【スパロボSS】真・スパロボの学園(23)~決戦~

やっと新しいルーターが設定できました・・・
本当に僅かだけど、早くなったと思う。まぁ今までの無線端末が54Mdpsだったのが、いきなり最大300Mdpsになれば、早くもなるわな
そのせいでいろいろと苦労もしたけど・・・

しかしこれで、PHSもPS3もネットに繋げられる!
と言うことを、本当は昨日のうちにやりたかったけれど、デスクトップへの設定がエライ大変なことになったせいで、まだできてなかったりするorz
NECめ・・・どこが簡単じゃあ!


今度の29日、「題名のない音楽会」で、ゲーム音楽スペシャルが放送されるそうです(ソース
ゲームの音楽と言って舐めてはいけません
音楽もまた、ゲーム演出のための一つの重要要素
ワタクシもサントラを結構買ったりしてます。最近では(著作権上の問題はあるにしろ)、ニコ動なんかで懐かしのゲームBGMをアップしてる方居られますね
ちょっと楽しみにしています
さてと、次回でラストにするつもりの、スパロボ学園
今回は前振りが多いため、異常に台詞が多いです
読みにくかったらすみませんw


時間はあっという間に過ぎ、アザディスタン王国に夜の帳が降りる
闇夜での戦闘は不利と見たか、日没を持って国連関係者は撤退
スパロボ学園側も、緊急事態に備えた見回り要員を交替で付かせつつ、それぞれが休憩を取ったり作戦を練ったりと、確実に来る『次の戦い』に備えていた

その中、どうにかこうにかヱクセリヲンに辿り着いた、真ゲッター2の隼人達一行から、ビアン達はソレスタルビーイングが被った被害を知った
「ロックオン君の容体は?」
「危険ですね。右半身に致命傷を負っています・・・それでも粘っているのは、執念としか言いようがありません」
テクスはカルテに目を通しながら、そう応えた。特に右目に関しては、相当のダメージを負っていた
「僕のせいだ、僕の・・・僕はどうしたらいい、ヴェーダ・・・」
ロックオンが収容された手術室の前で、ティエリアは両肩を自分の手で抱え、恐怖と絶望に打ち震えているようだった
「教えてくれヴェーダ、次の計画を・・・これが計画の一部であるなら、その答えを・・・」
そう彼が呟いたのを、鉄也は聞き逃さなかった
「ちょっと待て、アンタ。計画であれば、彼が傷ついたのは良かった、とでも言うのか?」
顔を落としたまま応えようとしないティエリアを、鉄也は業を煮やしたというように掴み上げた
「ぼ・・・僕たちの計画は・・・ヴェーダの指し示す・・・」
驚き、焦り、言い訳としか言いようのない言葉を呟くティエリア
「いい加減にしろ!計画で彼の死が盛り込まれていれば、それでアンタは納得するのか?計画なら、村が町が国が滅びても、アンタは何も感じないというのか?そんなことだから、偽の情報を与えられただけで、何もできなくなるんだ。少しは"自分"を持って考えろ!
鉄也が珍しく声を荒げたので、甲児や竜馬も驚いていた。だが、厳しいようで人一倍命を大事にする鉄也だから、きっとティエリアの態度に腹を据えかねたのだろう
「ティエリア君、何故あの時、ロックオン君が君の前に立ったのだと思う?」
次いで声をかけてきたのは、その場に居た大介(デューク・フリード)であった
君を守りたいからに他ならないだろう。もしも彼が、君と同じように"計画"を念頭に置いているなら、ガンダムが傷つきそして自身をも傷つくことを、優先とするはずがないじゃないか」
「僕を・・・守る・・・」
そんなことを考えたこともなかったティエリアは、その言葉の意味を理解しかねていた
「男が命をかけて何かを守る時、そこには譲れないモノがあるんだ。損得の問題じゃない、君に生きて欲しかったんだよ、彼は」
大介にそう言われると、ティエリアは訳も分からず涙が溢れてくる自分に気づいた
「う、うう・・・ッ・・・ロックオン・・・僕は・・・」
「馬ッ鹿、そんなに泣くんじゃねぇよ、男だろ」
と、いきなり元気そうに現れたロックオンが、ぺしとティエリアの頭をこづいた
「ロ、ロックオン!?」
それは周囲にとっても意外だったらしく、全員があんぐりと口を空けて彼を見ていた
「いやー、俺も驚いてるんだけどさ。ネルフってところの治療技術はおっそろしいねぇ~・・・
なんでもロックオンの細胞を抽出して、手とか脚とか再生しちゃったそうである
「ああ、それは俺も思い出が・・・」
スパロボFでガルーダに両手を切られたものの、ネルフの再生治療で事なきを得た葵豹馬が、あの時は辛かった・・・と自分で思い出して鬱って居た
「さすがに目だけはデリケートなので、すぐにって訳にはいかなかったけれどね」
やっと肩の荷が下りたと、リツコはふっと大きなため息をつきながら言った
彼女の言うとおり、ロックオンは右目の方に痛々しい包帯を巻いていた
「彼、もう大丈夫なのかよ、赤城先生」
「動くには支障ないけど、あのガンダムで狙撃をするのは無理ね。片目じゃぁポイントが定まらないでしょうから」
視力が安定するには、それなりの時間がかかると言うことである
「うーん、そりゃ困るなぁ、ほくろ美人の先生。この後にもいろいろ、やらにゃあなんないことがあるんだけどさ」
さっきまで死にかけてた男とは思えないほど、ロックオンは真面目であった・・・そう、口調とは裏腹にマジモードであった
「ロックオン!無茶は止めてくれ。そのままでは君が死んでしまう!」
彼を止めに入ったのは、意外にもティエリアであった。今までにないほど悲痛な顔をしてロックオンを見上げている
「おいおいティエリア、そんな愁傷な顔すんなよ」
「勘弁して欲しい・・・もう嫌なんだ、これ以上何かを失うのには・・・僕は耐えられそうにない」
まるで本当に女のように、ロックオンの胸の中で震えているティエリアの図は、腐女子万歳な風景である
「大丈夫だって、そんなへましないさ・・・それに、アンタらも居るしね」
ロックオンはそう言うと、甲児達をはじめとした学園の面子に目をやった
「ああ、死なせやしないよ」
「そう言うフラグを回避してきたのが、俺達だからね」
と言うわけで、この話では弟(ライル)の方は出番無しである
彼方から「なんだとーっ!?」とか聞こえてくるが、作者は知らん

