【スパロボ妄想】ガンダム仕事人~第二話~

本を語ろうかシリーズ

月の影 影の海〈上〉 十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート月の影 影の海〈上〉 十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート
(1992/06)
小野 不由美

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NHK-BSでアニメ化されたので、ご存じの方も多いかとは思います
この小説も、様々な言い回しを覚えるのに、非常に役に立っています
続きがなかなか出てくれないのと、↑の第1巻目の凄惨さを乗り越えないと、2巻目以降のカタルシスを味わえない、という凄まじい壁があるのが難点かw
酒に酔った勢いでSSを書いた
ギャグだかシリアスだ判然としないが、反省してない(爆


そこは、限りなく近く遙かに遠い世界
華のバンプレ国
ここはスパロボ横町


「さ~あ、買った買った。最新の瓦版だよ!」
横町中心街の大鳥橋の近く。瓦版屋のデュオの縄張りである
「よぉ、今日も精が出るなデュオ」
「おお、正樹。どうだ、おめぇも買ってくかい?」
そう言って手渡された瓦版の表書きはと言うと
『消える美女。神隠しか!?』
それは最近発生している、謎の失踪事件の話題であった
「何だよ、この話題に触れるたぁ、お前何か掴んだのか?」
事件と言ってもこれと言って証拠も物証もなく、奉行所・・・特にアムロ達の居る南町・・・でも手をこまねいている状態であった。なので、デュオも情報を得ることなく今まで過ごしていたはずだが
「へへっ、まぁね・・・と言いたい所だけど、今んとこ判ったことまとめただけ」
ばつが悪そうに笑うデュオ
「何だよ期待させやがって」
「そう言うなよ・・・でも、手に取ったからには買えよ?」
「ンだとテメェ?・・・いくらだよ」
「15文」
「たけぇ!」


