【スパロボ妄想】Gravity scale out~その“血”の価値は~

おかげさまで、このブログも3周年を迎えました
皆様、ありがとうございます
そして今後ともよろしく

こんな時に、3年前から考えていたストーリーを、こうして形にしているのは何か不思議な気持ちです


んで、既に降りてきているストーリーをケータイメールに打ったら、それだけで5KBになった(およそテキストデータで3,000文字)
肉付けしてないデータでこれかよ・・・
これで細かい情報をくっつけたら、この後どないなんねん?(滝汗
一応、この物語上は18歳になってるはずのウッソ君
どんな顔になっとるのだ、といろいろ考えてみた
設定上「シャアのクローン的存在」なので、1stんときのシャアの顔に近いのか?
でもあんなに眼光鋭くないよな・・・ちょっと甘いマスクで・・・


そのとたん、何故かガルマとシャアを足して二で割ったようなのが降りてきて、茶を吹きました(実話)


月軌道より僅かに外側に、ズリルのマザーバーンが身を潜めていた
まずは手始めにと、少数の部隊を送り込んだ所、瞬く間にぞれの全滅の報が入り、さすがのズリルも驚きを隠しえない
「ぬぅ、様子見とはいえ、いとも簡単に、我が軍を打ち破るとは・・・」
初見とは言え、相手は広い銀河にその噂も高き、あの地球の軍隊
やはり一筋縄ではいかない相手、と改めて認識したズリルであったが、しかしその顔はほくそ笑んでいた
地表に落下した円盤獣の最後の映像。そこに映っていたのは、間違いなくあのグレンダイザーであった
これを仕留めれば、あとは地球の軍隊などどう扱っても、ベガ大王は納得するだろう。手柄を確実にするため、ズリルはそのずるがしこい頭脳をフル回転させ始めた


アークエンジェルのブリッヂ
大介を囲むようにマリューやキラにカトル、そしてレディ・アンが難しい顔をしながら立っている
「尋問まがいの対応で申し訳ないと思っている。だが、事情が事情だ」
ベガ星連合軍の兵器落下に加え、所属不明のロボット出現との報を受け、プリベンダー本部から急遽彼女が飛んできたのである
「わかっています。そちらのルールを破ったのは僕なんですから」
こういう状況に陥るのは、大介とて想像はしていた。地球側のことを考えればやむを得ないことである
「理解が早くて助かるが、それなら最初から素直に、移民を申請してくれたら助かったのだが」
大戦後、連邦は月面のグラナダに、外宇宙からの受け入れ窓口を新設していた。それ以前からもゼントラーディらを受け入れるために、似たような組織は存在していたのだが、あくまでそれは彼らの監視のためであり、新たな居住者を受け入れるという方向性は持っていなかった
「それは・・・養父にも言われました。けれど、本当に僕のようなものを受け入れて頂けるか、不安が尽きなかったものですから」
実際いろいろな理由で、異星からの移民を毛嫌いする者は未だに居る。特に今回は事情が事情だ
「ベガ星連合軍のことか?」
「はい、僕が逃げ込んでいると知られれば、戦渦が飛び火するのは間違いなかったので」
ベガ星連合軍とかつてのバルマー帝国は、数光年の距離を置いて存在する敵対勢力同士であった。長きにわたり睨み合いを続け、小競り合いも何度か発生していたのだが、逆にそのためにベガ星連合軍は、その図版を大きく広げることができずにいた
しかし5年前、その片割れであるバルマー帝国を、地球勢力が打ち倒してしまったことで、ベガ星連合軍を縛るものは何もなくなってしまった
二勢力の戦闘範囲ギリギリの所にあり、それ故に見過ごされてきたフリード星は、この煽りを喰らって真っ先に襲われ、デューク・フリードを除く全ての人民が虐殺された。全てはあのグレンダイザーの力を、ベガ大王が欲したためである