さて、問題のもう一つは、出奔してしまった刹那である
「捜索隊を出しますか?」
「この状況下で誰かが動けば、国連部隊に攻撃を再開させる口実に成る・・・とも考えられるわ・・・難しいところね」
ヴィレッタの言うとおりで、マリナが到着したことでどうにか平静を保っているアザディスタンに、再度国連軍が仕掛けてくれば、そのまま内乱が勃発することさえ有り得る
「それなら俺が行きましょうか。ダンバインなら、小柄ですし外装が既存の金属じゃないから、レーダー波をすり抜けていける」
レーダーは電磁波の反射を使うが、ダンバインに使われている強獣の表皮は、なんやかんや言っても"ナマモノ"なので、普段の修繕の苦労はともかく、こう言う時は都合がいい
「一人じゃ危ないわ。ボチューンで私も行きます」
駆けよってくるマーベルと共に、どの辺りを捜索すべきかと話し合っていたショウに、ヒイロが近づいてきた。いつになく厳しい顔をしている
「ショウ・ザマ、刹那を見つけたなら、すぐに俺に知らせろ」
「・・・気になるのかい?」
「いや・・・ヤツの心構えによっては、俺がヤツを殺す」
『気になってるんじゃないか。素直じゃないな、相変わらず』
彼が誰かを殺す、と言う場面は良くあるようで、実際それを口にする時には、何か重大な決断をしたい、と彼が考えている時であることは、長い付き合いのショウ達だから判るようなモノだった
「理由はどうであれ、ヤツは逃げ出した・・・それが俺には許せない」
ショウが感じていることはともかく、ヒイロにしてみれば、刹那の行動は逃避でしかない、と言うことらしかった
「あー、それは俺も同感だね」
同意を示してきたのは、やり取りを聞きつけてやってきたロックオンだった
「戦争を無くそうとする彼がテロリストだった。そしてそれを表沙汰にされて傷ついた。それが許せないと?」
「そう、その事実から逃げた」
見とがめたように言うショウだが、ロックオンの返事は至ってシンプルであった
「そんな半端な心構えだった、っつーんならソレスタルビーイングやってる資格なんか無いね。鉛弾打ち込んで、存分に家族の敵を取らせてもらうさ」
「家族の・・・?」
「ヤツが手伝ったって言う自爆テロで、俺は両親と妹を失った」
その場に居た全員が、その言葉に反応し、あるものは顔を強ばらせ、あるものは二の句を告げずに、ただじっとロックオンを見ていた
「・・・貴様の事情は知らん。ヤツを討つのは俺だ」
「おーおー、言うねぇ少年」
緊張した空気が張り詰めたところで、彼等の背中を恐れもせずに、ズドンと押してくる手があった
「性急すぎるのは感心しないねぇ、ヒイロと茶髪の兄ちゃん?」
教え子達が起こしたゴタゴタのせいで、眉間に寄った皺が取れないアデットであった
「・・・必要だと思ったから、言っただけだ」
「そこの判断が性急だ、って言ってんだよ。まったく・・・国一個を思わずしょっちまった後で、また厄介ごとが増えて。判ってんだろうねぇ、ゲイナー?」
そのすぐ脇で、事の発端の一人であるゲイナーが、アデット先生ににらみつけられて萎縮していた
「・・・言われなくたって、判ってますよ」
「そんなら、なんで今更"そんなこと"気にして、刹那を問い詰めるような態度を取ったんだい?」
「今更、って・・・」
そうでなくても自分が取った態度に、自分に嫌気がさしそうになっているゲイナーは、思わず根拠もないのに反論しようとして、しかし言葉に詰まる
「いつまでも潔癖症すぎる、ということだ。この学園に、人殺しが何人居ると思っている?俺も含めてな・・・そんな物に嫌悪をいちいち示していたら、お前が壊れるぞ」
そうなのだ。平和な学園を装っていても、数の大小はあれどもそのほとんどは、誰かを手にかけてきたものがほとんどだ。身近で言えばゲインがそうだし、優等生のシーブックだって人を殺しているのは違いない
なのにゲイナーは、何故かあの時あの瞬間に、人殺しを刹那がしたと言うことに、無意識に嫌悪を抱いたのだ
「僕は!・・・そんなつもりでは」
「なら、どういうつもりだった」
ヒイロに睨まれ、ゲイナーはグッと身体を硬直させてしまう
そのままうつむいてしまうが、何とか声を絞り出す
「僕は・・・紛争根絶を言う刹那だから、きっとその手は穢れていないって、そんな勝手なことを考えていた・・・」
そういえばゲイナーは、彼が実際にどう紛争に介入し、どう戦争を根絶しようとしていたか、きちんと聞かなかったし知ろうともしていなかった。ただ「戦争を無くす」という言葉尻をそのまま受け取って、そして彼等が巻き起こしている「ガンダムの争奪戦」も、機械の奪い合い程度にしか感じてなかった。だから余所でやっていて欲しい、なんて思ったのかも知れない
「本当に身勝手だねぇ。そんなんじゃ、確かに刹那の方がたまったもんじゃないよ」
無言で睨み続けているヒイロと、アデット先生にトドメを刺されるまでもない。こうなったら、責任は取らなければならない
『ずっと平和で、学園の中にいたからって、僕は・・・これじゃ、エクソダスに巻き込まれた時と、何も変わってない』
グッと拳を握った彼は、今まさに出立しようとしていたショウの腕を掴んだ
「ショウさん、僕も連れて行ってください。キングゲイナーも身体が小さいから、レーダーにだって映りづらいはずです」
「それはいいけれど・・・」
ショウはゲイナーの考えていることを察して、そう言った
「僕はこれでも、主人公ですから」
ゲイナーの真剣な視線が、ショウに向けられる
「主人公は、こういう壁を乗り越える、そう言う役回りでしょう?」


