【A.C.E 3番外】ACE3異聞第10話

弁慶さんからの投稿数も、ついに二桁となりました
管理人が短編をぽいっと書くのに対し、同じテーマでずんずん書き続けるその姿勢は素晴らしい
また、恐らく今回も「一番書きたかったところ」の一部なんじゃないでしょうか?
のんびりした文体の中にも、何か熱いモノが感じられます

短編専門員から言い訳させていただくと、ワタクシ単にずーっと同じ事書いているのが嫌なんですよw
いろんな妄想が頭を駆けめぐるので、たくさんあれやこれや書きたい

そういえば、この間スパロボAポータブルの短編を書いていて気づいたことがありました
何故あれだけたくさんのA.C.EネタをSSで書けたのか
それは良くも悪くも、A.C.Eに”隙間”が多いからなのだと
ああだったら良かったのに、こうだったら良かったのにと望みを投げかける余地がたくさんある
ガンダムのサイドストーリーで一年戦争が多いのも、あの時代が一番”突っ込みどころが満載”だからだというのと似ているのでしょう
あの当時、ガンダムがこんな歴史絵巻になるなんて誰が想像したでしょうか。今や、無数の一年戦争のサイドストーリーだけ集めると、たった半年ほどの間に100種類近くのMSが乱舞したことになってしまい、進化の大爆発ってレベルじゃねーぞという世界になってますな・・・

スパロボはその点、インターミッションからしてかなりしっかりシナリオができており、横からはいる隙間がほとんど無い。ネット上のスパロボSSが、ほとんど完全オリジナルばかりな所以でもあるのでしょうね

弁慶さんのこの話も、A.C.Eに入れてくれれば良かったのに、という部分の一部なんでしょうね


近頃よく夢を見る。15年前に亡くなった女房と娘の夢を―

誰にも変えがたい微笑み、仕草…。結婚する直前、女房が俺に惚れた理由を数え切れないくらい挙げていく時は、恥ずかしくて、照れくさくてしょうがなかった
生きていれば、喧嘩もしただろう。もしかしたら、大きくなった娘が女房と一緒になって、俺の不摂生なところを注意したかもしれない
それでも、いつの間にかみんなで笑い合っている。…それはもはや想像の中でしか描けぬものとなってしまった

…俺は家族の下に行きたかった。だが、どう足掻いてもそこへ行けはしない
死という片道切符を使うしか方法はなかった
しかし、俺はその後ずるずると生きてしまった。いくつもの激しい戦場を渡り歩いてきたのに、だ
ちゃんと働いているのかと、死神に怒鳴り散らしたくなる

なぜ死なせてくれん?!なぜ家族の下へ行かせてくれん?!なぜだ――……!!


「……隊長、カトック隊長、起きて下さいよ!」
穏やかで、眠気を誘うある日の午後。新連邦軍の訓練場の中央で、新連邦軍特殊部隊隊長、カトック・アルザミールがむくりと眠気眼で起き上がる。と同時に、起こした隊員にゲンコツを一発喰らわせる
「いててて…た、隊長、何するんですか?」
「せっかくのいい夢が、無理やり起こされてオジャンになったからよ。…ところで訓練は終わったのか?来るのが早すぎる気がするが…」
「はっ。それが、先程情報部のデューイ・ノヴァク大佐の使いから連絡がありまして、我々に頼みたい任務があるとか…」
「デューイ・ノヴァクの使いだと?」
デューイの名前を聞いた途端、カトックの表情が険しくなる。気を静めるため、思わず右手が胸元に入れてあった飴玉へと伸びる
「ええ。何でも東南アジア制圧に向かった我が軍のMS部隊がかなりの苦戦を強いられているようです。特に、エスタルド・ノーザンベル・ガスタールの三国同盟と、バックにいるゲッコーステイトが大きな壁になっているとか…」
「ゲッコーステイト……」
飴玉を口の中で転がしながら、カトックは無精髭で覆われた顎をなでる
(ゲッコーステイト…デューイの弟がリーダーを務めるバルチャーの一団ときたか。…軍に所属していた頃は、SOF部隊のエース。それが脱走してからはコーラリアンとの調停とか訳の分からん事に奔走する大馬鹿野郎か……)
しばらくして、カトックはまだ溶けきってない飴玉を噛み砕き、部下の方へ振り返り伝える
「よぉし、俺たちも行くとするか、東南アジアに」
「よ、よろしいんですか隊長?」
「どうせあのデューイの事だ。ろくでもねえ裏があるんだろうが、任務とあっちゃ仕方がない。俺たちは軍人だからな。調整がつき次第、出発準備に入る。お前は他の連中に陽が沈むまでトレーニング続行と伝えとけ。…俺も後で合流するから、気合入れ直しとけよ?」
「はっ、了解しました!!」

