【スパロボ妄想】ガンダム仕事人~第九話~

こんばんわ

仕事場の人間関係で、グッダグダになってる管理人です

どんな事をやっていても、これが一番やる気を削ぐから困ります
周囲も余裕が無く、なかなか相談する相手も居ないため、ちょっとここんところローペースです。すんません

そんな中書き上げた第九話
もしかしたらちょいとパンチが弱いかも知れません。ごめんなさい
ちなみに後二~三話で完結予定ではあります


そこは、限りなく近く遙かに遠い世界
華のバンプレ国
ここはスパロボ横町


私の名はラミア・ラヴレス
いろいろあってこの横町に忍び込んだスパイだ
私は今、意有る重大な使命のため、こうして町民に紛れて作戦を実行している・・・が
「ねーねー、ラミア。人の話聞いてる?」
「はい、ちゃんと聞いてるでございマスです」
まずこれだ。この町に入って以来、まともに喋れなくなって困っている
身体を構成するパーツに何か問題があるわけではない。しかし、どの言語モーションを持ち出そうとしても、上手く引き出すことができない

「んじゃぁアタシ達、見回りに行ってくるね。タスク、後よろしく!」
「え~っ、俺も行きてぇよ」
「アンタは刀磨きと鎧磨きの仕事があるでしょ。ほら、さっさとやる!」
「ちぇ~・・・土産買ってきて下さいよ、姐さん!」
いや、それ以上にこうして話をしている、リューネ・ゾルダークとタスク・シングウジもそうではあるが、「あちら側」に居た多くの者達と全く同一の、しかし私を知らない“いわゆる平行世界の同一人物”というやつが大量にいて、さらにこれらの全てがごく平和に、安穏と生活して居るものだから、調子を狂わされて仕方ない
私が潜入したのは、この町の自警団・DC団であるが、これがまた「あちら側」のDCとほとんど同じメンバー構成なのだ。相手の性格や過去は、おおよそインプットしているから扱いやすいが・・・
「今日は町の周囲にまで足を伸ばそうか。最近物騒だもんね」
「かしこまりましたですのこと」
そう促されて私とリューネが赴いたのは、町外れにある農作地だ。劇団『月光』の屋敷も近いし、近くにはいろいろなモノが埋まっている、ともっぱら噂の大きな山もあったりする・・・こんな狭い地理的関係の中に、これだけのモノが密集して存在しているのは異常だと、この世界の住人は気づかないのだろうか?
この辺りの地形を説明されていた私は、遠くから一人の少年が近づいてくるのを認めた
「リューネさん、こんにちわ」
「ウッソ、今日も精が出るね!」
泥だらけになりながら、今し方掘り出したとおぼしき野菜を抱えて居る少年は、嬉しそうな顔をしてそれをリューネに見せている
「旨そうなキャベツだね!塩だけでもイケそうだよ」
「よければ一つどうぞ。そうそう、もうすぐスイカを植えるんですよ」
「スイカ、いいね!スッイカ割り、あそれスイカ割り、ってね!」
そう言いながら、スイカ割りの気の棒を振る素振りをするリューネは、何というか見ていて評価のしづらい何かがある
と、次の瞬間
「新鮮キャベツ、頂くぜっ!」
彼方から突然手が伸びてきて、リューネが手にしていたあのキャベツを奪い去ったのだ。たのだ。ル○ィも驚くその手の出先を慌てて追う私だが、リューネの方は犯人が分かっているようだ
「アポロ!あんた何度言ったら、そう言う悪い癖直るのっ!?」
「へっへん、美味いモノを喰う!その機会、我慢なんてできるわけねぇだろ!!」
リューネに追い立てられる赤髪の少年が、走りながらも器用にそれを口に突っ込もうとした瞬間、今度は一陣の風が吹いて、彼の手元からキャベツを奪い返した
「ゲッターのスピードを甘く見るなよ」
そこに立っていたのは、近所に住むという早乙女さん家の隼人四兄妹の一人、T・隼人である
「んな、何しやがんだよ!キャベツ返せ!!」
「ほぉう、返せ、だと。これは元々お前のモノだったか?」
ぬっとアポロの後ろに現れたのは、同じく真・隼人である
「おイタをするバカガキは・・・」
「目だ、口だ、鼻だぁぁぁ!!」
こうして四人の隼人に囲まれたアポロは、見るも無惨なボロ雑巾と化したのである