スパロボ学園首脳陣の見下ろす窓の外では、闘志也や勝平達が、王宮に雪崩れ込もうとしている、一部の反戦派を語る民衆を阻止していた
「これ以上戦争に巻き込まれてたまるか!」
「出て行け、ここから出て行けっ!!」

口々にそう言う人々を、闘志也は憎々しげに見ていた
「くそっ、なんでこれから守ろう、って連中にこんな仕打ちを受けなきゃならないんだ?」
「わしらが居なかったら、国が荒らされていたとは思わんのか!」
つい憎まれ口を叩いてしまうキラケンであったが
「自分たちが守ろうとするモノから拒絶され、孤立する・・・戦争では良くあることだ」
そう冷静に言い放ったのは、彼等に混じっていたトロワだった
「戦争になって、その相手のこともこれからのことも判らないと、みんな不安になって来て、分かり易い悪者が欲しくなるもんだよ」
「臭いものに蓋をする、っていうほど戦争は簡単じゃないからな」
妙に悟ったことを言う勝平と宇宙太だが、それもこれも彼等の境遇から来ていることだ
「戦争の恐怖と不安と孤独とが、人を壊していくんだよ」
一件明るいようで、根に暗いモノを抱える万丈が、そう言葉を続けた
「風間博士のように、か・・・」
闘志也は複雑な感情を抱かざるを得なかった
「だからと言って、この国の自由が無くなる・・・それが正しいこととは、思えんがね」
「その通りです」
ジュリィの言葉に応えるように現れたのは、マリナ自身であった
「マリナ皇女、貴方がここに来ては・・・」
心配した闘志也が駆けよろうとした時は既に遅く、怒りに我を忘れた民衆の罵声と暴力の渦が、一気に彼女に向けられた
「この売国奴め!」
「ただでさえ内乱で混乱しているところに、余計なことを!!」

投げ込まれる石やガラクタがマリナに降り注ぐ。当たり所が悪いモノももちろんあり、手足だけでなく顔にまでそれらが当たり、容赦なく血が流れる
「皆さんのお怒りは判ります!」
それでも彼女は姿勢を崩さず、毅然と言葉を発した
「しかし信じて下さい、彼等は私たちの自立のために、自らの危険も顧みずこの地に残って下さったのです。それを足がかりに、私たちは私たちの力で、アザディスタンを良き方向に導かねばなりません。国連に制圧されれば、最早私たちの独立は風前の灯火なのです。今この時、私たちは自立の苦しみを・・・新しく生まれ落ちる苦しみの中にいるのです。それが絶対に正義とは言いません、私を憎んでいただいて結構です。それでも私は、この国の未来のために賭ける、スパロボ学園の皆さんの誠意を信じます。皆さんと共に未来を勝ち取りたいのです」
その言葉の間にも、怒り狂った民衆の暴力は彼女を襲っていた
「マリナ皇女、大丈夫ですか?」
なんとか彼女を庇って立ち塞がる闘志也だが、マリナはそんな状況でさえ微笑んだ
「私が刹那に与えてしまった心の痛みに比べれば、いかほどのものでしょうか」
戦いに向き合う辛さに、ずっと耐えてきた彼を理解しきれなかった
自分の甘さがこの事態を引き起こしたのだ
「彼が戦うように、私も戦います。武力ではなく、心の力で・・・!」
その光景を見下ろしていたリリーナは、いたたまれない気持ちになりながらも、その戦いを見守ることもまた自分の役目だと、何とか言い聞かせていた
「国連には、正式な抗議を行いました」
スパロボ学園側の"交渉人"は、そのリリーナとロジャーが行っていた
「しかし色よい返事ではなかった・・・」
「これは相当の金が積まれている、と見ていいでしょう」
ロジャーの的確な言葉に、リリーナはますます顔を曇らせた
「それに、現状は彼等に理がある。民衆は動揺し、あのような事態にもなる」
「実際内政干渉をしたいのは、他ならぬ国連だろうしな」
「つきつめて言えば、それがあのアレハンドロ・コーナー、というわけだな」
「そういうことになる」
この話し合いの中にヴィンデルも混じっていた。表向きは武装組織シャドウミラーをスパロボ学園が鎮圧し、彼等も虜囚の身となったと言うことになっている
「そもそもの筋書きとして、アレハンドロはアザディスタン王国を襲う我々テロリストを"成敗"し、国の危機を国連が救ったのだ、という流れを企んでいたというわけだ」
「ここを救ったからって、そんな簡単に英雄になれるもんじゃないでしょ?」
茶々を入れてきたのは、何故か大人に混じって会談の場にいる、地球防衛組の面々(仁やマリア)であった
「ああ、もちろんそう言う問題ではない。要は国連が軍事力を持つことの、正当性を得るためだろう」
火のない所に煙を立てるには、大がかりな火打ち石が必要だ、と言うことである
「アズラエルのおっちゃんみたいな感じ?」
「どちらかというとジブリールが似ているかな」
虎太郎におっちゃんと言われたのを、アズラエルが聞いたら発狂するだろう
「ねーねー、アンタらさ、その国連大使さんの悪巧みの証拠、握ってんだろ?それ全部バラしちゃえばいいじゃん」
ヴィンデルにけしかけるジロンだが、それはシャアが首を振って否定した
「我々に信頼があればそれもできるが、今の状態では『偽の情報』と一蹴されるのがオチだろうな」
こういう情報戦では、情報の信頼度がキモである。情報源に対して、どれほどの責任があるかというところで、全てが決まる
それが故に、スパロボZではみんなエライ目に遭っているのだから
「情報を漏らすタイミングは、レディ・アンらプリベンダーに任せるとしよう」
「それともう一つ。その、アレハンドロ・コーナーが抱えているというイノベイターだが」
「ああ、おそらくヤツに仕えていた、リボンズとか言う少年のことだろう」
彼に影のように寄り添う、緑の髪の少年のことを、ヴィンデルは思い起こしていた
「見た目にはただの従者のようだが、危険な香りがしたな」
「修羅場をくぐり抜けた軍人の感か?」
「まぁそんなところだ」
その少年の目は感情がなかった。それでいて流暢で弁の立つ言葉を言う。腹の底が見えない感じだった
「その少年が、月でヴェーダのハッキングをしていると・・・」
「その件ですが、ティエリアさんからいただいたデータですと、あの人がアクセスできる領域のうち、7割方はロックされてます。かなりヤバいです」
ぴょこんと現れたルリが、重大なことをそんな棒読みで言うのは、まぁいつものことではある
「ねー、ルリちゃん。ヴェーダが持ってかれちゃうと、この先どうなっちゃうの?」
「そうですね。まずソレスタルビーイングの皆さんは、何らかの手段を講じないと作戦遂行不能になります。それだけじゃなく、ヴェーダはこっそりこの世界の重要なデータベースに沢山ハッキングしてますから、その延長でいろいろ情報が書き換えられちゃって、イノベイターさんたちの好き放題にされます、はい
ユリカの素朴な疑問のお答えは、実に戦慄すべき事であった
「その事態、放っておく訳にはいくまい。月に部隊を回した方がいいだろう」
「だが彼等が大人しく夜を過ごさせてくれるとは思えん」
闇夜に乗じた奇襲は、充分に有り得ることだ
アレハンドロは、割り当てられた貴賓室で、イラついた顔を隠さずに居た
「まったく、あんな小国を落とすのに、これほど手間取るとは」
そうでなければ今頃は、とっくに計画通りに事が進んで居たろうに
ふと、時計を見やる。時間はそろそろ23時を過ぎようとしていた
「リボンズ、そちらはどうなっているのか」
すると、目の前の小さなモニターに、リボンズがいつものような笑顔で現れる
『意外と手強く、まだ100%とは行きません。申し訳ありませんが、もう少々お時間を』
「いや、お前ほどの者がそう言うなら、確かに手強いのだろうよ」
『お気遣い、恐れ入ります』
CBの目的・存在を軽蔑しているアレハンドロだが、イオリア・シュヘンベルグの才能だけは良く判り、そして認めざるを得ないと思っていた
彼の用意した存在であるイノベイターを得られなければ、こうも上手く世界を巻き込めなかっただろうことは、悔しいが本当である
しかしそのような感情を抱くのも、今夜が最後だ
「そして訪れる世界には、彼等のような不穏分子は要らないのだよ」
彼はそう言うと、にやりと笑って見せた
「我がアルヴァトーレの力を一気に出し切れば、例え奴らといえども・・・」
『お征きになるので?』
「闇夜に乗じれば、国連連中にも、私が出たなどとは判るまい」
『畏まりました。私が用意した、イノベイター兵が乗ったGN-Xも、いくらかお連れになると宜しいかと』
作者が余りやらないオリジナル設定を説明しよう
これは原作にはないが、まぁ要するにシャドウミラー兵みたいな、バイオ技術で作られた感情のない兵士だと思ってもらいたい。ま、スパロボではこう言うのがよく捏造されるから、あんまり気にしないでくれ(爆)

