【投稿スパロボSS】真・スパロボの学園(15+α)~平行世界より~

え~・・・

今日はいろいろとありまして、漆黒の翼さんとリアルでお逢いしてきたのですが・・・
見事なまでに『ガンガンNext』で、ヌル+ヘタレプレイヤーっぷりを曝してしまいました
下手の横好きですから・・・うん・・・まぁ、話にならないだろう事は分かってたけどさ・・・
取り合えずこれから、潔く吊ってきます(マテ


そんな漆黒の翼さんより、スパロボ学園15話の『エンディング』SSを頂戴しました

まずはご紹介と注意点を記載させていただきましょう
当初の予告通り15話の後日談的な話で、刹那に天誅を下すお話です(天誅?
サブタイトルは、Record of 『Last Emperor』。Last Emperorの元ネタは3104式のCyberRainforceさんの同名楽曲からで、個人的な意訳は『最後の勝利者』です(CyberRainforceさんの意図している訳と異なっていると思われます)。


最初に注意。
この話は、当方のHP(http://schwarzsaver.rejec.net/)で掲載している2次創作SSの設定を平行世界の可能性として取り上げています。
「オリ機体出てくるな!」とか「ウイング(ゼロやゼロカスタム含む)に、ましてやGW系MSにすら乗ってないヒイロはヒイロじゃない」とか、「刹那をフルボッコにするな」とかの嫌悪感を持たれた方は、今のうちに回れ右をお願いします。
本SS を読んだ後の苦情は一切受け付けません(感想としての批判なら別に結構ですが……)。

※うp主より:5/17ちょっと修正しました


あの花見の日に起きた騒ぎから数日が経った。
俺はてっきりウイングゼロを破壊した事についてビアン校長から説教を受けるものかと思っていたが、そんな話など一切上がらないまま今日を迎えていた。

しかし………。

「あいつ、今日も来てないみたいだな……」
「校長の所に行って、逆襲の算段でもつけてるとか?」
「はは、まさか~」

デュオらの話を聞く限り+俺が見た限りで、おそらくウイングゼロの管理を引き受けていたであろうヒイロが騒ぎの日以降姿を見せていない。
とりあえず、どう考えても破壊されたショックで塞ぎこむような奴では無い。あいつらの言っている様に、校長に今後の事を相談しに行った……と考えるのが妥当か。



「刹那先輩、背後には注意した方が良いよ~」

背後を警戒すべきは騒ぎを起こしたお前達だろうと突っ込みたくなったが……直接破壊してしまったのは俺だ、用心だけはしておこう。





事態が動いたのは夕方だった。

寮に戻ろうとしていた矢先、俺を捜しに来たであろうウッソが第1報を伝えてきたのだ。
曰く、『デュオ、ガロード、ジュドーの3人が学園関係者でない人間にKOされた』そうだ。
『学園関係者でない』というのが引っかかるが、それよりもデュオが速攻KOされた事に異常を感じていた。

「あいつらがまとめてKOされただと?勿論反撃はしてたんだろうな?」
「ええ、でもデュオさんが手も足も出なかったんですよ」
「……は?そんな馬鹿な……写真は撮っているのか?」
「撮ろうとしたんですけど……何故かギリアム先生に止められて……」
「……??」
さらに、学園の教師がこの事実を黙認していた事も明らかになった。
……本当はそいつ、学園関係者なんじゃないのか……?

真偽を確かめるべく、KOされた本人達に事情を訊きに行くか……そう思った瞬間だった。


(………!今のは……?)

近くの林に、一瞬ではあるが人影が見えた。
おそらく、以前不意の事故で俺も飲まされた『エイジコントローラー』とか言うもので外見を変えていたのだろうが……あれは………!

(ヒイロ・ユイ、何故…貴様はそこに……!)

銃を隠し持っている事を確認した上で、俺は林の中に走っていく。
もちろん、ウッソに『ついて来るな』と釘を刺した上で。





林の中に入ってから、結構な時間が経った。
空を見ると、夕焼けは隅に追いやられ夜の帳が下りてきている。

(あいつ、一体何処まで……!)

