【スパロボ妄想】Gravity scale out~悪夢~

GANDAM STANDart ボリューム4が届きました
それとは別に、近所のヨドバシに無造作に並べられた、GANDAM STANDartも見てきました

なんつーかこう、たった4種類のラインナップなのに、残り具合で人気不人気が分かってしまう
今回、ガルバディβがそっくり余ってたよw
良いMSだと思うんだけどねぇ・・・哀れなり


明日と明後日は忙しくて記事の更新ができないので、とっとと載せてしまおうという管理人です

いやはや、前回の物語は書いてて自分の胃が痛くなりました
でも、世の中綺麗事ばっかりじゃないしね


「畜生っ・・・畜生、畜生、畜生ッ!!」
ジャスティスに引っ張られながら飛ぶインパルスのコクピットで、シンは号泣しつつ絶叫していた
騙されたことの悔しさ
愚かだった自分を許せない気持ち

そう言ったものがない交ぜになって、シンの心を押し潰しそうになっていた
ガツガツっとコクピットのパネルを叩きつける
計器を壊しそうなほど強く、何度も何度も
「シン!落ち着け・・・とにかくここを出るぞ!」
シンが暴れたくなる気持ちは、アスランも痛いほど察していたが、今は優先すべき事がある
第一に、とにかくリリーナ・ピースクラフトの身柄を、なんとしても確保しなければならないこと。彼女が万が一殺されでもしたら、それを盾に地球連邦が何をしてくるかも分かったものではない
第二に、ラクス達が捕らわれているプラントを、なんとかしなければならない。多くのプラントから彼女らを捜すのは無駄極まりない。生殺与奪権を握る人間の首を締め上げた方が、どう考えても早い
要するに、どちらにしろメサイアに行かなければならない
それはどう考えても罠だった
行けば殺されるか、捕らわれてどうにかされるか。どっちにしろ最悪の結末しか待っていないように見えた。だとするなら
「シン、プラントを出たらすぐ、ラー・カイラムと合流するんだ」
「・・・な、何を?」
いきなりそう言われても、シンはアスランの意図を量りかねた
「お前だけでも生きて戻るんだ。俺は、メサイアに行く」
分の悪い賭が好きな訳じゃないが、ただでさえ動揺が残り、且つ戦闘歴の短いシンをあの場所に連れて行くよりは、自分が囮にでもなった方が遥かに良いように、アスランは感じていたのだ
「じょ・・・冗談じゃありませんよ、隊長!俺だけ逃がそうってんですか?それじゃ、俺は何も守れないじゃないですか、そんなのはまっぴらゴメンですよ!」
シンは激高して応えた。とはいえ、アスランもこれはある程度予想はしていたことであった
「だが、命あっての物種だろう」
しかし、シンの方も一歩も退かなかった
「ここで命惜しさに生き残って、それで世界がおかしくなって、そのせいで日吉やマリアが生きていけなくなったら、デューク・フリードがまた宇宙を彷徨うことになったら?そんなの何の物種ですか、意味ないじゃないですか?俺はそんなの嫌だ!そんなことだったら、やるだけやってやる!」
それはシンの心からの叫びだったのかも知れない。これには、アスランもさすがに何も声をかけてやることができない
「もう・・・もう嫌だ、大事なものが目の前で無くなっていくのを、守れないのは嫌なんだ!俺の手にある力は、それを守るためにあるはずなんだ!!」
「・・・そうだな、こいつは一本取られたよ」
アスランは“しょうがないヤツだ”とでも言うように、苦笑いしながらそう返した
「だが、遥かに不利だぞ。わかってるのか?」
「よく分かんないですけど、隊長も"SEED" があるんでしょ?頼りにしてます」
「調子の良いヤツだ・・・」
ジャスティスはインパルスの手を離した。そうして、ジャスティスは先行して飛翔していく
大丈夫、一人で行ける、戦える
シンは自分自身に言い聞かせた。ここでやらなきゃ、やってみせなくちゃ
インパルスは改めてスラスターを吹かし、ジャスティスを追って宇宙港へと一直線に進んでいった