「グレンダイザーはフリード星の守護神であり、絶大な力を持っています。それをあの宇宙の悪魔共に渡すわけには行かなかったのです」
大介は、何にも置いてグレインダイザーを護る、という王家の責務を果たすべく、後ろ髪を引かれる思いで星を脱出。バルマーを打ち破った地球なら当分安全かと考え、密かに星に降り立っていた
ちなみにグレンダイザーは、フリード王家の以外の人物を寄せ付けない。だがベガ星連合軍は洗脳の術に長けているので、何らかの手段で大介を捕らえることができれば、グレンダイザーの入手は不可能ではない
「だが君のその弁が正しいのであれば、その在不在に関わらず、いずれこの時は来ただろう・・・我々自身のせいでな」
勢いに乗るベガ星連合軍は、あのバルマー帝国を打ち破った者達が、将来的に驚異になると考え、その所在を血眼で捜していたのである
「そう、これは我々自身が招いたことだ。敢えて言えば君の星も、我々がバルマーを打ち破らなければ、平和が保たれたのだろう?」
地球側としては死活問題だったとは言え、地球勢力がバルマーを完膚無きまでに叩きのめさねば、あの近辺の安全はある程度保たれたはずである。実に皮肉な話だ
「因果応報って言うのかな、これ」
キラがふと思い付いたように言った
「これじゃいつか、僕ら自身が宇宙の悪魔と言われてしまうかもね」
「でも、こうなることは予想が付いていたことだから」
カトルの言うとおりである。自分たちの星が生きるか死ぬかの選択を迫られ、生きることを選択した結果のことである。その先が苦しいのは目に見えた話だ
「できるなら戦いなんて、もう無い方がよかったけど・・・」
しかし、果たすべき責任がある。だからこそキラはプリベンダーに入り、ラクスはプラント議会へ渡ったのだ
「そうだね・・・αナンバーズ最後の一人が力尽きるまで、きっとこんなことの繰り返しなんじゃないのかな」
カトル達は、“ガンダムの破壊”と言う形で兵器そのものは封印したものの、各々が役割を見つけてプリベンダーに参加している。果たすべき責任のために
そう言う二人が、自分とさして年も違わないことに、大介は複雑な面持ちであった
強者はより上の強者と渡り合う・・・それが歴史というものか」
一方でレディは、亡くして久しいトレーズを思い出していた
「まぁいい。君の言い分は分かった。だがこうなった以上、我々と協力して貰う」
カトル達の言葉を聞き、アークエンジェル内部に“大介受け入れの意志あり”、と受け取ったレディはここで話を切り替えた
「地球の勢力争いに、僕が介入するのは・・・」
「我々の当面の敵はベガ星連合軍だと考えている」
大介に指摘されるまでもなく、内政面での問題は地球人類自身で解決せねばならない問題だ
だがベガ星連合軍の対処に関して言えば、現状唯一対等以上に渡り合える力を持っているのがグレンダイザーである。その力を持ってせねば、状況の打破も何もあったものでない
レディ的には、そもそも小バームの防衛線が突破されただけで、連邦上層部の文句に頭を痛めたのに、あまつさえ敵兵器が地上に落下したとあって、言われたくもない相手から皮肉めいた言葉を浴びせられ、胃痛が絶えない。ここで何か力のある“札”を揃えないことには、彼らを押さえることができなくなる
「・・・そう言うことなら、やらせてもらいます」
そうは言っても、大介は納得しているとは言い難い顔をしていた