一方こちらは、町外れにある武術道場『L5ドラゴン』
「うっひゃぁ!」
今日も今日とて、五飛に畳の上に派手に投げ飛ばされる柿崎の姿がある
「イテテ・・・まったく、俺よりガタイ小さいのに、軽々投げ飛ばすよなぁ毎度」
「仮にも侍の癖に、貴様が弱すぎるのに問題がある」
「へいへい、悪うござんした」
こう見えて、柿崎も下級武士の出なので、通り一辺倒の武術は習っているはずなのだが、どうにも五飛には敵いそうにない
「でもよ、おかげで最近真十字(マクロス)藩に仕官できそうなんだぜ。これでステーキ食い放題ってもんだ」
浪人としてウロウロせざるを得なかった柿崎であるが、恥を忍んで町人の武術道場に通った甲斐があり、景気のいい話が舞い込んできたようなのである
「ほう」
こう言うことに無感動を装う五飛だが、“弟子”の仕官にまんざら悪い顔でもない。だが
「何せあそこの明美(ミンメイ)姫が綺麗でねぇ・・・うっひっひ」
どうやら“コレ”が目当てだったらしい。五飛はぴくりと左眉をつり上げたあと、無言で柿崎の後頭部を殴っていた
「そう言う景気のいい話にありつくためにも、僕にも技を教えてくださいよ!」
二人の会話に割り込んできたのは、最近道場に押しかけてきたカツである
「貴様はまだ身体ができていない。最初は基礎作りと言っただろう」
「そんな!あの張五飛なら、誰でも放てる必殺技があるってぐらい、言ってくださいよ!」
五飛の道場に来る輩は、この手の手合いも多い
なにせ五飛自身が、あの頑駄無闘士(ガンダムファイター)五強の一人、サイ・サイシーの同門で彼らに引けを取らないとなれば、持てる力に妙な期待をされてしまうのも、ある意味仕方のないことではあった
「そんな状態では逆に貴様が死ぬぞ」
「悠長なこと言ってられないんです。サラを・・・サラを守らないと!」
カツの言うサラというのは、彼の住む木馬長屋の近所に住む、サラ・ザビアロフという少女のことだ。サラの方がどう考えているかは知らないが、カツは彼女にぞっこん(死語)だともっぱらの噂だ
そんな状態なのに、その彼女の方がこのところとある男にぞっこんで、カツは気が気でないというわけである
「毎日毎日、逢う度にどっか逝っちゃった目で、“パプティマス様”って男の名を呼ばれる、この僕の身にもなってくださいよ」
「そんなところまで俺は責任を持てん!」
五飛の返事は至極当然である。だが、カツがそれで納得するはずもなく
「ああもう、僕がこんなに真剣に悩んでるのにッ!」
言うが否や、カツは一目散にどこかへ駆けだしていった
「カツ、どこへ行く!」
荻野富士ですよ!」
「なにっ!?・・・あいつ!」
苦虫を噛み潰したような顔をする五飛の横で、柿崎の方はなにやら他人事でない表情でカツの背中を見送っていた
荻野富士・祭貢神社
カツは近所のゲイナーから聞いた、この神社の噂に一縷の望みを託すことにした
「神様、このお社に居られる神様、お願いします。どうかサラの心を僕に振り向かせてください。彼女がパプティマスなんて言う、変な男に惑わされないよう、そのための力が僕に付くように、ご助力ください!」
そう叫んでカツが投げ込んだのは、ハヤトの懐からくすねた一両小判であった。ゴツンとかなり大きな音を立てて、それが賽銭箱に吸い込まれたのを見届けたカツは、まだ結果も出てないのに少し嬉しそうな顔になり、足取りも軽く来た道を戻っていった
それからしばらくして、社の扉が音もなく開き、紺碧の美しい長髪を持った、一人の巫女姿の少女が姿を現した
「ええいヤツめ、どこでここの噂を聞きつけた?」
それに呼応するように、藪から顔を出したのは五飛その人であった
「・・・彼の恋愛沙汰には、キャラクター的に助力できそうもありませんが」
巫女姿の少女は、軽く酷いことを言っているようだが、本当のことだから仕方ない!
「しかしその“パプティマス”とか言う男、少し気になりますね」
彼女はその男が、件の失踪事件に何か関係があるかも、と踏んでいるようだった
「どうするつもりだ、鈴々奈(リリーナ)」
「皆に呼びかけてみましょう。これが解決の糸口になるかも知れません」
鈴々奈のその言葉を聞くと、五飛はふぅとため息をつくと自らもまた、社に背を向けて歩き出す
「その程度のことなら、俺が出るまでもない。今回は降ろさせて貰おう」
潜入捜査や陽動なら、奴らの方が上手くやるはずだ
だが、五飛のこの判断が、後に重大な事態を引き起こすとは、彼自身夢にも思わなかったのだ
飛脚問屋・馬倶亜拿久(マグナアック)屋
「それじゃあしばらく留守にするから。後は頼んだよ」
店を預かるカトリーヌが、そう番頭・ラシードに声をかける
「へい坊ち・・・いや、お嬢さん、お気を付けて行ってらっしゃいまし」
一斉に頭を下げ、彼女を送り出す馬倶亜拿久屋の一同。主は出かけたが、もちろん仕事を休むはずもなく、店そのものは飛脚の依頼でごった返していた
「おい正樹、コイツを頼むぜ」
手渡された文の宛先を視て、正樹はまたかと嫌そうな顔をする
このところ多い、北町奉行・ジャミトフへの文
普通この手の飛脚依頼は、大名飛脚という公用の飛脚が使われるはずなのだが、そちらの飛脚が最近ていっぱいとかで、街飛脚である彼らに仕事が回っているのである
そう言う胡散臭さも気にくわないが、そもそもジャミトフの屋敷・・・通称・退疸(ティターン)屋敷・・・は、目つきも態度も悪い武士が徘徊しており、どうにも近づきたくないのが正直な所だったからだ
「まったく、こーゆーややこしいのは、全部俺なんだから」
正樹特有の、強烈なバイタリティを頼ってのことなのだが、彼にもストレスという物は存在しているわけで、そのせいか最近道に迷わなくなってきたらしい
「迷わないのは良いことだ。そのまま悩んでおけばいい」
夏の花火大会に向け、地方の職人への文を綴りに来たトロワが冷たくそう言う
「お前なぁ、他人事だと思いやがって・・・死ぬほど怖いんだぞ、我ながら」
そりゃ、基本的に迷うつもりで居る人間が、一直線に目的地に着いたら空恐ろしくもなろうものである
「ふ・・・ふはははは!」
正樹の自虐ネタがそんなに受けたのか、トロワは上機嫌に笑って見せた
「笑ってる場合かよ!・・・ちっ、とにかく仕事すっか・・・」
ぶつくさと愚痴を言っている正樹と、久々に笑ってしまったトロワは、彼らの横を血相を変えたカツが通り過ぎるのに、迂闊にも気づかなかった
『パプティマス様と行きます』
そんな書き置きを残してサラが消えた
これを聞いて黙っていられるほど、カツは大人ではなかった。サラの姿を追い求めて街を彷徨った彼は、やがて彼女が退疸屋敷の付近で目撃された、という話に辿り着く
だがもちろん、その場所が一筋縄ではいかぬ、危険な所であることぐらいは承知していた。しかし・・・
「くそっ、カツ、男だろ!」
言い聞かせるようにそう言ったカツが、果敢にも屋敷の正面に突撃しようとした時、その方を掴む手があった。ドキッとして振り返ると・・・
「か、柿崎さん!」
「女の子のために一生懸命なのは判るが、ちょっと先走りすぎだぜ」
にたりと笑う柿崎は、いったんカツを物陰に招き寄せる。女の子が関係する事件とあっては、柿崎はなんというかこう、他人事ではなかったらしい
「つーかよ、正面から“サラは居ますか”って聞くヤツが居るかっての」
いかにヘタレの柿崎といえど、この程度の常識はたしなんでいるようである。不満そうながらも、言い返す言葉も見つけられずに肩をすくめるカツ
柿崎は“マァマァ“とそんな肩を叩くと、屋敷の周囲を見渡して裏口がありそうな方向へ、こっそりと近づいていく。屋敷が大きければ大きいほど、目の届かない穴がありそうなものであったからだ
こそり、こそりとある程度首尾良く、遅々としながらも着実に屋敷に近づいていた二人であった・・・が、魔の手は二人の背に既に伸びていた
バシュッ
突然の斬撃が二人を襲った。背中から一刀両断された二人は、叫び声を上げる間もなく地面に倒れ伏す
「ヘッ、誰だがシラねぇが、コソコソ屋敷をかぎ回ってるからだぜ」
つまらんモノを斬ったもんだ、とでもいうように刀を肩に担いでいるヤザンが、面倒くさそうにそう言った時
「・・・お、おい!カツ、柿崎!?」
遠くから誰かの声がした。さすがに三人斬りつけては、屋敷に妙な噂が立つかと察したヤザンは、余命幾ばくもない二人をその場に放置し、悠々と屋敷へと姿を消す
その直後、現場に辿り着いたのは、やっぱり迷わないでその場に着いてしまった正樹であった
「どうしたんだ二人とも!何があった!!」
周囲を見渡すこともせず、慌てて二人を抱き起こす正樹。だが、カツも柿崎も、既に息も絶え絶えであった
「ダ・・・誰かに・・・後ろ・・・から・・・」
柿崎はそうとだけ言うと、カクンと首を落としてしまう
「柿崎ィィィィィーーーーッ!!」
正樹の悲痛な叫び。それを聞きつけた街人達がゾロゾロと集まってくる
「サラが・・・サラが、消えて・・・」
カツもまたそう伝えると、がくっと力尽きてしまった
「カツゥゥゥゥ~ッ!!」
二人の亡骸を抱える正樹を見つめる人の中に、呆然と立ち尽くしている五飛の姿もまた、有ったのであった
その日の真夜中
人気がないはずの祭貢神社の社に、ほのかな明かりが見える
灯籠の明かりだけが宿る、その薄暗い広間の中に、五つの影が浮かんでいた
「退疸屋敷のジャミトフ、一筋縄ではいかねぇようだぜ」
そう切り出したのはデュオであった。彼の調べた所によれば、ジャミトフは例のパプティマスと組んで、屋敷に大勢の女を攫って閉じ込めているらしい
「と言うより寧ろ、ジャミトフは乗せられたって感じだな。事の首謀者はパプティマス・・・パプティマス・シロッコと見て間違いねぇだろ」
旗本の肩書きを持つジャミトフの屋敷を隠れ蓑に、パプティマス・シロッコはなにやら企み事を着々と進めているらしい
「なるほど、どおりで南町奉行が事を追い込めないはずだ」
たとえ奉行所といえども・・・いや、奉行所だからこそ、縦の圧力には弱いのである。まして相手が旗本となれば、下手な捜索は命取り
「本編二話目にして、いきなりデカい敵が出てきたもんだぜ」
「こんなに早く使うネタなのか、これは?」
思いついたんだから仕方ない

