【スパロボ妄想】Gravity scale out〜暗雲〜

気づいたら、GANDAM STANDartのボリューム4が発売されてて、悶絶しながら注文した管理人です
今回はラインナップが神過ぎる
いぢめかよ、金ないのに・・・いや、某スペシャルディスクは買ってないけど、他のもので浪費してたりするんですよ
ああそれ以上に、飾る場所が無くなってきてる方が問題か?

届いたら、また記事書きます


今回は連載期間が短いですが、それというのも次の話が、一番書きたかったシーンに入ってくるので、早く上げておきたいのです

それはそうと、ワタクシなりにシンを成長させ、アスランを隊長らしく振る舞わせてるのですが、実際どないなもんなんでしょうね?
一応、この世界でのシンの成長は、無駄にならないエンディングを考えてはいるのですが


ラー・カイラム食堂
「頑張れ、シン!」
マリアの声援を背に受けて、シンとベンケイがまたもや腕相撲に興じていた
今回は以前と違い、ベンケイもかなり真剣な顔であった。シンは相変わらず必死な顔ではあったけれども、こちらも前と違って“楽しんで”いる表情なのが、端から見ても分かるようになっていた
刹那、トンッとベンケイの手の甲が机に付く
「うお、こいつは一本取られたぜ」
「やったぁ!俺の勝ちィ!」
「おぉ、今日はシンの3勝5敗か」
ジャッジをしていた甲児は、シンの変化に驚いて驚嘆の声を上げる
「すごいねシン、やったじゃない」
「へへ、前にベンケイさんにアドバイス貰ってたから」
以前のシンなら、マリアにそう言われたら、舞い上がって手が付けられなかったかも知れない。だが、何か掴んだモノがあったようで、彼の口から素直に謙虚な言葉が出てきた
遠目に見ていたアスランは驚くと共に、彼が何かの呪縛から解き放たれたようで、それが少し嬉しくもあった
「こないだマリアを助けた時だって、ベンケイさんと日吉のアドバイスを思い出さなかったら、危なかったんだぜ」
「へぇ、じゃぁ二人は影でアタシを助けてくれたみたいなもんね」
茶目っ気たっぷりに笑うマリア。ベンケイも日吉も悪い気はしないようで、にぱっと笑って応える。と、日吉が思いついたようにシンに問う
「あれ?じゃあ、バイパスの設定、変更して出撃したの」
「いや、その場で」
「あんなタイミングで?よく間に合ったね」
いくら手練れのパイロットでも、各デバイスのエネルギー配分変更調整など、そう簡単にできるものではない。ボルテスのような複数乗りならまだしも、一人で全てをこなすMSでそれを行うのは、到底無理がある
「う〜ん、何かぱぱっとできちまったんだよな。時の流れが遅くなったみたいに」
その台詞を聞いて、アスランは思う所があった
『まさか・・・SEED?
もしそうだとしても、これについては本人にはしばらく話すべきではない、とアスランは感じていた。せっかく自分の器を少し自覚し始めた時である。こんなタイミングで、SEEDとその意義など話そうものなら、また以前の彼に逆戻りしかねない
できることなら、今の良い状態が続いて欲しい
そうでなければ、自身の決意をシンに伝えることなど、できないのだから
「・・・そういえばさ、前から聞きたかったんだけど」
思い出したように、シンが甲児の方に向き直った
「アンタ達はウッソ・エヴィンと長いんだろ。あの人って、そもそもどういう人?」
「はぁ?お前がそれを聞くかよ」
「いや、俺も教科書以上のこと、知らなくて」
実はウッソの存在は、αナンバーズ・・・当時はロンド・ベル隊・・・では、世間ではそれほどメジャーではなかった。有るとすればバルマー戦役の項で、たまに名前が出てくるぐらいだったのだ。それは当時の彼の年齢や、封印戦争以前に部隊から離れ、一市民に戻ったという経緯からのことで、決して彼を蔑ろにしてのことではない