そして林の終わりであろう区画を抜けると、そこは………

「……住宅街の反対側か。乗せられたな……」

奥に海岸が見える、地図的におそらく住宅街の反対側に当たる箇所に出ていた。


(ここでは逃げ道が少ない、やはり海岸に………)

逃げ道を確保するためにも海岸に向かうべきか―――そう思った瞬間。
直ぐ後方の林――その中の1本の木から、枝が揺さぶられる様な音が聞こえた。

「―――――ッ!!」

危険を感じ、咄嗟に横に向けてジャンプし距離をとる。
直後、その音がした方向から俺がさっきまでいた箇所に人が急降下(と言う名のハイキック)をし、着地の衝撃か何かで土煙が舞った。



「……さっきは上手く行ったんだがな。木の上からだと音で気付かれたか……」
「貴様……!」

土煙が完全に収まる前に、その人影がはっきりした。
俺の予測通り、ヒイロ・ユイであることに間違いはない。
……だが。

(……おかしい。『エイジコントローラー』で変わったならば、とうに……!)

寮の入口から見かけたときから、時間が経ちすぎている。
あの薬の有効時間は、当時で3分間。あの後さらに研究が重ねられたとしても、せいぜい1時間が限度のはず。
なのに、なぜあいつは戻っていない………?


「……。オペレーション、『ファイナルコード』……」
「………何?」
「学園所属のマッドサイエンティストの誰かが、学園長の許可を受けて進めていた研究企画らしい。
 対象人物の存在を一時的に次元の片隅に追いやり、平行世界で認識されている中での最上位の同一存在をその間の時間だけこの世界に呼び出す……」

しかし、話を聞いて行くうちにその推測は根本から間違っていた事が判明した。
すなわち――――――――

「貴様、まさか――――!!」
「そのまさかだ。俺は平行世界…『極めて近く、限りなく遠い世界』から一時的に呼び出された存在。
 お前が、そしてこの世界の奴らが知る存在と異なる……な」

目の前にいるヒイロ・ユイは、本来この世界にあってはならない存在。
そして同時に、平行世界で認識されている中での最上位……すなわち最強ともいえる存在……。
そう思ったが、即座に『最上位=最強ではない』と否定された。

「……お前は何か勘違いをしているようだ。
 俺は『最上位』として認識されてはいるが、戦士としては『最強』ではない……」
「!?なんだと……!?」

言っている事が完全には理解できない。
だが……これだけははっきり言える。デュオ達3人を瞬時にKOしたのはこの男だ、と。


「この場合における『最上位』の定義は、存在の…自己認識の強さによるものだ。操縦技術や白兵戦の強さには一切依存していない。
 ……そっちの意味でなら、俺は最上位と定義される前の方が明らかに強かったと自負している……」
(…………。相手にするべきではないな……これは)

本人は存在の強さと戦士としての強さの繋がりを完全否定しているが、俺はそうは思わない。
……戦士としてなら、確かに強くはないかもしれない。だが……纏っている空気が明らかに異なっている。



「………貴様の意図は分からんが、勝負する気にはなれないな。
 ――――――退かせて貰うぞ。来い、エクシアッ!」

指を鳴らし、エクシアを遠隔起動させ――――こちらに来させる合図を出した。
ドモン・カッシュに教えて貰って正解だったな。幾らあいつでも、流石にこの真似は―――いや、機体をこの世界に持ち込んでいる事など――――――

「――――――妥当な判断だな。だが、それで逃げられる程俺は甘くない」
「―――――!?」

――――逃げさせない、だと?その自信……どこから……!!

「……異なる世界から来た同一存在の者が世界に干渉する事は、その世界の者が存在している以上…世界を歪ませる程の禁忌に値する。
 その法則は、次元崩壊を起こしかつ閉ざされた輪の中にあるこの世界でも…例外ではない。
 ―――だが、ファイナルコードで呼ばれた今だけは違う。俺が起こす事は…『この世界の俺が起こした事』としてこの世界に認識される」

あいつは懐から球体のようなものを取り出しつつそう語り、それを上空に放り投げた――――

「――――見せてやる、俺が『最上位』と認識されている理由の一つを。
 平行世界におけるワンオフ機、AD(アサルトドラグーン)型PT……『ルシフェル』!」
(!!パーソナルトルーパーだと!?)

