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【スパロボSS】真・スパロボの学園(22)~信じるもの~

PS3買ったは良いけど、本気でやるゲームがないですよ、飛白さん

それよりも、HDMI出力をどう切り替えようか、なんてことの方に気が向いている管理人です

HDMIのセレクターというと、まぁどんなものでもそうですがピンキリでして、下は2,000円から上は20,000円まで幅広です
え、なんでそんなもの捜してるのかと
ゲーム画像の録画ですが、なにか(爆

D端子出力とHDが同時に出るなら要らないんだけどな・・・
まだ試してないのでなんとも言えず
まぁ、録画する時だけD端子でやる、って手もない訳じゃないし(PS2用のD端子ケーブルが使えるので)

何、まだ無駄なことをしているよ、と
うん、お金無いからやれないんで、言ってるだけです、はい


さぁ、こっからは少しマジで行きますよ
それと、展開がTVのダブルオーとは結構違うので、ご注意下さい
自分がかじりながらこの番組を見て、もうちょっとこうだったら良かったのになぁ、という妄想から来ています
シャレになんない表現が入っている可能性もあります
閲覧に当たって、オイオイという表現があった時は、生ぬるい視線で許してやってください(ぉ


「もしもそのイノベイターに異変が起きているとしたら、その者が与える情報がヴェーダを惑わせているとしたら・・・」
ビアンの言葉を、刹那達はただ聞いていることしかできない
「貴方がたソレスタルビーイングの存在に、疑問を投げかけているとしたら・・・」
ガンッとティエリアが床を叩く。その顔からは血の気が引いているが、しかし彼にしては珍しく、あからさまな怒りが滲み出ていた
「ヴェーダの計画を狂わせようというのか、恒久和平への道を拒むというのか!?」
ビアンは首を振った。そしてしっかりとした視線で、ティエリアを見つめる
「もしもその者が実在するとすれば、その者は己がヴェーダを狂わせている、等と思ってはおりますまい」
「つまり、奴さんは自分の感じたことが正しくて、それこそがヴェーダの採る道だ、と思ってるッつーことだろ?」
ロックオンの言葉に、ビアンはその通りとでも言うように頷いてみせる
「そんなことがあるはずがない!だとするならばヴェーダは、僕に道を示してみせるはずだ!ヴェーダが僕を裏切るなんて、それはあり得ない!!」
「落ち着けティエリア。ここはスメラギ・李・ノリエガの意見も聞くべきだ」
さすがの刹那も、今までにない彼の動揺ぶりに、思わずその方に手をかける
「そんな余裕が・・・あるものか!もしもこれが事実だとするなら、今この瞬間にさえ・・・」
ティエリアが錯乱寸前なのは、もう誰の目にも明らかだった。激しい調子で叫んでは見せているが、ガタガタと肩が震えているのが、外見からも分かるほどだ
「ヴェーダ、ヴェーダってお前・・・状況の変化はなんにでもあるだろ。少しは自分の頭で考えろって」
「うるさい!」
ロックオンの言葉は尤もなのだが、ティエリアの方はいきり立って、そのまま茶道室から出て行こうとした
そんな彼に突き飛ばされそうになったのは、茶道室の外で様子を伺っていたマリナであった
「マリナ・イスマイール。居たのか」
気遣って声をかける刹那。マリナの方はどうでもなかったらしく、それよりも自分の横でバツが悪そうにしているティエリアを、どこか気遣っているようだった
「なんだか・・・大変なことになっちゃったわね・・・」
「予測不能の出来事は起きるものだ。だが、今回のことは俺達の行動の根幹に関わる。動揺するのは、分からないでもない」
それにしては、どちらかというと妄想と言っていいほどの、強迫観念から来るセリフが多かった気がするが、と刹那は少々の疑問を感じては居た
「それにしても、何故ここに居る?お前が何か起こした、と言うわけではない」
「ええ・・・気になったというのもあったけれど、学長にお願いがあって」
そう言うと彼女は座敷に上がり、覚えたばかりの『正座』姿勢でビアンの前に座った
「ビアン学長、私は一度、アザディスタンに戻ろうと思います」
「それはまた・・・急ですな」
ビアンは口では驚いているが、その実予見していたかのような印象もある
「はい。今回、結果的に多くの資金を提供していただきました。そして学園で、いろいろな技術も学びました。私はこれを使って、アザディスタンの経済を立て直す、次の一歩を踏み出したいと考えたのです」