そういうわけで、プラントで颯爽とデビューを飾った時も、ただ“シャアを継ぐ者”というイメージだけがシンの脳裏に焼き付き、それ以上のことは全く知らないままだった
「俺もそう言えば知らないな・・・良い機会だ、聞かせてくれないか?」
アスランもまた、ウッソに対する知識はシンと同様であった
「ウッソは確かに“スペシャル”だったぜ。でも、それ以上に普通の男の子だったな」
弁慶は当時を思い出して、複雑な表情をしながら、そう語った
「戦い始めた理由も、本当に偶然だったものね」
たまたまリガ・ミリティアと接触してしまったことから、彼の戦いが始まった。後から考えれば、その偶然もまた仕組まれたものだったかも知れないが
「ああ、その後はただ、大事な人たちを守るため、それだけのために突っ走ってた」
彼にとっての戦いの大義は、それ以上にもそれ以下にもならなかった。それが、未来から戻ってきた時に、部隊を抜ける遠因になった一面はある
「大事な人って言うのは、シャクティって人?」
「知ってるのか?」
甲児が驚くのも無理はなかった。シャクティはエンジェル・ハイロゥのことも有って、ウッソ以上に名前を出すのが制限されているからだ
「ああ、何か時々、あの人にアドバイスしてるみたいだから」
「そうか・・・あの娘もあっちにいるのか」
甲児は寂しそうにそう呟いた。日吉もまた目線を落としている
「確かにウッソにとって一番大事なのは、シャクティだろうな」
冗談抜きで、彼女を助けるためなら例え火の中水の中、問わずに突っ込んでいくだろう
「だからこそ、今のあいつの行動はおかしいって、確信を持って言える」
ニュータイプとそれに類するサイキッカーを擁し、エンジェル・ハイロゥのような異様なものを利用し、あまつさえバルマーとも組んでまで、地球滅亡を画策したカガチを否定しておきながら、何故今になってこのような行動に出たのか
「あいつは、自分がニュータイプだとか、そういうことはあんまり重要視してなかったんだ」
当時はクワトロって名乗ってた、シャア・アズナブルとも長く共に戦場にあった。その頃からニュータイプについて、良きにつけ悪しきにつけ持論を語っていた彼とは違い、ウッソはそう言う話はほとんど聞き流していたのである
「・・・本当に、遺伝子が呼び覚ました、とか?」
又聞きとはいえ、甲児達の口から出るウッソの過去は、シンがプラントで見たそれとは大きくかけ離れているのは間違いなく、彼もそれをどう評して良いか分からなくなって、ついこんな台詞が出てしまった。が、甲児はそれに真っ向反対した
「あんな、シン。遺伝子ごときが、人間の“意志”まで制御できると、真剣に思ってんのか?」
余りに凄んで迫ってくるので、シンは思わず身を引いてしまう
「確かに俺らの体は、遺伝子の集まりだぜ。でもな、そこに宿ってる“魂”ってもんは、そんなんとは無関係なんだよ」
甲児は自分の胸の辺りをポンポンと叩いて、“心はここにある”という意志を示してみせる
「科学者一族のわりに、意外と非科学的だな」
アスランの素直な評である
「うっせぇやい」
まぁそうは言っても、ニュータイプはもとより念道能力者や果ては平行世界の番人までいる世界で、科学もへったくれもないのではあるが
「勘違いすんなよ、シン。俺はお前やコーディネーターを否定する気はねぇ。ただ、今回の件に関して言えば、遺伝子にかこつけて、誰かが裏で糸を引いてやがるに違いねぇ。必ず地球に帰って、そんでそいつの首根っこを掴み上げて、ウッソの目を醒ましてやるんだ」
固い決意を秘めた甲児の瞳。心を痛めているが故の、曲げられない想い
シンこのときになってようやく、ウッソ・エヴィンという人物像に、ハッキリとした疑念を持った
αナンバーズのメンバー達を、これだけ悲しませている彼とは一体なんなのか
彼はそれを知っているのだろうか
わかっていて、しかもそれを利用しているかも知れない
ウッソの口から出た、あの綺麗事は何の意味を持っていたのか

