【スパロボSS】真・スパロボの学園(12)~授業参観・l後編~

ガンダムを題材に、天文学の話をするイベントが、3月9日にあるそうですリンク
うわぁぁぁ、行きてぇぇぇ!!
金がかかるのはこの際仕方ない

だが問題は、その日に自分の予定が空いているか、と言うことだ
無理矢理開けちゃおうかな?(こら


さて、スパロボ学園続編です
半分に分けたのが意味ないほど、データ量が大きくなってしまいました

先日、自分のサイトが新しいケータイでどう映るか、試しに接続してみたのですが、絶望的に遅くてorzしました
そんなに画像が多いつもりはないんだけどなぁ・・・
これで見にくい方もいらっしゃるんでしょう。何とか軽くなるよう、実験を繰り返したいところです


校門のすぐ脇にある事務室に、デュオやトロワが雁首揃えてあるリストにチェックをしたり、蛍光ペンを引いたりと忙しそうであった
その二人の向こうでは、授業参観に訪れた部外者達の持ち物検査を、これでもかと言うほど厳しくやっている五飛の姿もある
「んー、今んとこ怪しい人は無し、爆発物も無し!」
彼らは毎回、授業参観の名目でやってくる来賓のチェックを、校長から一任されているのである
毎年何事かあるのが常だが、結構今回はヒマかもね、と気楽にしているデュオの横で、トロワが顔色一つ変えずにぼそっ呟く
「怪しい人物なら一人いただろう」
「あ~・・・あれね」
途端にデュオも、やるせないというかゲッソリというか、何かこう気力が失せた顔に変わる
「どう見てもティエリア・アーデだったよな」
その程度の情報なら、彼らもとっくに目を通していた
「ああ、本人に間違いない」
いくら女装しているからと言って、どストレートに生顔丸出しでやってきた相手に、思わず二人とも「おいこら」とツッコムのも忘れてしまった
「ヤツはバレてない気満々だったのが、俺達にとっても迂闊だったな」
冷徹を装うトロワすら、その時はカキーンと固まってしまっていた
「刹那と言い、CBは天然ばっかり集めてんのかね?まぁよくできた"胸"だったけどな。で、目的は刹那への通信か、それともあれ使って学園に色仕掛けか?」
「そこまで判っているなら何故通した?ヤツはCBのエージェントだろうが」
その時正気を保ったのは、この五飛ただ一人であった。ある意味いつもの堅っ苦しさが、上手いこと働いたとも言えよう。しかし、ハッと我に返ったトロワの吹き矢で、30分ほど眠らされてしまい、さっきやっと起きたところであった。不機嫌なのはそれもある
「CBには好きにさせておけ、というのが校長からの指示だ」
「チッ・・・俺は校長の考えが判らん。この学園が正義だというなら、悪は叩くべきだろう」
五飛は校長のやり方は生ぬるい、といつも感じているようである。だが、そんなこんなで昔サシ勝負を挑んだ時、あっさり返り討ちにあって以来、頭が上がらなかったりする
しかも、トレーズ先生に負けてからの二度目なので、かなりトラウマになっているというのは内緒であった
「その辺は校長も弁えてんだろ。力尽くじゃ何にも解決しないってな。それにさ、あそこまであからさまだったら、うちの連中だって気づいて、それなりに対処するだろ」
「・・・その件だがな、デュオ」
彼らの背後で、ティエリアを双眼鏡で監視していたヒイロが、ふっと口を開いた
「現在高等部教室で、ティエリア・アーデを巡った紛争が勃発中。参加はおよそ10名、目下優勢なのは色気に目のない兜甲児の模様」
デュオもトロワも、そしてさすがの五飛もずっこけていた
「あっさり色仕掛けに引っかかってんじゃねぇよ!」
「バカか、高等部の連中はバカなのか!?」
「ある意味では彼らも天然か・・・」
更に、ヒイロが「む?」と呟く
「ダイアナンAとビューナスAの発進を確認」
しばらくして、高等部の方からちゅどーんという景気のいい音がしてきた。言うまでもなく、美女(?)を巡って阿呆なことをしている男子連中に、スカーレットビームと光子力ビームが叩き込まれたわけで
「はぁ~あ、騒ぎがこれで済んだらいいんだけどなぁ」
もう高等部の考えるのは止そう、とデュオは別のことに話題を向けた
「だが、本日のニュータイプ予想では『晴れのち夕方より大嵐』だ」
一応解説しよう!
ニュータイプ予想とは、学園のニュータイプ研究部発表の、今日の天気ならぬ『今日の"嫌な感じがする"予報』で、ヤバいことが起きる率を想定し、学園内に流すシステムである

