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【スパロボSS】真・スパロボの学園(最終話)~そして、これから~

近所の模型屋で、『電脳戦機バーチャロン OMG』のバイパー?? 1/100キットが、1,000円で売っててうっかり買いそうになった管理人です
これ以上プラモデル増えてどないすんねん!
と一人ボケ一人ツッコミして、どうにか事なきは得ましたが(ぇ
いやぁ、あのゲームでの愛機なので、思いで深くて、つい・・・
あれだけのために、サターン買おうかどうか真剣に悩みましたからね!(実話
しかし結局ドリキャスが死ぬまで、セガハードはメガドライブ以外買いませんでした
ちなみにメガドライブを買った理由は、『ぷよぷよ』をやりたかったがためです(そんな理由か!


さて
なんやかんや言って書き続けていたこのお話も、これがラストとなります
やってみて判ったのは、流石にスパロボ全作品を範疇にしたのは、やりすぎだったかなとw
サポートしきれませんよ、一体何人居るんだ、サブキャラ含めて・・・と、自分で根を上げてしまいました
それでも、楽しんで読んで下さっている方が沢山居られたのが、一つの成果です

最終話を書くに当たり、漆黒の翼さんに少々お手伝い頂きました
この場を借りて、お礼申し上げます


俺の手は穢れている
血と罪で、俺自身が歪んでいる
マイスターへの道は、"ガンダムになる"と口にしたのは、その汚れを祓いたいために、歪みを正すために選択したことだった
-----だがそれは、いっこうに祓えなかった
何故俺の中にある歪みは消えない
俺自身の何かが足りないのか
-----いいや、君は充分に戦ってきたというのに、彼等がそれを認めなかった
俺の戦いは、認められないのか
-----そう、君が今の君である限り、認められることはない
俺は罪を背負うことは承諾している
それが俺の運命だ、取るべき道だと判っているのに!
------だが、彼等と共にいる限り、君は彼等に否定され続け、罵られ蔑まされるだろう
それは・・・
------君の犯した罪は、繰り返し彼等によって糾弾され、彼等が君を罪人として晒すために使われる
それでは、俺の存在は一体何だ?
全てのものに否定され、俺は何を償える?
------彼等はそうかも知れない。けれど、僕は違うよ。僕は君を、必要としている。とても、とてもね
・・・何故?
------君をあの時ガンダムで救った時から、僕は君を必要としていたんだよ
あの時・・・では、あのガンダムは・・・神を感じたガンダムは・・・
------そう、僕という神が、今まさに君を求めているんだ。僕だけが、君を救える。彼等にはできない。僕と共に有ることだけが、君が歪みを正す戦士としていられる
神が・・・俺を、必要としている・・・
------さぁ、おいで。ソラン・イブラヒム。僕が君を、真の神の戦士にして上げよう