投げられた球体から黒い光が放たれる。
それは次第に膨らみ、やがて人型に収縮を始め――――

「……その様子だと、機体を用意していた可能性は想定していなかったようだな。
 『召喚時に機体を持ち込める余地はない』、そして『同一存在ではあるが学園の生徒ではない、だからゼロは呼べない』。そんな所か……」
「くっ……!」

背中に翼を背負う準大型機が―――――漆黒のPTが、姿を現した。
MSよりは明らかに大きく、そして特機系のPT(例えばグルンガスト)よりは多少小さい……
準大型機と言って差し支えない機体が、夜に紛れ込んだ。

「貴様、ガンダムのパイロットではなかったのか……!?」
「『昔は』な。今は……もうMSを持っていない」

『ゼロカスタム』と呼ばれている機体とは違い、翼は無機的だ。
――――――だが、微妙に不自然な継ぎ目が見える。何か武装を搭載しているのだろう。
そしてそれ以上に、ゼロとは決定的に異なる点―――――――

(………っ、俺を…『見ている』のか……!?)
「……気付いたか。そうだ、お前の感じている通り……こいつには自律意志がある。
 ――――――もっと厳密に言えば、『マシン・ソウル』を宿していると言ってもいい位だ……」

敵対の意志を以って、俺を『見ている』。
それは……エクシアが俺の元に辿りついた後でも変わらなかった。
間髪入れず、遠隔操作でコックピットを開ける。

「GNドライヴ、出力を戦闘態勢に移行……」

おそらく、背を向けてまともに逃げる事は出来ない。
そして、教師陣が黙認の姿勢をとるであろう事から考えて……学園からの援軍もありえない。
トレミーへの救援要請も考えたが、奴曰く『時間制限』がある戦いである以上…却下されるだろう。
それらを考えながら、俺はエクシアに搭乗し戦闘準備を整えた。

(………圧されるな。所詮はPTだ、エクシアだけでも勝ち目はある―――――!!)

あの外見とヒイロの戦闘スタイルから考えて、機体特性的には……おそらくリアル系。
エクシアのセブンソード、そしてトランザムがあれば―――――勝機はある!


『……この際だ。深淵と言う名の絶望……それをお前に教えておいてやる。
 お前が昔味わったであろう恐怖は、その序の口に過ぎない事を。上には上がいる事を……!』
「そんなもの――――お断りだ!!」

奴の機体もレーザーブレードを抜き放ち、戦闘態勢に入った。
…格闘戦を挑む辺り、俺をなめているとしか思えない。射撃武器を使い出す前に先手を打つ!

「――GNサーベル…!」

回り込むように接近し、GNバルカンで牽制しつつもGNビームサーベルで斬りかかる。だが……!

『……フッ、何処を狙っている?』
「―――――!!」

命中する直前、機体が掻き消え――――エクシアの真横に再出現する。
迂闊だった。まさかハイパージャマーを搭載していたとは……!

再照準すべく機体を旋回させたが、その時には奴は既に次の手を撃っていた……!

『…小手調べだ。悪魔の槍――デモンズ・ランサー……!』
「……なッ!?」

レーザーブレードが描いた真っ黒な軌跡から弾幕が生成され、一直線に向かってくる……!

「ちょっと待て!物理法則を無視してないか!?」
『イデオンやゴーショーグンを見てきて、今更何を言う……』
(くっ、流石にスルーの仕方は心得ているか……!)

幸いにも弾幕の密度は薄く、速度も例の雪玉ほどではない……!

「舐めるのも……大概にしろ!!」

一気にブースターを最大まで吹かせ、弾幕を滑りながら避け――――ルシフェルに肉薄する!


『弾幕を掻い潜り急接近か―――――セオリーにも程がある!』
「――――――!」

だが。殆ど居合斬りに近いスピードで、GNビームサーベルが弾き飛ばされた。

――――――待て。今、『セオリー』と言っていなかったか?
これをそう言い切れるのは、俺が知っている中ではスメラギ位のものだ……!

