【スパロボ妄想】Gravity scale out~火星沖 会戦~

仕事がキッツい管理人です
でもそのきつさを、少ない休みの日に妄想するために必要なことだと、どうにか納得させながら、毎日過ごしてます


肝心のSSですが、たぶんこれで半分・・・かな?
それにしても、今一体何人のキャラクターを操ってるのだろう、自分
しかもまだまだ新規参戦組が出てくる予定なので、最後に破綻しないように気をつけねばなりません


太平洋上
衛星軌道上で他の部隊と合流するべく、アークエンジェルは大気圏突破の準備に入っていた。黙々と軌道計算などを行っていたクルー達だが・・・
「ふははは!」
突然、アークエンジェルの通信機器に、ズリルの太く不気味な声が響き渡る
「何だというの!?」
驚いて状況を確認するマリュー
「強力な電波による、割り込み通信です!」
「聞こえるか、デューク・フリード!お前がこそこそ、この星に隠れているのは、既に分かっているぞ」
「貴様は・・・科学長官、ズリル!
モニターに映された、眼帯をした特徴的なその顔を、大介は忘れるはずがなかった
「ふっ、俺の顔を覚えていたか」
ニヤリと笑ったズリルは、カメラの視点を変えて自信の背後を映し出す。そこはどこかのコロニーらしく、ベガ星連合軍の兵士達に捕らえられた、幾人かの地球人が映し出された
「あ」
「・・・あれは」

素っ頓狂な声を上げたのは、カトルやキラであった
「バルマーを打ち破ったせいか?地球人というヤツは、ずいぶん無防備なものだ」
どうやらズリルは、守りの手薄そうなコロニーを狙って襲いかかったらしい
「デューク・フリード、30分以内に一人で宇宙へ来い。さもなくば、時間を1分過ぎるごとに、こいつらを一人ずつ殺す」
「何だと・・・?ひ、卑怯者め!」
顔にあからさまな悔しさをにじませ、ぎりっと自分をにらみつける大介に、ズリルはおかしそうに笑ってみせる。このまま彼らの思うつぼにはまるわけには行かない。だが、自分が動かなければ人質達は・・・
が、そんなふうに悩んでいる大介の肩を、ぽんとカトルが叩いた。振り返ってみると、彼の顔は意外にも冷静・・・と言うか、全く何も心配してない、緩んだ表情であった
『大丈夫ですよ大介さん、急がなくても』
『・・・何だって?君、あの人質を』
別に助けなくても良い、と言わんばかりのカトルに、大介は思わず声を荒立てそうになる
「そこで何をこそこそ話してる?要求を呑まないような、今ここでコイツを殺す!」
言うが早いか、ズリルが目の前に座らされていた男に銃弾を放つ
息を呑む大介だが
カーン
ズリルの放った弾丸は、確かに男の眉間に突き刺さった・・・はずだった
しかしそれは、そのまま男の体にのめり込むこともなく、それどころか跳ね返されて床に転がった。ズリルは何が起こったか理解できず、呆然としている
「自信過剰になってんのはそっちだろ?人に喧嘩を売るんなら、もうちょっと下調べして来いよ」
そう言いながら、いとも簡単に自身を縛っていた縄をブチッと引きちぎると、男は手にはめたグローブを胸元でガチン!と合わせ、声を上げた
「鋼鉄ジーグ!」
言うが否や、その男の服がはじけ飛び、体がみるみる硬質に変化し、鬼のような姿に変化したではないか
「な、なんだ貴様は!」
「さっき名乗っただろ!喰らえ、ダイナマイトキィィィーック!!
強烈な跳び蹴りを食らい、ズリルもベガ星連合軍兵士達ももんどり打って倒れてしまう。これを見た他の“人質”達も、するするとロープを解いて反撃に転じる
「お、おのれぇい!退却、退却だ!!」
慌ててコロニーの中を逃げ出したズリルは、どうにかこうにかミニフォーに辿り着くと、部下の兵士達もそっちのけで飛び出してしまった
「マザーバーン!円盤獣を出せ!」
ズリルの命令に呼応し、付近の宙域に姿を隠していたマザーバーンから、不気味な円盤獣がのそりと這い出てくる。ズリルはほくそ笑んだ。先ほどの変なヤツには一杯食わされたが、所詮人間ではこの円盤獣の前には立ち向かえまい、と
しかし、相手は鋼鉄ジーグである
「ビルド・アァァァップ!」
その身を丸めたジーグの周囲にパーツが集まり、巨大な人型に変形したではないか
「ナックルボンバァァァッ!」
叫びに合わせて放たれた腕が、円盤獣の巨体にヒットした。致命傷を与えることができないが、怯ませるのには充分だった
「マグネットパワー、オーン!!」
ジーグの胸部から強力な磁力が発せられ、円盤獣は抵抗もむなしくジーグに引き寄せられていく。そして、それをがっちりと掴んだジーグは気合い一閃
「人の仕事を増やしやがって・・・ジーグ・ブリーカー!死ねぇッ!!