スパロボ学園メンバーを、まるで見下しているかのように上空に舞うリボーンズガンダムに、一同の目は釘付けになっていた
「刹那、なんで!?」
というのが、ほぼ全員の共通した言葉だった
「俺は、俺を必要とする神のために、この機体に乗っている。このリボーンズガンダムこそが、人類を導くガンダムだからだ」
全く抑揚のない口調で、甲児達を突き放すように言う刹那
その姿に、多くの者がぞっとしている最中
「リボーンズガンダムって、自分の名前付けたのかよ、リアル系のモビルスーツに?」
いやまぁ英語表記にすると、名前の方の綴りが"Ribbons"で、ガンダムの方の綴りは"Reborns"なので、一応違うっちゃ違うのだが、日本語表記が標準のスパロボ世界だと
「普通付けるかよメカにさ、自分の名前」
「センスねぇよな、リアル系の癖に」
「自画自賛乙」
という、ドラグナー三人組の容赦ないツッコミが発生するのだ
『ちょっと黙ってようか、そこのガンダムもどき』
緊張感の欠片もないツッコミに、冷徹なリボンズでも、ちょっと癪に障ったらしい
「え~と・・・僕の立場は?」
たまたま見つけたメカに、思いっきり自分の名前と称号を付けたゲイナーが、どうしたもんかと通信を入れてくるが(※ただいま精神コマンド「迅速」利用で、ヱクセリヲンへ引き返している最中)
「いいんだよゲイナーは、そう言うキャラ付けだから」
と、一斉にあらゆる通信画面からも突っ込まれ、こいつら放っといて戻るの止めようかと、ちょっと頭を過ぎってしまうゲイナーであった
「それはそれとして、刹那・・・貴方は」
通信画面に映る刹那を見て、アナ姫はすぐに気づいた
彼の全身を覆っているのは、まるで霜のように薄い氷だ
死人よりも青ざめた顔、目には生気が無く、固く閉ざされた口元にも、なんの感情も見られない
そう、彼の身も心も、冷たく凍ってしまっているのだ
「・・・自分から戦いを止めて、引き籠もったか、刹那・F・セイエイ」
短く舌打ちし、王宮の一室から飛び出していくヒイロ
「リリーナ様、一体、彼はどうしてしまったんです?」
深く事情が分からないマリナは、先ほどから一緒に様子を伺っていたリリーナに、何が起きているのかすがるように聞いた
「あの刹那さんは、悪しき氷の鏡に映った影・・・恐るべき氷の悪魔が、あの方の心を蝕んでいるのです」
リリーナの言葉に、マリナは居ても立っても居られなくなり、ヒイロの後を追うように部屋を飛び出す
そのうち、スパロボZに出たメンバー達もまた、その事実に気づき始める
「うわっちゃぁ、まっずいなぁこれ・・・」
気づいたとは言え、彼等の反応は余り驚いた風もない
「ちょっとアンタら、なんで慌てないんだよ、あれ見て」
と、ロックオンが言ってくるのは当たり前である。だが理由はあった
「いやさぁ、連れ去られたり行方不明になったメンバーが、洗脳されて出てくるのはスパロボのお約束だけどさ・・・」
「お約束なのかよ!?」
お約束なんです
とはいえ、問題がない訳じゃない
「お前が凍っちゃ駄目だろ、仮にも主人公が完璧に洗脳されちゃぁ!」
今までそう言う目に遭っているのは、主人公というとOGメンバーのエクセレン辺りが限度であり、版権キャラの主人公でここまでやっちゃったヤツは多分、α外伝で催眠術に引っかかった鉄也さんとか、その程度であろう
「あの~・・・だから僕の立場は?」
思いっきりオーバーデビルに凍らされて、大暴走ぶちかましたゲイナーがそう言うが
「え、『OVERMANキングゲイナー』って、ゲインさんも主役でしょ?」
「二人が主人公だから問題なし」

