【スパロボSS】真・スパロボの学園(21)~ミスコン~

猛暑ですね・・・外回りの多い管理人は、溶けるというより熔けそうです
冷房のため、寒暖の差が激しいのもあり、まるで鉄が萎えていくように身体が痛みますよ
しかしA.C.E R発売まで1ヶ月を切りました
財布と体調を万全にしておかなければいけませんね


さて、スパロボ学園ですが・・・
そろそろ終盤3話に突入しようかと思います
残りを3話で〆る流れだけは、もう1ヶ月前くらいに思いついていたので、そこに持っていくのをどうしようかと、そんな感じでこのところの話は作ってました

それにしてもこのSSと違って、00は相変わらずスパロボからはぶられてますな
まぁまだゲームに出るにゃケツが青い、って事なのかも知れませんけどね
映画がちゃんと公開されてかな、もし出るとしたら?


夏真っ盛り
世間の学校は期末試験を経て、夏休みである
それはスパロボ学園とて例外ではない


期末試験において何があったか
その詳細は省こう
内容がいつも通りカオスっていて、学園に慣れてきたとは言え、まだ耐性の浅い刹那を苦しめたのだが
それよりも、他のメンバーが体力測定や実技試験で、毎度のごとくマシンを持ち出してきて、一悶着あったことの方が重要な問題だった、とは思われる