「・・・モニター、切り替えて・・・レディ」
何かを見つけたマリューが、苦い顔でこちらを見ている
「どうされた、艦長?」
「プラントの政見放送です。地上に向かっても流されています」
『プラントに住むコーディネーターの皆さん、ついに時が来ました』
アプリリウス市の大型モニターに、シャアを摸したような赤い特製の軍服に身を包んだウッソの姿が映し出されている
『僕はここに、ディスティニー・プランの本格導入を宣言します。これにより皆さんは迷いの世界を抜け出し、真に人類の革新を体現する存在となることができるでしょう。どうぞ恐れることなく、遺伝子診断を受けて下さい。そして示された未来に向かって歩み、地球圏発展の大いなる礎となるのです』
わぁぁぁっ、という歓声が上がるのがモニター越しに聞こえる
アークエンジェルに居る者全てが、それを複雑な心境で見ていた
「・・・ラクス、大丈夫かな」
ラクス・クラインは大戦後、プラント評議会の招致もあって議員として復帰し、たった一人で義務を果たすべく奔走していた。キラも最初同行を申し出ていたのだが、互いの役目を果たす場所が違うという結論に達し、今に至る
「ラクスさんはこの状況でも、プラントにとって重要人物ですからね。いきなり何かされるとは思いませんけど」
純粋にラクスのアイドル性に好感を持つ者は、人種を問わず多い。であるなら、その彼女に下手な手出しをすれば、ウッソのイメージダウンに繋がるだろう
「だが危険なことには変わりない・・・プリベンダーの方で、脱出ルートを確保すべきか」
クライン派の後ろ盾があるとは言え、いくら何でもラクスにとって状況は不利だった
「助けに行きたいでしょうキラ・・・いいのよ?」
マリューはキラの気持ちを察して言う。しかしキラは首を振った
「ここで僕一人の気持ちで突っ走ったって、何の解決にもならない。これはみんなで、あのウッソ・エヴィンをどうするか、ちゃんと決めてそこから入らなきゃ・・・」
そうは言っても、もちろんラクスが心配ないわけではない
だが、ただ“頭”を潰して、何もかもが終わるわけではないことを、さすがにキラも経験して分かっていた。ウッソ・エヴィンを止めるなら、その代替えを持って動かないことには、いたずらに世界を混乱させるだけになるのだ
「何か穴を捜さないと・・・あの、ディスティニー・プランの・・・!」
ガランとしたプラント評議会の議室で、ウッソとラクスが互いの意見を交わしていた
「ラクスさんも強情ですね」
表面的には笑顔を見せているが、ウッソのその言葉に不気味さを感じていたのは、ラクスもタシロ達と同様ではあった。だが、一歩も引くつもりはない
「何度申されても、私(わたくし)はこのような案には賛同しかねます。遺伝子ごときで、人の何が分かりましょう?」
「SEEDを持つ者の余裕の発言ですか?」
キッパリ言い切るラクスに、ウッソは冷笑を浴びせる
「貴方と言いキラ・ヤマトと言い、そのSEEDによって得た“運命”で、どれだけの幸運を勝ち得ました?それは遺伝子の導く所だったのですから、何もそう嫌悪する必要はないと思いますけどね」
「そんな物は飾りに過ぎません。私もキラも、望んで今の役目を得たのです。そう、人が従うべきは、良きにつけ悪しきにつけ己の意志です」
「その意志を決める脳すら、遺伝子によって構成されているのですよ?」
「心は、そう言った理論を超えた所にあると、私は信じています」
互いの主張は平行線で、決して交わることがないようだった。ウッソはふぅ、とため息をつくと、レイに目線で指示をする。それを受け、レイはラクスの肩をがっちり掴む
「・・・私をどうするのです」
「さあ、どうしましょうか?」
が、そこにカッという甲高い靴音がした。ウッソが振り返ると、そこには厳しい顔をしたデュランダルが立っていた
「ラクス嬢を離したまえ」
「おや議長、貴方もラクスさんにお味方するので?」
にこりともせずそう言うウッソ。デュランダルもその表情に思う所があるのか、眉間に寄った皺を隠しもせずに、ツカツカと3人の側に近寄ってくる
「私はプラント評議会の議長だ。であるなら、どんな少数の意見も耳に入れ、心を傾け尊重する義務がある。今はただ、その責を果たしに来た、というわけだよ」
そう言うと彼は、レイからラクスを取り戻し、自分の背後へ下げ庇い立てする
「議長、いけません。貴方まで・・・」
「ふぅん・・・そうでますか・・・」
もっと大勢の指示者を呼ぼうとでも言うのか、手元のスピーカーのスイッチに手を伸ばすウッソ。だが、その直前に何かを感じたように宙を眺める
「・・・そうだね、シャクティ。少数意見って言うのは、確かに大事だね」
呟くようにそう言うと、ウッソはくるっと踵を返し、振り返りもせず真っ直ぐに部屋から出て行く。レイもその後について議室から姿を消す
彼らの気配が完全になくなったことを確かめ、デュランダルはラクスと視線を合わせる
「お行きなさい、ラクス・クライン」
「・・・なんと?」
デュランダルの突然の言葉に、ラクスは真意を測りかねて呆然としている
「貴方が未だ保っているクライン派のネットワーク網を使えば、あるいは少数派の市民達をある程度匿えるでしょう」
「見抜いておられましたか・・・ですが、それを認めては」
かりそめとは言え、議長であり続けることで何とか力を保ち続けたデュランダルの、最後の砦が崩れてしまう
「ウッソ・エヴィンに骨抜きにされ、己の意志を放棄した議会になど、義理を感じる必要はありませんよ。それよりも我々は、力なき一市民のためにこそ、働くべきです」
それは正論だが、そのためにやろうとしていることは、あくまで裏ルートを駆使した正攻法でない戦い方となるだろう
「私はまた、かの戦いでの過ちを、繰り返すことになるのですね」
ラクスが議員に復帰したのも、正々堂々政治家として、正しく文民らしい戦いをするためだった。だからこそキラの同行も断った。スーパーコーディネーターを従え、それによって力を保とうなどと考えている・・・そう思われるのを避けるためであった
「この件に関して言えば、過ちとは言い切れないでしょう」
どのみち状況を放置することはできなかったのだ。何らかの手を打とうと思っても、周囲のほとんどがウッソを支持している以上、民主主義の世界にあってはこれ以上の選択肢は無かった
「腹を括る、しかありませんわね」
「そういうことです」
観念したラクスは、改めて決意の瞳でデュランダルを見上げた
「議長、どうかご無事で」
「そちらこそご武運を。私は私なりに、いろいろ牽制をかけてみますよ」
ラー・カイラムの作戦会議室では、甲児達がアークエンジェルに収容された大介と通信を取っていた
「水くさいぜ、大介さん。もっと早く言っておいてくれりゃ、こっちも何とか力になれたのによ」
事の顛末を聞いた甲児は、苦笑いしながらモニター越しの大介に言葉をかける。自分の正体を知っても、対応を変えるようなことも全くない甲児を見て、大介は安堵と戸惑いの入り交じった、複雑な思いを抱えていた
『すまない・・・』
大介はそう返すしかなかった
「へへっ、まぁそんな渋い顔しなくて良いって。俺たちはこれっぽっちも気にしてねぇし」
「そうだな。ウチのメンバーにかかれば、『実は宇宙人でした』なんてのはたいした問題じゃない」
