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【スパロボ妄想】ガンダム仕事人~第十二話~

懐中時計が欲しいな、と思っている管理人です
しかし懐中時計っつーのはお高い代物で、ちょっと良いものに目を惹かれたりすると、うっかり2万円オーバーするからシャレになりません
表面に象眼があるものならともかく、例えば金無垢のものであったとしても、4万円オーバーとかザラなんですよね

かといってエラい安いものを選ぶと、大抵の場合は中国製の安物でして、そんなのは買うだけ損というもの
まぁ、パソコン以上の超精密機械ですんで、しかもほぼ全部手作りですし、贅沢は言えないのかも知れません
そう言う意味では逆に、迂闊なものを替えないと言うこともなり・・・悩ましい所です


ガンダム系の主題歌(?)を中心としたライブが、10月にあるようです
ソース
見た限り種抜きの構成なので、聞きに行けたら行きたいですね
ま、行かなくてもその内DVDで販売されそうな気もするけど・・・(今から言うな)
さて、仕事人最終話ができましたので掲載します
思った以上に登場人物を増やせ無かった上に、またマイト○インみたいな終わり方になってしまった
エラいすんまへんorz


温泉"鉄"へと駆けていくギリアムと、その後を追うアクセル
「この世界が"芝居"で成り立っているとして、だとすると貴様がこのテーブルトークの"マスター"なのか?」
「いや。俺は"管理人"ではあるが、俺もまたこの"芝居"の配役の一人に過ぎん」
ギリアムが、XNガイストのコア部分を持っていて、この世界の外側からものを見ているように見えたから、アクセルはああやって聞いたのだが、当のギリアムから返ってきたのが意外な返答であったため、アクセルは思わず足を止めて呆然としてしまう
振り返らないがギリアムもそれに気づいたらしく、同じく歩みを止めて独り言のように話し出す
「あの時は、お前という存在を世界にねじ込むために、『記憶喪失の男』という役割を与えたに過ぎない。そう・・・この世界に新たな"出演者"が投げ込まれる度、世界の隙間に無理矢理その設定をねじ込み歪みを修整する・・・それが、俺や綾人君、ひびき洸君のような者の"役"だ。だが、いつ誰がどう放り込まれてくるかまで、俺達は知らない。そう言う意味では、俺達はその"歪みを捜す"という芝居を、やらされているのさ」
その口調からすると、そう言う彼らを外から見ている誰かは、確かにいるらしい
「だがその歪みが修整しきれなかった時、争いが起きたり事件が起きたりする。それを鎮めるためにヒイロ達"仕事人"が存在している。だが彼らも、何故自分たちが仕事人で、どうして平和であるはずのこの世界で、争いごとが起きるのかは知らないし、意識することもしない。それが"配役"だからな」
ぞっとするような話だ、とアクセルは素直に思った
「・・・なら、俺がこれからやろうと"決意"していることも、"芝居"なのか?外から誰かが仕組んだ」
もしそうだとするなら、それは自分自身の存在という、アイデンティティそのものを根底から揺るがしかねないことであった
「俺の主観を述べるのなら」
ここで初めて、ギリアムはアクセルの方に振り返った
「たとえここが、誰かが作った舞台の上・・・実験室のフラスコであったとしても・・・俺たちはこうして生きている。生きると言うことは、誰に与えられたものでもない。俺達自身の権利だ。生きるために行うあらゆる行為まで、外にいる誰かに強要されるほど、俺達は安っぽい存在じゃない」
「そこまで思っていて、しかも舞台を外から見られる力を持ちながら、それでも何故貴様はここに留まっている?」
それはアクセルが純粋に思った疑問であった
「確かにこの世界は"理不尽"にも思える。だから俺は昔この力を使って、実験室のフラスコを壊そうとした
ギリアムのこの答えは、今のアクセルにとっては少々意外な発言であった
「貴様にそんな過去があろうとはな。だが、こうしている以上、それは失敗したわけだ」
「失敗ではない。止められたのさ。その時居た世界の有志達にな」
そしてその時の"有志"達の行動は、誰に強要されたものでもなく、まさしく彼ら自身が『生きたい』と思う、その想いから起こった行動であった
「そこで俺はわかった、造られたフラスコの中にだって、生きている人々はいる。何も知らずに。なら、その彼らを俺の勝手に巻き込めない。もしかしたらその彼らは、まさしくフラスコの中でしか生きることができない、ホムンクルスのような存在であるかも知れないんだ・・・だから俺は」
「世界を護る側に回った、ってワケか。『自分の意志』で」
こくりと頷いて応えるギリアム。ならば、とアクセルはニタリと笑った
「俺は俺だ。それに間違いはないってことだな、こいつは」
"鉄"での温泉運営はなかなか面白かったし、甲児も鉄也もこんな自分を良くしてくれていたのは、間違いなく覚えている。"鉄"を訪れた、多くの人々の笑顔も覚えている。そして自分は確かに、ラミアの叫びを聞いて心を痛めた
「時間を無駄にして悪かったな、ギリアム・イェーガー。とっとと行くとするか」
「無茶なことをやらせることになると思うが、大丈夫か?」
「今更言うな。やるしかないんだろ」
その無茶をやる場所、"鉄"はもう目前に迫っていた