「そうさせてもらう吉報を待っているぞ」
『お任せ下さい』
アレハンドロとの通信を切ったリボンズは、ヤレヤレというように肩を落とした
「まったく・・・己自身を弁えない大人は、嫌いだね」
リボンスはそう言うと、誰にともなく言葉を続けた
「不穏分子もそうだけれど、世界の歪みは正さなければならない」
「・・・」
不気味なほど綺麗な笑顔を浮かべて、彼は後ろに振り返る
「そう、世界は美しく、鏡のように澄んでいなければならない。だから、氷で閉ざしてみるのも一興。そのための、君の役目は判っているね?」
「・・・神が・・・」
抑揚のない声
「神が、そう望むなら」
さて場面を戻してアザディスタン王宮
問題の箇所が複数となると、スパロボ恒例のあれを考えなければなるまい
「アザディスタンに残って国土防衛をする部隊と、月に突入してヴェーダを奪回する部隊、二つに分けるべきだな」
そう、部隊分けである
シャアの提案によれば
まず、刹那を除いたCBを全員連れて行くのは当然として
月に居るイノベイターのことを考えると、それこそ動きを察知されるのは困る。よって、殴り込みをかけられる艦隊を作る必要がある
逆に、地上に残る部隊は多方面に展開する必要がある(国土が広いから)ため、それなりの数を用意しなければならない
「月にはディアナ女王と、D.O.M.Eがいる。それらにも協力を求めよう」
「そっか、D.O.M.Eならヴェーダと相性良さそうだもんな」
と言うわけで
月部隊はマクロスのバルキリー部隊と、ナデシコCのエステバリス部隊を中心とし、フォールドとボソンジャンプで殴り込みをかけることになった。D.O.M.Eとのリンクがあるため、ガロードとティファもこれに付いていくことになった。ディアナ女王を迎えるという意味では、もちろん∀なども参加する必要がある
「作戦には高機動力と火力が要る。Ζ、ΖΖ、V2、エルガイムも連れて行こう」
また、ワープという意味ではヱクセリヲンも能力はあるが、その巨体自体が無言の威圧になっていることと、今後の対策を考えると居残ってもらった方がいい、ということになった
そして
「月方面の責任は、シャア総帥にお任せする」
「・・・良いのか、学長?」
強大な軍事力を任されて、シャアが"逆襲"したがるのでは、と言う不安はみんなちょっと思ってたのは間違いない。おかげでIMPACTで酷い目に遭った人も多かろう
「学生達の課題を、先生が知らないというのもおかしい話でしょう」
「夏休みぐらい取らせて欲しいものだ」
苦笑いをしつつ、シャアは次々と指示を飛ばした
「地上はタシロ艦長が責任者だ。だがガンバスターは最後まで出すな、あんなモノが構えていたら、国民の不安が増すだけだ。アーガマとアークエンジェルが左右に展開、残るMS部隊は各個甲板で構えろ。凱君はフュージョンした状態でヱクセリヲン甲板に。夜明けと共にアイアン・ギアーとフリーデンは国境地帯へ。葛城三佐、エヴァ四機(※参号機も居る)を、各艦の"壁"に使わせて欲しい。配備場所は任せる」
「了解しました」
そうしてからシャアは、マリアの前にかがみ込んで顔を寄せた
「地球防衛組やガンバーチーム、ザウラーズ、ダンケッツ、そして電童にラムネス達も出て、手分けしてアザディスタンの人たちを、ヱクセリヲンに避難させるんだ」
言われて驚いたのは仁や虎太郎、そして拳一達であった
「ええっ、俺たちも宇宙に行きたいよ!」
「そうだよ、僕たちだって戦えます」
「事はそう簡単ではない。この先は本当に、人と人が殺し合う戦場だ。私は君達に、そう言う場にはなるべく居て欲しくないのだ。判ってくれ」
学園で大騒ぎしている時とは、訳が違うのである
そしてもう一つの目的がシャアにはあった
「マリア、君はエルドランの縁者の中で、一番経験がある。みんなの指揮を執りなさい」
「えっ・・・」
君達の純粋な善意、子供の優しい心でアザディスタンの人々と接すれば、きっといい結果が出ると私は信じている。出来る限り、君達の思うとおりにやってみるといい。大丈夫、君達には力がある。だがどうしても不安になったら、篠田先生に亜依子先生、ベガ副司令になんでも相談しなさい。いいね?」
エルドランが相談者にいないのは・・・まぁいつものことだ
「は・・・はい、判りました、クワトロ先生!」
思わず背筋を伸ばし、びしっと構えてしまうマリアに、シャアは優しく手を差し伸べて頭を撫でた
「よーし仁、行くわよ!全チーム個別に出撃!!」
「なにいきなりやる気になってんだよっ?おい、待てって!」
張り切って部屋を飛び出していくマリアを、男この子連中は慌てて追いかけていく
「どういう風の吹き回しだ、シャア」
珍しい光景だ、と言いたげなアムロが茶化す
「いい子達だからな、彼女らが・・・今、この世界に居る時だけかも知れないが、私はハッキリと人の優しさを信じれる、と言いきれるよ。たぶん、ここはそう言う空間なのだ」
そんなシャアを見て、ハマーンもプルとプルツーに歩み寄る
「お前達もマリア達と行け。戦闘経験という意味では、お前達の方があるだろう。彼等を守ってやれ。それと、ミネバ様も」
大事な任務を任され、さすがのプルも緊張気味であった
「ハマーン様はどうするのです」
「シャアと行く。ヤツが艦で動けん分は、私がフォローせねばなるまい」
「おい、シャアの背中は俺だけで充分だぞ。ハマーンこそ、プル達をフォローしてやったらどうだ」
「貴様とて実働部隊の指揮があろう。私の能力、もう少し買ってくれてもいいものだがな、連邦の白い悪魔よ」
「"白い悪魔"は、貴様のキュベレイに譲るさ」
いろいろと能力値が見直された今でも、既にMSではない能力がくっつくのが常識になっているハマーンの白キュベレイの方が、確かに悪魔に相応しい
こうして皆々が、それぞれの役割に向かって行動を開始した
その頃厨房では
「すみません、初めての人にこんなことお願いして」
「ううん、いいんだ。僕こういう細かいこと、好きなんだよね」
なぜかアレルヤは、ハサウェイと一緒にジャガイモを剥いていた
見ての通り、すっかり首脳陣からハブられていたのである
「そうか、お父さんがあの有名なブライト艦長なんだ。プレッシャーだね」
「ええ。僕も周囲のそれに応えて、そろそろMSにでも乗って父さんを助けたいけど、父さん自身がそれを許してくれなくて」
「でもそれ、ブライト艦長の思いやりだと思うよ。息子を危険な目に遭わせたくない、っていうのかな」
「判ってるつもりです」
「それじゃぁ、今はこうして後方支援に回っておこうよ。それだけでも、君は立派にお父さんを助けられてるんじゃないのかな」
「ありがとうございます。アレルヤさん、いい人ですね」
「そんなことないよ、あはは」
本筋世界のハサウェイの末路を知らないアレルヤは、あくまでノリが軽かった
マクロスとナデシコに、続々と宇宙組が揃う中、ティエリアを始めとしたCBのメンバーも、トレミーの関係者を含めて乗り移っていた
「よぉ、ティエリア。聞いときたいことがあるんだけどよ」
デュメナスで出ると言って聞かないロックオンは、ハロと機体のセッティングをしながらヴァーチェに通信を入れてきた
「お前、自分がイノベイターだってこと、知ってたのかよ」
「・・・ある程度は」
しかし、自分以外にそういった存在が居るとは聞かされていなかったし、まして自分以上のアクセス権限を持つ者など、彼には想像の範疇甲斐であった
だからこそ、自分が選ばれたものである、と言う自負心が人一倍強かったし、ヴェーダへの依存度も自然と高くなっていたのだ
「でも僕は・・・」
「敢えて言わなくていいさ。お前は俺達の仲間、そうだろ?」
ロックオンがそう、まだ片目を包帯したままの顔で、ニッと笑ってみせる
「・・・ああ」
そうして、二隻の船の出立直前
「ヱクセリヲン前方より、高エネルギー反応!」
「イナーシャルキャンセラー、全開!!」
副長の怒声が上がる
次の瞬間、彼方から放たれた金色のビーム状の物が、ヱクセリヲンの全面ではじけ飛んだ
「ちぃぃっ、本当に来やがった!」
「くそっ、打ち上げ直前とは、どこまでもお約束だぜ!!」
すかさずガオガイガーが前に出る
「ガジェットツールッ!」
右腕に装着される、巨大なドライバー状の物を、凱は地面に突き立てた
「ディバイディングドライバーッッッ!!」
直後、ガオガイガーを起点とした半径数十キロが、空間湾曲によって無限の荒野と化す
「数は!」
「巨大MAとおぼしきもの1、おそらくGN-Xとおぼしき機影、20!」
その巨大な機影はすぐに視認できた。金色に輝く、円盤状のMAだ
「初弾は上手く凌いだようだが、しかし!」
最初の目論見が意外にも外れたことが、アレハンドロには意外だったらしい
「あんた・・・アレハンドロ・コーナーかよ!」
「黒幕ご自身がおいでとは、またこれは手が省けるってモンだぜ」
「はっ、そんな減らず口をたたけるのも今のうち!このアルヴァトーレの力の前にひれ伏せ!!」
周囲にGN-Xを携えたアレハンドロと、迎撃に出たガオガイガーを始めとする地上メンバーが激突を開始した