鉄也の言うとおりで、訳の分からないことに巻き込まれ慣れたαナンバーズにとって、これはさしたる波紋も呼び起こさなかった
「ま、大介さんはとりあえず、地球に先に着いている連中を頼むぜ。俺たちはこれから、奴らの本隊らしい奴らと、まずは一戦交えてくるからよ」
甲児のこの台詞を聞いた大介は、急に血相を変えてモニターににじり寄った
『本隊だって・・・?まさか、キング・オブ・ベガか!?』
「い、いや?名前まではしらねぇけど」
きょとんとする甲児に大介が語った所によれば、それはベガ星大王が直々に乗る移動要塞とも言うべきモノで、外壁は恐ろしいほどの高度を誇り、その艦内には多数のミニフォーや円盤獣を抱えているという
『危険だ!その程度の戦力でアレと対決するなど、無謀にもほどがある』
「へっ、それならウチの作戦参謀に、嫌ってほど言われて分かってるぜ」
まぁ確かに無謀なのは分かっているのだが、こう面と向かって言われると、つい軽口を叩いてみたくなるのが忍である
『君は・・・君達は、彼らの恐ろしさを知らない!』
とはいえ大介の方も一歩も引かず、顔に浮かべた悲壮の色を隠さなかった
『僕が彼らを、何故“宇宙の悪魔”というか・・・その理由が奴らの残忍性に起因するんだ』
ベガ星連合軍の侵攻が開始される前、フリード星はさしたる戦争もない平和な星であった。彼らはそのフリード星と親交を深めるために、星の子供達をベガ星に招待したいと提案してきたのである。疑うことを知らぬフリード星の人々は、ベガ星の者達の言葉を信じて、愛する子供達を預けたのだった。ところが・・・
『翌日、子供達は帰ってきた・・・天から地に振る雨となってね
ベガ星連合軍は非道にも、集めた子供達をフリード星の大人達が見守る前で、上空からばらばらと叩き落としたのである
「な、なんだ・・・と!?」
「ひでぇ・・・おおよそ、まともな連中のやることじゃねぇ!」
その衝撃的な発言に、さすがにいつもクールを標榜する隼人や亮も、あからさまな嫌悪感と怒りを露わにする
『君達に想像が付くか?愛する子供達が為す術無く大地に叩きつけられ、肉塊と化していく姿を、ただ見ているしかないなどと・・・!』
子を助けようと奔走する大人達も居たが、大抵はそれを止める術を持たなかった
『その中には、僕の大勢の弟や妹たちも居た・・・』
「弟や・・・妹」
目の前で妹を初めとする、大事な家族を失ったシンには、大介の気持ちが他人事ではない気がした
『フリード星は大変な悲しみに包まれた。その悲しみの余り、子供達の後を追う大人も多数居た』
抱くべき未来を、根こそぎ奪われたフリード星を、ベガ星連合軍が制圧するのは容易であった。気力を奪われたフリード星の人々を、ベガ星連合軍はまるで狩りでもするかのように追い回し、捕らえ痛めつけ拷問した挙げ句に、脳だけ取り出されて円盤獣のパーツにされてしまった者も居るという
その中にあって大介は、ただ王家の責務だけに支えられて星を脱出し、壊れそうになる心を抱えながら、長い時間をかけて地球に流れてきたと言うことである
『彼らの恐ろしさは、この残虐性なんだ。奴らにとって・・・いや、ベガ大王にとっては、自分の意に沿わない者は全ておもちゃに過ぎない。それほどに、命を何とも思わない連中なんだ。だから・・・』
徐々に憎しみが露わになりそうになる、そんな自分を必死で制しつつ、大介が次の言葉を紡ごうとする直前、甲児がバン!と机を叩く音が先に部屋に響いた
「アッタマ来たぜ!ますますそんな連中に、俺たちの地球をやられてたまっかよ」
「おう、甲児の言うとおりだぜ」
「俺たちに手を出したこと、後悔させてやろうじゃねぇか?」
甲児の一言をきっかけに、会議室は異様な熱気と一体感に包まれた。唖然としているのは、寧ろ大介の方であった
『だ、だが甲児君・・・これは僕の、フリード王家の負う責務であって』
「大介さん、こいつはもう君だけの問題じゃない」
鉄也は胸の熱いものを押さえつつ、冷静にそう返した
「俺たち全体の問題なんだ。俺たちが自分の意志で勝ち得た平和を、そんな連中のためにみすみす失うわけには行かない」
「ああ、そして今ある未来を守り続けるという責任を果たす、という意味でも負けられないんだ」
竜馬がそう言っても、大介はまだ彼らの意図が謀りかねた
「俺たちはバルマーを・・・ケイサル・エフェスを打ち破ったあの瞬間から、この時をいつか迎えなけりゃならねぇ宿命を背負ったんだよ」
忍はあの苦しい最後の戦いを思い出しながら言った
「俺たちは正義を貫き通すために、ケイサル・エフェスの正義をぶっ潰したんだ。だからいつか、他の連中に別の正義を押しつけられる。それが筋ってもんだろ。んじゃぁ俺たちは、ずっと戦い続けなきゃならねぇ。俺たちの正義を信じるなら、“潰した正義”への義理をも果たすなら、絶対に負けられねぇんだ。んで大介さんよ、アンタが護るべきだった正義も、俺たちの巻き添えを食って潰れちまった。じゃぁそのために俺らが命を張るのは、当たり前だろうよ」
「へぇ、忍もたまには、知的で正当なこと言うね」
「褒めるのか貶すのか、どっちかにしやがれ」
沙羅にチャチャを入れらればつの悪い顔をする忍。とはいえ言っている内容に関しては、甲児達も一言の否定もしなかった
ただ一人、シンだけは複雑な顔をしていたのだが
『・・・すまない、本当にすまない』
モニター越しの大介が突然泣き出したのを見て、今度は鉄也達の方が驚いてしまう
『正直・・・君達を憎んでいなかったと言ったら、嘘になる』
地球人達がバルマーを倒さなければ、あるいはフリード星は助かっていたかも知れない。それは後のことを考えれば、と手もと手も短い平和だったかも知れないが、それでもその“平穏”な未来を考えれば、口惜しさが滲み出るのも無理はない
だからこそ素直になれなかった
だがあの時養父の危機を、故郷の危機と重ねてしまった。そして純粋に養父を護りたいと思った。そして目の前で、ベガ星連合軍に敢然と立ち向かう地球人も見た
『そんな僕は、君らの助力を得る資格は・・・』
だ か ら!そ~れが水くさいんだっての」
相変わらずあっけらかんとした甲児の声。大介ははっと顔を上げた
「言われなくても、そっちの心境は察しが付いてたし」
「アンタが分かってくれたんなら、アタシ達はなんにも言うこと無いね」
豹馬や沙羅がそうやって大介に声をかけた時、ラー・カイラム艦内にアラートが鳴り響いた
『前方にベガ星連合軍とおぼしき光点を確認。戦闘員は速やかに第二戦闘配備へ移行せよ、繰り返す・・・』
「おお、どうやら奴らに追いついた様やな」
どうやら、悲しみをまき散らす悪魔達の尻尾を捕まえたようである。健一や雅人達が互いの顔を合わせて頷き合う
「大介さん、アンタの悲しみ、少しでも奴らに返してやる。また、地球で会おうぜ!」
ふっ、とラー・カイラムからの映像が途絶えた
アークエンジェルの通信室には、止まらぬ涙に顔をぐしゃぐしゃにしている大介が、ただ一人残されていたのだった
彼らは覚悟ができている・・・ずっとそうして、この何年も過ごしてきたのだ
それに比べて自分はどうなのだろう
王家の責務を果たすと言いながら、今まで何ができてきたというのだろうか
そんな自分に甲児達は、地球を頼むと・・・そこで逢おうと言ってくれた
ならばやることは一つ
あの言葉に違わず、第二の故郷を護ることだ