一方
亜久志鶴の麓で睨み合っていた、ライディーン+アムロ一行とオーバーデビル+シャドウミラー一団
「・・・ギリアム?何かをやろうって言うのか」
ニュータイプの力でギリアムの心を読み取ったアムロ
「ギリアムが、か。ならばこちらでは、出来る限り露払いをせねばなるまい」
「ある程度はヒイロ達がやるだろうが・・・」
凍らされたギュネイをまずは何とかしないと、次の一手を踏み出すことができそうもない
「ギュネイ、しっかりしなさいよ!」
相変わらず必死で呼びかけているクェスであったが
『ハサウェイさえいなければ・・・いなければ、俺は・・・』
その凍った心には、全ッ然響いてないらしく、相変わらず恨み辛みを言い続けてばかりである。その口調は、既にギュネイのキャラ崩壊寸前で、どちらかというと北辰みたいな状態になっている
「クェス、ギュネイの気持ちも察して上げてよ」
意外な助言をしてきたのは、怨まれている当のハサウェイであった
「何言ってるのさハサウェイ?」
「ギュネイ・・・ずっと苦しかったんだと思う。この世界でだって、家柄の設定があったり字音藩の設定があったりで、クェスに近づくのが難しい状態だったんだ」
原作世界から引きずってきた、クェスへの恋慕を(悪の)シャアに上手いこと利用されてしまったのだろう
「だからって、アンタを怨んでどうなるってわけじゃないでしょう?」
「一番・・・やりやすい方法では、あるよね」
明確な設定こそ無いモノの、一応恋敵みたいな間柄だったのは、まぁ無いとは言えない。だからと言って、とクェスはたまらず叫んだ
馬鹿よ・・・ギュネイ、アンタ馬鹿よ!設定が何よ、原作が何よ!舞台設定の中にいるなら、それこそ設定を逆手にとって、言いたい事をハッキリ言ったらいいじゃない!!」
その叫びに反応したのか、ヤクト・ドーガがぴくりと動きを止める
これを見たクェスは、"浅○ハルヒ"のスタイルを取って、びしっと言い放つ
「ここで素直に心情告白したら、一応アンタと付き合ってあげてもいいわよ!
その瞬間、ヤクト・ドーガがぱきーんと砕けて割れた
「割れた!?」
「反応早ッ!!」
そしてすっかり"溶けた"ギュネイは、空中を舞い降りながら誰憚らず叫び出す
本当かーーーーッ、クェェェーーーーーーース!?
そうだ、どうせ舞台の中なら言ってやるさ!
クェス!
好きだぁーーーーッ!クェス、愛しているんだクェス!!