カトックに敬礼すると、隊員は駆け足で去っていく。それを見送りながら、カトックは晴れ渡った大空を見上げる
「変人の弟が何考えてるか知るいい機会だしな。それに…」
おもむろに取り出した、セピア色の写真。それを見つめるカトックの瞳は、どこか悲しげである

「迎えが来るといいんだがな、今回こそ…」
幸せそうに手を取り合う妻と娘の姿。カトックは青空の向こうにいる2人に思いを馳せながら、つぶやくのだった―

Another Century?s Episode3 異聞 ~エリアネーム・エスタルド~

第10話 「まるで犬だぜ、このままじゃあよ」

激闘から一夜明けた、雲一つない晴天のエスタルド
新連邦軍との戦いに勝利したという事実は、国民を歓喜の渦に巻き込んでいた
彼らも当初は、自軍が勝つことはあり得ないだろうと絶望的な見方をしていた。いや、むしろもうこれで終わってほしかったというのが正直な気持ちだった
度重なる空爆や経済制裁、交渉時の恫喝…。長きに渡る悪夢からとにかく開放されたいというのが一番の願いだったからだ


それがどうだろう
ゲッコーステイトの協力があったとはいえ、新連邦軍は撤退。飛行基地も全て壊滅に追い込まれた。脅威が取り除かれたのだ
まさしく、エスタルドの国民にとっては何にも変えがたい朗報だったのである
政府も、国家主席のウイリスをはじめとする首脳陣がこの勝利を新連邦に対する返答とし、断固として力による支配を否定、屈しないとする声明を発表した
国全体が一つの目標に向かって団結したといってもよいほどの流れ

だが、それとは無関係と言わんばかりに、遅い朝食にがっつく者たちがエスタルドの迎賓館にいた。今回の戦いの功労者、ゲッコーステイトとその仲間たちである
「はぁ~…。いくら疲れたからってよく食べるわねあんたたち」
「んがんが…ふぅ、そりゃしょうがないですって。あれだけ戦ったんだから、エネルギー補給はしっかり摂らせてもらわないと」
「タップの言うとおりですよ、トニヤさん。今回の戦闘はかなり激しかったですからね」
おかわりの肉を頬張るタップの横で、ライトは食後のコーヒーを嗜む。だが、彼の食べた量も、積み上げられた食器からしていつもの倍である
いや、彼だけではない。ケーンはもちろんのこと、ナデシコ3人娘やスカル小隊、イサムにガルド、エイサップ、おまけに各艦のクルーたちまで、もの凄い食いっぷりである。
「ありがたい事に、傷ついた艦や機体の修理や補給、おまけに飯や洗濯とかも向こうがやってくれるって話だ。今のうちに取れるだけ取っておかないとな」
「…なあ、それじゃまんま盗人の発言だぞ、ハップ?」
ストナーの言葉に、ハップは開いてない目を泳がせるという器用な事をしながら、4枚目のステーキを丸々一枚口の中に詰め込む
「まったく…。食欲旺盛なのはいいけど、どうせならこういう事にも興味示してほしいものよね~♪」
そういいながら、トニヤはウィンクしながら挑発的なポーズをとる。これには食欲の方に目が行っていた男性陣も思わず釘付けになる
「ちょっと、場所を考えなさい」
「あんたがやると刺激強すぎるわよ、トニヤ」
「たははは…ごめ~ん」
サラやエニルの注意に軽く頭を叩くトニヤ。ちょっとばかり残念がる男衆だったが、冷たい視線、特に恋人のいるエイサップやドギーたちは、殺傷性の高い眼力で完全に硬直してしまうのだった
「…おーし、腹ごしらえも済んだみたいだな。それではメカニックの皆さん、お仕事といきましょうか!」
しばらくして、一通り食べ終えたキッドがスクッと立ち上がる
「時間ですね」
「個人的にまだ食べ足りないんだけどなあ」
「ぶつくさ文句いわねーの!今日中に全部修理し直す予定なんだから、ほらほら!!」
掛けられた号令に、ロココやナイン、ジョブズやウォズ、そして凱たちが仕事人の顔に切り替えながら部屋を出て行く
「…あいつらもよく頑張るな。エスタルドのメカニックが協力してくれる分、早く済みそうだけど…」
「私たちが受けたダメージも半端なかったですしね」
メカニックたちのはりきる様子にリョーコとギジェットが心配そうに見つめる