と、それに呼応するように、トロワが耳にかけたインカムの着信音が響く
「・・・カトルか、どうした?」
それは校内見回りに出ていたカトルからの、緊急コールであった
『今、医務室なんだけど、ついさっきティファさんが担ぎ込まれてきて・・・黒い影がどうだの
ティファー!しっかりしてくれぇッ!ティファがどうにかなったら、俺はぁぁぁぁ
あー、ちょっとガロード、静かにしてよ。トロワと会話でき
うおおおおー!俺はぁぁぁ、ティファと添い遂げ
ウチュウニ キミハ ヒツヨウナインダヨォォ!!
チョットカトル、ヤメ、ゴメンナ・・・ギャアアアア!!!

・・・ふー、ごめんねトロワ、煩くて。そういうわけで、ティファさんも何か感じてるみたいなんだよ』
「・・・そ・・・そう、か」
とりあえず、通信中のことはノイズとして、触れてはならないことであることは、その場の全員が了解していたので、敢えて突っ込まない
「ま・・・まぁ、彼女も感じたのなら、こりゃこの後に何かあるな」
というのも、先日グッドサンダーチームのところに、ブンドル達ドクーガの幹部が転がり込んできた、と言う事実もあった
彼らが言う話からすると、何か謎の勢力がうごめいている予感はする
「校長に、警戒レベルの引き上げを申請するか」