インパルスのコクピットに潜り込んだシンは、先ほどまでのやりとりを一人反芻していた
この数日間で、シンが持っていたαナンバーズへの印象は様変わりしていた。それ故に、処理しきれなかった憎しみと、目で見た親近感を一致させられずに、混乱しても居た
シンは家族を失った悲しみを晴らすため、ただひたすらにαナンバーズを・・・というより、あの戦場で最も目立っていた連中・・・を憎み続け、いつかその手にかけることを願っていた
なぜならば彼らはシンにとっては、理不尽な人殺しであり心ない英雄だったから
だが出会ってみれば、彼らはただの人間だった
人殺しであることを受け入れ、それによって負ったリスクを理解し、役割を果たすために命が尽きることを知っている
では、ただ憎しみに身を任せ、αナンバーズを屠る妄想に酔いながら、それ以上の未来を抱けなかった自分は、一体なんなのだろうか?
「すごいな、これ純ザフトのガンダム?」
突然、半開きのコクピットの向こうから声がして、シンは驚いてコクピットハッチを全開にした。そこには、まだあどけなさの残る少年が一人
「おいおい、第二戦闘配備だろ?」
「へへ、ちょこっとだけさ」
悪戯っぽく笑った少年は、そのままインパルスの隅々を興味深そうに見回し始めた
「実体剣を使うガンダムって、珍しいね」
「ああ・・・それ以外のシルエットもあるんだけど、本当は」
確かに格闘戦は得意だが、これは単にジブラルタルでの騒動のせいで、当然高機動パックも砲火シルエットも、当然ミネルバに残しっぱなしであったためでしかない
「でも剣が得意なんだ?兄さん達と気が合うかもね、アスカさん」
「得意って言うか・・・って、兄さんって?」
「名乗りが遅れてゴメン、僕は剛日吉。兄さんってのは・・・剛健一。ボルテスチームのリーダー、って知ってるよね」
言われてよく見れば、彼はボルテスチームの戦闘服を着ていた。ということはこの少年もまた、あの苛烈極まる大戦を生き延びた、αナンバーズの一人と言うことだ
「・・・あのさ、お前いくつだよ?」
「この前13になった、かな」
と、いうことはあの当時8歳。シンはなんだか目眩を覚えたような気がした
「そんな歳で戦場に出すなんて、お前の親も兄弟も何考えてるんだよ?」
いくら15歳の兄らが付き添ったとは言え、とても戦争に身を置く年齢ではない。しかし、日吉の方はあっけらかんとしていた
「うーん・・・確かに当時はもう何が何だかって感じでね、ビックリすることばかり怖いことばかり。よく兄さんに情けないって怒られたっけ」
ボルテスチームは、その指導者からしてかなり熱血系であったのもあり、歳も性別も関係なくしごかれていた。日吉はそれにもう慣れてしまったのかも知れない
「ただね、僕達兄弟にも避けられない事情があったんだ」
そうとだけ言うと、日吉はインパルスの操作方法に話題を振った
「この間ベンケイさんと腕相撲してたの見たんだけど、このガンダムのエネルギー配分もアレに合わせてあるんだよね?」
「え?あ・・・ああ」
「だとするなら、これから戦う相手に合わせて、バイパスの設定を変えた方が良いよ?剣を振る操作自体はプログラムされているだろうけど、MSなんかよりももっと堅いモノを斬るんだから、手首に一番力が行くようにしておかないと、剣だけじゃなく腕も折れちゃうかもしれない」
「な、なんだよ、いっぱしのメカニックみたいに!」
「僕、これでもボルテスのメカニック担当だよ」
両親の科学者の血を、三兄弟の中で色濃く受け継いだのが日吉であった。ボルテスのメンテナンスや火器のパワー配分などを担当している。そのため、インパルスの運用方法についても、何か思う所があったようだった
だがシンにしてみれば、それは自分の戦い方が否定されたようであった。未だαナンバーズへの、モヤモヤとした説明しがたい壁を崩せない彼には、どうしても彼らの一挙一動が気になって仕方なかったのである
「余計なお世話だよ、いいから持ち場に戻れって!」
コクピットまで身を乗り出していた日吉を、シンは思わず力任せに押しのけてしまった。ゴッっと嫌な音に、ハッと我に返ったシンがタラップに上ってみると、日吉は手のひらの辺りを少し擦ってしまったらしく、僅かにだが血を流していた
「あ・・、ご、ご、ごめん!俺・・・」
さすがに悪いことをしたと感じたシンは、咄嗟にコクピットから救急セットを引っ張り出し、ガーゼを傷に当てて、その上からサージカルテープで固定してやる
「・・・ねぇアスカさん。僕の血、何色に見える?」
手当をして貰いながら、日吉はふとそんな言葉をシンに投げかけた
「へ?何って・・・普通の色だろ?」
シンにはその質問の意図が量りかねた
「うん、普通の色。アスカさんと同じだと思う。でもね、僕たち兄弟にはボアザン星人の血が流れてるんだ。それもね、ボアザンの王族の
え!?い、いやそれは・・・」
日吉の“やむを得ない事情”とはこういうことだったのだ
確かにαナンバーズの顔ぶれはよく知られているが、その内情については(別に隠しているわけではないのだが)意外と知られていない部分があった
それにシンにとっての“異星とのハーフ”というのは、ゼントラーディとの混血児達が主だった。その彼らには、かなりはっきりとした身体的特徴が出ることから、そっちのイメージが強かったのである。そう考えると、目の前の日吉はどこからどう見ても地球人で、とても自分と違うモノが混じっているとは思えなかった
「さっきアスカさんがムッとしたのは、自分の血・・・遺伝子に自信があったから、だよね。要するに、あのディスティニー・プランのことが頭にあって」
シン自身は意識していなかったが、日吉に指摘されると“そうかも知れない”と感じたらしく、すこしばつが悪そうに肩をすくめてしまう
あの考え方で僕らの血を測ったら、どうなるんだろうね・・・?ボアザン星人の遺伝子は定義しきれなくて・・・もしかしたら、居場所はなくなるかもしれないよね」
そんなことは考えたこともなかった。だが改めて思い巡らせれば、ウッソの言う地球圏には既に、かなり多くの地球外文明の存在が友好的に存在している
先ほど話していた大介のような、やむを得ない事情で潜伏している者も、中には居るかも知れない。そんな彼らにとっては、ディスティニー・プランはどんな意義を持つのだろうか
「もしね・・・もし、そうなったら寂しいね。だって確かに、僕たちにとっても地球は母星なんだよ。お母さんの生まれた地球なんだ。お父さんが愛している地球なんだ」
寂しそうに、本当に寂しそうにそう言った日吉は、軽く会釈をしてから傷を押さえつつ、インパルスの前から去っていった
シンはその背中に言葉をかけることすらできなかった
誰でも自分自身が信じるもの、縋りたいモノがある
今の今までそれがディスティニー・プランであり、ウッソ・エヴィンであった
だが、それのもたらす歪みや悲しみを、嘘偽りなく目の前で見せた彼の姿が、シンの心に焼き付いて離れず、言い表しがたい感情を抱かせていた