「貴様、俺と似ていると言っておきながら何故戦術教養を!?」
『8割方独学だ。……まぁ、その時色々と事情があったんだ。
 お前も、知っておいて損はないぞ?』
「……その気はない!」

ここまで来ると無茶苦茶に近い。俺と同じ様な生い立ちなら、通常は単独行動前提の戦い方の筈だ。
なのに……何だ、この屁理屈にも程があるスタンスは。ゼロシステムの使い手であろう者が、何でこんな……!!


「これをセオリーと言うのなら、貴様は……!」
『ああ、そうだな。あまり派手にしたくは無かったが……見せてやろう』

そして今の自分はセオリーに囚われないと言う高らかな自信と共に、今度はルシフェルの方から突っ込んできた。

「くっ、GNシールド……!」
『……。モードSMSC、ロックオフ……』

反撃も回避も間に合わないと判断し、シールド防御を試みる。
しかし、ルシフェルの突撃攻撃は……機体を掠める程度。レーザーブレードの軌跡が、5回程エクシアの脇を駆け抜けた。
そして、攻撃が止んでもその軌跡は残ったまま。それは……エクシアを中心とし五芒星を描いていた。

「―――――まさか!?」
『今頃気付いても遅い!』

奴の思惑に気付き、防御したまま回避行動をとる。だが…奴の言う様に遅すぎる!

『幻影の印――――ミラージュサインッ!』

上空からの強襲により、地面が揺らぐ。回避行動をとったからかはたまた直撃させる気は無かったのか、幸いにもシールドが弾かれる程度の損傷だった。

「……なるほど、『派手』だったな。ギャラリーが沸いてくるんじゃないのか?」
『問題ない。夜間の特別模擬戦と言う事になっているし、今晩は夜間外出禁止令を出してもらってる……』
「…………」

今の轟音……周辺の者達が気付かない訳がないのだが、奴の言う様にギャラリーが沸いてくることは無いようだ……。
用意が周到だと言うか、何と言うか……。



(通常の戦術では……届かない。ならば………!)

一度仕切りなおして、今一度突撃を開始する。
―――――狙いはただ一つ、命中直前にトランザムを使用する変則攻撃!

「GNソード……ッ!」
『………なるほど、これならルシフェルでもやれるな。BM構築、W10(ワンゼロ)……』

多少のダメージは覚悟の上。
……だが、迎撃態勢をとる筈のルシフェルの様子が少し変だ。レーザーブレードを格納して、射撃武器の装備でもするのか……?

『――――――コードトレース、乱黄龍(みだれこうりゅう)!!』
「―――――!?」

……訂正だ。やはり奴はこの戦いで射撃武装を使う気は無いらしい。
替わりに武器を持っていない右手にエネルギーを収束し………アッパーのモーションと共に広範囲に拡散させた。
黒いエネルギーの奔流が、エクシアに迫る――――


だが、これはかえって好都合だった。
エネルギーの波は無色透明ではない。これはつまり――――互いにとって目晦ましであることも意味する!

「トランザムシステム、起動ッ!!」

俺は……エクシアをエネルギー波の中に突入させると同時にトランザムを起動させた。ここで勝負に出る……ッ!!
ぶっつけで乱黄龍をモーショントレースして放った影響が無いかどうか、即座にダメージコントロールを確認する。
―――――結果は変化なし。ノリで放ってみた一発だけに、反作用がついてくると思っていたのだが……。


「……アクセルが生身で撃てただけの事はあるな、これは……」

W10の―――――アークゲインの技の汎用性の高さに呆れつつも、レーザーブレードを再度装備しなおす。
しかしながら、正面からは目を離さない。


「さて、あいつはどう出てくるか……」

乱黄龍の攻撃範囲は大きいが、それでも上に逃げ場はある。
――――――そして、意識的に加減をしている事をあいつ・・・つまり、刹那・F・セイエイ・・・も分かっているはずだ。無理矢理正面を抜けてくる事も十分にありえる。
確率予測では―――――おそらく五分五分。そして―――――

(………!来る…!)