それから数時間後
さっきのロボット騒ぎをなかったことにし、とりあえずは授業参観を終えた刹那は、那由多もといティエリアを連れて、改めて学校内を見回していた
「全くどうかしている。いつもああなのか、この学校は」
ティエリアは、鈍い頭痛が頭を走るのを抑えきれず、吐き捨てるようにそういった
何でもないことからいきなりミサイルが飛び交ったり、意味不明の光線が入り交じって放たれ、教室が吹っ飛びかねないことが起きれば、誰でもそう思う
「メカが出て来ただけ分かり易いと思ってくれ」
刹那の言うとおりで、ロム兄さんや一矢が出てくると、生身でもいろいろ破壊しかねなかったりする
「これだけのことがありながら、ご近所様が不問にしているのも理解しかねる」
そうティエリアが言うのも判るのだが、どんだけ派手な爆発が起こっても、最長3時間程度で何となく元に戻ってしまうし、しかも周囲が無傷だから白昼夢レベルで収まっちゃってるのだ
「あー、刹那兄ちゃんだ~」
声のする方に向き直ると、そこには比瑪に連れられたクマゾー達が居り、刹那を認めると嬉しそうに駆けよってきた
「どうしたの刹那兄ちゃん、何か怒ってるも?」
子供は敏感である。刹那のカリカリした感情を如実に感じとり、心配したような不安そうな声をかけてくる。かつての、ティエリアがよく知っている刹那なら、そういった言葉も一蹴していただろう
「いや、クマゾーには関係ないんだ」
が、さすがにマリナのことがあったとしても、子供に気兼ねをさせるのは避けようという気持ちが働くらしかった
その様子を横目で眺めているティエリアは、言葉で表しづらい何かを感じているようだった
「そうなの?もしかして、『お姉さんとの禁断の恋』っていうのが、関係してるも?」
「は!?」
突拍子もない台詞が飛んできて、刹那もティエリアも開いた口が塞がらない
「ちょ、ちょっとクマゾー、どこでそんな言葉覚えてきたのよ!」
保護者の一人である比瑪が、顔を真っ赤にして飛んできて、クマゾーの口を塞ぐが後の祭り
「さっきウッソ兄ちゃんがそんなこと言ってたも?」
ウッソがネタをでっち上げ、『高等部期待の星、刹那・F・セイエイに謎の姉登場!義姉との関係は!?』・・・と言う記事を思いついていたらしいことは、後になって判ることであった
「ほほほほ、人気者は辛いわねぇ、刹那★(ピキピキ)」
ティエリアは知らんぷりして笑っているが、その実滅茶苦茶キレていた
もちろん刹那も、顔真っ二つに引き裂かれそうなほど引きつっていた
(ウッソ・エヴィン、その歪み、排除する!)
翌日中等部の壁で、ミンチよりも酷くされたウッソが、磔状態で見つかったという
「ご、ご免なさいお二人とも、クマゾーが変な事言って!」
その後とことはともかく、比瑪がそう慌ててぺこりと頭を下げた時だった
刹那はその身体に、妙な重力がかかるのを感じた
「・・・!比瑪、クマゾー、伏せろ!!」
刹那は咄嗟に二人を抱き留め、地面に伏せさせる
そして次の瞬間、学校の周囲数ヶ所で突然爆発が起きた
「えっ、なに?」
「なんだもー!?」
驚いて叫ぶ二人の真上を、いくつかの破片が飛び交っていく。後数秒遅れていたら、二人に直撃して重傷は免れなかっただろう
二人を庇う形になった刹那は、背中に数ヶ所かすり傷を負った者の、どうにか無事ではあった。くそ、と自嘲気味に呟いた彼が、爆風とは反対側の方に向き直ると、砂煙が立ちこめる校門の向こうに、無数の機影が佇んでいるのが見えた
「・・・あれは!?」
刹那はその中の一機に、自分に見慣れたシルエットの物が混じっているのを認め、眉をひそめた
そしてティエリアも同じことに気づいていた
「あれは・・・AEUのMS、か」
ティエリアは眉間に皺を寄せ、その状況を見ていたが、そんな顔をするのはAEUの機体があるからではなく、事態がティエリアやスメラギの予想よりも、ましてヴェーダよりも早く動いていたことであった
「ほぉー、兄さん達、面白い技術持ってるじゃない」
赤髪の男が、自分用に調達された赤いイナクトの中で、ヒュゥと口笛を吹いた
例の集団と合流した後、彼らのアジトらしき場所の一角で待機させられたと思ったら、一瞬でターゲットポイントまで飛ばされたのだから、さしもの彼でも賞賛の言葉を漏らすのは違いない
「こんだけ便利なものなら、学校ん中に飛び込んじまった方が良かったんじゃねぇの?」
「・・・よほど戦争が好きなようだな、アリー・アル・サーシェス」
通信の向こうからは、呆れたようなそんな返事が返ってくる
「おうよ、最高の褒め言葉だねぇ」
サーシェスは心底嬉しそうに、そう言葉を返した
「ふん・・・残念だが、今回の作戦は"脅し"が主旨だ。派手にやり過ぎて、こちらの手札を減らすのは得にならん」
まったく、というように返事をしたその男のマシンの中、通信モニタに緑の髪の女性が映り込む
『ですが隊長、あの男の言うことも尤もです。何故こんな中途半端な攻撃を?』
「俺達はこの世界に来て日が浅いんだ。あれもこれもと、ガチ勝負のできる余裕はない。消耗するなら、あの連中達にそうしてもらうさ」
その会話はサーシェスに直接聞こえていなかったが、何か不穏な様子がうかがえることだけは長年の感で察していた。あの男がお目付として自分を付けた理由が、改めてよく判る
(こいつら、どこでこんな技術開発してやがったんだ?それに、この大量の・・・ゲシュペンスト、だったか?見たことねぇぞ、こんなMS・・・)
彼らが自前で調達したという、やや派手気味の装甲を被ったその機動兵器を、サーシェスはとんと見たことがない。ちらっとコクピットを盗み見したが、操縦系統はMSと似通っていたようには見えたが、だがやはり何か違う気もする
それでいて、雇い主から渡された数々の機体を、いともあっさり使いこなす器用さも併せ持っている
(だいたいこの幹部二人の機体、外見だけじゃぁ基本フレームが何なのかすら判りゃしねぇ。装甲も冗談の塊だしな・・・)
それはおおよそMSとはかけ離れた、最近サーシェスも嫌が応に見かけるようになった、スーパーロボットという奴によく似ていた。しかもその内片方は、あからさまに女性のシルエットがある上、ご丁寧に羽が生えていた
「・・・ま、いっか。俺はドンパチ出来りゃあ、文句ねぇしよ」
さて次を打ち込むか、とサーシェスが銃を構えたその先
校門を覆う砂煙の向こうから、獅子のシルエットをしたマシンの咆吼が木霊した
「てぇめぇらぁぁぁ!小さい頃に習わなかったか、人様のお家にお邪魔する時は、丁寧にドアを叩いてご挨拶、ってなぁ!!」
それは校門を壊され、またもや修理の仕事が増え、怒り心頭なランドのガンレオンであった
(また冗談みたいなのが出て来やがった・・・その癖、やりやがる)
サーシェス達は確かに、校舎全体に弾が撃ち込まれるよう、それはもう盛大に弾をぶっ放したはずであった。が、それらの大半は校舎に届くことなく、学校前の道路などにはじき返されていたのだ
「んなこと承知の上よ、だからこうして盛大ドアを叩いてやったろうがぁ!」
盛り上がってきたぜと言わんばかりに、サーシェスはそう言い返しつつ、手元のミサイルランチャー発射スイッチを入れる
「ご挨拶でドアまで吹き飛ばすヤツがどこに居やがる、屁理屈こねてんじゃねーよ!!」
それらばらまかれた弾を弾き返しつつ、ガンレオンがイナクトに突進しようとした時
「待ちたまえ、ランド君!」
背後からドスの利いた男性の声がした
「げ!が、学園長?」
そう、それはヴァルシオーネの掌の上で、和服姿で仁王立ちしているビアンであった
「ワシがスパロボ学園長、ビアン・ゾルダークであるッ!!」
クワッと眼を見開いたビアンの叫びが、その場に響き渡った。それはなんと、学園に飛び込まんとしていた弾を失速させ、続けて銃撃しようとしていたゲシュペンストらをビビらせ、さすがのサーシェス達も思わず立ちすくませてしまう威力を発揮した
「ホシノ君、学園の被害は?」
場が静まりかえったのを確認し、ビアンは初等部の職員室(=管制室)に通信を入れた
『ハイ、初弾の1/3はランドさんが弾き返して、もう後残りの2/3は、オモイカネのオートで発動したディストーションフィールドで弾き返しちゃいました。でも、ちょっと衝撃波が校庭まで通っちゃいましたね』
「そうか・・・」
ふぅ、とため息をつくと、ビアンは再び目の前に展開する大部隊に目をやった
「いきなり群れを成して押し寄せ、その上余所様の領域に鉛玉を叩き込むのであれば、それ相応の覚悟があってのことであろうな?」
はぁ?とサーシェスが呆れたような顔をする
「なに時代がかったこと抜かしてんだ、テメェ?実際にこうして得物を向けられといて、覚悟だ何だの、ずいぶん余裕じゃねぇか、ええ!?」
調子を狂わされたせいか、サーシェスはずいぶんイライラしているようである
「その台詞、覚悟を負うと理解しよう。ならばまずは名を名乗れぃ!」
「ああ!?あのなぁ、オッサン・・・」
もうこうなったらぶちかましてしまおうか、と言うサーシェスを制したのは、幹部機体の内一体であった
「質問を質問で返すが、そう言う貴様は、自分が襲われる理由に心当たりがないと」
「はて・・・世界の隅で、細々と学園を経営している身に、これほどの事態が想像できるかな?」
あっさりとそう返すビアンに、その機体に乗っていた赤い髪の男は、何とも言えない皮肉めいた笑いを返すしかなかった
「もし貴様がそれを本気で言っているなら、よほどの大物か、それともただの大馬鹿か、どちらかだろうな」
ビアンもまた、意味ありげな笑いを浮かべ、その台詞を受け流した
俺達はシャドウミラー・・・とりあえず、覚えておいてもらうのは悪くはない」
言うが否や、その機体から光の渦が放たれた
間一髪それを空中に跳んで避けた、リューネのヴァルシオーネ
「親父!」
「やれやれ、大勢の来賓の手前、派手なことはしたくないのだが、こうなっては致し方ないか」
掌の中で受け身の体勢を取りながら、さて参ったものだと頭を抱えていたビアンだが、すっと立ち上がると、決意したように叫んだ
「スパロボ学園全校舎、発進ッ!」