なにせ学園は、現実的にはガソリンエンジンからミノフスキー式核融合炉、ちょっとビックリなのだと光子力エネルギーとかゲッター線とか、ぶっ飛んだところではエーテル理論とかイデの力などという、夢の動力源の宝庫である
それらのどれか一つでも商業ベースに乗せられれば、アザディスタンが軌道エレベーターによるエネルギー供給の恩恵に預かれないことが、後進国となってしまうハンデを乗り越えられるきっかけになるのは、確かに予想できる
「だがマリナ・イスマイール、俺はその意見に諸手を挙げて賛成はできない」
珍しく刹那が口を挟んできた。不思議に思ってマリナが視線を向けた先で、うんうんと頷きながらロックオンが続けた
「分かっちゃいると思うけど、アザディスタンはアンタの味方だけじゃない。改革派と見られてるアンタの帰国を、保守派の連中が黙って見過ごすとは思えないね」
そう言う輩は手段を選ばない
彼女が帰国のために使う飛行機に爆弾を仕掛けるかも知れないし、空港で狙撃してくるかも知れないし、大挙して王宮を襲うことだって有り得るだろう
「分かっているだろうが、お前の命はお前だけの物ではない。迂闊な行動が国の死に繋がることもある」
「ありがとう刹那、ロックオンさん。けれど、だからと言って私は、学園という安全な壁の中に、いつまでも居るわけには行かないわ。私の帰りを待つ人だって、アザディスタンには確かに居るのよ」
そう言うマリナの目には、一国を背負う物の持つ真摯さが、やはり宿っている。刹那はミスコンで見た彼女の姿勢を、改めて心に感じた
「なるほど、お話しは分かりました」
ビアンはそう言うと、膝だけで立ち上がると、するするっとマリナの方に擦り寄った
「ご安心ください。貴方の願いを聞いた時から、この時が来るのは分かっておりました。今や貴方はアザディスタンの主であると共に、私の大事な生徒です。身柄はこの手で責任もってお送りしよう」
そしてビアンは、茶道室に駆けられていた、水墨画の裏に手を回した。そこから出て来たのは、何処かに繋がっているらしき通信装置だった
「おいおい、ニンジャ屋敷かここは」
茶化すロックオンだったが、ビアンは意に介している風もなく、その通信装置を口元にあてがった
「全学園に告ぐ!スパロボ学園全校舎、発進準備を取れぃ!!」
途端、学園中にアラートが鳴り響く。あるいは光子力研究所風のスーパー系アラート、あるいはホワイトベース風のリアル系アラート、各番組で使われたあらゆるアラートが、不協和音を奏で始めた
だが、刹那達が驚いたのは、そっちの方ではなかった
ゴゴゴゴ・・・という山鳴りのような音を立て、校舎全体が揺さぶられたと思った途端、茶道室から見えていた空や山が、パッと消えたのである
そしてその後に出て来たのは、無機質且つ巨大な、隔壁の数々であった
それらの隔壁もまた、音を立てて思い思いの方向に移動している
もちろんいつも通り、小学校から大学に至る校舎も変形シーケンスに入っている
やがて周囲が完全に隔壁に閉ざされ、空と思っていた場所が"天井"に閉ざされた時、刹那達はその場所が、巨大な戦艦ドックであることを悟った
「ヱクセリヲン、変形完了しました」
水墨画の代わりに現れたモニターの向こうから、ヴィレッタがビアンに報告を入れてくる。その他のモニターからも、ギリアムやクスハと言った面々が、マクロスなどが変形完了しつつあると報告を入れてきている
「そんな・・・この学園自体が、巨大な艦だったというのか」
あまりにも常識外れな事態に、さすがのティエリアも感嘆にも似た声を上げざるを得ない
「そう、全長およそ7,000m、本来は対宇宙怪獣用に製造された、スパロボ世界でもトップクラスの巨大さと堅牢さを持つ戦艦、それがこのヱクセリヲンだ」
何せ戦艦なのにイナーシャルキャンセラー装備してますんで・・・
こんなのが何十隻も存在している、トップをねらえ!世界の強大さ、推して知るべし
しかも、同じようにピンポイントバリア装備のマクロスより、なんと6倍デカいです
なので、バクリューオーとアーガマとナデシコとマクロス(+α)積んでも、そりゃもう余裕なんである
「そりゃぁ・・・こんな巨体で乗り込まれたら、どんだけ命を軽視してるヤツでも、引くわな、とりあえず」
ヒトという生き物は、どうも古代から"デカいもの"が苦手のようで、そう言う物がでんっと居座っていると、ついつい脚が止まってしまうものである
「学園長の考えは分かった・・・だが一つ、俺からも提案しておきたいことがある」
何事かを考えていたらしい刹那に、その場全員の視線が集中した