プラントの片隅で、サーカスのテントを畳むトロワの姿があった
「いやぁ、アンタらのサーカス自体は嫌いじゃないんだけどな」
キャサリンに所場代を渡す男が、苦い顔をしながらそう言う
「そちらのお気持ちは分かってます。今日までありがとうございました」
ディスティニー・プラン発動により、プラントはそれまである程度開いていた門戸を、再び閉めようとしていた。故に、彼らからするとナチュラルであるキャスリン達は、プラントでの興業を諦めざるを得なくなったのである
「毎度、ブラックロー運送です!荷物を引き上げに来ました~」
深めに帽子を被った数人の男達が、そう言ってから手際よく荷物を抱え、トラックに積み込み始めた。端から見ると、ただ荷物を運んでいるように見えるのだが、その中の数名はすれ違いざまにいろいろな情報を交わしていた
『・・・ニタ研の連中だ。見間違えはない』
『フェブラリウス・ツーの辺り?』
『お前も見たか』
『二人の意見が一致・・・まず間違いなくクロだな』
『問題はどうやって確証を得・・・そして叩くかだ』
『こうプラントがきな臭くちゃ、一筋縄じゃいかねぇぜ』
「キャスリン・・・姉さん」
荷物を運び終えたトロワが、この先を思案しているキャスリンに声をかける
「どうしたの、トロワ?」
「・・・しばらく空ける事になる」
さすがのキャスリンも、その一言でトロワに“仕事”が舞い込んだことを察せるようにはなっていた
「そう・・・じゃぁそれまでサーカスは休業ね」
仕方ない、と言うように苦笑いをするキャスリン
「すまない」
「しょうがないわ。もう諦めたもの・・・その代わり、ちゃんと帰ってくるのよ」
そう言われて彼特有の、ハッキリとはしていないけれど、慈愛に満ちた笑みが返ってきたのを見て、キャスリンもまた微笑み返した