・・・と、いつもなら敵の体もペッキリ折ってしまうこの技も、強力な装甲を持つ円盤獣には後一歩ダメージが足りない
「フ・・・フハハハハ、残念だったな鋼鉄ジーグとやら!貴様の力は、この円盤獣の前には無力と言うことだ!」
どうにかマザーバーンに帰り着き安心したのか、この光景を高らかに嗤うズリル
「ああ、どうやらそうみてぇだな」
だが、ジーグの方はと言うと、全く意に介していない様子であった
「トドメは任せたぜ、凱!」
「おう、任せろッ!!」
ジーグの背後から黄金に輝く矢のようなモノが宇宙へ飛び出てきた
「ファイナル・フュージョン、承認ッ!!」
ズリルをも上回る、大河長官の高らかな叫びが響き渡り、黄金の矢・・・すなわち、ガイガーと凱・・・と三機のガオーマシンは一つの輝きへと昇華する、それ即ち!
「ガオ!ガイ! ガー!!」
目の前に突然、ジーグの3倍近くある黄金のロボットが出現し、円盤獣はもとよりズリル本人も唖然としてしまう
「ブロォォクン・マグナァァァム!!」
放たれたガオガイガーの右拳が、限界に達していた円盤獣の装甲をついに打ち抜いた
一瞬の後、円盤獣は自らを支えられなくなり、宇宙の塵と化した
「く、くそっ・・・出直しだ!」
予想外の出来事に、完全に目論見を崩されたズリル。作戦を練り直すべく、慌ててマザーバーンをコロニーから離そうとしたが
「どこに行くつもりだ、ズリル!」
この騒ぎの隙を突いて、先行して宇宙に上がってきていたグレンダイザーが、目の前に立ちはだかっていた
「デュ、デューク・フリード!?」
ズリルが知っていたかどうかは分からないが、グレンダイザーにはワープにも似た、超高速移動が可能なのである。30分と言わず、その気になればこのように一瞬で、望む場所に現れることは可能なのだ
「卑怯な手を使って僕をおびき出そうとしたが、残念な結果に終わったようだな!」
「ハ、ハッ!のこのこと、あ、現れおって・・・ここで決着を付けてやる!」
「望む所だ!僕の兄弟達の命を奪ったその罪、身を以て償って貰おう!!」
強がってみせるズリルだが、それはほんの一瞬のことであった
「受けてみろ、スペースサンダー!!
ズリルにどんな隙も与えず、デュークは必殺のスペースサンダーをマザーバーンに叩き込んだ。天を駈ける雷は過たずマザーバーンを貫き、その巨体を引き裂いていく
「ひ、ひぃぃぃ・・・っ・・・ベ、ベガ大王、ばんざぁぁぁぃ!」
断末魔の叫びを残し、ズリルもまた宇宙の塵と化して爆散したのであった


「隊長、ベガ星連合軍の円盤の爆発、確認しました」
「わかったわライ。ご苦労様」
遠くヱルトリウム軌道上から、この状況を確認していたSRXチームもまた、特に心配はせずにいたのは言うまでもない
「奴さんも失敗したよなぁ、よりによってオービットベースを狙うなんてよ」
ちょうど目に付いたであろう、宇宙にぽつんとある小さなコロニーが、まさかGGGの拠点だなどとズリルが知る由もない話だ
「しかもここのとこのことがあって、宙君も凱君もストレス溜まってたから、ずいぶん派手にやったわよね」
宙と凱はコンビを組んで、行方不明者の探索の方を優先して行っていた
だが、ベガ星連合軍の先遣隊が地球に現れたことにより、彼らまで探索を中断して地球防衛に回らざるを得なくなったのだ
元々芳しい結果を得られていなかった状況で、さらに探索の機会を奪われるとなれば、いらいらするのもしょうがない話ではある
「ま、ジェネシックガオガイガーを使わなかっただけ、ましかな・・・」
そんな物を出そうとしても、大河長官が絶対に許さないだろうが
「あ、隊長。火星行きのシャトル、軌道を離脱します」
マイの見る先で、一機の小さなシャトルがヱルトリウムから離れ、静かにエンジン出力を上げていく
ディスティニー・プラン発動後、目に見えてヱルトリウムへ“移民参加”を申し出る者達が増えてきていた。その理由は言うまでもないことで、地球だけでなくプラント自体からも、いって見れば“亡命”を希望する人々が増えていた。その中には、ラクスのツテを頼ってきたという者も少なくない