その日、アザディスタン王国は晴天にも関わらず、国土の大半が影に覆われていた
言うまでもなく、あのヱクセリヲンが覆い被さり、太陽光を遮っているからに他ならない
この光景をアザディスタンのテレビ局だけでなく、00世界の報道機関が集まって放映していたのは、物珍しさも相まって仕方なかったかも知れない
「ご覧下さい、船のハッチが開いて、そこから少女の形をした何かが・・・」
本来はビアン自身が、ヴァルシオンでマリナを送り届けようとしたのだが、その外見がほとんど悪役ロボットにしか見えないため、全員一致でリューネのヴァルシオーネがこの大役を任されることになった
ヴァルシオーネの手に抱かれたマリナが、王宮の手前で降ろされたその時、彼女を出迎えた人混みの中から、何者かが彼女に襲いかかろうとした

それは、シャドウミラーの汚名を返上すべく、後には引けない作戦に打って出たラミアであった
なんの迷いもない彼女が、マリナをその手にかけようとした次の瞬間、目の前からターゲットの姿がかき消えたのである
「ふははははは!私はここだ、ここにいるぞ!!」
ラミアが見上げた先で、マリナがずいぶんぶっとい声で、不敵な笑いを挙げている
彼女が肩に手を当てると、はぎ取った服の下から現れたのは、ドイツ国旗を摸した仮面を被った、いかにも怪しい男であった
「これぞゲルマン忍法、変わり身の術!
ゲルマン忍法じゃなくても、本来の忍術でも空蝉ぐらいやりますよ、シュバルツさん
「なに・・・!?」
そこで呆気にとられ、思わず立ち止まってしまった彼女は、自分が公衆の面前に晒されていることに焦っていた。マリナを暗殺して、そのまま群衆に紛れるつもりが、広場のど真ん中に自分はあって、しかも周囲を大勢のアザディスタン兵に囲まれている
といって、彼女にとってはたいした相手でないだろうが、問題は自分を見下ろしているヴァルシオーネをはじめとした、スパロボ学園の面々であった
「くっ・・・」
別に自分の命が惜しいわけではない
争点は、自分がシャドウミラーという、文字通り影に徹する組織に属していることを、学園に知られていると言うことである。歴史の影から世界に闘争をまき散らすという目的のためには、例え一片でもこの世界にはその片鱗をバラされるわけに行かないのだ
自害も止むを得ないか
そう彼女が考えた時、甲高い金属音と共に、広場に数体のロボットが乱入してきた
「ヴァイスセイバー・・・レモン様!?それに、ツヴァイまで!」
『W17、そのまま群衆を突っ切って、2km先まで行きなさい。アンジュルグがあるわ』
既に多数が展開していた、スパロボ学園の面々を相手にしながら、レモンがラミアに通信を入れてきた
「アンジュルグを・・・?しかしレモン様、それでは」
『もう遅いわ。アレハンドロ・コーナーは私たちを切るつもりよ』
レモンの言葉に呼応するように、どこからともなくGN-Xをはじめとした、三大陣営の機体が大挙して押し寄せてきたのである。それらは問答無用に、シャドウミラーの機体と交戦を始めた
状況を悟って駆けだしたラミアの背後では、しかし思いもよらない事態が始まり始めていた
『スパロボ学園全機に告ぐ。こちらは国連代表の、アレハンドロ・コーナーである』
複数回線に対して行われた通信
そこに映し出された男が、何事かを告げだした
『我々は君らの介入を、アザディスタン王国への内政干渉と認識した。大人しくこの場を去れば良し、そうでない場合は強制排除を敢行する』
これにはタシロをはじめ、学園の指揮官レベルの者達は、驚きを隠せなかった
「なんだと!」
「クッ、だから言わんこっちゃない」
「どうしますか艦長?」
「え~、困ったなぁ。撤退なんて考えてませんでした」
「ユリカはこれだから・・・」