ネオ・ジオンで一目見た時から好きだ!
好きなんてもんじゃない、クェスのことをもっと知りたい、クェスのことは全部知っておきたいんだ!
クェスのことを抱きしめたい、潰してしまいたいくらい、抱きしめたいんだーーーーッ!(中略)
クェス!お前が宇宙に生身で出ろと言うのなら、やっても見せる!!」

そのまま華麗にライディーンの手の平に着地し、ある意味逆方向にキャラ崩壊して、ジ○・キャリーかドナル○ダックみたいな状態になっているギュネイを、一行は唖然として見つめていたのであった
「あれ?」
何かを感じたようで、ゲイナーはふと顔を上げる
「ん、どうした少年?」
ジョッシュ一行を亜久志鶴から遠ざけようとしていたゲインが、気づいて声をかける
「いや、本来僕が言うべきだった台詞を、どうも誰かが言ってしまったみたいで」
「そうか・・・どうやら出番を取られたようだ、な」
「なんかこの調子だと、"最後"だけ責任取らされそうな予感がするんですよね、僕」
「安心しろ少年、俺もそんな気がしている」
はぁ、と肩で息を吐く、キングゲイナー二人主人公であった
未だ、何となくキラキラと光を纏っているギュネイを横目に、アムロは次なる行動を取ろうとしていた
「残るは(悪の)シャアか・・・アレを止めるには」
ちろり、とクワトロの方を見るアムロ。その視線の意味する所をぴきゅいーんと解したクワトロは、何となくバツの悪そうな顔をする
「できれば、私はこのままでいた方が、今後問題が出ないと思わんか、アムロ君?」
「俺としてもクワトロのままでいて欲しいが、あのまま放っておいてどうにかなるものでもないだろうが」
「もしかして、(悪の)シャアとクワトロさんを合体させて、普通のシャア・アズナブルに戻そうとしてます?」
二人の会話の意味する所を察したのか、洸が声をかけてきた。まさにその通りと、アムロは頷いて応えた
「いや、確かにシャア・アズナブルは、ロリコンでシスコンで、さらにマザコンの上に戦争好きで、そのくせ中途半端にインテリで理知的なので、論破するのが大変なのでなにかあると、どうしても"殴り合い宇宙"をせざるを得ないんだが、それでもあそこにいる『悪の帝王』みたいな状態よりは何百倍もましだ」
非常に遺憾なのだが・・・と頭を抱えて悩むアムロは、端から見るとライバルの行く末を案じている主人公キャラなのだが
「・・・アムロ君、何気に酷いことをつらつら言ってないか?」
そのシャアの理知的な所だけの塊のクワトロでも、ちょっと聞き捨てならない言動ではある
「でもどうやって?いくらあの(悪の)シャアがオーバーデビルの手の平に乗っていると言っても」
と、ライディーンが軽くゴッドアローを放つ。しかしその光の矢は、オーバーデビルに届く前に凍りつきパキンと割れてしまう
「ハッハッハッ、オーバーデビルの力を甘く見ないことだ!この周囲は、氷の結界によって護られている。今の貴様らでは、私に指一本触れることもできんぞ!」
高らかに笑う(悪の)シャア。なるほど、あれではクワトロとくっつけるどころの話ではない
「クッ・・・なんとか、あの結界を破ることができれば・・・」
"鉄"に辿り着いたアクセルだが、目の前の風景に唖然としていた
というのも、あるはずがないと思っていたマジンガーZとグレートマジンガーが、何事もなかったようにそこに立っていたからだった
「よぅアクセル、遅かったな」
「こっちは待ちくたびれたぜ」
アクセルにとっては見慣れた・・・つまり、あのマジンガーに乗っている兜甲児と剣鉄也が、そこには居た。これもまた芝居が休止している影響なのだろうか
「こっちも準備オーケーだ」
「ったく、厄介ごと起こしてくれやがって」
「いいじゃねぇか、久しぶりに暴れたい所だったぜ」
「とっとと始めようぜぇ」
上空にはなんと、微妙に形の違うゲッター1が4機揃っている
「・・・これが、何とかできるかも知れない手段、なのか?」
「ああ、相当荒っぽいやり方ではあるが」
ギリアム曰く
4機のゲッタービームを、オーバーデビルの氷の結界に一点集中で浴びせ、そこだけを弱めさせる。そこに、マジンガーZのスクランダーカッターと、グレートマジンガーのグレートブースターをぶつけて、『穴』を開けてやろうという作戦だという
「その開いた穴から、オーバーデビルに乗り移って、その部下をお前が助け出す、ということだ」
「・・・で、俺はどうやってその穴に入るんだ?」
彼らがそれをやる中に、何故自分が呼び出されたのか、把握しかねているアクセル