だが、それだけでヱルトリウムへの搭乗を許すほど、タシロ艦長も甘い人ではなかった
いみじくも自身が宣言したように、“フロンティア精神”に賛同できない人々の受け入れについては、決して首を縦に振らなかったのである
そういった事情で、どうしても行き場を得られない人々を、月面や火星へ送り出す手助けをするのも、最近のSRXチームの仕事になりつつあった
「そう言う意味では、俺らもストレス溜まるよなぁ・・・」
こんなことはリュウセイ達にしたって本意ではない
とにかく何かに縋りたい思い一心で、ここまで逃れてきた人々の顔が、彼らの頭にこびりついて離れない
どうにかしたいのは、5人の一致した考えではあったが、では実際どうしたらいいのかというと答えが見つからない
言いしれぬ不快感だけが、彼ら彼女らを包んでいたのであった
「その火星で・・・時間のずれがなければ、ベガ星連合軍迎撃作戦がスタートしているはずね」
ヴィレッタは時計を確認して言う
「頼むぜ、甲児たち・・・地球がこれ以上混乱したら、手に負えなくなっちまう」
見えるはずもない火星を捜して、リュウセイ達は宇宙に目を泳がせていた
火星沖
ラー・カイラムを旗艦とする、マジンガーZを初めとするロボット軍団は、キング・オブ・ベガが存在するとおぼしき宙域へ到着した
「シン、大丈夫なのか?」
アスランは前回シンが陥った、ベガ星連合軍への恐慌状態を思い出して、そう声をかける
「あの時はいきなりで驚いたけど、今回はまだ“居る”って分かってますからね。なんとかしますよ」
そのまま受け取ると、ただの強がりのように聞こえる台詞
だがアスランは、その口調に明るさというか、ある種の前向きさを僅かながら感じ取った
「・・・やる気になったのか」
「飯の分は働きますよ、そうなんでしょ?」
シンは、このところ触れ合ったαナンバーズの生の姿を見るに付け、自分が目指すべきモノを見失っている。故に、やる気も何も自覚は全くできない
「だいたい、死にたくないし。何より先が見たいし」
今彼に言える正直な気持ちは、寧ろこういう感じだった
「そうか。なら、死ぬなよ。死なす気もないが」
「隊長こそ、へましないで下さいよ?」
アスランはフッと笑った。シンとこんな会話を、今までしたことがあっただろうか
『杞憂、だったかな』
心の中でそう呟くと、アスランはジャスティスの操縦桿を、改めて握り直した
「全員時間合わせ!」
ブライトの号令が全艦に響き渡る
「3,2,1・・・作戦スタート!!
ラー・カイラム甲板から、一斉に飛び出していく大小のロボット達
迎え撃つは、無数のミニフォーと円盤獣。その奥には、総大将のベガ大王が居るはずである。地球に彼らを一歩も近づけられない。この部分に関してだけ言えば、その場全員の心は正しく一致していた
「主砲、一斉発射ァ!」
先制として、ラー・カイラムのメガ粒子砲が火を噴いたのを合図に、αナンバーズとベガ星連合軍本隊の二度目の戦いの、火蓋が切って落とされた

まずはミニフォーが大量に撃墜されたのを見て、甲板に巨体を曝していたダイターンが額の日輪にパワーを貯める
「人の命をおもちゃと扱う、卑劣なベガ星連合軍!この日輪の輝き、受けてみろ!!」
万丈の叫びが宇宙に響き渡り、無数の光弾が円盤獣達にヒットする。これぞ必殺・サンアタック乱れ打ち。敵の装甲を劣化させるサンアタックは、万丈の技量を持ってすれば大量にばらまくことは可能なのである
こうして装甲が弱くなった円盤獣達に、ゲッターロボやコンバトラーVが突っ込んでいく。そして、剣や触手がぶつかり合い、怪光線が飛び交い、ビーム砲がその隙間を縫っていく
そんな中、取っ組み合いになったグレートマジンガーと円盤獣、それを援護するべく放たれた、インパルスのビームライフル。怯んだ円盤獣を、鉄也は見事にニーインパルスキックで撃破してみせる