リューネから取り返されたキャベツを受け取ったウッソは、このときになってようやく私の存在に注目したらしく、顔をふとこちらに向ける
「こちらの美しいお姉さんは誰ですか?」
ウッソの言葉を受け、リューネが私のことを簡単に説明した
「ウッソはね、この辺りでも評判の働き者なんだよ」
リューネの説明では、彼とその友人達の両親は出稼ぎに出たまま戻らず、日々の生活のためにこの年で農地を耕し、野菜や果物を横町に売りに来ているらしい。確かに端から聞くと、年齢不相応な大変な状況であるが、年中気候が温暖で、(我々の介入以前は)事件らしい事件も起こらず、まして人が死んでも(信じられないことだが)生き返ってくるこの世界において、出稼ぎも苦労人もない気がするのだが、その辺りはどうなっているのだろうか
「ああ、リューネさん。見回りご苦労様です」
ウッソ少年の後ろから、褐色の肌の少女が現れた
「シャクティも頑張ってるね。横町じゃ、この畑の作物は美味しいって、評判だよ」
「ええ、本当に皆さんにはよくして頂いてます」
彼女もまた畑仕事をしていたのか、泥だらけである。先ほど突っ込んだような事情を考慮しなければ、確かに普通の人間なら気を揉まれる姿だろう
「よっし、今日はキャベツのお礼。今から温泉に行こう!」
リューネが突然そう言い出した。彼女の行っている温泉とは、あの“鉄”のことだろう
「温泉代はアタシが出して上げる。今日はここまでにして、少し身体を休めに行こうよ」
・・・てな強引な展開で、我々四人は温泉“鉄”に向かったのだ

そんな我々の前方でなにやら少年達が、何かを捜すように右往左往している場面が展開されている
「ん・・・?あれ、ジュドー達じゃないかな」
リューネは彼らの中に見知った者が居たらしく、またもやタタタと駆け寄っていく
「あ、リューネの姐さん」
「良い所に来たよ、ちょっと聞いてよ!」
聞けば、彼らが探し当てたジャンクの山を、何者かが荒らして大事な商品を持ち出されたのだという。もちろん埋まっているモノは、誰のモノというわけではない。その辺りは彼らも弁えているらしく、取られたことを問題視しているのではないという
「見つけたなら見つけたって情報を交換する。それをどうするかも話し合う。それがジャンク屋連合ってモンなんだけどよ」
「きっとヤザンかティンプのヤツだぜ、こういうことするの」
「見たことがない、手だか足だかのパーツもあったのによ」
「だから、勇と比瑪に調べて貰おうって、話まで通してあるのよ?」
ジロン達が捜しているのは、彼らとジャンクの山の縄張りを争い合う、ヤザン・ゲーブル達らしい
しかし、そのヤザンとやら、以前の騒ぎで怪死を遂げたのではなかったか?・・・いやまぁ、確かに誰も彼もが生き返ってくるから、突っ込んではいけないのだろうが・・・
それにしても・・・そのパーツとやら気になる。もしや・・・
私は少し探りを入れようとしたが、リューネのセリフでかき消されてしまう
「そういう奴らをとっちめるのも、アタシらDC団の仕事のうち!」
彼女がそう叫ぶやいなや、何の前振りもなく背後にDC団の連中がほぼ勢揃いしたではないか・・・整備係、もとい刀磨きのタスク・シングウジは除いて
「みんな聞いたね?」
「心配には及ばん、リューネ嬢。既に奴らなら締め上げた」
ニタリと笑うエルザム・・・ではなく、一応この場合はレーツェル・ファインシュメッカーと言っておいてやろう・・・の足元には、簀巻きにされた例の二名が転がっている
「ちっ、俺もヤキが回ったぜ・・・」
「アンタの逃げ足が遅いのがいけねぇんだろうがよ」
責任を互いに転化している二人を尻目に、その向こうで切腹準備に入っているゼンガーが居るではないか。もちろんトウマ・カトウやリュウセイ・ダテが止めようとしているが
「・・・親分はまたなにしてるの?」
その光景を見ても少しも慌てないリューネの方に、私は驚きだ。ブルックリン・ラックフォードが言うには、こいつらは、その無くなったパーツをもう売り飛ばした後らしいのだ
「す、すまんリューネ嬢・・・俺の仕事が遅かったばかりに」
「んもー、親分は責任感じすぎ!犯人を捕まえただけでも儲けモンでしょ」
「後は奉行所に任せましょうよ、ゼンガー親分」
「そうそう、アタシらの仕事はここまでだよ」
「まずは万事解決!めでたしめでたし!!」
何故この状況をこう、笑って簡単に済ませられるのだ