それならアクセルだけ、オーバーデビルの近くで待機しておくとか、そう言う方が効率が良いはずなのだが
それに応えるようにギリアムが指さした先は、グレートブースター
「一応命綱は付けておいた。まぁお前なら大丈夫だろう」
つまり、グレートブースターごと突っ込んでこい、と言うことらしかった
「ふざけてるのか貴様?ついでに俺のこと殺そうと思ってないか」
マッハで飛ぶグレートブースターから、瞬時にオーバーデビルに飛び移るなどと、いくらアクセルに体術の心得があっても、無茶苦茶としか言いようがない
「ヒイロは宇宙空間で、高速で移動しているウィングゼロに飛び乗っていたが」
「あんな人間凶器と一緒にするな!」
「・・・っしゅん!」
量産型ゲシュペンストと戦っていたヒイロだが、急にクシャミをし出す
「どうしたんですヒイロ、クシャミだなんて?」
「おいおーい、こんなときに風邪かよ」
同じく地上で戦っていた、カトルとデュオが心配して通信を入れてくる
「いや・・・なんでもない」
ビームサーベルで量産型ゲシュペンストを一閃するウィングゼロ
「貴様がそんな調子では困る・・・クッ、まだまだぁ!」
単機で果敢にもツヴァイサーゲインの相手をしていた、五飛にまで叱咤されてしまう
「俺達の使命は果たされていない・・・そうだろう?」
続けて、大量の弾幕でヴァイスセイバーの足止めをしている、トロワの言葉
「カトル、横町に被害は?」
「大丈夫ですよヒイロ。一機として彼らは町に入れてませんから」
そう、空間跳躍してワラワラ湧いて出てくる量産型ゲシュペンストだが、たった5機のガンダムの前に横町侵略に着手できずにいたのだ
だが、根本を断たなければこの争いはいつまでも続く
「トロワ、標的を俺と入れ替えろ」
「親玉を叩くか?・・・良いだろう」
オーバーデビルはギリアムが何とかすると知っているのだろう
「カトル、・・・と・・・に通信を入れておけ」
「わかったよヒイロ。デュオにも手伝って貰うけど、いい?」
「王子様のご命令とあれば、どこでもいきますよぉ~?」
「良いから早く手伝えヒイロ!手が足らんッ!!」
仕事人5人はシャドウミラーを叩くべく、本格的に動き出した
「うりゃぁぁぁ!いっくぜぇぇぇ~!」
「「「「ゲッターァァァ ビィィィーーーーーーム!!!!」」」」
オーバーデビルを取り囲んだ4機のゲッター1から、一斉に注がれるゲッタービーム
もちろんそれを弾く氷の結界だが、ギリアムの作戦が正しければ、それが集中する1点はもろくなるはずである
果たして見えないその氷の障壁に、ぴきっとひびが走ったのを、アムロは見逃さなかった
「今だギリアム!」
その声に合わせて彼方から飛び込んでくる、ダブルマジンガーの勇姿と
「貴様らぁぁぁ!後で覚えとけぇぇぇぇッ!!」
グレートブースターに絡みつけられ、恨めしそうに叫ぶアクセルの絶叫
その声をかき消すような、バキン!という大きな音がして、氷の結界が破られたのはその直後であった
「なにぃっ!?」
絶対と思われた障壁が崩れたことに驚く(悪の)シャアだが、それ以上に驚いたのが直後に目前に現れた、νガンダムのマニュピレーターであった
「シャアっ!」
アムロもまた、氷の障壁が消えるタイミングを待っていた一人だ。
「アムロか?ちぃっ、なにを・・・ええい、離せ!」
νガンダムにがっちりと掴まれた(悪の)シャアが見たのは、もう片方の手に掴まれて悄然としているクワトロであった。元に戻るのを最後の最後まで渋ったものの、こうしてがっつり捕まえられては、さしもの彼も覚悟を決めるしかなかったようであった
「き、貴様は?・・・まさかアムロ・・・無茶なことは止せ!」
「ええい大人しくしろっ、νガンダム(の掌)は伊達じゃないっ!!
二人の金髪男をくっつけるべく、むぎゅ、と両の手を合わせるνガンダム
「ええぃ何をするやめrくぁwせdrftgyふじこlp」
しばしの間を置いてぱっと開かれたそこから現れたのは
「全く無茶をする。これで圧死をしないのが不思議な話だな、実際」
どこからどう見ても、見慣れたあのシャア・アズナブルであった
「大佐?元に戻ったの、大佐?」
「ははっ、安心しろクェス。君のような可愛い娘を残して、私がおかしくなるものか」
クェスの言葉に対してそう応えるシャアを見て
「あー、戻ったね」
「ああ、ありゃ大佐だな」
いつものような対応を見せるシャアに、安心していいのかどうか複雑な心境のハサウェイとギュネイ
「さようならクワトロ大尉・・・貴方のことは忘れない」
そして、平和な日々の終わりを嘆くアムロがあった