一方、メサイアのウッソは、通信が途絶したモニターをじっと見つめていた
「うん、そうだねシャクティ。あの二人は、ちゃんとここに来るよね」
アスランの読み通り、ウッソ自身は彼ら二人がこちらに来ることを期待していた
「でもその前に、掃除はきちんとしておかないとね」
そう言うウッソの耳に、チャリっと銃を構える音が聞こえた
リリーナが銃を持つなど珍しい、と振り返ってみると、そこに居たのは少々予想外の役者であった
「・・・ヒイロさん」
「ウッソ・エヴィン・・・お前を、殺す」
リリーナを庇うように彼女の前に立ち塞がり、正確にこちらを狙っているヒイロに、しかしウッソは表情一つ変えない
「殺すなら早いほうが良いですよ。何せ僕の手元には、いろいろとスイッチがありますからね」
そのなかにはネオ・ジェネシスの発射スイッチはもとより、ラクスの監禁されているコロニーの爆破スイッチも含まれていた
「いけませんヒイロ!」
ウッソにそれを押させることも、ましてヒイロがウッソを撃つことも、リリーナが許せるはずもなかった。が
「今のヤツに説得など無駄だ・・・それより、行くぞ、リリーナ」
「脱出するのですか?でも、どうやって」
「迎えが来る」
小声でやりとりする二人だが、ウッソには聞こえていたらしい
「無駄ですよ。僕の歓迎無しに、誰がここに辿り着けるとでも?完璧な迎撃システム、さらにここには、陽電子リフレクターが備えてあるんだから」
ヒイロのMSが既に廃棄されていることも、彼は承知済みだった。その彼を外から迎えに来る者が居たとして、そんな中をかいくぐろうとするなど、よっぽどのバカだろう
「・・・馬鹿は来る」
「え?」
次の瞬間、メサイアの各所から大きな爆発が複数起きた。その振動でリリーナは床に倒れそうになるが、ヒイロに抱き上げられる
何事かとウッソがモニターに目をやると、そこにはビームラムを展開しつつ、メサイアに吶喊をかけたマザーバンガードの姿が映っていた。さしもの陽電子リフレクターも、物理的な突進には功を奏さなかったようである
「ほぉれ、もう一発至近距離でビーム砲をかましたれぃ!」
ウモンの声に違わず、派手にマスト砲をぶちかますマザーバンガード
ネオ・ジェネシスは言うに及ばず、各迎撃システムが致命的な損害を受け、メサイアの各所から爆発が起き始めた
「フフ・・・そのまま行くんですか、ヒイロさん」
一方で、衝撃で多少怪我をしたものの、ウッソはまだ諦めていない様子だった
「僕を殺すんでしょう?」
「安心しろ、もうすぐ手が下される」
短くそうやりとりすると、ヒイロは後ろも振り返らずに、リリーナを抱えてそのまま司令室を飛び出した
『ウッソ、メサイアがそろそろ持ちません』
レイがモニター越しにそう報告してくる。さしものウッソも、忌々しい表情を隠せない
「レイ、MSの用意は?」
『できてます』
「そう・・・じゃあ行こうか。あの人達には相応の代償を払って貰わないとね」
アプリリウス市を脱出した二人は、遠くに爆発の閃光を確認して愕然とした
「くそ、爆発だと?」
どうやらその場所が、件のメサイアらしかった
「何があった?リリーナ嬢は無事なのか!」
リリーナあるところにヒイロあり、はもはやお約束ではあったが、そんなことは露とも知らないアスランは、事態が悪化していることに焦りを滲ませていた
とはいえそれが本当にメサイアの爆発なら、もしかしたらラクスの危機はある程度去ったかも知れない。そうであれば、心配事が一つ減った可能性もある
思考を巡らせているアスランの横で、シンはその爆発の中から、二条の光が飛び出してくるのを“観た”
メサイアらしき爆発はとんでもなく彼方なのだが、それがハッキリと確認できたのも、"SEED" の成せる技だったのかも知れない
「隊長・・・あれ!」
言われてアスランもそれに気づいた。状況を飲み込めず、ただそこに滞空していた二機の前に、見たこともない二機のガンダムが現れた
「まったく、みんなどうしてこうかな?ヒイロさんまで、僕に逆らって」
その内一機からウッソの声がしてきた
『ヒイロ?・・・あいつ、どこから!』
彼の神出鬼没性に呆れかえるアスランだが、第一の問題が確実に片付いたらしいことを確信し、ある意味ホットはしていた。しかし、目の前はかなりまずい