「ナイス・アシストだ、シン君!」
自然と飛んできた鉄也の言葉が、シンの心に新鮮な感情を抱かせた
シンは鉄也に良く思われようとも、彼を助けなければとも考えていなかった。ただこの戦場で、自分が成すべき事を素直に実行しただけだ
「おお、やるじゃねぇかよシン」
「最初はどうなるかと思っとったけど、なんやかんや言って赤服やな」
「頼りになるのが増えて助かるぜ」
豹馬や十三、さらに隼人まで、そうやってシンに声をかけてきてくれる
『なんなんだよアンタら・・・俺はコーディネーターで、アンタらを殺そうとまでして・・・敵なんだぜ?どうして・・・?』
どうしてすんなりと受け入れることができるのだろう、こんな自分を
シンはほとんど初めて感じる、この説明の付かないこそばゆい、くすぐったい感覚がなんなのか、未だに分からずにいたのだった

「・・・艦長、キング・オブ・ベガらしき影を捕らえたのですが、どうも様子が変です」
少し怪訝な顔をしているチェーンが、ブライトにそう報告してくる
「何がどうおかしいんだ?」
「それらしき巨体の周囲で、どうも散発的な戦闘が起きているようなのです」
「なに?・・・既にあの包囲網を抜けている機体はあったか」
「いいえ、それはまだ一機も」
さすがに目の前はベガ星連合軍本隊だけあって、一筋縄では先に進ませてくれそうもなかった。そんな状態だからこそ、全員が力を合わせ着実に相手の数を減らす、という作戦で動いていたのだる
だが、ということはその戦闘の原因は、自分たちではない何者かが起こしていることになる
「どう見る?」
ブライトも状況を測りかね、五飛に意見を求める
「最も考えられるのは、デューク・フリード同様に、ベガ星連合軍に恨みのある何者かが、横槍を入れている・・・と言う所だな」
ふむ、とブライトは一瞬考え込む
「その何者かが、友好的とは限らんが・・・」
敵の敵は味方、というのがαナンバーズの基本思考みたいなもので
「よし、ダンクーガ、ジャスティスを呼び戻せ!」
「あ?何する気だ、ブライトさんよ」
帰還命令を受け、不服気味の忍が通信を入れてくる
「どうやらこの先に、我々ではない先客が居るらしい。状況を確認するためにも、作戦の変更が必要だ」
ダンクーガに続いてジャスティスも甲板に接地したのを見て、ブライトは矢継ぎ早に指示を飛ばす
「全機、ラー・カイラムの射線上より退避せよ!」
「ダンクーガ、断空砲の射線をラー・カイラムに合わせろ!」
「ジャスティス、ビーム砲チャージ急げ!」
そして、状況を見定めたブライトの号令が飛ぶ
「撃ェェェーッ!!」
大量のビーム砲が一斉に火を噴き、前方に収束して大爆発を起こす。さしもの円盤獣達も、装甲が弱っていたのもあったが、これらの光の渦には耐えきれずに、次々と爆散していく
「ラー・カイラム、エンジン全開!」
「各機、本艦に続け、突撃する!!」
それでもなお、どこからとも無くワラワラ湧いてくる円盤獣を蹴散らしながら、αナンバーズは進む。そうして、彼らが辿り着いた先にいたものは・・・
「で、でけぇ!?」
全長10kmはありそうな、円筒状のその物体こそがキング・オブ・ベガ
ベガ大王が座す、ベガ星連合軍の旗艦である
しかもその両脇には、ブラッキーとガンダルの乗るマザーバーンが両脇を固めており、三体の要塞からは無尽蔵とも思えるほど、ゾロゾロと円盤獣が吐き出されてきていた
「クソ・・・こんだけデカ物が揃ってりゃ、そりゃいくらでも敵が湧いてくるはずだぜ」
隼人が舌打ちしながら吐いたその言葉は、他のメンバーも似たり寄ったり感じたことに違いなかった
しかしそれ以上に注目しなければならなかったのは、そんな巨体に向かって必死で攻撃をしている、小さな小さな円盤状の戦闘艇のようなものの存在だった
どうもそれが、チェーンの見つけた散発戦闘の元のようだ
しかもよく見れば、攻撃していると言うより、既に立場が逆転して円盤中に追い立てられているではないか
「あんな小さいので、どうしようってんだよ!?」