掴み取った勝利。しかし、引き換えに受けた各機の武器の破損や装甲へのダメージは大小問わず多かった
一番ひどかったのは、斬り込み部隊として戦ったブラックサレナやアルストロメリア、そして奇襲してきた新連邦のMS・コルレルを仕留めたターミナス909などである
特に909は、ホランドがCFSを発動させた状態でカットバックドロップターンを使ったため、リフボードに入った大きなひび、コルレルのビームナイフによりできた胸部の斬り傷が広がったなど、深手を負ってしまっていた
「しっかし、ホランドが一時戦えないってのは結構痛いぜ?」
「それだけではない。元木連の月臣も絶対安静、真ゲッター1の操縦者・號はこん睡状態。初戦でここまでエースが離脱するとはな…」
珍しく同意見のイサムとガルドに、コーヒーを飲み終えたテクスが答える
「そこは我々医療班の仕事だ。ホランドや月臣に関しては、本人さえ安静にしてれば傷の治りも早いだろう。號も、今イネス嬢やミーシャがナデシコCやタワーの医療器具を使って原因を究明している。とにかく、悲観的にならない事だ」
「的確なフォローありがとよ、テクス先生殿? …それにしても、いつ終わるんだろうな。もし国の兵士として戦ってくれなんて頼まれた日には…まるで犬だぜ、このままじゃあよ」
イサムの愚痴に、少しアルコールの入ったフォッカーが相槌を打つ
「確かにイサムの言うとおりだ。好きな女やダチのためならってんならまだしも、どうも今回は士気が上がらん」
エスタルドのゲッコーステイトに対する待遇は、戦いを勝利に導いた事もあって至れり尽くせりである。だが、同時にメンバー全員が心配していた事態―エスタルドへの長期滞在や部隊勧誘も現実味を帯びてきたのだ
フロスト兄弟が簡単に引き下がらない事や、竜馬や號たちが遭遇したというゲッタードラゴンを操る新たな人型インベーダーの報告。ゲッコーステイトをエスタルドに釘付けにする理由は確かに存在する
しかし、今回の一件で彼らの力を目の当たりにしたエスタルドの軍上層部は、何とか引き入れようと強硬に主張し始めたのだ。トップのリー将軍も、祖国を守る要としてゲッコーステイトを欲していると、強引な態度で発言を繰り返していた
対する議会派―いわゆるハト派―のメンバーも、和平を優先させる傍ら、ウイリス王子の護衛として引き止めようとしているようだった
「政治」というエゴの波。自由を追い求めてきたゲッコーステイトにとっては最も重く、そして不愉快な波である事は間違いなかった―