「アンタがやってることが滅裂だからだろ!」
シンのあからさまな敵意を感じ、ウッソは苦笑いしながら応える
「僕とやり合うというの?たかが"SEED"を持つぐらいで、ニュータイプの僕と?」
絶対的な自信。だが、アスランも負けていない
「ニュータイプとやり合うのは初めてじゃない。なんとでもしてみせるさ」
5年前、アムロやカミーユに散々やられたのは、伊達ではないと言うことだ
「そうですか。でも僕は、あの人達みたいに優しくないからね」
そう言って、ウッソの乗ったガンダムが、インパルスと同型だが一回り大きいアロンダイトソードを構える
「本当は君にあげようと思っていたけどね・・・せめてこれで戦ってあげるよ、このデスティニーガンダムで」
その、ある意味こちらを見下した発言は、シンの神経を逆撫でするのに充分だった
「ちっ、プランにかこつけて“運命”なんて名前付けた、そんな機体はこっちから願い下げだね!それに、二対二!条件は一緒だぜ。あとは気合いの問題だ!」
「二対二?・・・君は、何か勘違いしていないか?」
シンの台詞を聞いて、もう一機のガンダムに乗って居るであろう、レイは冷たく言った
「ウッソが俺のプロヴィデンスと同じ、と思わない方が良い。三対二・・・いや、五対二ぐらいで考えた方が、そっちの気が楽じゃないのか?」
「なんだと・・・バカにしてぇぇぇ!
そのシンの咆吼を合図として、インパルス&ジャスティス VS デスティニー&プロヴィデンスの対決の火蓋が、切って落とされた
フェブラリウス・ツー
このコロニーの角に、ひっそりと建設されたとある建物
それこそが、デュオとトロワの見つけた「ニュータイプ研究所」であった・・・が
「はぁ~、ついてねぇなぁ」
その二人は建物の一部に閉じ込められ、研究所員を装ったザフト兵に銃を突きつけられていた
プラントそのもののに潜入する所までは、この二人のことだからお茶の子さいさいだったのであるが、この建物の警備は想像以上に厳しく、うっかり見つかって捕らえられてしまったのだ
「お前が余計な部屋を覗くからだ」
「一番警備がキツい部屋でしたからねぇ~」
冷静につっこむトロワだが、デュオは悪びれた様子もない
「ずいぶん余裕だな。さすがはプリベンダー諜報部・・・だが」
ザフト兵の持つ銃の銃口が、ガチャリと嫌な音を立てて二人の頭に突きつけられる
さしもの二人も、これは年貢の納め時かと、半分諦めかけていた
「・・・!」
「!?」
二人は同時に何かを感じ、ハッと顔を上げてお互いを見合った
「なんだ?最後の挨拶でもしようと・・・」
ザフト兵がそう、二人を嘲笑った時だった
突然建物周辺に警報が鳴り響いたかと思うと、上空から何かが轟音を立てて何かが降りたった。それの着地の衝撃でザフト兵がふらついたのを、二人は見逃さなかった
「えいやっ、と」
「ぐわっ!」
両手は縛られていたものの、足は健在だったデュオの回し蹴りがクリーンヒットし、ザフト兵はあえなく気を失ってしまった
「足癖の悪さは天下一品でね」
「無駄口はそのあたりにしておけ・・・外を見ろ」
にたりと笑うデュオをたしなめるように、トロワが部屋に付いた出窓の方を観るよう促す
「Ζガンダム・・・」
そこには、トビアが観たというあの三機のΖガンダムがあった
その内白とグレーの二機は、警報に応じて現れたザクウォーリアやギラ・ドーガを、ビームライフルもバルカンも使わず、“素手”とビームサーベルで相手にしていた。プラントに被害が出るのを押さえるためだろう
残る一機のΖガンダムが、周辺の安全を確認したかのように、その身をかがめた。そうしてコクピットから這い出た人物が、二人の居る建物に真っ先に駆け付け、そうして鍵のかかった部屋のノブを銃で吹き飛ばす
「・・・お前」
何かを言おうとしたデュオを制し、“彼”は付いてこいとでも言うように手を挙げると、今度は別の建物へ駆けていった。それは先ほどデュオが“一番警備がキツい場所”と評した部屋のあるところだった
「あいつ、あそこに何があるか知ってるのか」
急いでその後を追ったトロワが呟く。デュオもそれを聞いて頷きながらも苦笑いした
「そうじゃなきゃ、三人がかりでこんなとこ来やしねぇだろ・・・」
それぐらい、あそこにあるものはヤバい、とデュオでさえ感じていたのだ

