Century's Episode 3 THE FINAL - ジャンル : ゲーム

2008/06/11 01:04 | SS【A.C.E 3】COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

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