「周囲の避難状況は?」
「王宮の周辺はいいんですが、それ以外の地域で反応が鈍く・・・」
やはりまだ、アザディスタン王国全体に対する、スパロボ学園への信頼度が低いのだろう
マジンガーやゲッターが戦う姿を背に、地球防衛組は村や町を駆け回っていた
「ここに居たら危ないんだよおばちゃん、本当だって!頼むから俺達と来てくれって!」
仁やマリア、もちろん虎太郎やら銀河達も走り回っている
最初はやはり、巨大なメカで乗り込んできた、得体の知れない連中への警戒はあった
だが
「早く、鳳王が運びますから」
ぴょこっと飛鳥が顔を出したりすると、相手が余りに幼い子供であったため、村人達は拍子抜けしたようにポカンとしているのである
「お兄ちゃんのロボットなの、これ?」
子供と子供同士はすぐに打ち解けるもので、村人の子供達は興味深そうに剣王や獣王を眺めている
「うん、でも今日はこれで戦うんじゃないんだ。みんなを運ぶために来たんだよ」
「どうやって?」
「これでね、みんなを吊してこう・・・空を飛んで、あの大きな艦に持っていくんだ」
飛鳥が身体を使ってなんとなく説明すると、子供らがパッと顔を明るくした
「お空を飛ぶの!?」
「うん、真っ暗だから怖いかも知れないけど」
それでも、考えたこともないことが起きる、と言うのが嬉しいのだろう。子供らが楽しそうに急ごしらえのゴンドラに乗るものだから、大人達もそれについて行かざるを得ない
また、迎え入れたヱクセリヲン内部では、ミンメイが激励コンサートを開いたり、マグナムエースを始めとしたアイアンリーガー達が、慰安のためにサッカー試合を開いたりなどして、出来る限りアザディスタン王国民の心を癒そうと、できることを捜しては全力でそれをやり尽くそうとしていた
こういった"楽しみ"が、口コミで徐々に伝わり、ほんの少しずつではあったが、徐々にだが人々を集められるようになった、彼等の背後では
「やらせないよッ!」
無差別に射撃してくるGN-X相手に、プル達が奮戦していた
「プルツー、この人達・・・」
「ああ、可哀相な連中だ・・・かつてのアタシ達みたいな」
二人は、相手がただの"人形"として作られた、イノベイターの末端だと言うことにすぐ気づいた
「何とかして上げられないのかな・・・」
「無茶を言うな、こんな状況で!・・・ッ!!」
容赦なく降り注ぐビームライフルの中で、思わず彼女らのキュベレイMK-IIがバランスを崩した時、振り下ろされるビームサーベルを、一陣の黒い影が叩き斬った
「おら、プルにプルツー、この辺は任せて、お前らはラムネス達の援護に回れ」
「ジュドー・・・じゃなくて、ダ・サイダー?」
二人の前に立ち塞がったのは、クイーンサイダロンであった
「こんなときに中の人ネタやってる場合か!いいから行け!」
『おいダ・サイダー、ホントにお前一人でいいのかよ?』
心配したラムネスが通信を入れてくる。当の本人は、キングスカッシャーでせっせと町の人を運んでいたのだが
「余計なこと考えてんじゃねぇよラムネス、こういうのは大人に任せとけって」
『大人ってお前も15歳じゃないか!』
「10歳のテメェと比べりゃ、じゅーぶん大人だ!」
通信を乱暴に切って、穢れ仕事は大人がするもんだ、とダ・サイダーは心の中で呟いた
そうして突進するクイーンサイダロンの両脇を、魔竜王ドルガとシュテルが固めていた
「行くぜお二人さん、心構えはできてっか。相手は人形ったって、一応ヒトだかんな?」
「フ、既に血に穢れたこの両手で、何を躊躇うことがある?」
ガルデンが不敵に言うと、ドルクもフッと笑った
「だが我らの目的は、奴らを叩きつぶすことではない。現状の国連が抱える膿を浮き彫りにし、彼等にもアザディスタン王国にも、道を示すことにある。この国に"覇道"を歩ませるわけにはいかん。やり過ぎは逆効果と覚えておくのだな」
「言われなくても分かってるッーの。さてと、お客は待ってないぜ!?」