それを知るためにも、尚更生きて地球へ戻らなければならない
「隊長、少し戦術シミュレーション、付き合ってもらえませんか」
「ん?ああ、いいだろう」
シンの“やる気”を感じ取ったアスランもまた、自らの誓いを果たすためにも、生きて地球へ戻ることを決意した


「我々としてもね、今の彼らを支持しないわけではないのだよ」
そうリリーナに念を押しているのは、連邦議会の老議委員達である
「彼ら無しで、今のこの地球が存在し得ないのは分かっていることだ」
別の議員も同意の言葉を出すが、しかし
「だが・・・どうにかならんかね?またもや宇宙人をメンバーに加えるなどと」
銀河大戦に勝利して“しまって”以来、否応なしに外宇宙への門戸を開き、銀河連盟の中に混じって行かざるを得ない状況となったことを、一部の地球圏住民は未だ受け入れられずにいた
「この宇宙開拓時代に、時代錯誤なことを仰られる」
リリーナにとって、この手の“ご意見”は聞き飽きた内容ではあった
「それに今回、デューク・フリードさんは、αナンバーズへの参加を自ら申し出て下さいました。協力を惜しまない方をそのような、狭い視野で判断するべきではありません」
キッパリと言い返すリリーナだが、議員達は呆れたように深いため息をつくばかりであった
「私には君の神経が分かりかねるよ、リリーナ外交次官」
「この地球は、我々の星なのだよ。そこに、どことも知れぬ星の連中が入り込み、住み着くことが許せるのか?」
「以前からのことがあるから、コーディネーターは大目に見ていたがね。それもそろそろ考え直さなければならないようだし」
口々に批判的な意見をリリーナに投げかける議員達に、リリーナ本人は苦々しい思いを抱いていた
「そうまで仰るなら、なぜ連邦軍はフェイズ3以上の動きを見せないのです?」
ディスティニー・プラン本格始動となれば、いつ大きな衝突が起こってもおかしくない状況なのではないのだろうか
「君が戦争を望むとは、意外だね」
「そう言う意味ではありません」
発言の挙げ足を取られたようで、リリーナは露骨に不快そうな返答をする。連邦議員は苦笑いをしながら肩をすくめた
「何、深い意味はない。我々から手を出すのは愚行、というだけだよ。奴らは今はプラントに閉じこもっていることだし」
確かに彼らは動かない。遺伝子検査を行っているため、と言うのが一般的な見方であったが・・・
「だとするなら尚更、このタイミングを逃すことはできません。私達は持てる総力を以て、ベガ星連合軍を打ち払わねばならないでしょう。そのためなら、なんと仰られようとも、現状のプリベンダー運用方針を変更することはできません」
あらゆる勢力の垣根を越えた力の集合体、それこそがαナンバーズの強さの所以なのだから
「だが彼らも、火星沖で本隊を逃したと聞くが」
「あのバルマーと肩を張ったという相手ですよ?」
リリーナは議員達の余りのしつこさに、眉をひそめざるを得なかった
ティターンズやブルーコスモスの例を出すまでもなく、過去いかなる時代であろうと保守派の台頭言うのは当たり前にあることであった
そう言う意味ではやはり、宇宙開拓時代そのものを嫌悪する人々は、時代の流れと切り離しても大勢いるのは確かなのだ
しかし何故今更になって、しかもαナンバーズを槍玉に挙げるのだろう
『それを追求しても無駄でしょうね・・・“盾”にできる理由は、いくらでもあります』
そうやって問題を複雑化させるのが、政治屋の性分である
『で、あるならば、私も攻め方を変えねば成りません』
リリーナは、自分自身が動かなければならない時が来た、と感じていた
ラー・カイラムは火星沖会戦後、追ってくるベガ星連合軍の小隊と戦っては追い返し、そしてその都度足止めされ、ようやく地球圏に帰還した。ジブラルタルの出来事から、すでに30日近くが経過していた
そして、取り逃がしてしまったベガ星連合軍本隊を迎え撃つべく、情報の整理を兼ねてオービットベースにてアークエンジェルと合流、今後について話し合うことになった

オービットベースに到着したラー・カイラムは、先に到着していたアークエンジェル一行や、GGGの面々と合流した
「兄さん!」
「マリア・・・よく生きていてくれた!」
飛びつくマリア、それを抱き止める大介
ひっしと抱き合う兄妹の姿に、その場に居たメンバーの多くは感極まったモノを感じていた。根が熱い甲児や凱などは、猛烈に感動してしまって涙ぐんでしまう
「シン・アスカ君。話は聞いたよ・・・妹を助けてくれて、本当にありがとう」
握手を求めてくる大介に、シンは照れながらも応じてがっちり手をつかみあう
「俺も嬉しいです。でもお礼なら他のみんなにも言って下さいね。最終的に俺たちを捜し当ててくれたのは、隊長達だから」
「ああ、もちろんだとも」
端から聞くとごく普通の会話なのだが、トゲトゲしいシンを知っている甲児達はというと
『オイ、アスラン・・・シンのヤツ、何か憑いてんのか?』
酷い言われようである。アスランは苦笑いせざるを得なかった
『逆に憑き物が落ちたんだよ』
ここ最近、シンはディスティニー・プランについても、ウッソの名前さえほとんど出さなくなっていた。それを評してのことである
遠目にそんなことを言われているとは、露とも知らないシン
「マリア、これからどうするんだ?」
シンは何気に聞いたつもりだったが、マリアはふと顔を曇らせた
マリア自身は、兄を助けて戦うことだけは決めていたし、それはシンも知っていたのだが
「な、なんかまずいこと聞いた?」
「ううん。だってまだ、何にも解決してないし・・・」
もちろん負ける気はないのだが、その気持ちがイコール買ったという事実ではない
「それに仇を取ったとしても、フリード星にはもう、戻れない」
彼女らには帰る場所がないのだ
それなら地球でもプラントでも、と口にしようとしてシンはハッと、日吉の言葉を思い出した
もしもディスティニー・プランが忠実に、プラントだけでなく地上でも実行されたとして、そのために彼女らの居場所が無くなったりしたら
「・・・?どうしたの、シン」
口をつぐんだシンを気遣うマリア
「い、いや。なんでもないよ」
と、艦内にブリーフィング開始のアナウンスが響き、シン達はオービットベースのブリーフィングルームへと移動することになった