作戦を終えて戻ってきたダブルマジンガーに、ギリアムが慌てて駆けよる
「鉄也君、アクセルは・・・どうした?」
「行方までは見届けられなかった・・・戻ってきたグレートブースターに、ヤツの姿は無いから、おそらく」
なんやかんや言っても、タイミングを見てオーバーデビルに飛び移ったようだった
実際その通りで、オーバーデビルに飛び乗ったアクセルは、凍りつきそうな寒さをどうにか耐えながら、そのコアに向かって歩みを進めていた
「おい、W17!聞こえていたら返事をしろ」
そう広くないはずのこのオーバーデビルの胎内、アクセルの声が聞こえても良さそうなものだが、そうもできないほど取り込まれた者は凍りつくのだろうか
「わざわざ隊長様が来てやったんだぞ、どこにいるのかくらい教えろ!」
と、ぽうと小さな光が灯って、そこに氷の柱に両手両足を取られ、まるで氷の彫像になったようなラミアの姿が浮かび上がった
『お呼びですか、隊長』
ラミアはアクセルの呼びかけを、"隊の命令"と理解したので、こうして姿を現したらしかった。その声は抑揚はなく、シンと響き渡る
「貴様、そんなところで何をやっている」
『これは・・・私の任務です』
取り込まれる寸前に(悪の)シャアに言われた言葉に影響されているのか、自分はこうしてコアになっていなければならないと思い込んでいるようだ
「馬鹿を言うな。そんな仕事は貴様の任務に入っていない。さっさとそこから出てこい。寒いんだろう?」
そう呼びかけると、ぴくりとラミアの身体が動いたようにも見えた。が
「・・・その声、アクセル?貴方どこからそこに入ったのよ」
レモンがコア内部の様子に気づき、通信を入れてきた
「ついさっきな。ちょっと無茶な賭けに乗ってみた結果が、これだ」
「そう・・・で、悪いんだけどW17はそのままにしておいてくれない?不本意だけど、今はその子がそこに居ないと、オーバーデビルが動かないのよ」
レモンもラミアがこうしているのを認めたわけではなかった。しかし本人の言うとおり、作戦遂行のためにはラミアをどうにかするわけには行かないのである
「動かなくて良いんじゃないのか、って事だ。コイツがな」
「・・・アクセル、貴方?」
訝しむレモンを余所に、アクセルは再びラミアに向き合った
「俺は戦わない連中が嫌いだった。なんの進展もない、ただ時間だけが過ぎている怠惰な中で、何の目的も持たずに日々を過ごしている。だから俺はヴィンデルの案に乗った。常に誰しもが闘い続ける闘争の世界、それを望んだ」
『はい、そのために私も造られました』
「そうだ。だが見てみろ。ツヴァイが現れ、オーバーデビルがちょっと声を上げただけでこれだ。闘争を知らぬ者に闘争を与えた結果は、恐怖と焦燥、怨念と遺恨を大量にばらまいただけだ。それ以上でもそれ以下でもない」
アクセルは、ギリアムと横町を駆け抜けた時に見た風景を思い出し、その姿に正直ぞっとしたことの意味をかみしめていた
