嘘も方便・SF兵器

奇想天外SF兵器 奇想天外SF兵器
加藤 直之、渓 由葵夫 他 (2000/01)
新紀元社
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コアなファンが多いという、奇想天外兵器シリーズの一冊である
世の中に、「SFを現実的に考察しよう」という趣旨の本は数あれど、この本ほど面白いものはなかったと思う

というのも、大抵の考察本は「いかにそのSF兵器がおかしいか」を論じているのだが、これは違う
とりあえず不平不満は述べるのだが、最後は結局
「まぁでも、それもありか」
という方向に落ち着いていく
つまりこれは、『SF結構好きなんだよね』という人が、屈折した愛でSF兵器を語った愛すべき本であるといえる
なんで屈折した愛と思うかというと、作品のラインナップがコアすぎるからである
「スターウォーズ」「スタートレック」「宇宙戦艦ヤマト」あたりは王道としても、どんなに新しくても「機動警察パトレイバー」が限界で、あげく「スペースボール」なんて知ってる人しか知らないものまで挙げているのだから!


本の語り口は一貫していて
まずあるSF兵器を語るに当たって、それが現行のどのような兵器の延長上であるかを考察する(また、それに至る歴史的経緯も皮肉たっぷりに語る。もちろん、作品に関しても同様である)
次にその兵器にいかなる矛盾が存在しているか、これもまた辛口な考察を並べてくれるのだが、それがまたここちよくもある(ちょっとした口絵の存在も手伝って、くすりと笑えるのである)
で、「空想科○読本」みたいに『だからこんなんダメじゃん!』というオチに持って行くのではなく
「まぁでも、いんじゃね?」
とあっさり話題を閉じてしまうのが好感を持てるところなのである

「宇宙戦艦ヤマト」を語っている所などは面白くて、あの作品がものすごく「痛い」作品であることを暗に語りつつ、しかし愛がこもった養護を必死でして、実にこれだけで14ページも割いてしまっているのだ(笑
また、「ほー!」と感心したのは「銀が英雄伝説」のイゼルローン要塞の解説で、この前項が「スターウォーズ」のスターデストロイヤーであることが相乗して、(実に現実性がないのに)、イゼルローン要塞があたかも完璧な要塞であるように見える仕掛けが秀逸である
しかし、この本で自分が一番気に入っている記事はこれではなくて、(本題とはずれているのだが)
「ガンダムにおける人型汎用兵器の発達(はるか未来の人が、モビルスーツがなんであったかを語という趣旨で書かれた文書)」
「ガンダム、その歴史と思想(ファースト・ガンダムの歴史を冷静に見つめつつ、そこで運命を翻弄されたシャアとアムロについて語ったコラム)」
の2本。実に読み応えがあり、下手なガンダム解説本・考察本をさしおいてあまりあると感じる内容である
是非ご一読を薦める

ちなみに一面文字だらけなので、長文を読むのが苦手な方は頑張るか諦めるか、二つに一つな当りが辛いかな?

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テーマ : 日記 - ジャンル : アニメ・コミック

2006/11/04 21:07 | 雑記COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

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