「ラー・カイラムクルー諸君、木星からの任務、ご苦労だった」
壇上に立つ大河長官の、ブライト以下のメンバーを気遣う言葉を皮切りに、今後の対策を話し合う会議が始まった
その場にはラー・カイラムとアークエンジェルのメンバーが、映像での参加としてアルビオンクルーとSRXチーム、そしてタシロ艦長達の顔もあった
「さて、諸君も知っての通り、プラントではディスティニー・プランが正式実施され、そのためか彼らには今のところ目立った動きがない。おそらく遺伝子検査というやつを、全市民に実施しているためだろう」
その話は、シンやアスランにとっては、少々肩身の狭い話であった
「しかし全てのプラント市民が、これに賛同しているわけではないようでな」
タシロはヱルトリウムを頼ってくる、プラン反対派の市民の存在を簡潔に説明した。それを影で支援しているらしい、クライン派の存在も
「こういう状況もあってか、連邦軍はプラントとにらみ合い、様子を探ることに専念している。故に問題の最優先は、ベガ星連合軍と言うことになるだろう」
作戦パネルに、現在のキング・オブ・ベガの予想位置が表示される
前回の戦闘でバリアを破壊した時のショックか、ステルス機能に障害が発生したらしく、ある程度の場所をレーダー探知できるようになっていた。その彼らの予想コースによると、サイド3周辺のデブリ地帯を経て月面裏を目指す、というルートが予想された
もしも本当にこのコースを経るなら、連邦軍は新設したレーザー砲“レクイエム”を利用して迎撃するつもりらしい
「もちろん、それ以外のルートから来ることも考えられる。我々は予想ルートを中心とした広範囲に展開し、包囲網を展開しておく必要がある」
最前線での哨戒をラー・カイラムとアークエンジェルが、最終防衛ラインをアルビオンとすると言う基本戦略が、パネル上に追加表示された
「長官、行方不明者の捜索はどうなるんです?」
竜馬達にはそっちの方が気になる話題だった。宙の話では、オービットベース主導の捜索活動は、ベガ星連合軍の侵攻があって中断しているということだったからだ
「うむ、それについては、プリベンダー諜報部で、継続して動いている。ただ、他に気になることがあってな。彼から説明して貰う」
大河に促されて部屋に入ってきた青年を見て、甲児達はあっと声を上げた
「トビア!」
「やぁ、久しぶり」
封印戦争以来、地球の喧噪を離れて運送業を営んでいた、元クロスボーンバーンガード一行であったが、デュオ達プリベンダー諜報部隊の依頼を受け、運送業に紛れて諜報部員達を各所に送り届ける仕事をしていたのだった
そんな彼らがとある宙域を航行中、気になるモノを見ていた
映し出された映像には、見えづらいが飛行機らしきモノが3機捉えられていた
「・・・Ζ?」
その特徴的なシルエットが、見慣れたウェイブライダー形態に近いことに、多くのメンバーがすぐに気づいた
「Ζガンダムって3機もあったっけ?」
「それについても、デュオが調べてね」
アナハイムの記録によれば、初期試作タイプのΖガンダムをベースとして、これに続く2号機と3号機さらにΖプラスと言う、発展系のMSを確かに造っていたようである
これら3機編成のΖガンダムを、トビアら一行は頻繁に目撃していた。状況からして、何かを捜しているような感じだ、とトビアは付け加えた
「その場所が、特にプラントのうち、フェブラリウス・ツー周辺に集中してるんだよね」
フェブラリウスはプラントでも特に、遺伝子学研究の中心地とされている地域だ
「しかもここでトロワが、ネオ・ジオン系のニュータイプ研究所所員が活動してるのを目撃してる」
それらが本当なのか?何を意味するのか?
調査のため、現在フェブラリウス・ツーにデュオとトロワが潜入し、確証を取る活動をしているという。トビアはこちらに来られない彼らに代わり、この事を報告しに来たのだ
「ニュータイプ研究所、ですか?そうしたら、僕が報告したかったことが、それに関連してるかも知れません」
カトルが発言を求めて挙手する。大河は無言で頷いてこれに応える
「行方不明者の方々の情報を整理していて、実はあることに気づいたんです」
これらの人物には一貫した特徴があった
それは、全員が何らかの形で、ニュータイプの特徴を有している、と取られていたことである。それは感が強いというレベルから、予知とも言われかねないの状況予測能力、そして・・・
「アムロさんやカミーユのような、ハッキリとニュータイプと分かる人々まで・・・とにかくそう言った“噂”を持たれていた人々から、ハッキリと能力を発揮する人まで千差万別、範囲は様々ではありますけど、一致した特徴が割り出せたと、言えなくはないと思うんです」
「だとするなら、この行方不明事件は、ウッソ君の豹変とも何か関係があるかもね」
万丈は自らの推察だけど、と前置きをして“予測”を語り出した
「ニュータイプを必要とする者達が、その筆頭としてウッソ君を必要として祭り上げ、それに付き従うニュータイプ、と言う構造を作り上げるために、その兆候がある人々を拉致・監禁している・・・というパターンさ」
その中心地としてプラントが選ばれた理由については、万丈も確固たる説明はできなかった。最もあり得るのは、ウッソがシャアの遺伝子を引き継いでいるのは、間違いなく事実であり、それらを主導したのがプラントの科学者達であることから、彼らが行動しやすい場所がプラントだった、ということなのかもしれない
「だとしてよ、あのΖガンダムは敵なのか味方なのかよ?」
ニュータイプ研究所の関係者が操っているのか、それとも捕らわれた人々を救い出そうと動いている有志なのか、それはトビアにも分からないことだった。とりあえず、こちらを襲う気配はなかったけど、とだけトビアは応える
「これについては、トロワ達の報告を待とう。この会議が終わったら、僕らはまた運送ついでに彼らを拾いに行くつもりだから」
「吉報だと良いのだが・・・で、タシロ艦長。そちらはどうなんです?」
ヱルトリウムでは、移民の受け入れと出発の準備を完了させるまで、あと2ヶ月を切っている。だが地球圏の混乱もあって、移民の受け入れ口は逼迫しており、物資も余り豊富に手に入らない状況であった
「モノの受け入れは、SRXチームも手伝ってくれとりますし、いざとなればヱルトリウム内部で航行中に作ることもできます。問題は人の方ですな」
タシロは厳しくはしてるモノの、鬼ではない。プラント内部のいざこざから逃げ出したい、と言うだけの人々を受け入れずに、別の場所に送り出さざるを得ない、それが非常に苦しいことだった
「地球の政治への不干渉を条件に、こうして中立を納得させとる以上、私情を挟めんのはやむを得ないことですがな・・・しかし、ベガ星連合軍の連中には、ワシらも戦力を投入するのはやぶさかではありませんぞ」
「助かります、タシロ艦長」
こうして、彼らの動きは決まった
トビア達は状況を伺い、2〜3日中にここを離れるという。ラー・カイラムらもそれに併せ、月の裏側に移動することとなった