さて、場面を試験後の学園に移そう
さざ波が聞こえる海岸で、夏休みを迎えた学生達が、思い思いに楽しんでいる様子を、刹那は複雑な思いで見渡していた
「どうしたの刹那、楽しそうじゃないわね」
刹那と並んで海を見渡していたのは、普通の男性から観たら十分魅力的な水着を着たマリナである
「・・・海がそんなに楽しいか?」
「そうね、貴方もそうだと思うけれど、アザディスタンは砂と石の国で、海には縁がないでしょう。だからとても新鮮な気持ちなの。貴方は、そうは感じないのかしら」
優しく微笑む彼女の顔に、刹那はやや複雑な感情を覚えつつ、こう返した
「俺がこうやって居る間も、紛争は起こり世界の歪みは広がっていく・・・それで良いのだろうか」
「・・・」
それについては、マリナは何も言葉を返すことができなかった
「こうしている間にも、世界の歪みに呑まれて無為に命を落とす者が居る。俺はそれを正すためにガンダムマイスターになった・・・なのに」
「余興って必要だと思うよ、刹那」
間に割って入ってきたのは、いつもは変な厚着をしているゲイナーである。本日は海パン姿でご登場だ
「だいたいさ、君が戦争が起きる度に目くじらを立ててそこに飛び込んで、それで紛争を排除したとしてだよ。次ぎに紛争が起きるのはどこだ、ってウロウロしている時点で、それって紛争が無くなることにはならないんじゃないの?」
「なんだと・・・?」
刹那には、ゲイナーの言わんとしていることがすぐには分からなかった
「そういうの、ヤーパンの諺で『火のない所に煙は立たない』って言うんだって」
「イヤ、それは用法が違うだろ。それを言うなら『藪をつついて蛇を出す』だな」
合いの手を入れてきたのは、生粋の日本男児・兜甲児である
「どういう意味だ、兜甲児」
「言葉通りだよ。やらなきゃいいのに、藪の中に木の枝突っ込んだら、大人しくしてたヘビが飛び出してきて、自分が痛い目に遭うってことさ」
つまり、ソレスタルビーイングがちょっとした騒ぎを紛争と決めつけることが、即ちそのどうでも良い騒動を紛争へと拡大させている、と言うことである
「えーっ、またガウリ先生、僕に嘘教えたの?」
「嘘ってわけじゃねぇと思うけどな。紛争の種があれば、そこで戦争が起きるかもな、って予想はできるから、まぁ間違っちゃいねぇよ。ただ、CBはそれを本当に戦争にしちまうのが厄介なのさ」
「・・・俺達が、戦争のために戦争を起こしている・・・」
刹那は甲児の言葉に、結構なショックを受けていた
だが、当の甲児とゲイナーはと言うと
「お前らのヤーパン知識は、毎度毎度どっかずれてるんだよなァ」
「だったらいろいろ教えてくれたって良いじゃない」
「前に渡しただろ、諺事典とか漢字事典とかよ」
「そんなんじゃ知識にならないって」
「バーニングPTばっかやってっから、読む暇無いだけなんだろ」
「うっ、言ってはいけないことを言う!」
等と、低レベルな口喧嘩を展開していた
「お前達のそれと、俺の何が違うと言うんだ?戦いをしているなら、それはお前達も同じなのではないのか」
その間に割って入って発せられた刹那の台詞に、額を付き合わせてギャーギャー騒いでいた二人は、ハッと我に返って刹那の方に向き直った
「うーん、まぁマジンガーがあることが、結果的に戦いの火種になってるのは認める」
甲児の返事は、実にアッサリしたものであった
「だからって不戦を貫くわけにゃいかねぇ。マジンガーはじいちゃんの夢と希望が詰まってんだ。世界征服なんて下らない野望に、それが使われるなんて我慢ならねぇ」
そう言う意味では、甲児の『戦う理由』は実に単刀直入で、分かり易いものではある
「お前はどうなんだ、ゲイナー」
「僕は典型的な『巻き込まれタイプ』だからね・・・」
ゲイナーは、富野系主人公のパターンである、『知らない内に自分が戦ってました』系列のキャラである
その巻き込まれた事象、すなわちヤーパンへのエクソダスとそれへ関わった経緯を簡単に話した
「豊かな土地への逃亡か・・・紛争の発端としてはよくある話だ。だがそれで両親がガウリ先生に殺されて・・・お前は、先生を赦したのか?」
「赦したかって言われると、僕も自信を持った発言はできないよ」
事実を知り、諍いを起こし、それでも共にシベ鉄と小競り合いを繰り返した果て、オーバーデビルに取り込まれた時のゲイナーの言動を考えれば、その後ろぐらい何かは、確かに未だ彼の中に存在しているのだろう
「だって君だって、戦争でご両親を失ったから、CBに参加したんでしょう?」
「・・・・・・・・・ああ」
何処か口ごもった彼の反応だが、甲児もゲイナーも、そしてマリナも、それは横にいるマリナへの気兼ねから起きているのだろう、と感じ取っていた
「馬鹿、ゲイナーお前、迂闊だぞ」
「ああ・・・ごめん刹那、ごめんなさいマリナ姫様、そんなつもりじゃ」
「いいのですゲイナー君、続けてちょうだい」
視線を落としている刹那だが、マリナの方は本当に意に介していないように、にっこりと笑ってゲイナーを受け入れていた
「ううんと、それでね・・・一つ言えるのは、その事柄に拘っていても、何も動かないってことかな」
そこまで引っ張ったわりに、ゲイナーもアッサリしたものだった。それが、刹那を余計に困惑させることになった
「・・・わからない・・・それが、俺は何が違うと言うんだ」
「刹那、そんなに深く考えることじゃないわ」
気遣って声をかけるマリナだが、さりとて彼女も何をどう説明すべきかは分かっていなかった
ところが突然、刹那の両脇をゲイナーと甲児が、わっしと抱え込む
「刹那、お前にたらねぇのは、こういうことだよ」
「???」
「よーし、いくよ甲児!」
「おうよ、せーの!!」
刹那はそのまま、二人の腕から放り出され、浅瀬の中にズボッと投げ込まれたのだ
「・・・ブハッ、何をする!」
「へへん、それで頭を冷やしてろってんだ」
いたずらっ子のように笑う甲児達に、刹那は手元の海水をすくいあげて、ビシャッと水を浴びせ返す
「あっ!てめぇこの、やりやがったなぁ!」
「この、こっちだってお返しだぁ!」
「ガンダーム!」
そのまま、小学生のようなやり取りで、浅瀬での水遊びに突入した三人を、マリナは楽しそうな眼差しを向けながら見守っていた
「楽しそうですね、マリナ姫」
横から現れて声をかけたのは、白と金の混じったピースクラフト王家の刺繍が施された、専用水着を纏ったリリーナであった
「ええ、楽しそう・・・刹那が、楽しそうなのが、嬉しくて」
それは彼女の本音であった
素の彼が見たい
何を考えているのか、もっと聞かせて欲しい、見せて欲しい
「羨ましいですわ。ヒイロは、ああいう羽目の外れたところを見せてくれなくて」
「フフ・・・彼、生真面目そうですものね」
「どちらかというとエキセントリックすぎて、いつも思わぬところで驚かされてばかりですわ」
それは人に銃を向けたヤツに、「早く殺しにいらっしゃい」と言うアンタもそうだよ、というツッコミがどこからか向けられたが、とりあえず今は無視しよう
とまあこんな一団も混じって、ばしゃばしゃ水遊びしていた学園一団に、ずいっと忍び寄る影有り
「ワシがスパロボ学園学長、ビアン・ゾルダークである!」
いきなりビアンの怒声が海岸に響き渡った
「うあ、びっくりしたっ!?」
「なんだよ学長、いきなり!!」
「どうして普通に出てこられないんだよ、アンタは!」
と言う学生達のツッコミも、ビアンにとっては馬の耳に念仏
「突然ではあるが、夏休み期間スタートのイベントとして、これよりミススパロボ海岸コンテストを行う!」
無茶苦茶な話の流れだが、ビアンがやることと言ったらいつも唐突なので、その辺には慣れが必要である
「えー、めんどくさ~」
「勝負水着なんて無いわよ」
アムやルーが、酷くダルそうにそう返してくる。他の女性陣も、無言だが乗り気のしない空気を漂わせていた
「ちなみに今コンテストの優勝者には、ワシから改造資金5,000,000を出そう!」
分かっていたように付け加えるビアンがまたズルい
「ちょっと宗介、今から街に走って、水着仕立ててきて!」
「アンタだけ抜け駆けは許さないわよ!分かってるわね、忍!!」
「いいえ、これはエヴァの修理費に充てるわ!加持君、ちょっと財布貸して!」
「ちょっと待ちなさいよミサト、アンタだけイイ格好しようと思わないことね」
「でもアスカ、私たちじゃ、大人の女の人に勝てないと思うわ」
「ファーストは黙ってて!」
いきなり色めきだち、自分の彼氏(もしくはヒモ)にたかり出す、金に目の眩んだ女性の欲にまみれた波動が、砂浜を埋め尽くしたのだった
「私も出ようかな・・・どんな水着なら良いと思う、ヒューゴ?」
「お前はそのまま行けるだろ」
次の瞬間、気遣いのない台詞を返したヒューゴを、どこからともなく飛んできたサーベラスが、殺気の篭もったキックで吹き飛ばしたが、その後が怖いので誰も見ない振りをしていた