キャスリンのサーカス団が、ブラックロー運送の客室に乗り込んだ時、そこにトロワの姿は無かった
プラントを大きく離れた頃、その艦からいくつの光点が離れ、再びプラントに帰って行く。それをキャスリンは、いけないと分かっていても、不安に満ちた目で見送ることしかできなかった
《続く》
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テーマ : スーパーロボット大戦 - ジャンル : ゲーム

2009/03/26 00:11 | SS【スパロボ系】-Gravity scale outCOMMENT(5)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

魂の兄弟たちよ~♪

どもっす!

ブログ三周年おめでとうございます。あっしの大学生活=青春時代と同じ年数続いたのですね。何か感慨深いっす。とにかく、無理せず楽しんでいきましょう(^_^)v

さて、続編。まさかの石川賢先生版のグレンダイザーを出してくるとは!狂喜乱舞です(笑)
ちなみに、前述の作品。『映画秘宝』などで有名な岩佐陽一氏曰く、「血まみれロボット大戦」、「ダイナミック・イズム爆発」とかなり熱っぽく語っていましたwww

他にも、少しずつ変わりゆくシン。まともっぽい議長(笑)など、引き付けも抜群でした。まさに「神が降りてきた」byイチロー の状態っすね。しかし、エクスカイザーが出ないのが今さらながら悔やまれますw

では、失礼しやす!