しかし問題は、アスランとシンの二人であった
「あの時のコーディネーターっていうの、このことだったのね」
ここに来るまでに、地球の情勢をある程度学んだマリアは、地球圏で起こっている人種、そして思想争いの渦中に、まさにシン達が巻き込まれていることを知った
「シン、敵になっちゃうの?」
マリアに言われ、返事に窮するシン
「アスラン、今のプラントに戻るのは、危険じゃないのかな」
アークエンジェルから合流したキラもまた、親友の身を案じてそう声をかける
「ああ・・・ずっと考えていたんだが、俺はFHITHの権限を利用して、ここに残ろうと思っている」
「えっ!?」
アスランの発言に、シンは驚いて声を上げる
「俺もこの地球の命運を変えた、αナンバーズの一員だ。まずはその責任を果たす。そう言う理由なら、グラディス艦長も議長も分かって下さると思う・・・と、いうよりも」
シンの顔をじっと見るアスラン
「俺はプラントだけでなく、地球全体のことを見据えるのが重要だ、と考えているんだ。地球圏全体にとって、何が大事なのか見極めたい。そして少なくとも、今のウッソ・エヴィンの行動が地球圏にとって、最善の内容だとはとても思えない」
それはプラント市民を煽動する要因にはなっても、地球圏全体にもたらす益が果たしてあるかというと、言うほどあるとは考えられないのである
この、“地球圏全体”という言葉は、シンの心を大きく揺さぶった。それが、マリアと最初に逢った時交わした言葉と被ったからだ
「そのためにはまず、外部勢力に早急に対処しなきゃならない・・・そう言うことでしょ、アスラン?」
「ああ、彼らを止めなければ、そもそも守るべきモノを失ってしまうからな」
自分の台詞を補足したキラに、アスランは大きく頷いた
「守るべき・・・モノ」
シンは一人呟いて、横で不安そうな顔をしているマリアに、ちらりと視線を向けた
「隊長・・・俺も、俺もここに残れるよう、なんとかなりませんか?」
シンの口からそんな言葉が出た。いくら状況が好転したとは言え、予想もしていなかったアスランは、思わず絶句してしまった
「俺、守りたいんです、マリアを」
それはかつて失った家族、特にマユの代わりとしてなのかも知れない。だが、自分がプラントに戻ってあのプランを支持することで、せっかく再会した兄妹が引き裂かれたり、まして居場所を失って再び彷徨うことになるのは、彼にとっても本意ではないのは事実だ
「それで、マリアも、日吉も、みんなが安心できる世界を考えたいんです」
「シン・・・」
返答に困っているアスランを助けるように、キラが割って入った
「全ての人が納得して、戦いのない世界を創るって言うのは、そんな簡単な事じゃないよ?」
そうでなければ、そもそもプリベンダーが存続しているわけもない
「僕たちがベガ星連合軍に勝って、プラントの問題も解決したら、きっとまた次の何かが起きる。ここに残ったら、その輪の中から抜け出すのは、とても大変なことになる。それで君は大丈夫なの?」
キラとて戦いの話を好んでいるわけもなく、むしろ甘いと言われるほど平和主義者ではあるのだが、それですんなり剣を納めることを許すことを、世界は許していないのだ
「それは・・・それはまだ、よくわからないけど。気持ちの良い方に浸かるよりは、ましだと思ってきたんです、最近」
上手く自分の気持ちを説明できず、ただ思う所を言ったシンを察して、アスランはフッと目を閉じた
「わかった。俺から、まずグラディス艦長に進言してみよう」
「あ、ありがとうございます、隊長!」
「よかった、シンとまだ一緒ね?」
周囲の目を憚らず抱きついてくるマリア。シンは悪い気はしないらしく、恥ずかしそうに笑っていた
アスランもまたそれを苦笑いしながら見ていたし、親友のその笑顔がキラには嬉しかった。だが
「アスラン、少しばかり問題がある」
五飛がアスランにそう声をかけた。ブライトが捜していたらしい
彼に連れられ、アスランとシンはブリッヂへ向かいった