・・・そうなのだ
何事も万事が、こうして起こった事象がすぐに解決し、後に全く響かない
つまり、日々が経っているようで、実は時間が止まった世界なのだ
私も最初の数週間は気づかなかったが、これは俗に言う永遠のループというのではないだろうか?
これでは“我々”がどんな種を投げ込もうとも、事が大きくなることすら危うい


とまぁ、こんな風に“悩んでいる”私を知ってか知らずか、リューネが周囲に集まっている少年少女達を見回して叫ぶ
「んじゃーさ、とりあえずみんなもこれから“鉄”に行かない?」
わっ、と歓声が上がるのは、ある意味当然の反応だったかも知れない
「わーい、お風呂お風呂!」
「プルはお風呂好きだねぇ、相変わらず」
「でも山を掘り返した後の埃は落としたかったんだよね」
そんなことで、連れだって“鉄”に行くことになったのだが・・・この状況では、まるで幼稚園の遠足の引率者ではないか、我々は?

「ようリューネ、お前いつから寺子屋の先生になったんだ?」
“鉄”に近づいた頃、そんな風に的確なツッコミを入れてきたのは、飛脚のマサキ・アンドー・・・この世界では、安藤正樹らしいが・・・であった
「そんなんじゃないよ。なんか偶然こうなって・・・ってか、なんでアンタも居るの?」
「仕事ついでにいつも寄るんだよ」
この世界でも、上記二名は憎からずな関係らしいし、正樹の方が鈍感なのも代わりはないようである
「うっひゃー、こりゃまた大勢のご来館、誠にありがとうございますって感じだな」
と、背後から聞き慣れた声がして、私は驚いて振り返った
そこに居たのは紛う事なき、アクセル隊長であった・・・が
「甲児ぃ、こりゃぁ鉄也に言って、湯の温度を一度上げた方が良いんじゃないかね」
「かもな。じゃぁ俺鉄也兄さんに声かけてくるから、客は頼むわ」
何か様子がおかしい。この空気が抜けた風船みたいな、なよなよした態度はなんだというのだ
「ん?俺の顔をじろじろ見て、何か付いてんのか・・・お、そうか!色男は辛いねぇ」
どうしたというのだ隊長、私です・・・む、そうか。私と顔見知りと分かると、何かまずいことでもあると言うことか。私としたことが、何故そんな基本的なことにも気づかないのだ
「そーじゃねぇだろ。おい姉さん、アンタもしかしてアクセルのこと、知ってるのか?」
ぬっ、マサキ・アンドーめ。これで意外と勘のいい男だとは思っていたが。しかしどう誤魔化したものか。だが、次に正樹の口から出てきたのは、意外な言葉であった
「この兄さん、自分がどこの誰だか忘れてんだよ。なんか手がかりがあったら大助かりなんだけどよ」
なんと!?
「ああ、噂の記憶喪失のいい男ってのは、アンタのことだったんだね」
驚いている私を尻目に、ラグがニタリと笑いながら隊長の方に近づいていく
「お、噂になってんのか?やっぱ色男は辛いねぇ、ってな」
「相変わらず緊張感のねぇヤツだな」
「いやな、最近記憶戻らんでも良いかな、って思ってきたんだな、これが」
なんと言うことだ・・・私は珍しく、目眩というモノを覚えるのを意識した。これもまた世界の悪戯なのか・・・こんなことなら、隊長と途中で別れるのではなかったか
「ん~、ラミアも最近ウチに来た子だからね。知らないんじゃない?」
口ごもっている私に気づいたのか、リューネは勝手に状況を察したような感じで、助け船を出してくれた。こればかりは感謝である
「どおりで見ない顔だと思ったら、DC団の新人なんだ」
「ねーねー、紹介してよリューネ姉ちゃん」
そうやって群れてくるチルやエル達に阻まれ、私はそれ以上隊長のことを探ることは不可能となった
「おおい、湯の温度は良いぞ。こんな所でたむろって無いで、さぁ入った入った」
さらに、台場の向こうから剣鉄也の声が聞こえ、それに併せてその場に居たメンバーもゾロゾロ歩き出す
「んじゃぁ行ってくるけど・・・覗かないでよ!」
「馬鹿、誰が覗くかっての」
とまぁ、こういうカップル定番な、リューネと正樹のやりとりを後に、湯船へと向かった我々であったが・・・
見ているな
誰かは分からんが、視線を感じる・・・まぁ所詮、人間の男というモノはそうなのだろう
とはいえ私には関係ない