No:1211 2009/03/26 01:58 | 弁慶 #9fYuzJy. URL [ 編集 ]

三周年おめでとうございます

このブログができて三年も経つんですね。私と師匠が出会って?から半年しか経ってないのに比べればもっと長く続いてるんですね。

本題ですが、種死の原作とちがって結構おもしろい展開になってきましたね。原作もこんな感じになってたら何かが違っていたでしょうね。(いい意味で)これでキングゲイナーとブレンパワード、それからガンダムX(無理だって)が出なかったのはちょっと残念です。
勇「運命とか、遺伝子とかで人の一生を決めつけんな!!」
ガロード「あの時だってみんなの可能性を信じて戦ってきたんだろ!なのに、なんでこんなことをするんだ!」
ゲイナー「ウッソさん、運命からエクソダスしましょう!人の思いを、意思を裏切ってまで生き方を勝手に押し付けるなんて間違ってる!!」
・・・こんな風の台詞が出ないかと思ってましたよ。

ちなみに18才になったウッソの姿を想像した際に、種死中心を前提にして平井さんが書いた感じにしてみたら髪型だけACE3のフェイであとは蒼穹のファフナーの皆城君(無論兄のほう)みたいな感じになりました。

師匠、体調管理に気をつけつつ、これからもよろしくお願いします。

No:1212 2009/03/26 04:46 | イヴ #cnZdQCf. URL [ 編集 ]

3周年おめでとうございます

3周年おめでとうございます!私自身はほんの1ヶ月前にこちらの作品を見つけたばかりですが、これからも続くことを祈っています。しかし「ガルマとシャアと足して二で割ったウッソ」ですか…ジオンの制服を着たアムロみたいにイラストで見たいですね?そのウッソですが、本当にどうしたんでしょう?今はベガ星との戦いがメインですが、そちらも気になるところですね。あと、デュランダル議長は本当に巻き込まれた被害者なんでしょうか?運命でもシンと対立する側になったり、声優はシャアだし…これからも素敵な作品楽しみにしています。

No:1213 2009/03/26 07:03 | 壱華 #3ZJbkwrQ URL [ 編集 ]

三周年おめでとうございます!

どうもあくとです。
このブログももう三周年ですか。
すごいですね。私はもう朝にこのブログを見るのが日課になっています。
今回のSSも新展開が多くて面白いです。
今後も頑張ってください。

No:1214 2009/03/26 07:57 | あくと #6Z79jEeU URL [ 編集 ]

声援が有り難い

皆様、ご声援のお言葉、ありがとうございます
途中何度かくじけそうになりましたが、それでも3年続けてこられたのも、コメをいただけるようになって、継続力が付いたからと言う面も有りますです

そしてSS・・・スクコマを中断してまで書いている甲斐がある仕上がりのようです

弁慶さん>
>石川賢先生版のグレンダイザー
気づいた人が居た(苦笑
さすがケン・イシカワ信者を自認するだけのことはある
>少しずつ変わりゆくシン。まともっぽい議長
今回のシンちゃんは、キラとの絡みよりも別の面で活かそうと考えてます
何せこの世界では、キラは多くのαナンバーズの一人でしかないんで


イブさん>
>種死の原作とちがって結構おもしろい展開になってきましたね
ある意味私の理想の種死ですw
だからキラはちゃんと脇役
ちなみにリアル系の主役はシンちゃんです
>キンゲ・ブレン・GX
ブレン組は出そうかどうか迷ったのですが、今のところはお休みですかね
GXは・・・うん、ちょっとだけ、なんかあるかも、よ
>18才になった平井版ウッソ
ただの若いキラにしか見えないのは気のせいですか?


壱華さん>
>ジオンの制服を着たアムロみたいにイラストで見たい
・・・うん、構想はあるんだ、一応・・・
描けるかどうかは、私の持てる時間次第・・・ぐふっ
>そのウッソですが、本当にどうしたんでしょう?
まだ当分壊れっぱなしの予定なので、いろいろ妄想して下さいw
うーん、あと3話ぐらいは壊れ気味かな?


あくとさん>
>私はもう朝にこのブログを見るのが日課になっています。
なんとぉ!?
・・・嬉しくて早くSS完成させたくなりました
頑張りますね!

No:1215 2009/03/26 23:29 | あるす #- URL [ 編集 ]

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