思わず助けに飛び出した、シンのインパルスも決して巨体ではないのだが
シンにはその艇の弱々しさを、自分の守れなかった者達に重ね、放っておけなかったのだ
「シン、飛び出すな!」
アスランが慌ててその背後を追う。突進するインパルスと、その周囲を旋回しながら雑魚を掃討するジャスティス。単体戦が得意なシンと、狙撃の得意なアスランは、いつの間にか互いにフォローし合いつつ、小型艇を援護しに走っていた

一方シンとアスランとは別に、ボルテスやコンバトラーVはキング・オブ・ベガに向かっていく。一気に間合いを詰め、必殺技を放とうとする二体の超電磁ロボであったが、突然目の前の見えない壁のようなモノに阻まれ、それ以上近づけなくなってしまう
「なんやなんや!?こんな距離じゃ、超電磁ヨーヨーも届かんやないけ?」
「たぶんバリアの類だろうぜ、やってくれるじゃねぇか!」
と、宇宙空間に真っ赤な肌の、まさに悪魔のような出で立ちをしたモノが、突然姿を現した。おそらくホログラフだろう
『ワーッハッハッッハッ、よくぞここまで辿り着いたな地球人共!』
「てめぇがベガ星連合軍の親玉かよ!?」
いかにもそれらしい相手の登場に、甲児が受けて立って叫び返してやる
『いかにも、ワシがベガ大王である。なるほど、確かに貴様らは噂通りの強さよ・・・しかし、このキング・オブ・ベガには傷一つ付けられまい!』
自身の乗る戦艦に絶対の自信があるのか、竜馬や万丈達を嘲笑うベガ大王
「うるせぇ!バリアってのはな、力を加えりゃパリーンと割れるもんなんだよ!!
甲児がそう言うとすさまじい説得力があるのか、すぐにこれに応えてグレートマジンガーとゲッターロボが駆け寄ってくる
「すぐにそのアホ面にパンチを入れに行ってやるぜ!ブレストファイヤー!!」
「甲児君、続けていくぞ!ブレストバーン!!」
「俺たちもやるぞォ!ゲッタービーム!!」
放たれた三つの光線が一つになり、バリアに集中的なダメージを与え始めた
そしてまさに甲児の言ったとおり、そこから徐々にバリアにヒビが走り始めたのである
「あの3人を援護するぞ!」
「時間を稼ぐんだ!」
バリアを破るために無防備になっているマジンガーZらを、ダンクーガやダイターンが護る

それを横目に、あの戦闘艇は確実に追い詰められていた
円盤獣の牙が剥かれ、戦闘艇を襲おうとしたその時、どうにか追いついたインパルスがアロンダイトソードを円盤獣に振り下ろす
普通ならその剣の前に、多くのMSが一刀両断されてきた。だが日吉が指摘したとおり、円盤獣の装甲はその程度の斬撃ではビクともしなかったのだ
「げっ・・・跳ね返された!?」
衝撃でバランスを崩されたインパルスを、必死で立て直すシン。だが、円盤獣の触手は容赦なく襲ってくる。それでもシンは、何にも代えて戦闘艇を庇い続けた。どうにかこうにか左側のシールドの影にそれを隠し、アロンダイトソードを盾代わりにして凌ごうとするが、それにも限界があるように感じた
「シン、逃げろ・・・って、くそっ!」
アスランの方もミニフォーの集団に囲まれ、インパルスに近づこうにもできない状況にあった。シンがこの状況から脱するには、どうにかして円盤獣を撃退するほか無い
“二の腕に力が入りすぎている”
“手首に一番力が行くようにすれば・・・”
ベンケイと日吉のアドバイスが、ふと頭をかすめた
なら、今すぐできるのか?
それは無茶な話であった。知らなければできないとは言え、知ってできるほど人間は上手くできてない
だが、このままでは・・・
「クソッ・・・くそっ・・・死ねるかよぉぉ!やってやるさぁッ!!」
その瞬間、彼の中で何かが弾けた
“バイパスを・・・変更して・・・腕の付け根を軸に・・・最後の力だけ、手首で・・・”
シンがそう考えているのとほぼ同時に、彼の指先が火器完成の設定を瞬時に設定変更し、次の瞬間には上段にアロンダイトソードを構える
“あそこ・・・サン・アタックが・・・当たった跡・・・!”