敵機―――――エクシアは、その予測の片方通りに正面を突破してきたが―――

「―――――!!くっ!」

機体は赤く染まっており、スピードも先程と比べて約3倍。
――――トランザムを使ってきたか。これは完全に予測外だ……!

「……ここでジョーカーを切ってくるとはな。短期決戦に活路を見出したか……?」

俺の知る『あいつ』の話によれば、以前邂逅したダブルオーライザーとは異なりエクシアのトランザムは発動時間を制御する事が出来ないらしい。
つまり、終わった後は問答無用でガス欠状態になるわけだが……そこまでが長い。

(視点が変われば、とはこの事だな……)

高速で迫り来るエクシアの斬撃を、一撃ずつ冷静に受け止める。
ヴァイサーガの光刃閃にも迫る速度だが、攻撃の角度と軌道が分かってさえいれば迎撃できなくは無い。

『………ッ!』

エクシアに……刹那に焦りの色が伺える。
……それはそうだ。回避行動や射撃武器を使った迎撃ならまだしも、まさか格闘武器で迎え撃つなど思っていなかっただろう。
この機体に…ルシフェルにゼロシステムが積まれていない以上、そう考えるのが妥当だ。


………だが、残念だったな。

「……知らない様だから教えておいてやる。
 確かに俺は『精密射撃』を得意とはしているが、『反面、格闘戦はそこまでではない』……と言う法則は当てはまらない」
『何だと……!?』
「これでもウイングゼロでエピオンを倒した事があるし、この機体でジャスティスと格闘戦で張りあった事もある……」

まず一つ目。俺の格闘戦における技量を把握していなかった事。
あの驚き様から見るに、格闘戦を見た事が無かったようだな……。
まあ、俺もウイングゼロ・タイプAに搭乗してエピオンを倒せると言う事実を知った当初は多少驚いたが……。

………?どうした……ルシフェル、『自分の過去なのに何故驚く』……か?
………生憎だが、その話は俺自身のではないんだ。
クォヴレーやアクセルから知った……『平行世界の自分の過去』と言う奴だ。ここの俺はどうだか知らんがな……。


「……もう一つ。これは俺が『最上位』と定義されている理由の一つでもある……」
『………!!』

そして……二つ目。それは――――――

「お前の考えている通り、ゼロシステムはこの機体に積まれていない。
 ……だが、それが無いからと言って未来予測が出来ない訳ではない!」
『!?貴様、ニュータイプか!?』
「……まさか。ニュータイプでもなければ強化人間ですらないさ……!」

ゼロシステム無しでも、限定的ながら『未来予測』が可能であると言う事。
限定的という理由は、情報源が今見えているものと俺自身の記憶のみである事から来ている。

勿論、いつの間にか『ゼロドライブ』と呼ばれるようになったこの力は後天的に得たものだと……念の為に釘を刺しておく。


(『強化人間ですらない』………か。今は若干矛盾しているかもな……これは)

引き続きエクシアの攻撃を防ぎつつ、つい口に出た言葉に思わず失笑してしまう。
確かに、『強化人間』の定義を考えると俺は確実に当てはまらない。だが――――

(……ああ、分かってる。忘れる訳が無いさ。俺がスフィアに選ばれていると言うのも、そして――――)

不本意ながらも組み込まれたスフィア(当初は分からなかったが、後にアサキムと相対した際に判明した)が、その当初創造主(機体の設計者ではなく、機体のブラックボックス内のネシャーマの生み出し元)に反し力を貸してくれたルシフェルが。
そして、とある盟約により力を貸してくれている意志の存在が無ければ――――――

(――俺はスフィアと、そして『お前達』の力でこうして戦える事を―――!)

俺は……生きる為に戦うと言う選択肢を選ぶ事が出来なかっただろう。
戦うだけの力も想いも持てず、運命に殉じたまま……再起不能の身体でただ見ていることしか出来なかっただろう。
だからこそ。俺は……誰かの為よりも先に、何よりも自分自身の為にこの意志を貫く……!