「―まったく、これだから政治屋や軍人ってのは困るぜ。戦いの後だってのに、長々と喋る」
「そう言うなゲイン。彼らはこの国を守ろうと必死なのだ。それこそ、自分の身がボロボロになろうともな」
「わかってるよ。しかし疲れがたまると、愚痴の一つでも言いたくなるのが人間ってものさ」
エスタルドがゲッコーステイトのために貸しきった、ホテルのロビー
ソファーの上で寝転がるゲインの向かい側に座るジャミルが宥めていた。彼も疲れてはいたのだが、元連邦のエースとして鍛えられたためか、そんな素振りは一切見せていない
「どうやら軍人と民間人の違いが表れたというところだな、ジャミル?」
ジャミルの後ろで、同じく会議に参加した『タワー』の艦長、神隼人の声がする。どうやらタバコを吸っているらしく、独特のにおいが漂ってくる
「隼人、お前は疲れていないのか?」
「ふっ、これでもインベーダーと三日三晩どころか10日間寝ずに戦った事もあるんだぞ?俺にはウォーミングアップみたいなもんさ」
上にフーッと煙を吐きながら、隼人はニヤリと笑う。実際、激しい戦いを繰り広げた竜馬、そして隼人の横で補佐をし続けた弁慶も一睡もせずに、今もそれぞれに行動している。キャリアの違いというか何というか、改めて感嘆せざるを得なかった
「そういえば、報告にあった流や號たちが遭遇したっていうインベーダーだが…本当に人間に寄生した奴なのか?いまいち信じられないぜ」
「その点に関しては私も気になっていた。隼人、もう少し詳しく説明してくれないか?」
ゲインとジャミルの問いに、隼人はうつむきながら火のついたタバコを灰皿に押し付ける。しばしの沈黙。それを打ち破るようにポツリポツリと隼人が口を開く
「早乙女博士がアドロック・サーストンとの研究を打ち切った理由が、早乙女ミチルの死が原因だという話は以前したはずだ。だが…そのミチルさんを死に追いやったのは、当時博士と共にゲッター線研究に参加していたコーウェンとスティンガー…今回現れたインベーダーだったのさ」
「何だと?!」
「マジかよ…?早乙女より前に人間に取り付いた奴らがいたってのか」
突然告げられた新たなる事実に、さすがのジャミルやゲインも一瞬黙り込んでしまう。事件の裏に裏があったというのもあるが、何より早乙女以前に知性を取り込んだインベーダーが存在したというのが一番大きかった
「もっとも、俺が奴らを見たのは13年前のあの事件が最後だがな…」
隼人はジッと一点を見つめながら、悪夢を記憶から引きずり出していく。新たに灯された火の向こう側から―


―13年前。俺と竜馬、武蔵は復活した早乙女博士とゲッターロボGの大群を止めるため、再びゲッターに乗り浅間山へと向かった。戦いは順調に進んでいた
だが、謎の新型・真ゲッターロボと共に現れた早乙女博士、そして號という男によって状況は一変してしまった。切り札であった3体合体によるゲッタービームは破られ、奴らに言われるがまま研究所へと案内された。光の届かぬ深い闇の中、ゲッター線研究の権威であり、俺たちが手を掛けた男・早乙女博士は不気味な笑みを浮かべながら待っていた

一度死んだ人間と再び話をするというのは不気味だし、何より俺たちの過去の過ちを抉られるようでたまらなかった。どんなに文句や反論を言おうとも、全てはこの言葉で否定されるからだ
「お前たちはミチルやわしだけではなく、元気までも生き地獄に落としたではないか!!そんなお前たちにこの状況をわしのせいだけにする事が出来るというのか?!」
悔しいがその通りだった。俺たちが犯した罪はあまりに重すぎた。千の言葉を紡いでも、決してそれは免れるものでもない
「ああ、そうだな。あんたの言うとおりさ。だからこそ…だからこそ、帳尻は俺たちでつける!」
「いくぜ、ジジィ!!」
あの時、武蔵がこの場にいなかった事は良かったと思っていた
血塗られた因縁と無関係なあいつならば、頑なに閉ざされた元気の心をいつか開いてくれるだろうと、身勝手な願いを押し付けていた。しかし弁慶からの緊急連絡で、重陽子ミサイルが浅間山周辺に向けて発射されたという連絡が、取り返しのつかない事態を招く結果となってしまった
「―真イーグル、準備OKだ!」
「真ジャガーも大丈夫だ。どうやら基本構造は初期型と変わらないみたいだな。…號、お前は真ベアーの操縦桿を握っているだけでいい、分かったな?」
「…ああ」
「それじゃあいくぜ!!」