とりあえず情報収集も兼ね、たわいもない話を聞いて横町へ帰る道
「あっ!?しまった、財布置いて来ちゃった」
そう言って急ぎ駆け戻るリューネを見送る一方、私は足元をコソコソ移動する何かの気配を感じ、狙い違わずそれを確保することに成功した
それはハロの形をしたぬいぐるみ?であった
「ふむ、見た目にはハロそものだが」
ところが、パカッと開いたその口の中は、どう見ても宇宙世紀のアレである
確かこの世界の設定は、古代の日本だったはずだが、技術レベルがおかしくないか?
まぁそれは良いとして、さてはてこいつは一体全体何故、こんな所を転がっていたのだ?
“嫌がる”ハロを無理矢理解析した所、この中には意外な情報が詰まっていた
「フム・・・これは、使えるかも知れん」


翌日
横町には多数の男達が、これまた多数の女達により“成敗”を受け、死屍累々の姿をさらしていた
というのも、待ち中に張りめぐらされたネット(サーバーは月のD.O.M.E)に、昨日の温泉“鉄”の女湯の写真が、これでもかというようにアップロードされていたからである
エルチとラグの、ゾラの最強女コンビニのされたジロンとブルメ
ルーとエルにぶっ飛ばされた挙げ句、プル姉妹のファンネルでミンチとかしたジュドーやビーチャ達
ティファを泣かせたと、ビットMSに蒸発させられたガロード
・・・そして