そうして、学園内にも動揺が広がる中
「・・・ッ!」
外を眺めていたアクセルが、何かが引っかかったような顔をし、思わず頭に手をやっている
「・・・あれは・・・あれが、クッ・・・ヴィンデル・・・か?」
薄ぼんやりとした霧の向こうから、ようやく彼が求めていたもの、しかし今は思い出したくない物が浮かび上がってくるようだった
「還っても良いのだぞ、アクセル・アルマー君」
まるでその時を待っていたかのように、突然ビアンが彼の背後に現れた
「アンタ・・・」
「己の居るべき場所があるのは誰もが同じ。どこをどう守っていくかは、君自身で決めればいい」
「"闘争の世界を作る"・・・そんな考えを、アンタは支持するのか?」
自分が目指してきた物に対して、"そんな"等という形容詞を付ける自分が、なんというか皮肉だなと彼は思っていた
私も昔、闘争によって統一される世界を目指したことがある。だから、ヴィンデル・マウザーの考えることも、少しは理解できるつもりだ」
「アンタが?・・・意外だな」
だがそう思うと、ヴァルシオンが限りなく怪しい形相であり、スーパー系のラスボス風の風貌なのが、なんというか分からないでもない
「だがその中で、多くの命が失われた。善であれ悪であれ・・・私の思想を純粋に信じ、その未来に希望を託した者達も、私を悪と断罪し、別の未来を切り開こうとした者達も、皆死んでいった」
アクセルは何も言わなkった
「私が悪とされる、それは構わん。だが統一の過程で、街が破壊され絶望と憎しみが広がることを、私は阻止できなかった。それが故、やがて私の思想は歪み、汚されていくことになった」
ビアンはそこまで言うと、外の光景にふっと目をやった。娘をはじめとした、多くのメカが展開する風景を見やったのだ
「アクセル君、私はまた、無用な戦いをするのかも知れん。だが学園という閉ざされた牢獄から、それでも運命に抗う術として、私は決断する。それに巻き込まれたくなければ、今すぐ上官と共にこの場を脱出するのだ」
すぅ、とビアンは深呼吸をして続けた
『スパロボ学園の生徒諸君。我々はマリナ・イスマイール皇女を助け、支援してきた。例え国連が何と言おうと、我々がここで引くことは、彼女への責任放棄、ひいては我々を信じて皇女をお預けくださった、アザディスタン王国国民への裏切りである。よって私はこの場を引くことに同意しない。だが、これは"夏休みの自由課題"である。参加するもしないも諸君等に任せよう。参加しなくても赤点は出さんから、安心したまえ
緊張して学園長の言葉を聞いていた、ヴァルシオーネを筆頭とした学園全員は、最後の言葉でみなずっこけてしまった
「自由研究かよ、これが!」
「相変わらずどっかずれてんな、学園長!」

ざわつきながらも、しかしその場を離脱しようとする者は誰も居なかった
「いいのかアムロ。乗り気ではなかったのだろう?」
「お前は残る気なのだろう?なら俺もこの場を離れられない。お前を御しきれるのは俺しか居ないからな」
自身の気持ちを察して、そんな風に言うシャアに対して、何処かツンデレな対応を取るアムロであった
そんなやり取りが、あちこちで起こっていたのは、言うまでもなかった
一方でヱクセリオン艦内のアクセルはと言うと
「ん~、俺も一応学生だしね、課題の点数は取っておきたいかな」
不敵に笑う彼だが、どこも冗談めいているようには見えなかった
「そうか・・・ならば、一つ提案があるのだが」
くるりと振り向いたビアンは、彼を見守るように笑っていた