そうして
あっという間に会場設営が始まり、いつの間にやら露天が並び立ち、出場者エントリーが開始された
「・・・お前も出場するのか、マリナ・イスマール?」
一応刹那もマリナを女性と認識しているので、そのミスコンの是非はともかくとして、彼女の意向を伺っておこう、と言うものらしい
「どうしようかしら・・・その改造資金って、アザディスタン王国の運営資金にできるの・・・?」
マリナが世界を回り、そして今スパロボ学園にいるのは、祖国の経営状態を改善するためである。その辺に気が回ってしまうのも無理はない
「ふむ、ではマリナ皇女、貴方が優勝したら、そちらの世界で使える貨幣で、同価値の資金をお出しできるよう、学長に掛け合ってみましょう」
「まぁ本当ですか、ギリアムさん・・・それなら私、踏ん張るわ・・・!」
ぐっと拳を握るマリナ
「これがお前の戦いなのだな」
この様子にも、刹那の反応は実に面白くないもので、その辺をゲイナーはモヤモヤしながら見守っていた
一方で、マリナはもう慣れたもので、刹那が分かり易いような返答を返した
「ええ。何も国を救うのは力だけじゃないわ。私はやってみせる・・・刹那、見守っていてね」
「そのつもりだ。お前が何を掴むか、それが俺の一番知りたいことだからな」
エントリー会場へ駆けていくマリナを見送る刹那を、ゲイナーは肘でこづいた
「んも~・・・どうして君はいつもそうかな」
「何か問題があったか」
「駄目だこりゃ・・・ある意味ヒイロよりひでぇよ」
頭を抑える甲児の背後で、ついにミスコンテストの幕が上がった
「えー・・・いきなり司会を仰せつかった、ジョシュア・ラドクリフです」
「アシスタントのクリアーナ・リムスカヤで~す」
困惑気味のジョッシュと、それとは対照的に乗り気のリムが登場
「なんで俺がこの場にいるのか、それを知りたいんだが・・・」
「ビアン先生が適任だって言うんだから、行くしかないよ」
ぼぞっと呟くジョッシュに、小声でリムは"早くしろ"というように返事を返す
「何をどうしたらと思うんだが、もう手っ取り早く会を進めるぞ」
「色気がないんだから、お兄ちゃんは。それでは一番の方、ど~ぞ~!」
ぱっとスポットライトが当たった場所に、会場の袖から二人の人物がつついっと歩み出した
「ど~も~ぉ、アタシはジュド子でぇ~っす」
「イ・・・イノ子です・・・」

解説しよう!
これはΖΖガンダムTV放送40話で披露した、ジュドー(仮にも主人公)とイーノ(一応メインキャラ)が女装して敵屋敷に忍び込むという、ぶっ飛んだ作戦で使ったあの女装だ!