「人というのは本来、暖かみを持って生きているものだ。だが、闘争がそれをいとも簡単に消してしまう・・・俺は、時間が動いて欲しかった。ただそれだけだったのに」
『隊長。私には隊長が仰っていることがよく分かりません。私はバイオロイドです。人間の温かみというものは教えられていません』
型どおりにそう応えるラミア。本来の彼女なら、それはそうだっただろう
「知らないはずが無かろう。思い出せ。お前はあの時、"寒い"と叫んだ」
それは身体が凍る寒さだけでなく、ほんの少しでも横町で過ごしてDC団の連中と交わした交流で得た、"心"というデータが凍る恐怖だった、とアクセルは認識していた
「お前はその"寒さ"を認識している。それはお前は僅かにでも、人として生きることを望んだことを意味していると、俺は思う。それがお前の意識しているかどうかにかかわらず、だ」
さらにぴくりとラミアの身体が動く。それに合わせ、心なしか周囲の氷の柱にひびが走ったようにも見えた
「誰が何を吹き込んだか知らんが、意固地にならずそこから出てこい。この世界もまんざら悪くない。馬鹿みたいな法則はあるが、なかなかどうして捨てがたい魅力があるぞ
悪そうに笑うアクセルだが、それは本音だった。
「隊長・・・隊長は、この世界を愛してしまっちゃったりしたんでございますね」
「フ・・・そうかもしれん。俺もよくよく、甘い男だ」
ぱらぱらと舞い落ちる氷の破片の中で、アクセルは自嘲気味な笑いを浮かべていた
「ですが、この私めがここから離れ、ラミア・ラヴレスとして生きるには、あと少し隊長のお力が必要なのでございますです。ささ、この凍れる娘をお助け下さるべく、熱い接吻を
「もう戻ってんじゃねぇか!ふざけてないでそこを退け、でぇぇぇいやっ!!
どこでそんなことを覚えたのか、ドサクサに紛れてアクセルの唇を奪おうとしたラミアであったが、その目論見は露と消え
ひどいでございますですーーーーーーーーーーーーーー・・・(きらーん)」
ラミアは星になった
「おいギリアム、コアは破壊した。後は任せるぞ」
オーバーデビルが完全に動きを止めたのを確認し、アクセルはその場から飛び退く
「アクセル・・・貴方、私たちを裏切るつもり?」
レモンは信じられない、と言った口調でそう言った
「結果的にはそうなったがな・・・ま、"後で"な」
アクセルがオーバーデビルから飛び出したのと同時に、その場に現れた新たな機体があった
「よーし、やっと僕の出番!」
それこそ本来、オーバーデビルと対峙するべき者、キングゲイナーに乗ったゲイナーであった
「手伝うよ、ゲイナー!」
「ひっさしぶりに"三匹が斬る"と行くか!」
ゲイナーを援護すべく、ニルヴァーシュに乗ったレントン&エウレカ、そして既にチャージ済みのガンダムDXも現れる
「行くぞ、オーバーヒート!!」
「カットバック・ドロップターンだ!」
「サテライトキャノン、発射ぁぁぁッ!!」