そんなふうに言い合っているデュオ達を、元締め・鈴々奈が制す
「そのような権力によって泣く者の怨みを、金で晴らすのが我らの“仕事”です」
言って鈴々奈は、カツから託されていた一両をその手で、灯籠にかざす
「この一両、此度の仕事料といたしましょう。異論はございませんね?」
頷く三つの影とは別に、五飛だけは無言で踵を返して社を出て行こうとする
まさか今回も仕事を外れる気なのだろうか、とデュオが声をかけようとした
「今回は俺のミスだ。あの時俺がキツく言って、二人を戒めておけば少なくとも、犠牲は出なかったはずだ」
「しかし、後悔先に立たずと言います」
気遣っているのか鈴々奈が声をかける。しかし五飛は首を振った
「そう言うわけで、依頼料は要らん。今回は俺の私怨を晴らさせて貰うからな」
バタン、と社の扉を閉めて出て行く五飛
「あーあ、行っちまったよ。意外と義理堅いな、アイツ」
呆れてなのか信頼してなのか、デュオは何とも言えない顔でそうとだけ言った
鈴々奈も少し黙っていたけれども、閉じていた瞳をきっと開いて残った3人を見回す
「既に“彼”も動いています。手はずどおり、頼みましたよ」
「・・・派手にやるか」
「任務了解」
退疸屋敷の裏手で、ジェリドは暇そうにノビをしていた。給料の良い仕事に引かれ、屋敷の用心棒に収まりはしたモノの、中ではなにやら怪しげな事をしている感じである。ジェリド自身は根の素直な男なので、そう言う場所に近寄らないようにすると、結局こう言う場末に追いやられるモノではあった
「・・・もしもし、毎度馬倶亜拿久屋ですが」
突然聞き慣れた飛脚、安藤正樹の声がして、さすがのジェリドもびくっと肩をすくめて驚いてしまう。しかし正気に戻ると、今の時間を思って眉をひそめる
「オイオイ、今何時だと思ってる?」
「へい、ご無礼は重々承知・・・ですが、馬洲久(バスク)様からの、急な文でして・・・」
馬洲久はジャミトフ子飼いの部下である。その文とあっては無下に扱えない。渋々と裏手の戸を開けたジェリドは、しかし目の前を駆け抜けた人影を捉え切れなかった
ドスっという鈍い音がして、ジェリドは地面に倒れた。彼が意識を失う直前に見たのは、正樹とは似ても似つかぬ、飢えた狼のような眼光を放つ小柄な茶髪の少年であった
そう、方向音痴の名物飛脚、安藤正樹とは仮の姿
彼こそ“疾風のヒイロ”。サイレンサー付きの火縄銃を手に、許せぬ悪を金で裁く、スパロボ横町の仕事人の一人であった