自分たちと交戦していた国連部隊を、学園のメンバーが突然撃墜し始めたのを、レモンは唖然として見ていた
そんな彼女の機体に、背後からGN-Xが襲いかかろうとした
「超級覇王電影弾!」
聞き慣れた声で、素っ頓狂な必殺台詞が飛んだかと思うと、黄金の光に包まれたソウルゲインが文字通り飛んできて、GN-Xを彼方に吹き飛ばしてしまった
「後ろががら空きだぞ、レモン」
「アクセル!?貴方、記憶が・・・」
「惚れた女の事を忘れるほど、俺の脳はおかしくなってなかったようだ」
歯の浮くような台詞だが、アクセルの方は結構真面目に言っていたようである
でもやってることは、流派・東方不敗の変態技だったが
「おい、ヴィンデル」
先頭に立ち、多くのゲシュペンストを指揮していたヴィンデルに、アクセルは通信を入れた
「学園長さんは、国連のお偉いさんに従う気はないとさ。ついでに、俺達についても手出しするつもりはないらしいんで、とりあえずこの場だけは乗り切らないか?」
「フッ・・・呉越同船、と言うわけか」
ヴィンデルは面白くない、とは思ったものの、その案が一番現実的であろう事も、良く分かっていた
「ではそうさせてもらおう。お前に何があったのか、それも聞かせてもらいたいからな」
「俺も愚痴を聞いてもらいたいんでね。さっさとやっちまおう」

「キラ、不殺なんて言ってられないからな!」
「ちょっとでも手を抜いたら、アザディスタン王国に被害が及ぶんだからね」
「そうは言っても、高範囲武器はなるべく避けろよ、デスファイヤーとかファイヤーストームとか!」
「特に報道関係者に被害を出したら、それこそシャレになんないッつーの!」
「分かってるよ!鉄也さんだって、サンダーブレークは御法度だぜ」
「フッ、言われるまでもない。こんな連中、マジンガーブレードで充分だ」
こうして、後にアザディスタン王国の命運を決する戦いが火蓋を切った
一方で本物のマリナはどうしていたかというと
「王宮が・・・一体、どうなってしまうのかしら・・・」
「分からない。だが、これでお前の身柄を、一刻も早く王宮に戻す必要性が増した」
その頃のソレスタルビーイング(エクシア・ヴァーチェ・デュメナス・キュリオス)は、光学迷彩とGN粒子によるジャミングを利用し、王国の山岳地帯を密かに進んでいた