3つの力が一つとなって、もはや抵抗もできないオーバーデビルを焼き尽くし、切り裂いていく
「もう一度滅びるんだ、オーバーデビル!」
ゲイナーの格好いい〆台詞と共に、オーバーデビルは大地に砕け散っていく

「残るは貴様らだけだ。ヴィンデル・マウザー・・・そして、レモン・ブロウニング」
手持ちの札を全て折られた形になった二人だが、しかし二人自身がかなりの実力者のため、激しく動揺するというような素振りはない・・・もちろん、全くもって計算外になったことだけは、間違いないわけだが
「わからん・・・何故闘争を否定する?このような世界を護ることに意義が・・・」
だがその言葉を、ウィングゼロのバスターライフルの閃光が遮った
「意義など無い。これは仕事だ。この世界そのものからの"依頼"を請け負ったに過ぎない。貴様達を倒せと」
「そ。あんたらがいると、おちおち遊んでられないってお人が、た~ぁくさん居るのさ」
同意するように、デュオの声がした。ボウっと空間が揺らめいたかと思うと、光学迷彩を解除したデスサイズヘルがその姿を現した
「あらそ。それは失礼したわね。でも、それだけのために、たった5機で私たちに勝てるとでも?」
確かに、ツヴァイサーゲインもヴァイスセイバーも、一騎当千と言っていい力を持っている。2対5であっても、彼らに充分勝てる自信はあるのだろう
「フン・・・いろいろ鼻に引っかかる話し方をするわりに、周囲の状況が見えていないようだな、女!」
「・・・?」
五飛に謂われ、視線を少し高くしたレモンは、ガラにもなく固唾を呑んだ

そこには、無数の機動兵器が雁首を揃えていた
「ヒイロ!援護に来たよ」
「俺達の力、存分に使ってくれ」
ミーティア装備で、既にやる気満々のキラとアスラン
そして、先ほどから目の前にいたνガンダムは言うに及ばず、サザビーやΖガンダム
バルキリーの集団に、トランスフォーメーション済みのマクロス
オーバーデビルの呪縛がやっと収まり、仕返しとばかりにジェアン・シュヴァリアーに乗ったジョッシュ、そしてファービュラリスに乗ったラキ達
その他、ヴァルシオーネRやらエヴァやら(今度は本物の)ライジンオーやら、どこから来たのかゼオライマーやらビッグ・オーやら・・・
その数、ゆうに数百
それらがフルパワー満タン状態で、ツヴァイサーゲインとヴァイスセイバーを取り囲んでいたのだった
「ほい、"遊びを妨害されてキレた"ご一行、ご案内終了っと」
先ほどカトルとデュオが戦線離脱をしたのは、彼らをこの地に導くためであった

「な・・・何なのだ!?何が、どうなっているのだ!」
さしものヴィンデルも、何故にこう言う状況になっているのか、さっぱりわからずに動揺を隠せない
「この世界は、我々が『憂さ晴らし』をしていた世界なのだよ、ヴィンデル・マウザーくん」
上空のトールギスⅢから、トレーズのエレガントな言葉が漏れる
「それと知らずに、ここに狙いを定めたのが運の尽きだったな、シャドウミラー」
その横には、エピオンがリリーナを掌に乗せつつ滞空していた
「私たちは、自分自身がこの世界の外側で、血なまぐさい争いをしていることぐらい、よく分かっているのです」
リリーナは言う。それでも暖かみのある人間として生きたいという、その切なる想いの集まった世界が、この「スパロボ横町」なのだと
「というわけだ・・・このひとときの息抜きを邪魔する貴様らを・・・殺す
ヒイロのこの一言に合わせ、集まった機動兵器の全ての銃口が火を噴いた
「・・・ヴィンデル様・・・?」
「諦めろレモン・・・こればかりは・・・負けだ」
ガカッ!!
フルボッコという言葉を越えた、超凶悪集中攻撃の前には、さしもの二機も無抵抗に撃墜されるほか無かった
やがてその攻撃の閃光が収まった頃、ライディーンとラーゼフォンの唄が、静かに横町に響き渡ったのだった
そこは、限りなく近く遙かに遠い世界
華のバンプレ国
ここはスパロボ横町