円盤獣の体にクッキリ刻まれた、日輪の光の痕跡を見つけたシンの体は、そのまま凄まじい精度で化け物に剣を振り下ろしていた
そしてその切っ先は、狙い違わず円盤獣の体を真っ二つに切り裂いた
「き・・・斬れ・・・た?・・・って、うわぁっ!?」
実際驚いていたのはシンの方だったが、ホッとする暇すら彼にはなかった
なぜならその円盤獣は強力な閃光を放って爆散し、シンと戦闘艇はその爆風に巻き込まれて大きく跳ね出されてしまったからである
「シ、シーーーーーンッ!!」
アスランが飛ばされるインパルスを追おうとするが、余りの勢いに追いつけない
状況をいち早く察したブリッヂの五飛は、脳裏で状況を冷静に計算した上で、通信用のマイクを取る
「貴様らよく聞け、シンが爆風ではじき飛ばされた!今から5分以内であのドラム缶をなんとかしろ。そうでないとシンの救出が保証できん!!」
はじき出された時の速度とその角度、インパルスの酸素残量などを考えれば、それが限界であった
「んだとぉ!?5分と言わず、3分でやってやらぁ!!」
五飛に文句を言うかと思えば、甲児は逆に俄然火が付いた
気合いで力が変わるのがスーパーロボットとはいえ、その叫び声が引き金となったように、本当にキング・オブ・ベガを包んでいたバリアがパリーンと割れたのは、その僅か数秒後であった
『なんだと!?このキング・オブ・ベガのバリアを破るなどと!』
今まで幾多の星と戦ってきた中で、一度としてこのバリアを破られたことがなかったベガ大王は、柄にもなく驚きの声を上げてしまう
「今だ、一斉攻撃っ!」
丸裸となったキング・オブ・ベガに浴びせられる、怒濤の必殺攻撃の嵐。円盤獣と同じ装甲を持つこの要塞だが、スーパーロボット七体の攻撃を一斉に浴びせられては、たまったものではない
ベガ大王は、自身が地球の戦力について、実は“分かっていたつもりだった”ことを痛感せざるを得なかった。だが、だからと言ってここで全てを諦めるつもりもない
『一度この場を引き、体勢を立て直す。ガンダル、目くらましを用意せい!』
『ハハッ・・・しかし、その程度ではこやつらを引き離せない可能性が』
『ブラッキーのマザーバーンを盾にせい』
ベガ大王は、ただそうとだけ言い放った
『あやつはこの太陽系に来て以来、失望させられてばかりおる』
『ハ、ハハッ・・・そ、そのように』
明日は我が身・・・そう身震いしつつ、ガンダルはベガ大王に一礼すると、ブラッキーのマザーバーンの遠隔コントロールスイッチを操作し、その巨体がキング・オブ・ベガの前方を覆い隠すよう、その位置を調整し始めた
『ガ、ガンダル司令?何をなさいますか』
事情を飲み込めないブラッキーが通信を入れてくるが、ガンダルはもちろん手を休めることはない
『ベガ大王は貴様にお怒りだ。せめてここでキング・オブ・ベガを守って、最後の華を咲かせろ』
『なな、な、なんですと!?』
今までキング・オブ・ベガに打ち込まれていた必殺技を、全て肩代わりする形となったマザーバーンは、あっという間にダメージが蓄積して行く
「な、なんだ?」
思わぬ事態に甲児達も驚くが、だからと言って攻撃の手が緩むはずもなく、ほどなくマザーバーンはその巨体を崩し始めた
『ギ、ギャァァァァ!・・・助けてくれぇぇぇ!!』
強力な閃光が走ってマザーバーンが爆散した時、そこにはキング・オブ・ベガの姿はなかった
「あの野郎・・・部下を盾にして逃げやがったのか?」
なるほど、大介曰く“ベガ大王にとっては、自分の意に沿わない者は全ておもちゃに過ぎない”、というのは本当らしかった。だが、あの攻撃ではあちらもただでは済むまい。逃がしてはしまったが、当分この宙域から早々動いては来れないだろう
「五飛、残り時間はあとどんくらいだよ!?」
ベガ星連合軍の脅威が一時的に退いたので、甲児は次にやらなければならないことに頭をシフトさせた
「残り2分と言った所だが・・・まだインパルスの機影も何も捉えていない。もう少し待て」
「待てだと、おい?シンのヤツが、まだ慣れもしない戦場で頑張って、今は一人で真っ暗な宇宙を漂流してんだぜ、悠長なこと言ってられっかい!」
まだ軌道計算を終えていなかった五飛の返答に、甲児はつい熱くなって当たり散らしてしまう
「すまない甲児。シンのために」
だが、アスランが冷静な声で通信を入れたことで、ハッと甲児は我に返った
「だが、ここで俺たちが無駄に動いたら、二次遭難を引き起こしてしまう。今は五飛の計算結果を待とう」