同じ頃
屋敷の奥まった所に、捕らわれた娘達が集められていた
さめざめと泣き腫らしている彼女らのところに、シロッコの使いで様子を見に来たカクリコンが現れた
「おいお前、出ろ」
カクリコンに乱暴に引き出されたのは、金髪も美しい若い娘であった
「な、なにをなさるんです」
怯えたふうな彼女に、カクリコンは意地悪げに笑ってやる
「シロッコが呼んでるんでな。さて、今夜の生け贄はアンタかね」
「生け贄って・・・そんな」
驚いた素振りで身を震わせる彼女の様子に、カクリコンも調子に乗って続ける
「良くはしらねぇがな、お城の乗っ取り計画には美女の魂が必要なんだとよ。ま、俺たちの輝かしい未来の礎になるなら、アンタも・・・」
「それが聞ければ充分です」
と、金髪少女の姿が突然消えたではないか
カクリコンは次の瞬間、唖然とした表情のまま息絶えた。その姿を見下ろしているのは、カトリーヌお嬢さん似の少年
彼こそ“顔無しのカトル”。馬倶亜拿久屋の女主人とは、世を欺く仮の姿であり、本来は説明するまでもなく男の子なのであった
必殺武器の簪は見事にカクリコンの延髄を一突き。可愛い顔してやることが怖い