ビアンの緊急コールに呼応し、全校舎にエマージェンシーアラームが鳴り響く
『警告、警告、各生徒は速やかに、所定の教室へ移動せよ。非戦闘員は幼稚園校舎へ急げ。繰り返す、各生徒は速やかに・・・』
「怖いよ比瑪姉ちゃん・・・勇兄ちゃん達、護ってくれるも?」
警報に怯えるクマゾーが、泣きそうな目で比瑪と刹那を見上げている
「刹那、姉さんも怖いわ!か弱いアタシ達を護って★」
それに合わせ、無茶苦茶おろおろした素振りをしてみせるティエリア
(コイツ、後で絶対殺す!)
余りにもわざとらしくこちらを煽るティエリアに、刹那は軽く殺意を抱いた
だが逆に言えば、これは『ガンダムで出ても良い』と言っているようなものではある
「高等部に戻るぞ、宇?控榿聳??鵐瀬爐鮟个后?
「わかったよ。アタシもブレンを呼ぶから・・・クマゾー、このお姉さんと一緒にフリーデンまで走るんだよ。そこまで行けば、ジャミル先生達が居るから、ね」
「わかったも・・・比瑪姉ちゃん刹那兄ちゃん、怪我しないでね」
クマゾーの言葉に頷いた二人は、急いで煙を上げている高等部校舎に走り出す