「・・・ミネルバと、連絡が付かないですって?」
まずもって、プラントのザフトそのものと直接連絡できない状態である。最初のやりとり自体も、プリベンダーの特殊回線を通じての連絡取りだった。それでも、およそ2週間前までは事前のやりとりができていたのだった
「その後、プラント方面に航行する姿を、連邦の艦に観測されたのが最後だ」
「・・・」
大方、議長かその関係者に呼び戻された、というのところであろう
「プラント側に入ったことで、連絡網が遮断されたか、それとも・・・」
「そう言えば、ラクスとも連絡が付かなくなってます」
付いてきていたキラが、そう付け加える。事態急変後、表舞台から隠れてウッソへの抵抗活動を始めた、というところまでは連絡が来ていた。彼女のことだから、慎重に慎重を期しているのだろう、と思ってはいたものの、こうなっては急に不安になってくる
「こちらから出向くしかないが・・・どうする?」
これからのことを考えれば、ラー・カイラムやアークエンジェルを動かすわけにはいかない
「ブライト艦長、追々お話ししようと思っていたのですが」
アスランは、自分とシンはここに残って、ベガ星連合軍との戦いを最期まで見届ける気である、と伝えた
「だとしても直属の上司である、グラディス艦長には許可を取っておくべきだろう?」
「ええ、それは仰るとおりです。ですから、プラントの様子を探ることを兼ね、俺だけで一度プラントに戻るのは可能でしょうか」
「隊長一人で?そんなら俺だって行きますよ」
ブライトは“やる気”の二人を見て、眉をひそめる
「・・・危険だな、余り感心せん案だ」
「ブライト艦長・・・!」
「私は、君らを失いたくはない」
ブライトとしても、アスランは貴重な戦力以上に、失いたくない人材であった。それについて成長しようとしているシンもまた、将来ある若者である
「もしも君らに何かあり・・・そしてその手を下したのがウッソだ、などということになれば・・・私は正気を保っていられる自信はないよ」
余り認めたくはないが、ウッソの行動が異常すぎることから、彼らがウッソの手にかかるようなことがあるのではないか、とい危惧してのことだった。ウッソにそんなことをさせたくはないし、アスランとシンがその凶牙にかかるなど、想像もしたくないことだ
普段冷静を保っているブライトが、ここまで心情を露呈するのは珍しい。ウッソのことでよほど心を痛めての事だろう
「しかし、このまま俺たちを抱え込めば、αナンバーズにザフトが手を出す口実に成りかねません」
「・・・」
アスランの言うことももっともだった。ベガ星連合軍への対応に集中するなら、ザフトに後ろから撃たれるような危険性は、最低限に抑えておきたい
「仕方ない。だが、必ず最終的にこちらに合流することが条件だ」
「心得てます」
「足はどうするつもりだ」
「あのトビアって人が、一度プラントに向かうって話だっただろう?アレに便乗させて貰うさ」
五飛とこの後のことを話し合うアスランに、キラが心配そうな顔をして声をかける
「アスラン、無茶しないでよ」
「ああ・・・できることなら、ラクスの情報も仕入れてくる」
キラはアークエンジェルを守るため、ここに残るつもりでいた。それを察し、力強く頷いてキラに応えるアスランは、互いの意志を確かめ合った
《続く》

テーマ : スーパーロボット大戦 - ジャンル : ゲーム

2009/03/30 00:18 | SS【スパロボ系】-Gravity scale outCOMMENT(6)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

悪夢を狩る騎士の軍勢?