そんな状況を伝え聞いていた、ナデシコに構えるシャアが通信を入れてくる
『子供らを、若い力を信じよう。我々老人は彼等のために、老人しかできないことをやってやるだけだ』
もちろん、シャアが老人というのはいささか誇張だったが、これは自身を『古い人間』と揶揄してのことである
こうなってはタシロは、お決まりの『なんてこった』を言っているようなこともできない
「まぁ言うなればこの戦いの敗北条件は、"我々の全滅、またはアザディスタン王国民に被害が出ること。ターン制限一切無し"といったところですかな」
簡単なようで厳しい条件だ、とタシロは帽子のつばを深く下げた。彼が考える時の癖である
『ナデシコ、ボソンジャンプ準備完了』
『マクロスエンジン臨界、フォールドOKです』
それぞれの艦が準備を整え、そしてその姿をヱクセリヲンからかき消す
次の瞬間、ヴェーダが設置されていると目されている月の座標上に、突然巨大戦艦が現れたことに、国連軍は度肝を抜かされることになる
もちろん彼らとて、宇宙を警戒していなかったわけではない
事実、ソーマなどのメンバーは宇宙に先んじていたのだ
彼等にも一応、(アレハンドロの目論見は別として)CBの戦力を削ぐために、ヴェーダを奪おうという計画はあったからだ
そうやって軍が展開していたとしても、いきなり戦艦が目の前に現れたら、誰でも固まるのは当たり前だった
しかもその内一方が、ガションガションと変形をし始め、両手と両脚を持ったロボット(=マクロス強攻型)になっちゃったりすれば、開いた口がふさがらないであろう