「木星へ帰れ」
ぶしゃっ、ぐしゃっ、どしゃっ
間髪入れずに、しかも冷徹に、ジュアン・シュバリアーのネオビームブレードが炸裂
「はぁ~い皆さん、今のは見なかったことで、お願いしまーす」
にこやかにフォローを入れるリムだが、この瞬間に会場は、ジョッシュが何故司会なのかを理解した
王道的ツンツンキャラの鉄也と、若さ故の過ちの多いギュネイ、この二人を扱いきるジョッシュは、ツッコミ役として非常に適任だったのだ

「では二番の方、続いてお願いします!」
今の光景に恐れ戦いたのか、何処か後ろめたそうに現れた二つの影
「は・じ・め・ま・し・て♪レディギャブレーよん☆」
「ダ・・・ダバ子・・・です・・・」

解説しよう!
これは、エルガイムTV放送9話で披露されたダバの女装姿と、OVA版で本物の女性も圧倒する女装をして見せた、ギャブレット・ギャブレー君である

「オージの前で土下座してこい」
またもや放たれる、ジュアン・シュバリアーのブレードビットが、二人を串刺しにするどころか蒸発させたようだが、そのツッコミに異論を挟むものは、居ない(当たり前だ)
「大丈夫なのかな、このコンテスト?不安が残るけど、三人目の方、お願いしまーす」
さすがに不安になってきたリムが声を上げると、今度の人物は堂々と舞台へ躍り出て行くではないか
「ど~も皆さぁん、お久しぶりぃ~☆那由多・T・アーデでぇっす☆」
そう、現れたのは誰であろう、女装したティエリアであった。アロハ柄のビキニスタイルだが、もちろん女性としてあってははいけないところには、しっかりパレオを巻いている
「おお、那由多さんだ!」
「やっとまともな女性が来たッ!」
一気に色めきだつ会場。一方で刹那はブリザードで凍えそうになっていた
『こいつら、あんなこと(第18話参照)あったのに、まだ騙されてるッ!』
そう、一大騒動でCBの存在はしっかりバレたのに、ティエリアはまだ女性だと思われていたのだった
「やっだぁ~☆飛び入り参加させてもらったのに、こんなに皆さんが喜んで下さるなんて、那由多嬉しいっ☆」
悩ましく腰をくねらせる那由多(ティエリア)に、刹那は正直吐き気を覚えていた
「いやー、モテる妹を持つと、兄として誇ってイイやらなんやら」
いつの間にか刹那の隣には、『俺は何も見ていない』とばかりに凍った笑顔を見せる、ロックオンがハロを抱えて立っていた
「・・・何をしに来た二人とも・・・」
怒りの余りに顔が引きつっている刹那の前に、ひょいっとハロが差し出されて、ぱかんと口を空けたところ、見慣れないモノがそこにはあった
『ソレスタルビーイングは、このミスコンを女性標的とした紛争幇助と断定し、介入行動を取ることを決定しました』
「・・・いつそんな機能を付けた?」
その中に仕込まれたディスプレイの向こうに、スメラギがにこにこ笑って映っている
『介入行動もそうだけど、学園で情報収集をするのも目的よ』
「情報収集?」
スメラギ曰く、必死で情報を洗い直したが、作戦が漏れた形跡も、機体の情報が盗まれた気配が全く無かったのだという
それでもなお、あの謎の機体などのことがあるとするなら、学園に情報の提供を掛け合うしかない
「だからと言って、ティエリアに介入行動を取らせる意味はあるのか」
『情報を頂くついでに、資金も頂けたら一石二鳥でしょ?』
二兎を追う者は一兎をも得ずという諺を、スメラギが知っているかはこの際横に置いておこう
「それならば、そちらが出場した方がいいのではないか。スメラギ・李・ノリエガ」
スメラギは周囲の女性と比べて、特別容姿が劣っているわけでも、スタイルに問題があるわけではない。刹那のツッコミは至極正しい
『私は戦術予報士よ。紛争に介入するのは、マイスターの仕事。そうでしょ?』
「だとしても、僕が二度も女装をする理由にはならない」
会場から戻ってきたティエリアが、額に青筋を立てながら怒り心頭でそう言う
『いいじゃない三人とも、外で楽しそうでさ。なんで僕だけ置いてきぼりなのさ』
当の三人の気持ちを知ってか否か、ディスプレイの向こうのアレルヤは本気で羨ましそうである
「いやアレルヤ、今のお前にはお前の役目がある」
『・・・そうなのかい、刹那?』
見上げるアレルヤに、刹那は強い調子で頷いた
「今トレミーを護れるのは、お前とキュリオスしか居ない。それは俺達にはできないことだ。違うか」
『そうか・・・そうだね刹那。僕が今できることを・・・僕はやりきるよ』
己の役割に気づき、ちょっと嬉しそうなアレルヤを見つつ、ロックオンは刹那の耳にそっと口を近づける
「アレルヤのハブり方、上手くなったなぁお前・・・」
「いつまでも今までの俺ではない」
あんまりにも酷いことを言っているのは、もちろんアレルヤには気づかれていない