その頃、中等部職員室、もとい管制室では、慌ただしい声が飛び交っていた
「各ブロック出撃準備急げ!」
「音楽室、グランドピアノ固定完了!」
「理科室、アルコールランプ及び化学薬品、戸棚共にロックOKです」
「調理室、ガスの元栓閉め忘れ点検急げ!」
「図書室の書棚、シャッター完了まであと3秒です!」
各種、学校の備品を護る準備は万全だ!
「よおし、中等部校舎変形開始!変形完了後、本校舎はアーガマとして扱う!!」
「了解!」
そして同じような点検が、高等部でも大学部でも完了し、それぞれがゴゴゴゴゴ・・・と大きな音を立てて、その姿を学舎から戦艦へと変化させていく
「・・・これが、この学園の真の姿、と言うのか・・・」
校庭の隅の幼稚園、もといフリーデンに身を寄せていたティエリアは、目の前で展開される一大イベントに、ただただ言葉を失うしかなかった
そうして今まで校舎がいくつか建っていたはずの場所に、巨大な戦艦がいくつも現れた
しかもそのカタパルトからは、彼らを襲わんとしていた一団よりも更に雑多な、大きさも武装も異なるマシンが、それはもう無限にと言うほどゾロゾロ出撃してくる
「おいおいおいおい、冗談は止してくれ・・・」
サーシェスも、赤髪の男も、緑の髪の女性も、その光景にはもう開いた口がふさがらない
「ディバイディングドライバー!!」
凱の気合い満々の叫びと共に、彼らの間にあった空間が突然ぐにゃっと曲がり、そして膨張してなにもない空間を生み出す
「校門を中心とした直径30km四方、空間湾曲完了」
「ご近所の商店街の皆様、避難完了しました」
突如広がった無限の荒野には、並み居るロボット達の砲撃に引っかかる物は、もうなかった。ついでに、これであれが壊れたとかコイツはどうしたとか、そう言う描写もしなくて済む。実に作家万歳な道具である
(これが、ご近所様に何も言われない所以か・・・何という技術だ)
遠くから眺めていたティエリアは、予想の斜め上を行く展開に、CBがこれからどうすべきなのかというのを、改めて考え直す必要がある、と自答していた

「遅くなりましたぁ~!よーしルリちゃん、高等部も変形しちゃいましょう!」
慌てて艦橋に走り込んできたユリカが、ファイト一発!とばかりに指揮を執るが
「待って下さい、茶道室の茶釜に火がかかりっぱなしです
エラい冷静に、未点検箇所をチェックして報告してくるルリ
「ええ~っ?ちょっと、誰ですかこんなときに、火の不始末!ぷんぷん!」
「・・・さっきまで茶道室にいたの、艦長です」
それが証拠に、ユリカの手元には、煎れ立てほっかほかのお茶が
「片付けて来まぁ~す・・・」
肩身狭そうに、コソコソと艦橋を退出するユリカであった
「と、いうわけで、ナデシコの発進遅れます。マクロス、アーガマ、ゴウザウラー、お先にやっちゃってください」
ルリからの気の抜けた報告に、各艦の艦橋は一瞬固まってしまったが、全員気を取り直して、その砲門を謎の一団に向ける
「メガ粒子砲、一斉発射!」
「バルキリー隊、各武装斉射!」
「ゴッドサンダークラッシュ!」
「ガンバーファイナルアタック!」
「ザウラーマグマフィニッシュ!」