「「真ゲッターロボ、発進!!」」

それからは、矢のような速さで出来事が進んだ
俺たちは重陽子ミサイルを止めるため、真ゲッターに乗り込もうとした。だがその最中、博士は真ゲッターのパイロットとして開発したはずのバケモノ、ゴールとブライ―奴らも既にインベーダーに取り込まれていたかもしれない―に襲われ重傷を負った。號によって2体が蹴散らされた直後、駆けつけたゲッター3に博士を預け、俺たちは宇宙へと向かった
超高速で駆け上がった宇宙空間、そこで見たものこそ―
忘れもしない、重陽子ミサイルに乗ったコーウェンとスティンガーの姿だった!
「な…あいつらはコーウェンにスティンガー!奴らが何故ここにいる?!」
「しかも宇宙空間に…?じょ、冗談じゃねえぞ!」
さすがの俺たちも、この光景には戦慄した。この時点で奴らがもはやインベーダー以外の何物でもなかった事は容易に知れる。しかしそれ以前に、不気味な笑みで作業を続ける奴らに、溢れんばかりの恐怖を味わっていた
「何だか知らねえが、てめえらの好きにされてたまるかああぁっっ!
ゲッタアアアサイトォォォォッ!!!」

竜馬が振り下ろした鎌は、確かに命中した…はずだった。だがコーウェンは、それをまるで拳でも受け止めるかのように阻止していた
「せっかく我々がこれをどうにかしてやろうというのに…。残念ながら今の愚かな行為で、地球の運命は決まったようなものだ」
「このままじゃ大変な事に…大変な事になってしまうよ」
言いながら、コーウェンは強大な力で真ゲッター1を押し返してしまった。そして諦めたのか、連中はミサイルから離れ、地球へと落下していった
「ふふふ…いずれ地球上の全ての生命は我らと合一する、あの男の娘のように!」
「その時が楽しみだよ。でも、もう君たちと会う事は2度とないだろうね!」
「「さらばだ、ゲッターロボ!」」
「ま、まさか…? くそっ、てめえら待ちやがれ!」
体勢を立て直した竜馬が追いかけようとするも、すぐさま俺は止めた
「待て竜馬、奴らより今はミサイルの方が危険だ!あんなものが真ドラゴンにでも当たったら、強大なエネルギー同士のぶつかり合いで、地球は壊滅してしまうぞ!」
「なんだと?!」
重陽子ミサイルはゲッターロボの次に月面戦争を終結に導いた兵器の一つだ
だが、それは月だから使えた側面が強く、地球での使用は核兵器以上の脅威をもたらす危険性があった
「ここは真ゲッター2のスピードで追いつくしかない。2人とも、分離して大気圏内で合体するぞ!!」
「おう!」
「わかった…!」
―俺は焦っていた。地球が壊滅してしまうのもあったが、それだけではない。ミチルさんがコーウェンたちに殺された、その事実が大きな理由だった。冷静を装っても、止められない何か―激情が俺を動かしていた
そこに、竜馬から通信が入る
「隼人、さっきの奴らの言葉は…」
「ああ、わかってるさ。これが終わったら…見つけ出して八つ裂きにしてやる!!」
「ああ!!」
真ゲッター1から分離した機体は、真ジャガー・真ベアー・真イーグルの順に突き刺さり、体を形成していく。大気圏の摩擦による高熱に包まれた真ゲッター2だったが、止まるわけにはいかなかった。再び浅間山と、空を仰ぐ真ドラゴンの姿、そしてミサイルが見えた

あと少し、本当にあと少しだったんだ

…しかし、遅かった。勢いのついたミサイルは真ドラゴンに命中。まぶしい光が周辺を包んでいき、それは日本列島全体にまで及んでいった。真ゲッター2も構成する機体ごとバラバラになってしまい、俺は割れたガラスで顔を斬りながら気を失ってしまった