さて、場内がようやく(?)まともな女性が登場した、と一息ついたところで、続いてのエントリーの発表である
「では4番の方、中央へどうぞ!」
もじもじしながら、壇上に進み出たその影は、果たして
「ロ・・・ローラ・ローラ・・・です・・・」
最早解説不可!
グエン卿どころかハリー大尉をも惑わした、あの伝説のローラ・ローラが、今目の前に!

「うっ・・・これはどうしたことだ・・・」
「あれがロランだと、男だと分かっているのに・・・」
「胸なんて影も形もないのに・・・」
何故か全員、ローラの姿に心奪われていた
「ううっ、これは俺も無闇に突っ込めない・・・良いんですかディアナ女王、あれ!?」
さすがのジョッシュも、ローラの女装が余りに決まりすぎているので・・・いや、むしろ褒めたいぐらいの装飾なので、どうしたらいいか判断が付かなかったようだ
思わず、藁にもすがる思いでディアナに話題を振ったが
「よしなに」
「女王公認!?」
というか、ロランの女装はそもそも、キエルお嬢さんの命令から始まったもので、後からディアナもそれに参加しているから、きっと二人に押し切られての出場だったのだろう
「むっ、強敵出現か・・・ここはもう少し、会場の連中にアピールが必要と判断した。ハロ、新しい口紅を出して欲しい。それからファンデーションを塗り直す。水着も少々ラメを入れよう」
『リョーカイ、リョーカイ』
ロランに何故かライバル心を燃やし、化粧直しを始めるティエリア
「なんだ、嫌だ嫌だ言うわりに、結構乗ってるじゃないの」
「ガンダムマイスターたる者、一度やり出した勝負で敗北するなど・・・そんな無様なことをこれ以上重ねられるか!」
ロックオンの茶化した台詞に、ティエリアは大真面目に返している。だがその横で、他人のフリをしたい刹那が思っていたのは
『いや、もしかしてあれ、趣味なんじゃ・・・』
ハロからぽいぽい出てくるメイクアイテムを見るにつけ、とてもスメラギに無理矢理女装されたとは思えない充実ッぷりであったからだ
だがそれについてツッコムと、死よりも恐ろしい呪いをかけられそうだったので、刹那はそこで口をつぐんだ
「ふぅ、やれやれ。やっとミスコンらしくなってきたな。それじゃ、5番目の人、中央にどうぞ」
ティエリアはともかく、ロランの存在がミスコンらしいのかは定かでないが、会場中が納得している以上、ことは円満に進んでいるのだ
そうしてぞろぞろっと会場に雪崩れ込んできたのは
「セーラーウィング」びしっ
「セ・・・セーラーサンドロック・・・」もじもじ
「セーラーナタク!」ばしっ
「セーラーヘビーアームズ」ぼそっ
「セーラーデスサイズ・・・でいいのか?」きょとん
「5人合わせて、機動戦士セーラー」
それ以上言わせるといろいろヤバいので、解説しよう!を割り込ませる
これは半公式で某セーラー戦士のコスプレ(捜せば画像があります)をした、例の5人のガンダムパイロット達である!