「よし、カミーユ、ジュドー、ウッソ、ダバ君!一斉射!!」
「うおおおお!」
アムロの掛け声に合わせ、ハイパーメガランチャーが、ハイメガキャノンが、ヴェスパーが、バスターランチャーが火を噴く
ついでに、マクロスの腕に密集していた、デストロイド・モンスターなんかからも、容赦ない坂野サーカスミサイルが叩き込まれていく
それらはヴェーダ上方に展開していた、国連軍の1/3を焼き尽くしていく
「バルキリー隊、出撃せよ」
「エステバリスも、どんどん出ちゃって下さい!」
こうして、月面にてヴェーダ争奪戦の火蓋が切って落とされた
「へっへぇっ!見つけたぜ女ァァァ!!」
「くそ、なんだコイツッ!?」
ソーマを見つけてハイになり、ハレルヤが出て来ちゃったキュリオスを、ロックオンとティエリアが眺めている
「なんか楽しそうだねぇ、アイツ」
「そう言う場ではないのだがな・・・」
方やティエリアは、ナデシコ(オモイカネ)と連携を取りつつ、ヴェーダへのログオンを試みていた。ロックオンはその護衛である
緊張しているティエリアの元に、何者かが通信を入れてきた
『やあ初めまして、ティエリア・アーデ』
丁寧ではあるが抑揚のない、機械のような声。そしてモニターの画像は、"NO IMAGE"であった
「貴方は・・・何者だ?」
『僕はD.O.M.E。ニュータイプを元にした、生体コンピューターと言ったところさ』
詳しい説明をしている暇は、今はないだろうとD.O.M.Eは付け加えた
『僕とオモイカネでヴェーダを探ったけど、大分不味いね』
ルリが出発前に言ったとおり、多くの領域が既にリボンズ・アルマークと思われる物の手に落ちていた
『だが一つだけ、強固なセキュリティをかけられたルートが残っている。ここにアクセスするにはキーとなる者が必要らしい』
「それは・・・?」
『詳しくは判らないが、僕はそれが君なのではないかと思う』
世界を我が物に戦とする者に反抗する領域なら、その場所は真に紛争根絶を願う者こそアクセスするのに相応しいのではないか、というのがD.O.M.Eの見解であった
『とにかく一緒にやってみて欲しい。ここにアクセスできるかどうかが、最後の希望なんじゃないのかな』
「その目論見が外れた場合は・・・」
『残念だけれど、ヴェーダその物を焼き尽くすしかないだろうね』
D.O.M.Eはそのような非情な選択を、さらりと言ってのけた
「そんな・・・可哀相」
ティファがそう言った。ヴェーダがどう考えているかは別として、身勝手に"壊される"その運命を、彼女は嘆いたのだろう
「おおい、D.O.M.E!そういうのはできりゃ避けたいんだけどよ」
ティファが困ったとあっては、ガロードが黙っていないのは当たり前だった
『そこはもうティエリア・アーデ、君にかかっている。僕もできるなら、そう言う選択はしたくないからね』
D.O.M.Eの言葉を聞いていたシャアは、ティエリアをナデシコ甲板に配置し、全機がなるべくナデシコを守るよう指示した
そして砲撃部隊には、ロングレンジでのビーム照射を、限りなく短い単位で繰り返すようにも指示した。防御用の弾幕としてである
「勝利条件はヴェーダの制圧、または国連軍の降伏。敗北条件はヴェーダを奪われる、という感じだな・・・・・・ッ!?
一人ごちったアムロは、次の瞬間ヴェーダ付近から飛び出した光を見て、ニュータイプの感に何かが引っかかったようだ
「あれは・・・まさか?」
一方地上では
既にというか、あっという間に、アルヴァトーレが満身創痍な状態になっていた
いや、普通にスパロボに出るなら、HPが10万を超えていて、GNフィールドがあって、毎ターンEN回復(大)とかついているのろうが、相手は歴戦を生き抜いてきたマシン達である
精神コマンド「直撃」によってGNフィールドは容易くぶち抜かれ
そうでなくとも「熱血」や「魂」で、バリアなんぞ知ったことかというように必殺技が叩き込まれ
もちろんこっちの攻撃は「ひらめき」「鉄壁」「不屈」で防がれ
気力は「気合」「激励」でドーピング、逆にアレハンドロの方は「脱力」で気力を削がれ
もはや「もうやめて!とっくにアルヴァトーレのライフはゼロよ!」、という台詞が聞こえてきそうな状態になっていた