・・・その他、光子力ビームやゲッタービームはもう基本として、オーラ斬りやらパワーランチャーやら、超電磁竜巻Vの字斬りとかロイヤルキングスカッシャーとか、サドンインパクトとかエヴァの暴走とか(ぇ
もうありとあらゆる必殺技が一斉に放たれ、謎の一団に容赦なく叩き込まれたのである
「あ、圧倒的だ・・・!」
ナデシコがようやく変形し、遅れて出撃した刹那は、その光景に自分の出番がないことを悟らざるを得なかった

「・・・撤退するぞ、W17」
赤髪の男は、どうにかこうにか全ての攻撃を避けながら、パネルの向こうの部下にそう告げた
『よろしいので?』
「説明するまでもない、分が悪すぎる。やり方を変えるぞ」
周囲に展開しているゲシュペンストはもとより、ダミーとして連れてきた他の機体も、どんどん爆発してその姿を消しているような状況である
聞いていなかった(と言うより全く前情報がなかった)とは言え、正面切ってやり合うような相手ではないのは、火を見るより明らかであった
『了解』
W17と呼ばれた女性は、ただそうとだけ返すと、自機を180度回頭させた
だが一人、サーシェスは思うところがあるようで、機体をその弾幕の中に突っ込ませていた
「おい、アリー・アル・サーシェス、引き上げるぞ」
「アンタは先に帰ってな。俺は、ちょいと楽しそうな獲物を見つけちまったもんでな」
言うが否や、サーシェスが向かったのはもちろん、先ほどの光景を呆然と眺めていた、刹那のエクシアだった
ビーッビーッビーッ
エクシアのコクピットの中に、敵機接近のアラートが響き渡る
「なに?」
ぼっとしていたせいで、それまでイナクトがどうなったかまで気が回っていなかった刹那は、不意を突かれた形になってしまい、サーベルを避け損なってしまった
「いよ~ぉ、最近テメェだけ面ァ見せねぇと思ったら、こーんなところで高尚にもお勉強かぁ?イイご身分だな!」
刹那がこうして独自行動を取っている時であっても、他のマイスター達は絶好調にあちこちで武装介入である。そしてこれが原因で、CBは世界中から追い立てられてる
とはいえサーシェスの目論見は、ここでガンダムを仕留めれば、高く売れるか?と言うようなものではあったが
「くうっ・・・こいつ!?」
何度かサーベルを交わし、鍔迫り合いを交えながら、一進一退の攻防を繰り広げる二機
とは言え、状況は刹那にやや不利であった。相手と彼の間には、戦闘技量という点に置いて、僅かではあるが差があった。それが、エクシアの装甲を削り、GN粒子を消耗させていく
この緊迫する状況の中で、刹那はあることに気づいていた
(この戦い方、この動き・・・俺は、知っている)
それを刹那は確かめたかった
しかし、今この場で迂闊な動きをすれば、背後にあるフリーデンに被害が及ぶ可能性がある。そこに居るのがティエリアだけなら大いに結構なのだが、アナ姫やクマゾー達を巻き添えになどしたくない
どうする、と刹那が自問したその時、彼方から放たれたビームが、二機の間に介入してきた
ややサーシェスよりに放たれていたそれは、イナクトの脚を焼き、そしてそのままの勢いで機体を彼方に吹き飛ばしてしまった
「んだぁ~!!??」
まるでギャグマンガのように、ぽ~んと放物上に跳んでいったそれは、地平線の向こうで髑髏の煙を上げて果てた
「砲撃?まさか、ロックオンか!?」
振り返った彼が見たのは、いつぞや目にしたことのある、翼の生えたガンダムであった
「ヒイロ・ユイ?」
振り返る刹那の背後で、ディバイディングドライバーでできた空間が、大きな音を立てて"閉じて"行く。スパロボ学園の総攻撃で、穴だらけの焼け野原になっていたそれが、元の商店街に戻っていく様子は、コント番組で舞台道具か片されているのとよく似ていて、それはもうご都合主義の最たると言うに相応しかった
「狙われていたようだな」
ヒイロはただそうとだけ言うと、ウイングゼロの機体でエクシアのボディを支え、アーガマに向かって歩き始めた
「何の真似だ?俺は・・・」
「そんな満身創痍の状態でこの先どうする?修理する必要があるだろう」
「それはそうだが、この機体は」
ガンダムの太陽炉を初めとした、装甲や駆動系については機密が多く、しかも独自設計であるため、プトレマイオス意外でのメンテナンスは難しい
「気にするな。何とでもなる・・・ここは、そういうところだ」