「……もうそろそろタイムアップだ。
 いい加減ショウダウンと行かせてもらうぞ、刹那・F・セイエイ……!」
『この……ッ!』

目の前にいる男は……いずれ自分自身を変革させ『生きる為に戦う』ようになるのだろう。
だが、その事実はこの世界にとって数年後の未来の話だ。今はおそらくそんな事など欠片も考えていないと思われる。
……いいだろう。せっかくこの世界に来れたんだ、その変革の先駆けとなる…………!

「モードSMSにシフト、ロック解除……!」

おそらく、次の一撃でトランザムが解除される。
その後を叩いてもいいんだが、この際だ。力の差を見せ付ける……!

『……な!?これは……!!』
「近接兵装のBMだ。昔これで酷い目にあってな、その時を参考にカウンターしてみた訳だ……!」

エクシアの刃が機体に届く一瞬前に、エネルギーを目の前に集束させた。
……そう。このBMは、俺がウィンテッドに搭乗していた際に必殺兵装のCSファイアを止められた唯一の技……!!

「――――コード、ブラッディ・ハウリング!」

最小出力ではあるが、装甲の薄いエクシアの駆動部を破損させるのには十分すぎる……!
エクシアの動きを止めていたエネルギーの塊が――――――弾けた。

「うああああっ!」

その余波で吹き飛ばされ……トランザムが解除されながらも海岸傍の浅瀬に墜落する。
このままでは終われない―――――そう思い、もう一度ブースターを吹かせようとしたが……!

「………!?」

エクシアが……ガンダムが反応しない。
ダメージコントロールを見たら、無残にも駆動部のみにレッドランプが灯っている……。

「……そんな、馬鹿な……!!」

負けた、のか……?
全力を出しておらず、ましてや射撃兵装を自重していた相手に………!?

「………ッ!!動け、エクシア!俺は…まだ……ッ!!」
『……いや。刹那・F・セイエイ……君の負けだ』

すると、俺達2人以外の声が聞こえた。
エクシアのカメラに映されたのは、学園長直属の教師であるギリアムと一介の生徒であるはずのアサキム……。


『今の君では……どうやったってあの彼には敵わない。
 自身の操縦技量や機体スペックを全部合わせて、そしてリアルラックによる誤差を考慮しても………ね』
「ッ!!ふざけるな、そんな根拠が何処に――――――!!」

この戦いで負けるのは必然だったと言う。
その根拠として、ギリアムからデータが送られてきたが………。

(な…なんだ、この無茶苦茶なデータは……!?)
「ギリアム・イェーガー、『ファイナルコード』に関わる資料は極秘事項だぞ……?」
「仕方ないだろう。彼を納得させる為には、他に思い浮かばなかった……」

<ヒイロ・ユイ Lv45
撃ち落としLv6
切り払いLv5
シールド防御Lv8
援護防御Lv4
特殊技能…ゼロドライブ(ゼロシステム無しで限定的な未来予測を行える。気力140以上で発動し、命中率・クリティカル率に+15%、搭乗機の完全回避系特殊能力の発動率に+10%)
精神コマンド・・・信頼 気合 必中 熱血 突撃 希望
射撃220 格闘208 命中292 回避280 技量212 防御180>
○特記事項(※虚空の銃騎士による追記)
・精神コマンド『希望』の仕様が異なる。『熱血』『必中』『ひらめき』が同時に発動。
・上記の数値は彼の能力をこの世界の『偵察』コマンドの基準で表したものであり、厳密なものではない。
・MSの他、FTとリアル系PTにも搭乗可能。
・所属を転々としたようだが、現在は『もう戦士としては在れない』との事。
・スフィア『深淵の双天使』(※正式名称不明の為、暫定呼称)の所有者。また、ミーディエイターと呼称される『人の心の闇の化身(集合し、一つの意思を持ったもの)』との盟約者でもある。
・平行世界において唯一の、『ODEシステムのマスターコアにされながらも生還した』生身の人間。
・本来であれば再起不能(※当時の仲間達によると、死も有り得たとの事)であるが、先述したスフィアとミーディエイターの力によって日常の行動を可能にしている。


Lvについてはまぁいいとしよう。特殊技能についても、本人からそれらしい説明はあったしそれを嫌と言うほど見せ付けられた。
だが、ラスト3行……特に最後の1行はどういう事だ!?
死と紙一重の再起不能だと!?自爆しても死なないあの男がか!?