とはいえアスランも内心穏やかではなかった。“死なすつもりはない”と言っておきながら、この様では隊長の責務も何もない
「生きていろよ、シン・・・!」
ふっと我に返ったシンは、周囲の光景が高速に移動していることに気づいた
ものすごいスピードで飛ばされている
まずい、と直感した彼の体が、反射的に背面スラスターの逆噴射操作をしていた
漆黒の宇宙空間に推進剤の白い帯が伸びて、そしてしばらくしたのちに、インパルスはようやく静止した
シンは、インパルスの腕の中を見る
そこには必死で守り、抱えていたあの艇がしっかりと抱きかかえられていた。どうにか守り通せた、と言うことにホッと胸をなで下ろしはしたが、果たして中に誰かが居て、その存在が無事なのかは分からない
翻って計器類を一通り見るが、一応全て生きてはいる。しかし周囲には、敵も味方も姿はない。レーダー類にも反応はない
孤立したのかと、シンはこのとき改めて実感した。一応遭難信号を打ってはおくが、果たしてここが先ほどの戦場からどの程度離れていて、アスランがここに気づいてくれるのかどうかすら定かではない
「騒いでも酸素が減るだけ、か」
だとするならとにかく、あの艇の誰かの無事というのを確認できないだろうか
シンは思い切ってインパルスのコクピットハッチを開けると、艇の操縦席らしき部分を見定めて接触通信用の有線マイクを近づける
「おーい、誰か居るの?無事か?」
が、応答がない。言葉が通じてないのだろうか
「一応、こっちはベガ星連合軍の連中と関係ないから」
そこまで言った時、ようやく艇の一部がパカッと開いて、中から人間らしきシルエット・・・というか、女性らしい・・・が現れた
「本当に・・・ベガ星連合軍の連中じゃないのね?」
言葉はあっさり通じていたらしい。さすが“こんなこともあろうかと”と、アストナージが手渡していたバルマー製万能翻訳機は、伊達ではなかったらしい
「あんなのと一緒にされる方がゴメンだね」
「ご、ごめん疑って・・・ずっとここまで庇ってくれてたのに」
彼女もベガ星連合軍に滅ぼされた、どこかの星の関係者なのだろう。だとするならこちらに警戒心を持って当たり前で、察しの付いたシンも特に不快には思わなかった
「君・・・地球人?」
「え?ああ、俺はコーディネーターの・・・」
「コーディネーター?地球人じゃないの?」
バルマー製万能翻訳機では、コーディネーターという言葉が上手く翻訳できなかったのかもしれないが、彼女の質問はそう言うニュアンスではないように聞こえた
「は?あ、いや地球人だよ、うん。俺、シン・アスカ」
今までシンは、“お前はコーディネーターか”と聞かれたことはあっても、“地球人か”と聞かれたことはなかった
『ああ、そうだよなぁ・・・あっちから見たら、俺たちって全部一括りで“地球人”、だよな、普通に考えれば
普段はアースノイドだのスペースノイドだの、ナチュラルだのコーディネーターだの言い合っている自分たちだが、遠く離れた外から見ればそんな差異は無きに等しいのだろう
「シン、だね。守ってくれてありがとう・・・でも、もう地球との戦争が始まってたのは、想像してなかったな・・・」
彼女は悔しそうにそう呟いた。やはりシンの思った通りで、大介と同じような境遇にあるのだろう
「アンタも奴らに星をどうかされたクチ?」
「その口ぶりだと、他にも誰かここに流れ着いているのかしら?」
「ああ。つい最近分かったんだけどね、フリード星ってとこから逃げてきた人が見つかったんだ。その情報のおかげで俺たち・・・」
が、シンが最後まで言う前に彼女の方が血相を変え、シンのパイロットスーツをひっつかんでくる
「本当!?本当にフリード星から流れてきた人が居るのね!」
「え、アンタもフリード星の人なのかよ」
大介から聞いたかの星の惨状は燦々たるものだったが、それでも必死に生き延びた人が居たと言うことなのか。だとするなら、自分の他に生き残りが居るとは、思いも寄らなかっただろう
「そうよ。アタシはマリア、グレース・マリア・フリード
「・・・あれ、あの人も確か本名がデューク・フリード、だったような」
端で聞いていた会話を思い出し、シンは誰にともなく言ったのだが、マリアの方の驚き様は想像を超えていた
「ええっ・・・!?デューク・フリードは、アタシの兄さんよ!」
「なんだって?で、でもあの人、自分の兄弟は奴らに殺されたって・・・」