マリナにかかる厄災を避けるため、シュバルツを影武者に仕立てて、何とか安全に彼女を送り届ける、刹那にしては珍しい意表を突いた作戦であった
ティエリアは最初異議を唱えたが、ヴェーダを中心としてスメラギとも協議した結果、成功確率が高いとして実施された
だが、事が思ったより早く動いている
マリナが居ないことで、アザディスタン王国自体がまとまっていない
たとえスパロボ学園が国を守りきったとしても、指導者が居ない組織は瓦解するだけだ
故に、彼女が公の場に立ち、王国全土に意思を表明することが、今何より求められることであった
「・・・まて、こちらに接近する機影・・・だと!?」
ヴァーチェの遠距離レーダーに、数多くの"機影"が映ったのは、山がちょうど切れようというようなところであった
果たして現れたのは、いつぞや見た赤い機体を先頭とした、GN-Xの集団だったのである
「馬鹿な!このコースは、ヴェーダが選んだ最適コースのはずだ!!」
「それに、こっちのジャミングが効いている様子も無いじゃないか」
驚きの声を上げるティエリアとアレルヤの耳に、こちらを嘲笑うような甲高い笑いが聞こえてきた
「へっへっへぇ、そこに居るのは分かってんだよ、ガンダムさんよぉ」
「この声・・・アリー・アル・サーシェスだと!?」
自分が倒したと思っていた相手の声を聞き、刹那は驚愕すると共に若干の焦りを感じた
何か嫌な予感がする
「あの程度で死んでたまるかよ。俺はまだ戦い飽きちゃいねぇんだ」
サーシェスはそう言うと、彼等に挨拶代わりに一発撃ち込んできた
「こいつはよ、なんちゃらスローネとかいう機体でな、一応ガンダムらしいぜ。周りに居る銀色も、GN粒子を出せるようになってんだよ。粒子同士が干渉すりゃあ、隠れん坊もおしまいになるなァ?」
「な・・・なんってこった・・・」
事実、彼らの機体からは赤い粒子が放出されていた。色こそCBの物と違えど、その様はまさに太陽炉であった
「それと、もう一つ分かっていることがある」
割り込んできたのはグラハム・エーカーだった
「そちらが、本物のマリナ・イスマイール皇女を拉致しているのはわかっている。そうそうに引き渡してもらおうか」
これには彼等は絶句せざるを得なかった
「ティエリア、やっぱりおかしい!僕たちの行動が完全に読まれてるうえ、マリナ皇女のことまで知られてるなんて」
「うう・・・何故、何故だ・・・」
アレルヤの言葉も耳に入らないほど、ティエリアは絶望にも似たものに囚われ、がくがくとコクピットの中で震えていた
「こんだけ戦力差があれば、もう今までのようにはいかねぇなぁ、ガンダム!」
どうやらパトリック・コーラサワーもその場に混じっているらしい。ある意味歓喜の言葉とも言える台詞を出す彼は、刹那達は余りにも忌々しい存在である
「待てぃ!!」
周囲をぐるりと囲まれた4機の手前で、突然地面が盛り上がったのは、その声と同時だった
ドカドカとけたたましい音を立て、ゲッターライガーやグレンダイザー(+ドリルスペイザー)、真ゲッター2(と、小柄なんでそれにくっついてきたキングゲイナー)、マッハドリル(とそれにくっついてきたロム兄さん達)やらジーグ(+マッハドリル装備)やら、学園のドリル持ちがワラワラと這い出してきたのだ
「ふー、こんなこともあろうかと、地中から追ってきて正解だったぜ」
「こんなこともあろうかと、って・・・」
ヤレヤレだぜ、と言った雰囲気の隼人だったが、刹那達はもう開いた口が塞がらない
「力を盾に、真の正義を見失った亡者共。この剣狼にかけて、その曇った目を晴らせて見せよう!」
「なんだァ、歌舞伎役者のつもりか?俺が用があるのは、テメェじゃねぇんだよ!」
叫んだサーシェスが飛びかかったのは、もちろん刹那のエクシアにであった
「やめろ、その機体にはマリナ皇女が!」
ソーマの声など無視して、サーシェスの機体はエクシアに肉薄する
もちろんそれを許す一行ではなく、真ゲッター2が盾となる
「刹那、早く行け。この場は俺達で何とかする」
「いや、ヤツの目的は俺だ。なら」
言うと、刹那は急いでゲイナーの元に機体を移動させる
「この状態なら、お前の機体の方が混戦から抜けやすい」
「えっ、それはそうだけど、刹那は?」
「俺は・・・俺の戦いの発端を、断ち切らなければならない」
少し考えて、分かったというようにゲイナーは、キングゲイナーの手を差し出した
「行け、マリナ・イスマイール」
「で、でも・・・」
「いいから!」
半ば無理矢理押し出される形で、エクシアのコクピットからキングゲイナーの手に放り出されたマリナは、つい
「刹那!」
と叫んでしまった
高範囲に、外部への集音装置を持った機体が固まった状態だったので、その声はそのまま多くの国連機に流れてしまったのである
「刹那・・・だと?あの少年、だと言うのか!」
グラハムは驚くと同時に、一種の歓喜とも言える感情がわき上がるのを覚えた
卓球などと言う狭いフィールドでなく、MS戦という華々しく勝利を飾れる場に、あの倒したくてたまらない、愛おしい少年が居ることが、余りにも意外でありまたチャンスであった
「これは運命か!ならばもう一度手合わせ願おうか、少年ッ!!」
だがその前に、サーシェスの機体が立ち塞がった
「悪いな上級大尉さん、コイツは俺の獲物なんでなぁ」
いかにも乱暴に、グラハムのフラッグを叩き飛ばしたサーシェスは、そのままエクシアと刃を交え始めた
「イイご身分だな、ええ、くそガキが!」
「黙れ・・・」
「何が紛争根絶だ、なぁにが恒久和平だ?その手が血でまみれまくってて、良くもそんな浮ついた台詞が言えたもんだ」
「黙れ・・・ッ」
「ヒトの馬鹿みたいな話を信じ込んで、二親を殺しておいてか?」
「!!」
その台詞には、さすがの学園メンバーも耳を疑った
「な・・・刹那が・・・」
「りょ、両親・・・を!?」
当の刹那は、わなわなと全身を震わせ、激しく唇を噛んでいた
「言うな・・・」
「それだけじゃねぇ、街中での自爆テロも手伝ったよなぁ?
「それ以上言うなァァァァァッ!!」
絶叫と共に、エクシアがGNソードを振りかぶり、スローネに飛びかかった。だが、以前とは違い、ただ怒りに身を任せたその一撃が、猛者であるサーシェスを完全に捉えるのは不可能だった。スローネの右腕を奪うのが、精一杯だった
しかも、そのままスローネの回し蹴りを背中から受け、キングゲイナーが居た辺りの地面に叩きつけられてしまう
「・・・くっ・・・」
立ち上がろうとした刹那が、思わず見上げたその場所にあったもの
それは、刹那が犯した"殺人"に対して、純粋に驚きと戸惑いを隠しきれないマリナと、両親を失うことが共通点だと思っていたのが、実際には大きくそれがずれていたことを知り、表しようのない感情を抱いているゲイナーの姿だった
それは、目に見えない刃となって、刹那の心に大きく傷を付けた