「何だこれは!?一体何をどうしたらそうなった!?」
「……お前が知る必要は無い。それに言ったはずだ、『お前の経験してきた絶望は序の口に過ぎない』と……」

エクシアから飛び出し、同じくルシフェルから降りたヒイロに問いただすが……返答拒否。
同時に、ルシフェルが姿を消し―――呼び出される前の球体が再び現れた。あれが……スフィアと呼ばれるものか……?

「アサキム・ドーゥイン、出て来たか」
「出て来たんじゃないさ。ギリアム・イェーガーに"引っ張り出されて"きたんだよ・・・君が来ているということでね。理由は・・・話さなくて良いね?」

俺にはよく分からないが、どうやら奴らは顔見知り・・・らしい

「君の機体、いつの間にスフィア内部に存在を封じられるようになったんだい?」
「貴様を追い返した後、諸事情で別の世界に飛ばされてな……そこでの経験から可能になった」
「そうか……。で、今回『君の方』の力を使ってなかったのは?」
「『あいつ』の力だけで今回は戦えた、……具現化しての行動が可能な上に余剰を振り分けられたと言う事だ。
 ……、この『ファイナルコード』に使われている力……一体何処から来た?まさか無限力ではあるまい?」
「返答拒否だ。それは君が知っていい範囲を超えているよ……」

会話の内容が正直理解しかねたが、スフィアにルシフェルの存在が内包されているのは理解出来た。
……だが、それでも少し引っかかる部分があった。『君の方の力』……?ゼロドライブでは無くてか?

「……アサキム・ドーウィン、今貴様が言った『君の方の力』とは何の事だ?」
「……おや?さっきのデータを見て気付かなかったかい?
 ……彼の持つスフィアは、僕が所在を確認出来た3つ目のスフィア……2個で一対の代物だ。
 一つがさっきの機体に、そして―――――」
「そしてもう一つは……命を繋ぎとめている楔として俺自身の中にある。
 ……全く。お前達、口が軽すぎだ……少しは自重しろ」

楔?命を…繋ぎとめる……!?

「……な………!?……貴様、一体どんな………」
「………さっきから言っているが、『ここの俺』が間違いなく否定する様な過去があったと言う事だ。
 確実に錯乱か発狂するだろうから、愚痴位は聞いてやってくれ……」
「愚痴か……。それどころではない気もするがな」
「動けないだろうが、それでも気合で否定しにかかるはずだ。
 ……さて。向こうの用事も果たした様だ、そろそろ帰らせてもらうぞ……」

次々に発せられる言葉にむしろ俺が錯乱しそうなんだが、目の前の3人はそれを気にもせず話を進めている。

「――――!?待て、召喚されたのに自分で帰れるものなのか!?」
「………『帰り』だけはな」

そして、挙句の果てに『自力で世界を渡る手段を持っている』らしい。


「タイムアップまで待たなくていいのか?」
「用事を果たした以上、ここに留まる理由が無い。
 ……それに、召喚されている時間が長いほど戻ってきた後の後遺症も大きい。早めに戻るに越した事は無い……」
「……確かに、その通りだ」

『帰った後、呼び出し元となった存在は後遺症に苛まれる』事を予告宣言し。

「今度僕の方から会う時には、そのスフィア……本気で獲りに行かせてもらうよ」
「やれるものならやってみろ。『俺達』と『世界』と『虚空の銃騎士』…その総てを敵に回す覚悟があるのならな……」

アサキムに、『スフィアの所有権を放棄するつもりは無い』と敵対宣言をし。

「……ビアン・ゾルダークに伝えてくれ。
 『ファイナルコードは禁止しろ、世界を歪ませる所では済まない事態が起きかねない』とな……」
「……分かった、伝えよう」

『ファイナルコード』を使うべきでないと進言もし。

「……刹那・F・セイエイ。『平行世界にまで足を伸ばさなければ、武力による戦争の根絶は成り立たない』と考えるのは間違いだ」
「――――――――ッ!!」
「平行世界に『俺』がいた様に、『お前』もまた…多数の平行世界に存在し得る。
 ……何も知らないまま世界を渡れば、待っているのはパラドックスによる存在消滅だけだぞ……」
「…………」