そこからどうなったかは詳しく覚えていない。後になって、爆発直後、アドロック・サーストンによって『サマー・オブ・ラブ』が起こった事、そして元気を連れた弁慶から、竜馬や博士が行方不明になり、武蔵が死んだ事だけが告げられた
結局、俺は何一つ守れなかった。残ったのはとてつもなく重い十字架だけだった
どれだけの日を泣いて明かしただろうか。いつの間にか、俺は今日に至る全ての時間を『タワー』による真ドラゴン追跡、インベーダー殲滅、そして新連邦との戦いに費やしてきた。新しい仲間たちとも出会った。竜馬との再会も果たした。だが、まさか仇敵までがこの国に来てたのは、何かの巡り会わせなのだろうか?
「いずれにしても、あいつらが出てきたからには決着を付けなければならない。武蔵のためにもな…」
火のついたタバコを握りつぶしながら、ギラリと目を光らせる隼人。今まで隠してきた獣の本能。それが徐々に目覚めつつあった―

「はあ…」
エスタルドの議会室で、国王・ウイリスはため息をつきうな垂れる
リー将軍とグラント議長との激しい言い合い、会議に参加していたロアビィが退屈を理由に退席するなど、優柔不断なウイリスにとっては胃の痛む思いであった。正直逃げ出したい気持ちも強かったが、一国を治める者ゆえに簡単に国民を見捨てる事など出来なかった。それに側近のルクスの目もあり、大それた行動が取れるわけもなかった
取りあえず、外の空気を吸いに行こうとした時である
「あれ、君たちどうかしたのかい?」
椅子に座ったままこちらを見つめていたガロードに気付いたウイリスが話しかける。ガロードの横にいたレントンとゲイナーは彼を連れ出そうと裾を引っ張っていたが、観念したかのように苦笑いを浮かべる
「いや、別に特に用があるってわけじゃないんだけど…」
「お、俺たちはガロードに付いてって来ちゃっただけなんですよ。な、ゲイナー?」
「…まあ、そうだけど」
見るからに仲の良さそうな3人組。彼らもMSやLFO,オーバーマンに乗って戦っている。危険と隣り合わせの中、彼らが今までどんな事を体験してきたのか。どんな事を感じたりしたのか。自分とは縁のない世界の住人に、ウイリスは忘れかけていた好奇心を呼び起こしていた
「ねえ君たち、ちょっと聞きたい事があるんだけど」
「「「へ???」」」
さすがの3バカも、思わず目を丸くしてしまう。ウイリスはそんな彼らに微笑みかけるのだった
「326、327、328、32きゅ…」
「へえ~。あんたもたまには根性のある事するんだね、ユーリ」
フロスト兄弟が手配した隠れ基地のトレーニングルーム。ルーミィの投げたタオルは腕立て伏せをしていたユーリの顔に掛かってしまい、真面目の糸が切れた彼はゴロンと寝転がり、頬を膨らませる
「…ルーミィ、僕だって真面目な時ぐらいあるんだよ。それを邪魔するなんてひどいんじゃないの?」
「いつもフワフワしてる奴が何言ってんのよ。それにあんた、今日だけは安静にしとけって言われたんでしょ?だったら大人しくして…」
「大人しくなんかしていられないよ」
トーンの低い口調に、ルーミィの言葉が途切れる。ユーリは胡坐をかき、ジッと下を見つめている
「前に話したよね? 僕は15年前のコロニー落としの時両親を失った。それから、唯一の肉親である妹を守ろうと必死になって生きた。その中でつらい事もあったし、新しい仲間も出来た。…でもいかれたバルチャーのMSが、遊び半分で全部奪ったんだ!妹も…仲間も…。信じられる?攻撃を受けたみんなは人の形をしてなかったんだよ?普通に生きてただけなのに、何もわからないまま殺されたんだよ?! …僕は悟った、結局は力だって事に。平凡や非力ほど情けない事はない、それは弱者が生み出した奴隷のロジックだってね!!」
ユーリは一度大きく息を吸い、落ち着く。そして再び口を開く
「だから、力をつけるためには止まってられないんだ。こんな所で休んでたら…ルーミィ、君を守りきれない。いや、誰も彼も守れない…!!」
言い終わったユーリの目から、いつの間にか大粒の涙が流れ出していた。引き出したくない過去の記憶、そして今回ルーミィが遭遇したという強大な力を持ったインベーダー。いくつもの感情が混じりあったそれは、止まる気配がない
「…ほんと喜怒哀楽の激しいパートナーだわ、あんた。だけど…」
ユーリに近寄ったルーミィは、自分の額を彼のと合わせる。そしてみぞおちに一発パンチを入れ落ち着かせる
「自分の健康も守れないような奴に、あたしは身を任せたかないわ。…でも嬉しいよ。そこまで想ってもらえるなんてさ」
ぐったりとしたユーリを抱えながら、まるでぐずる子供をなだめるようにルーミィは話しかける
「フリーダムもジャスティスもしっかり修理してもらってる。直ったら、ゲッコーステイトのリベンジだってし放題よ。…だからさ、取りあえず今日だけはゆっくり寝ときな?」
しばしの沈黙。答えは、屈託のない笑顔と一緒に返ってきた
「でも、さっきから痛みが増してしょうがないんだよな。…寝るんだったら、シルクのベットがいいなあ、僕は」
「はあ?!何言ってんのあんたは!!」
鳴いていたカラスが笑うように、いつもの関係に戻った彼ら。その姿は普通の男女と何も変わらない。唯一つ、過去の亡霊がいまだ彼らの心の奥底で深く息づいていた。それは簡単に消せはしない―