「お前達が太陽に突っ込め」
もちろんジョッシュの容赦ないクローアンカーバーストが炸裂した
なお会場中では、おぞましい物体を目撃したショックで、救護隊に助けられる者が続出していた
「・・・俺ら、あんなのに助けられたのか・・・」
「ガンダムは・・・ガンダムとは一体・・・」
そして、複雑な心境のロックオンと刹那は、互いに見合って頭を抱えていた
「ヒイロ・・・貴方はいつも、突然ね」
この中で、辛うじて平静を保っていたのは、彼等に驚かされ尽くしているリリーナだけであった

「大変、大変よ、お兄ちゃん!今、女子更衣室を覗きに行った・・・もとい、様子を見に行ったケーンさんの証言によるとね」
なんとこれから出場するはずだった女性陣が、Wチームの巧妙なる策略により、睡眠薬や痺れ薬を仕込まれ、全員行動不能に陥っているという
恐るべき仕込み作業である。さすが元テロリスト
「ついでに、隠し撮りしてたウッソは、ボッコボコにされてたみたいだよ(棒読み)」
「ああ、アイツはいつものことだ。気にするな」
そんなこんななので、唯一無事だったのは、参加エントリーが遅れたマリナだけであった
「皆さん・・・よろしくお願いします」
ぺこり、とお辞儀をしたマリナの姿は、実に質素であった
イヤ、おそらく普通に買ったビキニだろうが、今までの那由多(ティエリア)やローラのように、華美に着飾ったものでは全くなかった
その理由は明白だ。彼女には元手がないのである
今学園にいるのも、特別対応でビアンの助力を得てのことだ
だが、それはそれとして割り切った、彼女の裏表無いキリッとした姿に、会場の多くの者達が、何故か心を打たれたのだ
それは刹那も同様だった
『戦いが・・・止んでいく・・・』
刹那は、人々の意識が、自然とマリナへと集中するのを、肌で感じた
彼女は特別な力を奮ったのでも、力の入った自己アピールをしたのでもない
ただその姿が誠意に満ちあふれ、そしてそれが単刀直入に、彼女の立場を現していたからに違いない

まぁそこまでは、シリアスに行けたとしよう
だがそれでも戸惑っている会場の注目の的が、意図的な女装(ティエリア)+はめられて女装(ロラン)+質素姫(マリナ)というのは、とてもシリアスを継続できる状況ではない、様な気がする

「とはいえ、トップは決めなきゃならないからな・・・よし、とりあえず会場の決を採ろう。その前に、最後のアピールを3人揃ってしてもらいたい」
ジョッシュの呼びかけに応じ、ロランを先頭として3人が舞台に並び立つ
「うう・・・なんで僕まで」
彼もティエリアは女だと思っているので、そんな中男が一人で混じっているのは、そりゃ複雑な心境に違いない
だがこれは女王命令である。親愛なる女王陛下の命とあれば、と我慢してのことだ
また問題は、そんな明らかに"男"に色気を感じ、惑わされている会場の面子にもあるのだが
「なんだか、私だけ場違いな感じね・・・大丈夫かしら」
一人常識人のマリナが、そう言う意味では逆に目立っている
これにはティエリアも心穏やかではない。資金と男としてのプライドはともかく、負けると言うことには納得しかねる
「はぁ~い、みっなさーん。那由多をよろしくねん☆」
彼は目一杯腰をくねらせ、悩ましいポーズを取って裏声を必死に出していた
「ううーん、マリナさんの素の姿に引かれるけど」
「那由多さんも捨てがたいよなぁ」
だがその時、イタズラな突風が会場を襲った
「うわっぷ?」
「ぺぺっ、砂が・・・」
それだけだったなら良しとしよう
この風のイタズラはもちろん、そんなもので済むはずがなかった
砂や誇りが巻き上げられたのと同時に、ロランのスカートとティエリアのパレオも巻き上げられたのだ
ロランの方はみんなが分かっていたから良い
だがティエリアはというと
・・・ハッキリとは書くまい
ティエリアのある一点に、会場の全員(特に男)の視線が集中したのは、もう言うまでもなかった

「・・・あ」
しまった、とティエリアが思った時にはもう遅かった
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・
次の瞬間
あっという間に気力150まで上がったメンバー達の、凄まじい必殺技がティエリアに向かって浴びせられたのだ