『極めて近く、限りなく遠い世界』にも俺が存在している事を明示し。
そして――――――


「………1箇所に留まるな、自分の足で世界を見て回れ。
 そうすれば……『生きる為に戦う』事、『未来の為に戦う』意味が分かる筈だ………」
「………映像を通さず、自分の目で……」
「………その通りだ。
 ……変われよ、刹那。そうでなければ……俺と同じ目にあうだけだ」
「…………」

『変わらなければ、いずれ自分のようになる』と忠告を残し。
――――――どうやったのかは不明だが、自身を中心に発生させた『光の柱』を経由して帰っていった……。








………光の柱が消えた後、その場に『ファイナルコード』により存在を追いやられていた『この世界の』ヒイロが戻ってきた。

予告通りに何らかの後遺症でろくに動ける状態ではなかったが、『そんな過ちなど犯さない』『リリーナをその手で直接守らない未来など認めない』『守られる立場であるなど有り得ない』等と自身に何度も言い聞かせていた。
おそらく、これが『あいつ』の言っていた愚痴だろう……。

それに加えて、学園の直ぐ近くにいつの間にかコンテナが置かれており、その中に俺が破壊した筈のウイングゼロが格納されていた事が判明した。
『オリジナルを修理した存在として扱うか、存在自体を認めないかはお前達次第だ』との書き置きと共に……。
いやはや、OGs系の設定部分は、少々分からないところがあるので、解説伺っておきなら話半分で申し訳なかったなと・・・

しかし、こんだけ複雑にシリアスされといて、それでも続きはギャグをやる、としっかり宣言している管理人がおります
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テーマ : スーパーロボット大戦 - ジャンル : ゲーム

2010/05/16 01:56 | 頂き物COMMENT(2)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

16話の感想ですが…

16話の感想ですが、コメント投稿の画面が携帯だと2ページに渡ってしまい、送れなかったので、こちらに書き込みます。すみません。
アホセルがやって来ましたね。彼の出現によって、事態はまた少しシリアスに動きだすようです。もう少しギャグネタ見ていたかったのですが…
あと、サンドマンさんは完全に二代目「エレガントさん」ですね。私には初代のトレーズさんの印象が強いのですが…
しかし、このスパロボ学園も、誰かが作った実験室のフラスコの中ってことですね。で、何らかのきっかけで、平行世界の「自分」と切り替わってしまう…と…
竜馬もそうですが、あのエイジコントロール事件もそうですか?エイジコントロールを飲んだことで、ミネバも刹那も「平行世界のもう少し年取ってからの自分」と切り替わった?のですか?
ところで、「校長だけがこの世界から出られない」ってどういうことですか?元の世界でD.C.の総帥だったからですか?
ますます面白くなりそうな(ややこしいことになりそうな?)スパロボ学園楽しみにしています。
ところで、そろそろロックオンが来るらしいのですが…どっちの?

No:1906 2010/05/19 05:54 | 壱華 #- URL [ 編集 ]

ネタは大体決まってるです

> もう少しギャグネタ見ていたかったのですが…
大丈夫です、まだ全然ギャグやります

> あと、サンドマンさんは完全に二代目「エレガントさん」ですね。
トレーズ様のエレガントはレディとペアですが、サンドマン様のエレガントは一人でやれるので使いやすいのです

> しかし、このスパロボ学園も、誰かが作った実験室のフラスコの中ってことですね(略
スパロボの世界はみんなそんなもんだと思いますw

> ところで、「校長だけがこの世界から出られない」ってどういうことですか?
ええまぁ大体当たりです

> ところで、そろそろロックオンが来るらしいのですが…どっちの?
とりあえずライル兄さんからです
ソレスタの連中のご多分に漏れず、変な人で出て来ます(ぇ

No:1911 2010/05/20 01:01 | あるす #- URL [ 編集 ]

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