そんな二機の後ろ姿を、厳しい目でティエリアが見上げていた
自分たち以外のガンダムを、しかもそれが大量に行き来している姿を、初めてこの目で確認したことが、彼にとってはショックであった
そして今回の、不明勢力によるテロ行為の、予想を超えた迅速さ
「判らない。これを私は、どう理解したらよいのだ?」
拭いきれない、モヤモヤとした煙のような物が、ティエリアの心中に渦巻いている。彼は憚らずに唇を噛んでいた
「刹那君の姉上でらっしゃるか?」
ハッとティエリアが気づくと、横にいつの間にかビアンが苦笑いしながら立っていた
「いやはや、今回は大変なことで、ご迷惑をおかけしましたな。ですが、お怪我がないようで何より。そのお美しい顔に、傷でも付きいていましたら、このビアン腹をかっ捌くところでしたぞ」
「ご心配痛み入りますぅ。でも、こんなの毎度ですの?余り物騒でしたら、刹那をお預けするのが気がかりで気がかりでぇ★」
すっとぼけて"何も知らない振り"を通すティエリア
「我が校はあくまで教育の場ですからな」
心当たりなどあろうはずがない、とでも言うように、ビアンはティエリアの台詞を軽く受け流して見せた
「そうですの・・・では、私は失礼しますわ、刹那をどうぞよろ」
腹の探り合いにも限界があると考えたティエリアが、足早にその場を去ろうとすると
「那由多さん、ご無事で!?」
「おお、無傷だ無傷、よかった!」
「片付けも終わったんで、どうですかこれから、俺と一緒に」
「何を言う、それなら俺が」

目の前にはいつの間にか、マシンを片付けて那由多(ティエリア)の元に馳せ参じた、高等部メンバーがゾロリと揃っていた
「あらぁ、皆さんご心配ありがとうございますぅ。でも、もう帰らないと夜に・・・★」
何とかそれを躱そうと、愛想笑いを浮かべるティエリアであったが
「那由多さん、俺がこの学園の魅力を」
「邪魔をするな!男として女性を丁寧に扱えるのはこの俺だ!」

相手は一向に聞いてない。さらに
「なにッ!?ならば勝負だ!」
「望むところだぁっ!」

片付けたはずのマシンが、彼らの咆吼に合わせて、再び校庭に降りたった。こうして那由多争奪戦は最高潮に達したのである
「え、あ、ちょっと・・・★」
反応に困っているティエリアの後ろから
「ちょっとアンタ達、まだやってんの!?」
「アタシという者がありながら!!」

「なんとーっ!?」
ちゅどーん!

その日、学園は過去最大の破壊活動に見舞われた
それはもちろん謎の一団の報復でも何でもなく、男の煩悩と女性の嫉妬が入り交じった、実にリビドー溢れる行為からであった・・・
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テーマ : スーパーロボット大戦 - ジャンル : ゲーム

2010/02/27 14:58 | 刹那 参戦編COMMENT(2)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

来ましたか……

黒幕はシャドーミラーですかせうですか?
やっぱり設定が使いやすいということですか………
あと、隣近所を巻き込まないというのは、ロボット物の当然ですし、隣近所を巻き込んだ不幸はザンボットがありますしね。
ところで、刹那はサージェスに気付かなかったのはなぜですか?

No:1761 2010/02/28 06:43 | 壱華 #- URL [ 編集 ]

黒幕じゃなかったりして

> 黒幕はシャドーミラーですかせうですか?
いきなりアホセルと、壊れラミアを出したくなかったのでこうしたのですが、黒幕さんじゃないです、ハイ

> ところで、刹那はサージェスに気付かなかったのはなぜですか?
気づいてたけど、確信が取れなかった、と言うことですね、状況的に
これは次回へ引っ張るネタでござんす

No:1762 2010/02/28 23:58 | あるす #- URL [ 編集 ]

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