萩野富士の祭貢神社
そこには、リューネにぶっ飛ばされて来た挙げ句、鈴々奈のお仕置きにあって散々な顔をしているヒイロが居た
「鈴々奈さん、そろそろ落ち着いて下さいよ。ヒイロが覗きするわけ無いでしょ」
社の隅でシクシク泣いている鈴々奈に、カトルがそう声をかけて慰める
「そーだぜ、コイツにそんな甲斐性があるかっての」
「デュオ、フォローになってないぞ」
「しかしそれは真実だな」
一応鈴々奈とヒイロの間を取り持とうとしているらしいが、ハッキリ言って傷口に塩を塗られてるだけである
「貴様ら・・・後で絶対殺す」
ぷちぶちとキレる音を立てているヒイロの脳細胞が、しかし外から近づく誰かの気配を感じて一瞬で、いつもの自分自身を呼び戻す
ヒイロのその顔つきに、他の四人も気配を押し殺し、社の外に目を向けると、そこには深刻な顔をしたシャクティが立っていた
「神様、このお社の神様。どうかウッソにお仕置きを加えて下さい」
どうやらウッソも、あの写真の件でシャクティに狙われているのか、と男集五人はため息が出そうになったが、続く言葉を聞くと、どうも事情が違うらしい
「あの写真はきっとウッソが撮ったものです。私には分かります。ウッソは綺麗なお姉さんが好きだから・・・これまでだって、いろいろ隠し撮りしてたの知ってますし」
(これは予想外の展開になってきたな)
(アイツああ見えて、実はむっつりスケベ?)
トロワとデュオのツッコミ会話を余所に、シャクティの神への告げ口は続く
「それもこれもウッソが鈍いのがいけないんです。そう、ウッソが、私に気づいてないからいけないんです。私はずっとウッソの側にいるのに・・・ええ、そりゃ私はまだ子供で、胸もないし顔は幼いし、そう言えばキスもしてないし。ああ、早くハンゲルグのおじさまが帰ってこないと、将来の娘としてご挨拶もできないし・・・」
(おーいおいおい、止まれ止まれシャクティ?)
(なんか変な方向に黒い会話になってるぞ)
(クソッ、これだから女は・・・)
妙にどす黒いオーラを発しつつ、らりーんと目を光らせながら語るシャクティは、正直言って魔性の女であった
「・・・コホン。ともかく、ウッソを正しい道に戻して下さい。畑のお野菜を売ったお金しか有りませんが・・・」
そうして賽銭を投げ入れたシャクティが、ふいと踵を返して社を後にしても、さすがの仕事人達も彼女の黒さを目の当たりにし、しばし呆然としていたのであった
その日の夜
ウッソは自室で、デュオの紐に絡み取られた挙げ句
五飛の秘技でめたくたにされて、天井から蓑虫のように吊されていた
「確かに僕が、ハロに言って撮らせましたよぉ・・・でも」
弱々しく彼が言うには、女風呂に忍ばせていたハロを後で回収しようと思っていたが、実はその後行方不明になっており、どんな写真が撮れていたかなどは、彼自身知らないのだという
これだけ痛めつけられて言うのだから、おそらくそれは事実なのだろう
「よーし分かった。それは認めてやろう。でもな、隠し撮りはいけねぇな」
「そういうことだ、というわけで・・・」
ちりーん
「アーッハッハッハハッハ!聞こえるだろう、ギロチンの鈴の音がさぁ!!」
そう叫びつつ、ファラ もとい カトルが、ウッソ秘蔵ののぞき写真が貯蔵された、野菜を育てた金でようやく購入した、500GBのHDDを断罪粉砕真っ二つにしてみせた
「ぎゃあああああ!僕の、僕のコレクションッ!!・・・ぐふっ」
その様子を間近で見せられたウッソが、白目剥いて泡吹いて気絶したのは言うまでもない
「仕置き完了」
「まぁ・・・こればっかりはフォローできねぇな」
同じ男通し、そう言うリビドーは理解できないではないが、年相応という言葉と、やり過ぎはいけないという言葉で、とりあえず片付けるとしよう
「とにかく、犯人は別にいると言うことか」
「だが、手がかりがないぜ?」
ハロが自立移動するカラクリである以上、それがウッソの元に返る途中、何らかのアクシデントがあったと言うことなのだろうが、そればかりは少々時間をかけないと、何が起きたか調べようもない
「いや、ヒントはある」
唐突にそう言ったのはヒイロだった
「これらが回収した写真の一覧だ」
ずらりと並べられたそれをじっと見ていると、普通の男だったら鼻血が出そうなもんである・・・実際、デュオだけは出てたのであるが
「俺はこの日、幸か不幸かこの集団と一緒に居た・・・そして、これらの写真の中に一人だけ、全く写っていない人物が居る」
「何・・・」
「そいつが犯人だとでも?」
「わからん。だが、そいつが意図的に写らなかった可能性はある」
「そうか。ハロが忍び込んでいたのは、ヒイロでさえ知らなかったというのに、それでもそこに写っていないって事から・・・」
ファラからカトルモードに戻って、彼もまた推理に参加する
「なら、次に当たるのはそいつというわけだな」
腕が鳴る、と言わんばかりの五飛を先頭に、仕事人はまたもや夜の闇に消えた
後には
「ギロチンはいけませんよ、ファラさん・・・あはは、鈴の音がぁぁ」
と、壊れたセリフを呟く、ウッソだけが残されていた
DC団宿舎
一応寝床に入っていたラミアだが、異様な気配を感じてそこから飛び退く
と、意瞬遅れてそこにナイフが数本、カカカッと突き刺さったではないか
「・・・何者」
「貴様に名乗るなはない」
定番のやりとりをしつつも、ラミアの目にはその声の主の影さえ映らない
声はどこかで聞いたような気もするが、マスクでもしているのかくぐもっていて、自分自身のデータとなかなか一致しない
「一つだけ聞く。貴様があの写真をばらまいたのか?」
ラミア自身は意識していなかったが、“自分には関係ない”と考えた次の瞬間から、ハロの撮影範囲から無意識に身体を死角に入れていたのである。それに、元々自分の身体に、(任務の時以外は)興味もないので、写真に一ショットも写っていないことに、自身が違和感を持っていなかった
「だとしたらなんだ」
何故自分に目を付けられたのか未だ理解できず、それでも感情無く回答するラミアだったが、相手の方も実にストレートなもので
「念のために理由を聞いてやるぜ?」
「・・・世界に混沌をもたらすため」
この期に及んで、己の使命を誤魔化して伝えるのも面倒くさい。ラミアの方もドストレートに応えてやっていた
「それになんの意味がある?下らん」
唾棄すべき、と言ったように五飛がそれを一蹴する
「無用な争い事は始末させて貰う。それが仕事だ・・・貴様を殺す」
感じる殺気は、暢気な横町の住人達のそれではない。相手が自分と同じプロと認識したラミアは、自分の今後のためにも次の言葉を紡ぐことを優先した
「争い無くして人はそもそも生きていけない・・・何故貴様らは、それが分からない」
「・・・何が言いたい」
突拍子もないセリフに、それまで問答を主に対応していたヒイロも、周辺で構えていた五飛達も相手の意図を量りかねていた
「揉め事、恨み言、哀しみが続かぬ世界で、何故生きていける。そしてそのような世界で、何故貴様らのようなプロが存在している?この世界は矛盾に満ちている。気づくべきではないのか?」
それは、この世界の“外側”から来たラミアには、いやその場所から使命を与えられてきた彼女にとって、解決すべきしかし非常に解答困難な問題であった
だがそれは逆に、この世界に最初から存在している、ヒイロ達には解釈不能な問いかけであった
互いの意図を捕らえられぬまま、ラミアと仕事人五人は激突し、そして・・・
私の名はラミア・ラヴレス
いろいろあってこの横町に忍び込んだスパイだ
私は今、意有る重大な使命のため、こうして町民に紛れて作戦を実行している・・・が
「ねーねー、ラミア。人の話聞いてる?」
「はい、ちゃんと聞いてるでございマスです」
まずこれだ。この町に入って以来、まともに喋れなくなって困っている
アクセル隊長とも連絡が取れないし・・・