だが、絆は簡単に途切れる事はなかった

to be continued…

次回 「大丈夫だよ、きっと」
《オマケ グレート・ダッシュ!!》

ここはとある荒野、今まさに新たなる鋼鉄の巨人が誕生しようとしていた!

ガロード:よーし、レントン・エウレカ・ゲイナー・ロラン・ジロン・シン、合体だ!
レ&エ&ゲ&ロ&ジ&シ:了解!!!!!

ガロード:レーーーーーッツ、パーフェクトモォォォォド!!

ガロードの掛け声とともに、ガンダムDXをはじめ各機が飛び上がる。まずニルヴァーシュspec2飛行モードに変形、DXの腰の前にドッキングする。
次に∀ガンダムとデスティニーガンダムが腕をクロスさせながら脚部に変形。前者が右、後者が左を担当、DXの脚部を包むようにドッキング。それぞれの頭部を収納した胸部は、脚部と同じ向きでDXの肩を包む
そして、ザブングルは背部に向かって、変形&ドッキング。さらにDXの顔面が分かれ、その中にキングゲイナーが収納される
最後に、ドッキング部分から煙が出て合体完了!

ガロード:これぞ究極青春合体、グレートキング∀ザブンダムDXspec2・パーフェクトモードだ!!

ガロード:…ってのを考えたんだけどどうだ?今回『スパロボZ』に参戦するグラヴィオンも6体合体だしちょうどいいと思うんだけど…
レ&エ&ゲ&ロ&ジ&シ:却下!
ガロード:げ!全員一致ですか?!
レントン:ガロード、合体だったら以前にも似たような事して失敗したじゃん?
エウレカ:しかもすごく不細工なの…
ゲイナー:同じネタは2度と通用しないよ
ガロード:はぁ~あ、やっぱりそうかぁ…
ジロン:結構楽しそうだとは思うんだけどなあ、俺は
ロラン:というより、僕たちのコクピット部分は一体どうなってるんだろう…?
シン:…なあ、ガロード。中の人的にまた足ってのも気になるけど…
ガロード:ん?どした、シン?
シン:なんで合体ロボットの名前の中にデスティニーがないんだよ?
ガロード:え?ちゃんと入ってるじゃん、ザブンダムの中に
シン:これまた微妙なところに入れるなーーーー!!!

かくして、というか案の定大失敗に終わったガロードの計画。二番煎じ、もといネタの使いまわしはいけませんよね、はぁ~~~…     
《完》
六神合体の祖はゴッドマーズ・・・(ぼそ

ま、人が乗ってるユニットが敵に向って飛ばされる、ダン○イオーよりいいじゃん、シン
(フォローになってない)
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テーマ : Another Century's Episode 3 THE FINAL - ジャンル : ゲーム

2008/07/10 21:28 | 投稿SS【ゲーム】COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

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