「マリナ・イスマイール!」
その余波からマリナを守るべく、咄嗟に刹那が彼女の身体を抱き上げ、会場から間一髪飛び去る(ロランの方は御大将が助けたらしい)
「・・・ええと、刹那・・・あれって・・・」
「・・・・・・・・・すまない、深くは聞かないでくれ」
唖然としているマリナと刹那の背後は、会場の形など跡形もなくて、まさにぺんぺん草も生えない焦土と化していた。そこに居たティエリアがどうなったかは・・・


なし崩し的にマリナが優勝になったミスコンの後

「全く貴方方の組織は、どうしてこう騒ぎばかり起こしますかね」
茶道室に座しているビアンの額に、目に見えるほどの青筋が浮かんでいる
「いや~、すんません。ウチの兄弟がご迷惑を・・・」
にこやかに笑って謝罪しているロックオンだが、彼もまたティエリアと合わせて五右衛門風呂の刑に処されていた
「ば、万死に値する・・・」
ティエリアのそれが自分に大してなのか、ロックオンに対してなのか、はたまたスメラギに対してなのかは、良く分からない
「すまない学長。いろいろあって、俺も言い出せなかった」
何もしてないとは言え、騒ぎを助長したので、刹那も超苦い抹茶を飲み干す刑に処されていた
「まったく・・・この情報が欲しいのなら、正面から欲しいと言えば宜しいものを」
なんの前触れもなくビアンが提示したのは、彼等三人が見たこともない機体に、あの赤い粒子を出す太陽炉らしきものが、搭載・接続されている映像であった
「こ・・・これは!?」
三人が驚いてその画像をのぞき込むのも無理はなかった
「ユニオンで制作されているのを捉えました。GN-X・・・と言うコードネームのようです。他の陣営にも、同じパーツが流出しておるようです」
刹那達は、体中の血の気が引くような思いを感じた
「そんな・・・こんな重要な情報を、ヴェーダが流してこないなど・・・!」
「そうだな・・・学長さん、こういうの、そっちはどうやって得てるんだい?」
このような、CBの武装介入の戦果を、世界の戦局を変えるような情報を、CBの中枢部が知らないと言うことは以上である
「我々はプリベンダーは、既に三大陣営に人を送り込んでいる。彼等の情報を集計してのことだ」
「・・・だとしたら尚更だ。プリベンダーに分かって、俺達に分からないのは、余りにもおかしすぎないか」
根本的に情報管理の仕方が違うはずの世界で、プリベンダーの方が自由自在であることがおかしい、というのである
「それについて、私もレディ・アン先生と話し合った。その上で導かれた一つの可能性・・・それは、ヴェーダの情報収集機能に関して、何らかのアクシデントが発生しているということだ」
「あり得ない!ヴェーダは・・・ヴェーダは完璧なのだ!!誤りがあるなどッ・・・」
「落ち着けよティエリア。ヒステリーになりすぎだ」
ティエリアの過剰反応に、さすがのロックオンも眉をひそめてしまう
「たしかにヴェーダは人間ではないから、基本的に誤りはないだろう」
これについて、ビアンは妙にすんなりことを認めた
「だが、イオリア・シュヘンベルグは、ヴェーダに記録させ実行させるあの思想が、時代によってとらわれ方が変わる、と充分予測していたようだ」
ビアンが、プリベンダーの入手した文書を読み、ある種同じ経路の彼の思想を考え、そして導いた見解だった
「それ故、ヴェーダにリアルタイムな状況予測をさせるべく、人型の生体端末を複数用意していたらしいことが示唆されている」
「生体端末だって?・・・そりゃまた、難解そうな代物だな・・・」
つまり、ヒトの目と口と思考を持った者達が、ヴェーダの判断項目を掴んでいる、という可能性である
「イオリア・シュヘンベルグは、その者達をこう記していた」
ビアンは手元の茶碗を静かに置いた
「イノベイター・・・と」
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テーマ : スーパーロボット大戦 - ジャンル : ゲーム

2010/07/24 00:07 | 刹那 参戦編COMMENT(3)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

ティエリア……乙。

色々と爆笑させていただきました(笑)


> 刹那の超鈍感っぷり
そりゃ、2期本編でマリナとのフラグをへし折ったくらいですからねぇ…。
劇場版ではどーなることやら……

> ジョッシュのツッコミ
確かに、彼が適任でしたね(笑)
にしても、わざわざエールではなくてジェアンとは……

>「ど~も~ぉ、アタシはジュド子でぇ~っす」
>「イ・・・イノ子です・・・」
イーノ、お前も本編で女装してたんかい!