「どうした、娘はまだ来んのか」
ほろ酔い加減のジャミトフが、痺れを切らしてそうせっつくので、シロッコも重い腰を上げざるを得なくなった
「カクリコンを捜して参ります。閣下は今しばらく、ここでお待ちを・・・」
深々と礼をして部屋を出て行くシロッコ。が、ジャミトフの不満顔は消えない
シロッコの言うとおり、南町奉行を欺きお目付役を欺いてきたのも、自身がバンプレ国の御座に着くためである。それがいつまで経っても実現しないどころか、シロッコの言い訳は日に日に回りくどくなっているように聞こえる
「まったく、このままではこの国を、私が正しく導くことなど遠い夢ではないか!」
「夢で結構。そのまま寝といてね」
突然天井裏からそんな声が聞こえたかと思うと、目に見えないほど細い糸のような物が宙を舞い、それがジャミトフの首に綺麗に絡んで締め付ける
容赦なく引かれるその糸の力の前に、ジャミトフはあっけなく事切れたのであった
これそ“組紐のデュオ”の華麗なる技
瓦版屋として仕事人の情報収集をするだけが、デュオの仕事ではなかった


廊下をこつこつと歩きつつ、シロッコは今後についてを既に考えていた
必要な生け贄は既に揃った。あとはそれらを使い、いかにバンプレ国転覆の呪を成就させるかである。そうしなければ、我ら木星党の悲願は達成できない
そのための場所を確保するためにも、今しばらくジャミトフを利用せねばならない。そう思いつつ牢に近づいた彼は、遠目に倒れたカクリコンを、そして開け放たれた牢を視認して眉をひそめた
「ヤザン、居るか」
「おう」
声に応えて、真っ黄色の派手な陣羽織に身を固めた、ヤザンがすいっと現れる
「何者かが居るようだ。探りを入れてくれんか」
「へいへい。人使いの荒いことで」
ブツブツ言いつつも、仕事をこなすために姿を消すヤザンを見送り、さてと冷静に状況を整理しようとするシロッコだが、その思考を遮る轟音一発
正門の辺りから爆発が起こり、火の手と煙があっという間に屋敷を覆う
「・・・始めるとしよう」
“花火職人のトロワ”
その名の通り、仕入れた火薬で場を引っかき回すのが、彼の役目である。ついでに奉行所の同心や岡っ引きを、招き入れやすくすると言うのも兼ねているのだが