デュオとトロワ、そして“彼”を含めた三人は、襲い来るザフト兵やネオ・ジオン残党兵を蹴散らしながら、どうにかこうにかその場所に辿り着いた
銃を手にした三人は、互いを見合わせた後ドアを蹴破って中になだれ込む。そこに居たのは紛れもなくニタ研の研究者達。彼らは武器を構えた“敵”の出現に、驚き騒ぎながら蜘蛛の子を散らす様に部屋から逃げだしていく
がらんとなった研究室の奥には、金色の輪のようなものが複合的に重なった、奇妙な機械が設置されていた。三人はそれに見覚えがあった。かつてエンジェル・ハイロゥに備えられていた、あのキールームに酷似したサイコミュ装置
そしてその中心には、輪から伸びる無数のコードに縛られた、シャクティ・カリンの姿があったのだった
「シャクティ!」
デュオは叫んだ。だが応答はない。“彼”がデュオを制して首を振る
「こいつはアレに似てるが、どちらかというと、未来で観たLシステムに近い気がする」
「どういう意味だ?」
デュオにはそう言われても皆目見当が付かない。“彼”はそれに応えてこう話す
「俺には分かる。ここからシャクティを通じて、ウッソにサイコミュ波が流れてる。エンジェル・ハイロゥのシステムを考えれば、分からない話じゃない。ウッソとシャクティの精神的つながりを利用して、彼女をアンテナにしてウッソを操ってる!」
“彼”のこの話に、さすがのトロワも眉をひそめた
「・・・だとするなら、今のシャクティは、こいつの“生体部品”にされてる、というわけか・・・反吐の出る話だ」
トロワはそうとだけ言うと、潜入時に持ち込んでいた小型のプラスチック爆弾を、システム各所に備え始めた。デュオも自分の手持ちの爆弾を、電気配線等に仕掛ける。もちろん携帯用だから、それほど大きい爆発を起こすことはできなかったが、システムへの電源供給を絶つだけなら充分だった
異様な光を放っていたシステムが沈黙し、シャクティを縛り付けていたコードがばらばらと乱れ落ち、その中に彼女が力なく崩れ落ちたのを、“彼”はそっとすくいあげた
「シャクティ・・・俺が、分かるか?」
長い眠りから解放され、ようやく目を空けた彼女は、目の前の人物を観て、少し安心したような笑顔を浮かべ、そしてまた力なく眠ってしまった
「本当は、姫の目覚めは騎士のキス、と決まってんだけどなぁ」
ようやく悪夢から解放されたシャクティを見て、申し訳なさそうにデュオがそう言う
「肝心の騎士が悪夢のまっただ中に居る以上、高望みな話だな」
“彼”もトロワに同意して頷いた
「彼の悪夢が覚めても、コイツを造った者達をどうにかしなきゃ、結局は同じだ」
彼らを縛ろうとしていたものの一部は、これで消え去ったかも知れない。だが、そもそもこれを用意したものが誰かを、きっちり明らかにする必要がある
「んじゃぁま、この研究所を好きなだけひっくり返させて貰うか」
腕が鳴るねぇ、とデュオは嬉しそうだったが、それはある種彼なりの怒りの裏返しではあった
同じ頃、四機のガンダム同士の死闘は苛烈を極めていた
「くそっ・・・当たらない!」
シンは悔しそうに叫んだ
SEEDの発動している彼には、常人の何倍も広く素早い、空間認知能力が現れている。故に、ウッソの攻撃だろうとレイの攻撃だろうと、避けることはできている
だがレイはともかく、ウッソには攻撃を当てられない。言うまでもなく、全て先読みされているのである
それはアスランも同様で、もちろん5年前に経験したこと故に、未だにこれが越えられない壁だと言うことを痛感させられる羽目になっていた
「まだ頑張るの?二人の考えてることは、全部分かっちゃうのに」
ウッソの方は余裕だった。自らの機体は全く傷ついていないどころか、少々押され気味のレイを庇うことさえしてみせる
「でも、そろそろ付き合うのも面倒だし・・・」
そう言うが否や、今までとは比較にならないスピードで、ジャスティスとインパルスの周囲を旋回し始めるデスティニー
「ちぃっ・・・見えないっ!」
アスランもとっくにSEEDを発動させているのだが、それでも相手の動きが捉えられない。高速移動するそれからの、四方八方からの銃撃が二機のガンダムを襲う
「ははは、怖いだろう・・・?もっと、いっぱい怖がるんだ!」
「ええい、くそっ!」
なんとかインパルスを庇おうとするジャスティスは、シールドのある左腕と、スラスターのある右脚を吹き飛ばされ、制御不能に陥りかける
「た、隊長!」
シンの悲痛な叫びを聞きつけたのかも知れない
虚空から髑髏のマークを付け、マントをまとった漆黒のガンダムが現れ、デスティニーを斬りつけたのは、その直後だった
「僕に・・・当てた?」
それがかつて宇宙海賊として名を馳せた、クロスボーンガンダムX1であるということは、その場に居る誰もが知らないことではあった
「黒いガンダム、お前もニュータイプか!」
「だとしたらどうだってんだよ」
声からして、X1に乗っているのがトビアだとわかり、シンは少しだけホッとした