こんにちは、イヴです。このSSもだんだんクライマックスに近づいて?きましたね。それにしてもあのディスティニープランといいニュータイプ拉致事件といいホントに悪夢としか言いようがありませんね。・・・いや、ニュータイプになったこと自体が悪夢なのかも・・・。αナンバーズの皆さんには↑に書いたとおりの悪夢を狩る騎士の軍勢になるのでしょうか(甲田先生ごめんなさい)。だから師匠、あとちょっとなので頑張ってください。

で、ちょっと気になることがあるのですが(本題の方ではなくて)、イナズマイレブンというゲームの続編・・・あれはサッカー中心のゲームであるはずなのになぜかサブタイトルが「脅威に侵略者」になってるんです。・・・まさかゼントラーディとかムーリアンとかでも攻めてくるんじゃないでしょうね、スタッフさん。



追伸ですが、スパロボKが中古になったらレポート提出しようかと思いましたが、Wikiで久しぶりに調べたらBGMの盗作疑惑があるらしいので買うのやめました。でも見たかったな、ゲイナー様がフェストゥムどもをぶった切りまくる勇姿を・・・。

それからこのSSの妄想もヒートアップしてきてます。(クフフッ
実はとんでもないラストになりかているんですよ。
事の始まりというのはちょっと妄想していたら「このSSどうなるのかな、やっぱりGガンダムや劇ナデみたいになるか?いやここはヒロインがアルティールにでも乗るのか?いや師匠はゼーガペイン知らないもんな。だったらなにがあったっけ?たしか創世のア・・・」

そのとたん、どこからともなくやってきたアポロとウッソとシャクティがそれぞれベクターマシンに乗って合体し、アクエリオンで敵を蹴散らすところが脳裏に浮かんで吹いた(笑


No:1216 2009/03/30 04:12 | イヴ #cnZdQCf. URL [ 編集 ]

シン…大人になって…(泣)

こんにちは、壱華です。
前回辺りからのシンの成長には「大人になって…(泣)」と、思うほどです。ただ、一度プラントに戻ることがどう影響するのか、不安は拭えないところです。
そして謎の3機のZ。「3機」と聞くとまた「彼ら」なんでしょうか?そこら辺も次回以降明らかになるようで楽しみです。
ところで私事ですが、スパロボDは「銀河の虎」まで進みましたが、今までやったステージで、意外に苦戦したのが「エースのミリア」の前半でした。サンダーボルトを取ったために6ターン突破が条件になり、間に合わなくて、5.6回全滅プレイになったのは今では良い思い出です。そこでお聞きします。「意外に」苦戦したステージってどこですか?作品の続きと共にお待ちくださいしています。

No:1217 2009/03/30 13:15 | 壱華 #Dpy.7uTw URL [ 編集 ]

少年よ

どもっす!

今回物語に入る前に、シンとアスランの扱いに不安げな文章がありましたが、大丈夫ですよ。てか、嫁よりは確実に扱えてます(笑)

あと、ウッソとシャクティの関係がアニメ版の世界のキラとラクスと似ています(おそらく意識して書いてるとは思います)が、確かに、原作を視聴した事のある自分としては、これももう一つの姿だったように思えてきていました。…決して『仮面ライダーディケイド』に影響受けてるからとか、そんなんじゃないですよ?www

しかし、シンやアスラン、ウッソたちが本来のレールを外れてまた一つの結末に収束していっているというのは、二次創作の醍醐味を実感しました。ほんに先が楽しみでおま

あと、前回のベガ大王。レントンのコンビニを読んでいると凄いギャップっす(笑)。あなたのモットーは「いくらわしでもここまで(y」じゃなかったのか

>スパロボKのBGMの盗作疑惑
イヴさん、あっしも件の曲を確認しましたが、これは確実にクロですね!
前々からスパロボでは曲の盗作などが取り沙汰されていましたが、これは企業としてしかるべき対応をしなければまずいでしょう。つか、なんでそういう事を一度犯した奴をまた起用するんだか…。下手したら今後のゲーム展開にも影響する可能性も含んでますよ、これ?!
ちなみに、ゲームそのものも不評との噂を耳にしてます。プレイしてないので断言はできませんが…