「あんだぁ?なんだってんだよ、こいつぁ」
さしものヤザンも素っ頓狂な声を上げてしまう。煙に巻かれないよう、屋敷を抜けて庭に出ようとしたヤザンは、目の前に小柄な少年が佇んでいるのを認め、刀に手をかける
「ハン、テメェか?この騒ぎを起こしたのは」
「貴様らは正義か・・・?正義かと、聞いているっ!」
腹の底から絞り出すような声。怒りと怨念に満ちたその声を聞いてなお、ヤザンのふてぶてしさが収まるはずもなく
「なぁにが正義だ?そんなもん、俺には興味無い。それとも何か、俺が正義だとなんか困るのかよ、ええ?」
だが、彼はヤザンの問いかけには応えず、その代わりに目にも止まらぬ早業で彼の後ろを取り、必殺の骨外しを決める
ボキリ、と嫌な音がしたかと思うと、あのヤザンが抵抗する間もなく、その身を煙の中に沈めた
“秘孔使いの五飛”
彼はその密なる技を持ってして、自らの“弟子”の敵を取ったのであった


一方でシロッコもまた、煙に巻かれないように口元を押さえ、おそらく勝手口がある方に向かって歩いていた
が、そんな彼の前にもまた、一人の少年の姿があった。だがその詳細は、煙に紛れてよく分からない
「何者だ?ここを、ジャミトフ閣下の屋敷と知っての狼藉か」
「いやぁ~、すみません。何せ大事な文をお預かりしてたもんで・・・」
その声は、最近よく出入りしている飛脚の声だった、とシロッコは認識した。こんな時間に文を預けるなど、先方は何を考えてのことか
「お屋敷の方ですか?ちょうど良かった、文をお願いしやすよ」
彼らしき影が、フラフラしながらこちらに近づいてくるのが見える
「・・・いやしかし、なんでしょうね、この煙」
「私もよく分からん・・・だがまぁいい、その文を置いて早急にこの場を立ち去るがいい」
まったく、とため息をついたシロッコが、彼の方に手を差し伸べた瞬間
「パプティマス・シロッコ、お前を殺す」
パスっという乾いた音がして、それと同時にシロッコの額に弾痕が刻まれた
ドサリと倒れるシロッコの姿を確認すると、ヒイロは遠くから駆け付ける奉行所の灯籠を遠目に見ながら、その場を後にしたのであった
翌日のデュオの瓦版は、事件“ほぼ”解決の見出しが躍っていた
ブライトに率いられた南町奉行が、騒ぎの起こった屋敷に駆け付けてみると、何者かの手引きで救い出された娘達と、これまた何者かに始末されたジャミトフ達の遺体を目にしたのだった
ところが彼らの証言では、その中にあのパプティマス・シロッコらしき姿がなかった
「いっやぁ~、とりあえず事が解決して良かったぜ。死ぬかと思ったけどな
その瓦版を見ながら、柿崎はがっはっはと笑う
「僕にとっては解決してないんですけど・・・」
サラもまた還ってこなかった。カトル・・・というかカトリーヌ・・・が見つけ出した娘達の中に、彼女の姿はなかったのである
「死ぬ目に遭ったのに、まだ言うか貴様は」
五飛の言うとおりで、息絶えた彼らを見るに見かねた、通りすがりの傾奇者・熱気バサラの、ハートに染みいるナンバーで蘇生したというのに、まだこれである
「だが、そうまで言うなら、鍛えてやらんこともない」
「え・・・ほ、本当ですか?」
「だが命は粗末にするな。バサラの唄は万能ではないのだぞ」
「パプティマス・シロッコ・・・取り逃したのは失態でしたね」
鈴々奈が社で静かに語る
「木星党・・・調べねばなりません。我ら仕事人の誇りと意地にかけて」
国家の転覆でも藩の安寧でもなく、ただ静かに日々を暮らす人々のために
「任務了解・・・」

立ち上がれ、奮い立て!
木星帝国の魔の手から、バンプレ国を救うため
頑張れ僕らの、ガンダムW!!(あれ?
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テーマ : スーパーロボット大戦 - ジャンル : ゲーム

2009/04/17 02:16 | SS【スパロボ系】-スパロボ仕事人COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

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