飛脚問屋・馬倶亜拿久屋には、相変わらず多くの客が訪れていた
「よぉ正樹、瓦版、買っていかねーか?」
暖簾をくぐって現れたのは、瓦版屋のデュオであった
「あん?『謎の盗賊、鏡影団現る!』・・・何だぁこりゃ?」
無理矢理渡されたそれを見て、正樹はその煽り文句に眉をひそめる
「面白かったんだぜ、"昨日"の大捕物さ。アムロの旦那がそりゃもう頑張って・・・」
「ちょいとデュオ、仕事の邪魔をしないでおくれよ。正樹、さっさと行かないと日が暮れちまうよ」
番頭台からカトリーヌが怖い顔でこちらを睨んでいる
「カトリーヌお嬢さんご登場か。んじゃ、俺は退散ね。おー、怖い怖い」
「デュオ、ちょいとお待ち!」
二人の口論を横目に、正樹はそそくさと店を出て行く
「そこの可愛い少女、私と一緒に来る気は・・・」
「シャア!また性懲りもなく!!」
街角で口論しているアムロとシャア
「レントンと一緒なら、どこでも幸せ」
「エウレカ・・・」
「ティファ、饅頭食うか?」
「ガロード、ありがとう」
「サラさ~ん!」
「ちょっと、くっつかないでよ!」
愛を語り合う(一部ツンデレ有り)恋人達の姿
それはいつもの横町の姿であった

一方で
「どうして急に?・・・Gジェネ横町へ留学、だなんて」
スパロボ横町の外れでは、別れを惜しむハサウェイとクェス、そしてギュネイの姿
「うん・・・なんかね、自分の人生は、何かこの町にはないような気がしたんだ」
「だからってお前、そんな遠い所に行かなくたって」
「そうよ・・・Gジェネ横町なんかじゃ、そう気安く逢いに行き来できないよ」
納得しかねているクェスの髪を、ハサウェイはそっと撫でる
「大丈夫だよ、クェスにはギュネイが居るじゃないか」
「ハサ、お前・・・」
「仲良くやってね、二人とも・・・」
そう言って爽やかに町を後にするハサウェイ

すでに"調律"によって設定が変更され、それによって横町の新しい舞台が始まったのだが、それは既に彼らには関係のないこと
またどこかで、誰かがその歪みを背負い悲しみに暮れ、そして祭貢神社の賽銭箱に代償を投げ込むだろう
それは今日かも知れないし、もっと先かも知れない
その時は必ず、仕事人達が動き出す
横町の心の平和を守るために

そうしてまた繰り返される"エンドレスワルツ"を、多数の俳優が演じる舞台
それが・・・スパロボ横町である

~END~
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テーマ : スーパーロボット大戦 - ジャンル : ゲーム

2009/07/25 01:28 | SS【スパロボ系】-スパロボ仕事人COMMENT(2)TRACKBACK(1)  TOP

コメント

どうも、たまに外伝をかかせてもらったあくとです。
改めて最初から最後まで読んでいましたけどとても面白かったです。
なるほどこういうオチをつけますか。
それで、横丁はまた時がいつもの生活を取り戻すというわけですね。
そうか、だから時代劇は似たようなシリーズがいっぱいあ(殴
失礼しました。
それで、今回完結祝いでニコニコ動画で見つけた逆シャアのMADを張っておきます。
知っていたり、お気に召さなかったらごめんなさい・・・
http://www.nicovideo.jp/watch/sm7328842

No:1427 2009/07/25 09:34 | あくと #6Z79jEeU URL [ 編集 ]

ヤンデレ・・・

あくとさんの外伝がまた欲しい管理人です

> それで、横丁はまた時がいつもの生活を取り戻すというわけですね。
> そうか、だから時代劇は似たようなシリーズがいっぱいあ(殴
・・・ゆーてはならんことをw

> それで、今回完結祝いでニコニコ動画で見つけた逆シャアのMADを張っておきます。
ヤンデレは、ヤンデレは良くないw

No:1428 2009/07/26 00:05 | あるす #- URL [ 編集 ]

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2009/07/25 |  |

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