>壱華さん
あっしの好きなスパロボDの話題が出ていたので便乗(爆 で、一番苦戦したステージ。はっきりいってどのステージも手こずった記憶しかないですが、ネタばれ覚悟で言うと、ヒイロ、ロジャー、ダルタニアスチームは確実に成長させといた方がいいでしょうね。でないと本当にやばいステージがありますので
そして、最初の周回でゲペ様は敵にまわさない方がいいっす、マジで

では、最後にこのSSにあった&本当にやばい動画を貼り付けて、おさらばします。以上、いい年齢こいて『フレ×シュ・プリ×ュア』にはまったあっしでした

…言っちゃったよ、おいorz

http://www.nicovideo.jp/watch/sm6142450
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6556111
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6556013
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1761706


No:1218 2009/03/30 14:10 | 弁慶 #9fYuzJy. URL [ 編集 ]

鋭意執筆中

気づいたら、種死の話が主軸になってるような気がしている管理人です
最初の考えた頃に比べて、種死に関する情報が自分の頭の中に増えたせいだろうか

イヴさん>
>このSSもだんだんクライマックスに近づいて?きましたね
オチと山場は決めてあるものの、そこに至る道がとてつもないことになってます
しかし、イヴさんの妄想力を削らないためにも、敢えて言っておこう
ゴメンナサイ、まだあと5話ぐらいかかりそうです(ぇ
>イナズマイレブン
詳しくは存じ上げませんが、パワプロも謎な内容になってるヤツがあると言う噂ですし・・・まぁ少林サッカーみたいに、悪のサッカーに立ち向かう正義のサッカー集団があってもいいでしょう(ぇぇ?


壱華さん>
>シンの成長には「大人になって…(泣)」と、思うほどです
元のキャラクターがあるから、説明しなくてもそう分かって頂けるのが、楽というと失礼かな(苦笑
>そして謎の3機のZ
スパロボの世界に、Ζプラスを出したかっただけ、とかそう言う理由ではありませんw
>スパロボDは「銀河の虎」まで進みました
う〜ん、自分が苦労したのは・・・やっぱズールとの決戦かなぁ
ズール強いんだよ、強いだけじゃなくてHP回復するんだよ、影武者がいっぱい出てくるんだよ
そのためにも、NT連中の回避は最高値にまで上げておかねば、即死します(断言
ただ、「意外と」というと、そのズールとの決戦前の、ベガ星の連中と決着を付けるところでしょうか。ミノクラが無い状態で、地上にしか攻撃できない味方が多く、反撃不能に泣かされたこと・・・


弁慶さん>
就活はどうですか?
>嫁よりは確実に扱えてます(笑)
種持ちが最強の世界ではないのが一番の抑止力。それがスパロボクオリティ(ぇ
>ウッソとシャクティの関係
フフフ・・・実は、弁慶さんの好きな関係の方にシフトするんだな、これが
>レントンのコンビニ
ワタクシの知っているベガ大王って、あんな甘っちょろいキャラじゃなかった気がするんですけどねぇ・・・え、ケン・イシカワに毒されすぎ?

No:1219 2009/03/30 23:35 | あるす #- URL [ 編集 ]

ありがとうございます

弁慶さん、あるすさん質問に答えて頂きありがとうございます。
弁慶さん:ヒイロとロジャーは強化しているものの、ダルタニアスは…ぶっちゃけると、スーパー系はゲッターしか使ってないに近いので。あと、「ゲペ様に手を出すな」と言うのは「ラクスルートを通らない方がいい。」と、言うことですよね。
あるすさん:NTに回避を割り振らないと即死するとは…これから頑張ってより回避に割り振りたいです。ただその前の「地上にしか攻撃できない」と言うのはイメージが分からないのでもう少し詳しく知りたいです。あとそろそろ武器のフル改造が見えてきたところですが、ゲッターとファンネル機はフル改造ボーナスどれにしましたか?
あれこれ聞いてすみません。小説と共にお待ちしています。

No:1220 2009/03/31 06:28 | 壱華 #TjCvSSL6 URL [ 編集 ]

空中対応0

> NTに回避を割り振らないと即死するとは…
Dでは、普通のスパロボで避ける人が避けません

> ただその前の「地上にしか攻撃できない」と言うのはイメージが分からない
デスサイズやサンドロックが陥る、空中の敵への反撃不能(もしくはバルカンしかない)という状況です。武器の地形対応で、空中が"-"になってるんですよ、あいつらは
ミノフスキークラフトを付ければ、地形対応が空もOKになるんですがね

> あとそろそろ武器のフル改造が見えてきたところですが
・・・武器をフル改造したことがない人でした・・・

No:1221 2009/04/01 00:43 | あるす #- URL [ 編集 ]

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