>「は・じ・め・ま・し・て♪レディギャブレーよん☆」
>「ダ・・・ダバ子・・・です・・・」
お前らもか!というかギャブレー、ノリ良すぎ!

>「ど~も皆さぁん、お久しぶりぃ~☆那由多・T・アーデでぇっす☆」
この後の展開を考えると何も言うまい(苦笑)

>最早解説不可!
>グエン卿どころかハリー大尉をも惑わした、あの伝説のローラ・ローラが、今目の前に!
確かに解説不要(笑)あれは実際に画像か映像を探して見てもらったほうが早いですww

>これは半公式で某セーラー戦士のコスプレ(捜せば画像があります)をした、例の5人のガンダムパイロット達である!
出たよ、黒歴史。私もこのネタ振ってくるまで記憶をゴミ箱の彼方にポイしてました(笑)
読んだ時に何も飲み食いしていなくて良かった……そうでなければお茶返せと言う所でしたよ。

>風のイタズラ
お約束といえばお約束ですが……。それにしても御大将、よくローラの救援に間に合ったものだ(苦笑)

>プリベンター
ビアン校長、貴方いつプリベンターに!?学園に関与しないミリアルドの兄貴の代替か!?




※追伸(今回の話とは直接関係ありません)
15話外伝での偽ゲシュキックを見たカイ先生が~の話、夏の期末試験の話としてこちらで外伝として書いてもいいですか?(核爆)

No:2005 2010/07/24 01:16 | 漆黒の翼 #e9EPk88s URL編集 ]

甲児が格好いい

甲児の言動が格好いい。何か確固たる信念を持って闘う感じで。ゲイナーは悩みながら先に進んでる感じですね。
そして、女装コンテスト・・・リムは出る気無かったんでしょうか?あとラキも・・・って思ったけど、ラキは暑い所苦手そうだしな。
ZZは知ってたけど、エルガイムもか・・・ローラも含めると女装ネタ好きだったんでしょうか富野さん。
あと、カトルはよく女装したな~だって、以前それ系のネタになったとき、「宇宙は君たちを必要としてないんだよ~(チリーン)」と、ウイングゼロを暴走させたことがあったのに・・・リリーナ女王からの任務?まあ、ウイングチームはごひ以外似合いそうだけど・・・
あと、ゲッターチームはミチルさんが使えなくても最後の切り札元気君がいたのでは?エイジコントロール使えば(使わなくてもゲッター線照射すれば)あっという間にケイちゃんに早変わり(笑)
そして校長、DC解体してプリべンターと合体させたんですか?トレーズさん辺りと優雅な交渉があったりしたんだろうな?
いよいよイノベーターが出てきて物語の確信に迫ってキタ感じで楽しみです。

P.S.話は全然変わりますが、この間Gジェネの古い4コマ読んだらマシュマーがガンダムローズに乗って大喜びしてるネタを読んでしまい、以降二人が仲良しイメージがついてしまいました。多分学園では園芸同好会とか作って2人でバラ作ってそう・・・

No:2006 2010/07/24 09:05 | 壱華 #- URL [ 編集 ]

雨降らないかな

ここから先は少々シリアス気味にならざるを得ず、いかにギャグを挟むか考え中という、若干不毛な管理人です

漆黒の翼さん>
>ジョッシュがジュアン
理由はあれがデカいから、と言う単刀直入な理由です
>イーノの女装
ジュドーとコンビで女装してたのです
>ガンダムセーラー戦士
初見では良くできたコラだと思いましたが、半公式と知った時の衝撃はもう・・・
>プリベンダー
まぁDCがプリベンダーなんだと思って下さって問題ないッス
火消しのお兄様は、たぶんユニオン辺りに潜入していると思われ
>外伝
ああ、ゲシュキックをどこで入れようか悩んでたから、逆にやって頂いた方が楽になれます(ぇ

壱華さん>
>女装コンテスト
>リムとラキ
・・・多分兄貴にだめ出しされたものと思われ
>カトル
周りが女装してるので、イヤと言えなかったのです(ぇぇ
>ミチルさん
出る気はあったのでしょうが、ガンダムパイロットにはめられたのです
>マシュマーがガンダムローズに乗って大喜びしてるネタ
・・・バラだからって何でもいいってモンじゃねぇぞ、マシュマー君!

No:2007 2010/07/24 23:36 | あるす #- URL編集 ]

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