「ニュータイプは・・・要らないんだ。ここで倒す!」
「お前自身がニュータイプだろ!」
デスティニーのアロンダイトソードと、X1のビームザンバーが交わってスパークを起こす
とりあえず、ウッソの興味がX1に移ったことで、当面の危機は去ったが、満身創痍のジャスティスを抱えて、プロヴィデンスの相手をするのはかなりまずかった
「シン、近くにマザーバンガードがある。そこまでいけるか?」
さすが歴戦の勇士である。ウッソとほとんど互角にやり合いながら、それでもシンに話しかける余裕さえ有るらしい
「そこにはリリーナさんもヒイロさんも居る。俺が押さえてる内に、早く!」
「やってみます!」
そう応えるのが精一杯だった。シンはどうにかジャスティスをインパルスの腕に抱えると、トビアから渡されたビーコンを頼りに、そちらへ全速で離脱しようとする
だが、それを見逃すウッソではなかった
「光の翼ぁぁぁッ!」
デスティニーの背部ユニットが大きく展開され、そこから満ちあふれる光の翼。デスティニーのスラスターが全開になった証
そうして今までの比にもならないスピードで、逃げるインパルスを追い始めるウッソ
「ちっ、待てっ!」
驚異的なスピードで自分から離れるデスティニーを、木星圏でも活動できるX1なら、それでも追いつくことは可能だった。だが
「お前の相手は俺がする」
目の前に立ち塞がるプロヴィデンス。展開されるドラグーンシステムに阻まれ、X1は動きを封じられてしまう
「逃げろ、シンっ!」
背後から悪魔が迫るのを気づき、アスランは悲鳴に近い“命令”を叫んだ
「嫌です・・・逃げて、みせるっ!」
だがいくら何でも無理があった。あっという間に追いついたデスティニーの、ぎらりと輝剣が振り上げられた、その時
『左だ』
「えっ!?」
突然響いたあの“声”。火星でも自分を助けてくれた声が聞こえ、シンは咄嗟にそれに従って機体を左に旋回させた。刹那、デスティニーのアロンダイトソードは、虚しく何もない空間を切り裂いた
どうにか難を逃れた二機のガンダムの脇を、白い何かが通り過ぎていく
それらはデスティニーを取り囲むと、高出力のビーム砲を乱れ打って牽制してみせる
オールレンジ攻撃・・・これを見て、アスランは驚愕の声を上げざるを得なかった
「・・・フィン・ファンネル!?」
5年前に嫌と言うほど見たそれ。アスランは、白い羽が飛来した方に目を向けた
同様に、ウッソも同じところを見ていた
「νガンダム・・・!」
暗黒の宇宙空間に、純白のガンダムがひっそりと、しかし威厳を以てデスティニーを見据えていた
「アムロさん・・・ようやく、ようやく出てきてくれたんですね?」
狂喜の声を上げるウッソは、インパルスもジャスティスも無視して、νガンダムへ一直線に向かっていった
「待ってましたよ、捜しましたよ?貴方を殺さないと・・・僕は、シャア・アズナブルになれないんですから!
ウッソにとって、アムロ・レイという存在がどういうものであるか、アスランは甲児達から又聞きであるが聞いては居たし、それについてブライトがどう思っているかも聞いていた。それ故、“喜んで”彼を殺そうと刃を振るうウッソは、見るに堪えないものがあった
そんなウッソに何を思うのか、νガンダムはただその刃をやり過ごすだけだ
「あの白いガンダム、なんでなにもしない?やっぱり、反撃できないのかよ」
シンも胸を引き裂かれそうではあったが、ウッソから与えられた苦しみの方が大きく、どちらかというとさっさと決着を付けて欲しい、と言う気持ちの方が強かった
「いや、あれは違う・・・」
ウッソの方が全てやり過ごされてしまっているのだ。その先読みの正確さは、ウッソ自身の比ではなかった
「どういうつもりなんです?舐めてるんですか、僕を!」
さすがのウッソもそれが分かってきて、まともに相手をされないことにイラつき、今までになく動揺した叫びを上げた
しかし、それが僅かな隙を作った。すかさずデスティニーのコクピット付近を狙って、強烈なキックが叩き込まれる。凄まじい衝撃に耐えつつ、ウッソはこの時νガンダムの動きに違和感を感じた
「・・・違う」
アムロはあまり肉弾戦を好まないタイプのはずだった。その気になればやっては来るが、それにしてはあんな蹴りはやったことがない。そもそもアムロの気配を感じない
「誰だ・・・お前は誰だ!?アムロさんを、アムロ・レイを出せっ!」
“目的”を達せられないことにイラつき、感情を露わにして叫ぶウッソ
『・・・墜ちたものだな、ウッソ・エヴィン』
νガンダムから聞こえた声。ウッソは、その声に全身が凍りついた
『意志を持たぬ人形に成り下がった挙げ句、この私の気配さえ感じられんとは』
「・・・嘘だ」
ガタガタと歯の根が震えている。腕にも足にも力が入らない。頭がくらくらして、思考に集中できない。あり得ないことが起きた。何がどうなっているのか分からない
『それで私の後継者など、笑わせる』
そんなはずがない
その声がそこからして良いはずがない
それでは自分の居る意義がない

「嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だぁぁぁっ!
何で貴方がそこに居るんです?どうして生きているんです
シャア・アズナブルッ!?」

《続く》
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テーマ : スーパーロボット大戦 - ジャンル : ゲーム

2009/04/02 01:51 | SS【スパロボ系】-Gravity scale outCOMMENT(3)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

ええ~っ!!!

こんにちは壱華です。
切り札=シャクティが当たったのは嬉しいですが、ラストはウッソと一緒に叫んでしまいました。
「なんで貴方がそこに居るんですか!シャア=アズナブル!!(しかもなんでνガンダム)」
これは予想外ですね。彼があのアクシズ戦の後どうしていたのか、どうして今回の事件に絡んだのか気になるところです。

No:1226 2009/04/02 06:42 | 壱華 #Dpy.7uTw URL [ 編集 ]

人の革新とか言うけど、そんな事より今日の晩飯はどうした、晩飯?

…という訳で、どもっす!
いや、生きてたんすね赤いロリコンもとい彗星…。てか、本当に本物!?
そして、ウッソとシャクティもそろそろここに至るまでの真相が判明しそうな勢いですな。ただ、あるすさんの今回の勢いだと鬱なオチの可能性があるのが引っ掛かるっす(笑)

しかし、最近ふと思います。人間の革新って何なのでしょうね?(あっし的には、人間うんたら抜かす前に洗濯やご飯作りをこなす方が先なもので…www)
今回のSSを読んでると、つくづくそれを感じます

女子供使ったり、MS操ったり…。その前にお前のネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲で家族こさえてまともな生活しろと言いたい(爆)
まあ、いずれクライマックスに向けて、登場人物や読み手、そしてあるすさん自身も何かしらの答えを見つけるとは思います

では、続きを楽しみにしてます。失礼しやす!

No:1227 2009/04/03 23:55 | 弁慶 #9fYuzJy. URL [ 編集 ]

黒富野

鬱展開万歳(ぇ

壱華さん>
謎の解き明かしはこれからが本番
いっぱい驚いて妄想して下さい(ぇ

弁慶さん>
>鬱なオチの可能性があるのが引っ掛かるっす(笑)
さぁ鬱展開来たぞ~(ぇぇぇ
もっと嫌な展開に持っていく自信がありまくりな管理人
どんな方向に落ち着くか、いっぱいいっぱい妄想して下さい


・・・ご免なさい、疲れてます(爆)
でも真面目にこの話のオチは、ずーっとずーっと胸に秘めていたので、そこは譲れない

No:1228 2009/04/04 02:17 | あるす #- URL [ 編集 ]

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