「な・・・何・・・だと・・・?・・・奴らは化け物か・・・!」
ある意味アレハンドロの言葉は真実を付いている
しかもその状態にあってなお、彼等は自分を殺そうとはしないのだ
彼の心に、小さいながらも恐怖の感情が浮かんだのは、やむを得ないことだったかも知れない
「くっ、こんなことが・・・脱出しなければ・・・私はまだ・・・」
身を翻し、現場を後にしようとするアルヴァトーレを、万丈達が見過ごすはずがなかった。ぐい、と伸ばしたその手が、アルヴァトーレを捉えようとした時
上空で光が煌めき、それがスパロボ学園のメンバーの中に叩き込まれた
「うわ!?」
何とか直撃を避けた彼等が上空を見やると、そこには以前アムロが出遭ったものと、ほとんど同じ姿形をした、赤いMSが出現していた
「む、あれはリボンズに作らせた・・・そうか、私を助けに」
歓喜するアレハンドロだが、次の瞬間そのMSが振り上げたビームサーベルが、アルヴァトーレの右半身を切り裂いた
「な・・・何・・・だと・・・?」
予期せぬ出来事に、アレハンドロ本人のみならず、スパロボ学園のメンバーも驚いた
『よく避けましたね、アレハンドロ・コーナー。伊達でもMSを操っていただけのことはある』
モニターに映る緑の髪の少年、ヴィンデルが言っていたリボンズ・アルマークとおぼしき人物がそう言った。その様子は、何故かスパロボ学園のメンバーにも流されていた
「こいつが、リボンズ・アルマーク・・・」
『その通りだ、スパロボ学園の諸君。とりあえずは初めまして、と言っておこうか』
にこりともせずに言うその顔にデュオは覚えがあった
「・・・あ、てめぇはあんときの!
そう、ウィングゼロを欲しがり、ジャンクショップに現れた、あの少年であった
「リボンズ、どういうつもりだ、これは!」
そう言った数々の手回しをリボンズに任せてきたアレハンドロは、その産物によって自分が攻撃された意味を理解しかねていた
『アレハンドロ・コーナー、貴方からは沢山のものを頂いた。国連へのツテ、新型機体の開発、手駒を作るプラント・・・感謝していますよ。そしてあと一つのものを頂戴すれば、貴方の役目は終わりです』
「役目、だと!?」
『そう、貴方には命を捧げていただく。僕が創り出す新たな世界への、生け贄として
リボンズにとってアレハンドロは、良いパトロンであり、また同時に滑稽な道化でしかなかった、と言うことだ
「リボンズ、貴様・・・コーナー家の悲願を!」
『そう言う物言いだから、貴方も世界の歪みになるのですよ』
ビームサーベルを振り上げる赤いMSを、ミネバが震えながら見上げていた
「どうしましたミネバ様、怖くてらっしゃるの?」
共に学園に残り、負傷者の手当などを手伝っていたアナ姫が、真っ青になっているミネバに気づいて声をかけた
「ああ・・・なんということ・・・あれは・・・あのモビルスーツは、ヒトを惑わせる・・・恐ろしいほどの悪意で、何もかもが凍りつく・・・!いけない、それに乗っていてはいけない!!」
ニュータイプの感が何かを伝えたのだろう。ミネバはアナ姫には伝わりづらい、ニュータイプ特有の言葉を発した
「え、乗っていてはいけないって、どういうことですの?」
その頃、上空に待機していたシーブックも、嫌な感じを覚えて唇を噛んだ
「この感じ・・・まさか!?」
彼等が違和感を覚えているのを察したのか、リボンズは不敵な笑みを浮かべながら言葉を綴った
『僕が、新しい時代のために用意したもの、それがこのリボーンズガンダム。これこそ、僕という神に仕える使徒の使うものとして、相応しい機体はないよ。そうだろう?』
その口調からすると、リボンズはこの機体には乗っていないらしい
「やっぱり・・・あの機体に乗っているのは!」
シーブックが次の言葉を続ける前に、その機体からの通信が入ってきた
『そうだ。これこそ人類を導くガンダムだ』
そう言ってきた声の主は・・・紛れもなく、刹那・F・セイエイであった
スポンサーサイト

テーマ : スーパーロボット大戦 - ジャンル : ゲーム

2010/08/06 13:46 | 刹那 参戦編COMMENT(3)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

いよいよラストですか?

いよいよスパロボ学園もラストと聞いて終わって欲しくないような、終わり方が楽しみなような…
ロックオンは、そうなりましたか…弟を助っ人で出してもいいと思ったんですが…
「情報源に対して、どれほどの責任があるかというところで、全てが決まる
それが故に、スパロボZではみんなエライ目に遭っているのだから」って、スパロボZやってないのでポカンなんですが、実際にジブリールか誰かに何かされたんですね。
そしてスパロボ恒例部隊分けキタ~~~!!
さり気なくクワトロさんがシャア総帥モード発動してますが…
ハサウェイいきなりの登場で驚きましたが、彼自身一緒に(スパロボ恒例?)ジャガイモの皮むきに参加していたアレルヤが、いきなりハレルヤ化したらびっくりだろうな~
そして刹那…なんとか「説得」しなきゃだけど、その役目はゲイナーかな?マリナかな?で、サージェスとの再戦もあって、次回も色々楽しみです。

No:2030 2010/08/07 06:23 | 壱華 #- URL [ 編集 ]

搭乗機違うじゃないですか(汗)

せっちゃんがまさかのリボガン搭乗……。
あの機体は射撃主体(ファングとか、キャノン形態とか)だから、ミスマッチだと思うのは私だけですかね?(笑)


そして、クワトロ先生が総帥化。逆襲しない事が分かっているだけに、なかなかに感慨深いものがありました。


P.S.
そういえば今更レベルですが、学園の敷地=エクセリヲンとの事ですが、エルトリウムだとでか過ぎだからこっちにしたんですか?

No:2031 2010/08/07 22:50 | 漆黒の翼 #e9EPk88s URL編集 ]

何とか間に合った

なんとかA.C.E発売までには書き上がれそうでホッとしています

壱華さん>
> ロックオンは、そうなりましたか…弟を助っ人で出してもいいと思ったんですが…
というリクエストがございましたので、エンディングに少し出演させることにしました
>スパロボZやってないのでポカンなんですが
えーと、スパロボZに出てくるオリキャラで、これがまた根性の腐ったヤツが居ましてね。そいつのせいで、味方部隊が二手に分かれて同士討ちするという、自分のスパロボ歴でも最低最悪のイベントが発生したのですよ、ハイ
> さり気なくクワトロさんがシャア総帥モード発動してますが…
たまには格好いいシャアもいいか、と思ったので
> そして刹那…なんとか「説得」しなきゃだけど
この説得シーンのために、SSを書いていたと言っても過言ではない、のです

漆黒の翼さん>
まずはネタ提供ありがとうございます
> せっちゃんがまさかのリボガン搭乗……。
ダブルオーと最後まで悩みましたが、やはりここは悪役らしく・・・
え、違う?
> あの機体は射撃主体
多分リボンズは判ってやってるんだと思います
>学園の敷地=エクセリヲンとの事ですが
そうですね
最初はヱルトリウムでもいいかと思ったんですが、仰るとおり流石にやり過ぎと思って止めました

No:2032 2010/08/08 01:41 | あるす #- URL編集 ]

コメントの投稿



管理者にだけ表示を許可する

 | BLOG TOP |