刹那はエクシアを立ち上がらせると、そのまま背を向けて戦場から"逃げて"行った。立ち塞がるGN-Xも無視して
「ど、どこへ行く刹那・F・セイエイ!ヴェーダは離脱など、許可していない!」
「ヴェーダ、ヴェーダかよ、てめぇだけが特別だと思うなよ、そこの兄さん」
何とか平静を保とうとしていたティエリアに、サーシェスが通信を入れてきた
「ヴェーダにアクセスできるイノベイターは、お前さん以外にも居るんだよ」
「・・・!?」
イノベイターという単語が出て来たことに、ティエリアは全身を凍りつかせた
「雇い主が言ってたぜ、自分の手元にもヴェーダと会話できるヤツが居るってな。そいつは今頃、月のヴェーダ設置地点で、いろいろ細工してるはずだ。てめぇらの支えも、ここまでってこったな」
「そ、そんな・・・僕が、僕だけが・・・ヴェーダの・・・」
「ティエリア、そいつの言うことに耳を貸すな!」
呆然としていたヴァーチェに、コーラサワーの機体が襲いかかったのを、ロックオンは見逃していなかった。慌ててヴァーチェの前に出たデュメナスだったが、GN-Xのビームサーベルがコクピット近くを貫いてしまう
「ロックオン!!」
ティエリアはおそらく人生で初めて、悲鳴という物をその時上げた
「くそ、不味いぜ隼人!」
「全員、ガンダムを抱えてこの場をずらかるぞ!」
「ちょっと待ってくれよ、刹那は?」
「今は構ってられん!」
実際その通りだった
多勢に無勢なのは相変わらずなのだ。彼等はギリッと奥歯を噛みながら、刹那がかけていった方を見つめるほか、できなかった。そうしなければ、自分が死んでしまう
悔しいが、とにかく撤退するほか無い
・・・ゲイナーとマリナは、それとは違う感情を抱いていたが
エクシアは荒野を彷徨っていた
そのコクピットで、刹那は嗚咽にも似た呻き声を上げていた
自分の罪を認めないわけではない
むしろ予想していた、こういう場面が来ることは
それは覚悟していたはずだった。逃げられないことだったから
しかし、自分は逃げた。何故だ
マリナの目が、ゲイナーの目が、自分の心を穿つ
そんな目で見られることは、判っていたはずだ。それが自分の運命だ
なのに・・・