「ゴメンねガロード。私の勘違いのせいで・・・」
「大丈夫!不死身のガロードだぜ俺は!」

「ジロォ~ン、やっぱアンタって男は!」
「ハッハッハ、俺がエルチ以外に変な気起こすかっての」

「アタシはアンタを信じてたわよ、ジュドー」
「よく言うよ・・・ま、いいか。さてまた山堀に行こうぜ」

と言うわけでラミアの意志はともかく、こうしてリセットが行われ、またいつものような日々に戻るスパロボ横町・・・のはずであった
のぞき写真騒動で、客が減るのではないかと頭の痛かった鉄也だが、それらも収まったのでホッと一息湯船をのぞきに行くと・・・
「なんとぉーっ!?」
常に湯気を立てているはずのそれが、一面氷の世界に覆われていたのだった・・・
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テーマ : スーパーロボット大戦 - ジャンル : ゲーム

2009/05/23 02:37 | SS【スパロボ系】-スパロボ仕事人COMMENT(3)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

うぉぉぉーーーーー?!!

今回も面白かったですよ。師匠。それになんだか大変そうですが、人生うまくいくときとうまくいかないときがあり、そのうまくいかないときをうまく切り抜けれらるとは限らない。そう私は考えております。つまりは、苦労の経験はいつになっても必然かもしれません。

さて本題ですが、今回お仕置きされたのがウッソだったなんて・・・最近ウッソがかわいそうな立場にあると思うのは私だけでしょうか?できれば中の人ネタをやってほしかった・・・(そっちかい)

それと最後のやつ、あれはひょっとしてオーバーデビルが出てくるフラグですか?だったらちょっと楽しみ・・・。

No:1322 2009/05/23 03:59 | イヴ #cnZdQCf. URL [ 編集 ]

久しぶりの

久しぶりの仕事人シリーズ楽しく読みました。竜馬に続いて隼人も四兄弟出ましたね。ケイとかも出てくれたら嬉しいです。しかし、ウッソ…ハロをそんなことに使ったら草葉の陰でアムロが泣くよ。そしてシャドウミラーは大丈夫そうですね。しかし、最後の「なんとぉー~~!」も中の人ネタですかね?あと数話だそうですが、楽しみにしています。

No:1323 2009/05/23 06:04 | 壱華 #QvBRJBnU URL [ 編集 ]

ナイスバランス

どのキャラも確固とした個性を持ちつつ主張しすぎず・・・・
世界観と相まって非常にバランスいいですね~!!
先が楽しみですwww


そういえば、以前考えると言っていたガンダム系のネタなんですが・・・
少しず~~~つ纏まりを見せ始めた感じですかねぇ・・・
まだ完成どころか形さえもできてないので、何とも言えませんが。

No:1324 2009/05/24 00:08 | ワイルドヘヴン #- URL [ 編集 ]

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