「ええそう、そうよ。あの時は恐ろしかったわ・・・」
話が長くなりそうだったので、シンはマリアをインパルスのコクピットに招き入れた。酸素残量はあまり無いので、本当は二人居るのは宜しくないのだが
「アタシにはね、ちょっと先の未来を予知する力があるの」
そのため惨劇の朝、侍従に駄々をこねてベガ星連合軍に付いていかなかったのが功を奏し、命からがら逃げ延びることができたのだ
とはいえ、フリード星は完膚無きまでに破壊し尽くされ、もちろんグレンダイザーも行方が知れない状態で、彼女は星の敵を討てる手段を模索しつつ、地球に流れてきたのだ
その途中、ベガ星連合軍が地球付近に居ると聞きつけ、もしや彼らがグレンダイザーを隠し持っているのではと、たった一人立ち向かっていたのだという
「でも兄さんが無事なら、グレンダイザーは兄さんと共にあるのね」
「ああ、地球で活躍してるらしい。ついこの間の話さ」
シンにそこまで聞いて、緊張していた心が一気に解き放たれたのか、マリアは急にうずくまって嗚咽した
「ああ、兄さん・・・兄さん、逢いたい・・・!
マリアの切ない叫びに、シンは胸を穿たれる思いだった
「大丈夫だよ、俺・・・俺が、アンタと兄さんを逢わせてやる、絶対!」
「え?」
生き別れた兄妹をそのままにできるものか
シンはデュークが、自分のような想いをきっとしているのだろうと察した
なら、こんなところでフラフラしていられない
何とか分かる範囲で、目印になる座標物を捜さなければ、とレーダーパネルに目をやる。そのレーダー範囲に映るのは、火星の衛星が精一杯だった
「フォボス・・・さっきは火星からは結構離れてたから」
自分たちは、火星本体に結構近づいてる。ラー・カイラムとの相対距離は分からないが、目印はあった。それに、フォボスには連邦の基地もあったはずだ
「よぅしインパルス、とにかく行くぞ。もうちょっと頑張ってくれ・・・」
推進剤も無駄遣いできない。シンはエンジン出力を最小限に絞り、定期的に噴射と停止を繰り返すことで、相対速度を上げていく
『そっちじゃない』
突然頭の中に声が響いた
「ん・・・マリア、なんか言った?」
「ううん、なんにも?」
聞いたこともない“声”だったから、もしかしてと思ってマリアに聞いてみたものの、彼女には聞こえていないようだった
『軸はフォボスでいい。後は角度を2時の方向にするんだ』
「え、え、え?待てよ、なんなんだよアンタは」
だが声は途切れた。何が何だか分からないが、頼る情報もない今の状態では、賭けてみる価値はあるのかも知れない
シンが言われたとおりの座標を取り直し、しばらく進んだ頃
「・・・ザ・・・えるか、シン、生きて・・・か?」
通信機からアスランの声が聞こえてきた。来てくれた、捜してくれていた
「隊長、俺はここです、生きてます!」
シンがそう応答を返した頃、遠くにうっすらと、ジャスティスらしいシルエットが見えてきた。アスランもインパルスの影を認めたらしく、猛スピードでインパルスを迎えに近づいてくる
「無事なんだな!」
「はい、あの艇のパイロットも一緒です!」
「そうか・・・よくやった・・・そして、よく生きていた、シン」
安堵してそう言うアスランの後ろから、他のロボット達も駆け付けてきた
「おおい、シン!生きてんのかよ?」
「怪我してんじゃないの?」
彼らは一様にシンを気遣っていた。そしていつしか、わらわらと周囲を囲まれてしまい、マリアにとっては驚きの巨大ロボット軍団の威容に、彼女は思わずシンにひっついてしまう
「ねぇ、あれ仲間なの?」
問われて、シンは居並ぶスーパーロボット達を見渡して、こう答えた
「ああ、俺の・・・地球の、仲間達だよ
その言葉を言い切った時、シンは心の中の曇りが晴れていったように思えた
「心配かけてゴメン、大丈夫だから!」
自然とそんな通信を入れたシンの顔は、爽やかな笑顔で満ちていたのだった
《続く》
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テーマ : スーパーロボット大戦 - ジャンル : ゲーム

2009/03/29 01:49 | SS【スパロボ系】-Gravity scale outCOMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

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