「なのに何故・・・こうも胸が苦しい・・・!」
吐き捨てるように、そう言った時だった
「無闇に"心"など持とうとするから、そうなるのさ」
その声に、ハッと顔を上げると、そこにはまたもや見たこともない、しかし例の赤い粒子をまき散らす、異形の機体が立ち塞がっていた
「イオリアの計画を実現するための駒・・・それが君達だったはずだ。そのようにあろうとすれば、過去がどうであろうと、ただ計画のために戦い続けること、神の戦士であること。それができたはずだったんだけどね」
「お前は・・・お前は、誰だ?」
相手の言うことを理解しようとしつつ、刹那はそう問うた
「イオリアの計画を実現するために、ヴェーダを正しいあるべき姿にする者、人類に偉大な革新を促すために、イオリアによってこの世界に送り出された者・・・」
「お前が校長の言っていたイノベイターか!?」
「一応ね。けれど、僕はイノベイターをも越える、世界のクリエイターとなる者だ」
その言葉は、どこに裏打ちされているのか、絶大な自信に満ちたモノだった
「馬鹿な、神だとでも言うのか!この世界に神など・・・」
神を求めるから、理不尽な状況において神を否定するのだろう?本当に神の存在を信じないのであれば、その言葉を口にすることすらないんじゃないのかな?」
それはある意味当たりだった。世界の歪みを正す、それを成すものとしての神、それが欲しかった・・・絶対正義とも呼べるもの
それを時にはヴェーダに見、エクシアの力に見、イオリアの思想に見てきた
「だとしても、そうだとしても・・・お前が創造者を名乗る根拠は・・・」
「心外だね。僕が僕を神と認識する、そのきっかけを与えてくれたのは、他でもない君だったというのに」
刹那は愕然とした
「まさか・・・まさか、お前はOガンダムの・・・
その驚きが、彼に大きな隙を作った
相手の機体から、何か小さな光るモノが放たれたかと思うと、それは容易にコクピット付近の装甲を抜け、そのまま刹那の胸に突き刺さった
「!?」
それが触れた辺りから、まるで水が染みこむように、薄い氷がピキピキと走っていく
『なんだ、これは・・・意識が・・・遠のいて・・・いく・・・』
コクピットレバーを握る手からも、力が失せていく
「なに、抵抗することはない。それに身を任せることが、君を苦しみから救うのさ」
声の主は、心底から刹那を嘲笑っているようだった
やがてその薄い氷が、エクシアさえも覆い尽くした
「さぁ、おいで。ソラン・イブラヒム」
赤い機体はそう言うと、エクシアに手を差し伸べた
「僕が君を、真の神の戦士にして上げよう」
言われるがままに、エクシアはその手を取った
そうして二機のMSは、月に向かってその身を躍らせたのだった
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テーマ : スーパーロボット大戦 - ジャンル : ゲーム

2010/07/31 14:47 | 刹那 参戦編COMMENT(4)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

またも出ますかアレ

全校舎をまとめて動かすためのエクセリオンやいきなり戦闘を「夏休みの課題」とか言っちゃう校長は置いておいて・・・
取り敢えずシャドウミラーと学園は一時休戦のようですね。
しかし、OOは飛び飛びに見てたので、「ティエリアのヴェーダ依存ってここまで凄かったっけ?」とか、「刹那が両親を・・・ってそんな過去あったんだ・・・テロのことは何となく聞いてたけど」とか改めて驚いている感じです。
そして刹那が最後に乗っ取られたのって、Oーバーデビルっすか?でも今回はどうやって氷りを溶かすんでしょう?鍵はマリナとゲイナーかな?

P.S.地下から出てきたドリル部隊にゲッターライガー、真ゲッター2と2つゲッターがありますが・・・(分離した?一つはゴウたち若手組?と細かいところにつっこんでみました。)

では、次回楽しみに待ってま~す

No:2019 2010/08/01 05:19 | 壱華 #- URL [ 編集 ]

今回はギャグ要員です

> 校長は置いておいて・・・
え、校長一生懸命頑張ったのにw

> しかし、OOは飛び飛びに見てたので(略
ティエリアのは結構自分でも誇張したかなとは思ってます
せっちゃんのは、いちおーロックオン兄さんに銃突きつけられるくらいの話はあったです

> そして刹那が最後に乗っ取られたのって、Oーバーデビルっすか?
そうだといえばそうだし、違うと言えば違いますな
ラストといえどもギャグをやる気満々なので

> P.S.地下から出てきたドリル部隊にゲッターライガー、真ゲッター2と2つゲッターがありますが・・・
どちらかに若者が乗っているんだと思っていただいておkですww

No:2021 2010/08/01 22:14 | あるす #- URL編集 ]

>PS3買ったは良いけど

AC4~ACfaをやれば良いんじゃ無いかなw?(フロムつながりで)
中古ならかなり安いですし、ロボゲーですし

No:2023 2010/08/02 15:04 | 黒アゲハ #- URL編集 ]

実写ゲームですか

> AC4~ACfaをやれば良いんじゃ無いかなw?(フロムつながりで)
> 中古ならかなり安いですし、ロボゲーですし
フロムのゲームは、初代PSからお世話になってますが、あの初心者お断りの極地、アーマードコアをヌルゲーマーのワタクシにやれと・・・(滝汗
いろいろロボットカスタマイズして、MSのみならずMHやらテッカマンまで再現する人が居るらしいですね、あれ

No:2025 2010/08/02 23:02 | あるす #- URL編集 ]

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