などと冷たくあしらわれ、本当にこいつら見捨ててどっか旅に出ようか、と思わずいじけ虫が発動しそうになるゲイナーであった
「コホン!・・・刹那が"凍っている"というのなら、その先にはオーバーデビルが居るはずだ」
場を仕切り直したのは、宇宙から通信を入れてきたシャアである
「でも誰が?ゲイナーはもちろん、シンシアだってちゃんとここに居ますわ?」
アナ姫の言うとおりで、高いオーバーセンスを秘めた者は、誰一人連れ去られたりはしていない
「なーんか嫌な予感がするんですけどぉ・・・」
と、ユリカが言ったその時、宇宙にいるメンバー達は見た。ヴェーダがあるであろう宇宙基地の上に、居てはいけない者を
もちろんそれはオーバーデビルなのだが、その中にいるのがなんと
『君達との接触は予想外だったけれど、なかなかいいモノが手に入ったのでね、使わせてもらっているのさ。そう、このオーバーデビルの力は、僕が操っているんだよ』
オーバーデビルの中から通信を入れてきたのは、紛れもなくリボンズ・アルマークであった
「こらーっ!なんでお前がそれに乗れてんだよ!?」
ジュドー達の猛烈な批判台詞が響き渡るが、リボンズの方は涼しい顔である
『僕の精神はヴェーダにある。この肉体は器に過ぎないのさ。だから、オーバーデビルのオーバーフリーズにあてられようと、僕の意識は充分正常でいられる、というカラクリだよ』
「いや、そう言う問題じゃない!お前がそれに乗るのはヤバいだろ、いろいろと!!」
『何故だい?君達の世界の歴史を、いろいろ調べさせてもらったけれど、顔ありのキャラの乗っているマシンが、いろいろとちぐはぐなのは、結構あることなんだろう?』
「ああそうだよ、俺とリンがモビルスーツに乗ったり」※第四次
「何故かシャピロがライグ=ゲイオスに乗ってたり」※第四次~F完結編
「最近じゃベルクトが、真ドラゴンに乗っちゃったりしてたけど」※A.C.E 3
「版権キャラが、他の版権ユニットに乗った例はない!」
何せGジェネと違い、スパロボじゃ歴史が繋がってないMS同士では、仮にもMSに乗れるキャラさえ互いに乗り換えられないほど、版権っていろいろ問題があるんである
『そうなのかい?まぁいいじゃないか、新しい世界の神になる僕なら、いろいろ反則をしたところで、それが摂理になると言うものだろう』
すんごい自己陶酔した言い回しに、特にスパロボZに出ていたメンバーが、誰かさんを思い出して胃にむかむかした物を溜めてしまっていたのは、言うまでもない
「ええい、とにかく、刹那、氷の中なんかに引き籠もるなよ!」
「そうだよ、君らしく無いじゃないか」
甲児と竜馬が、とにかく呼びかけをしようと声を張り上げる
「俺はもう刹那・F・セイエイではない。そんな物は、もう要らない」
全く感情無く、刹那は自分自身を否定する言葉を口にした
「この世界に俺の居場所はもう無い」
ゲイナーとマリナの視線が、相当ショックだったのだろう。完全に心を閉ざし、内にこもってしまっているようだ
「何情けない事言ってんだよ、刹那の兄ちゃん!あんなことぐらいでへばるなんて!!」
地球のためと信じて立ち上がった結果、一族の全てが拒絶され迫害され、それでもなお最後まで戦い続けた勝平にしてみれば、確かに刹那が辛かっただろうことは想像が付いた。だが、ここまで引き籠もってしまうほど、彼の心は弱くないと信じたかったのだ
「あんなこと・・・?」
僅かに怒ったような口調でそう言った刹那は、手にしたGNバスターライフルをザンボット3目がけて放つ
「お前達には、俺の心など判らない。だが神が・・・神だけが、俺を救い上げ、そして世界を作り直すと言った」
その神というのが、リボンズのことを指しているらしい
「チッ、あのリボンズとか言うの・・・刹那がショックを受けた隙を突いて、オーバーフリーズで奴の心を凍らせたか」
「人の心に土足で踏み込み、挙げ句の果てに支配下に置くか。俗物のやりそうな事よ」
だがそうなれば、ただのマインドコントロールなどとは比較にならないほど、その支配力は強力である
「その神に選ばれた戦士として、神の望むまま、それだけのために、俺はソラン・イブラヒムとして、世界の歪みを正す」
「ソラン・・・って?」
「彼の本名だそうです。刹那って言う方が、コードネームなんだとか」
ずっと刹那の方が本名だと思っていたメンバーは、それほどに自身に対して自信を失った刹那を感じざるを得なかった
「名前を捨てたって・・・主役放棄する気かよ!」
何を馬鹿なことを、と声を上げるヒューゴ。影が薄いと評判の彼には、我慢ならなかったのかも知れない
「主役かどうかなんて、もうどうでもいい。俺の知った事じゃない」
アッサリそう返す刹那だが
「アンタってヒトはーーーッ!主役だったはずなのに、いつの間にかずりずりその座から引きずり下ろされた、俺の気持ちはどうなるんだッッ!!」
「やばい、シンのトラウマスイッチが入った!!
デスティニーのコクピットの中で、血の涙を流しながらトチ狂い出すシン
「落ち着けシン、主役を取って代わられたんなら、俺の方が先輩だぞ!」
と、声をかけてきたのはケーンである。マイヨさんに美味しいところを取られまくったのは、ある意味ではシンへの演出の布石であった、と言っても過言ではあるまい
でも安心しろ、作者はケーン派だ
「僕なんて、ついにPS2のスパロボに出られずじまいだったんですよ、僕だって主役なのに、おかしいじゃないですか!」
「俺なんて最近、生みの親に居なかったことにされつつあるんだぞ!!」
続いて通信を入れてきたのは、これまた最近不遇なウッソとジュドーである
「あははー、ごめんよ三人とも。そうだよなぁ。俺、まだいろいろとスパロボ補正されてて、主役の扱いしてもらってるもんな。有り難く思わなきゃ」
ようやく落ち着きを取り戻したシンに、一同はホッと胸をなで下ろす

「ねぇアスラン、あれって僕のせい?」
なんか困ったことになっちゃったな、と僅かに慌てているキラであった
「・・・半分ぐらいはそうかも知れない」
否定しないアスランは、ある意味正直である
まぁ、これからA.C.E Rもあることだし、本当にシンは(サンライズ以外からは)良くしてもらっているとは思うんだが

「はーい、気を取り直してぇ~ですね。刹那さん、落ち込んでちゃ駄目ですよ~、もうすぐ映画版も公開されるんですから、ちゃんと主役らしくしてくださ~い」
スタン帆船の拡声器を使って、ココアがそう呼びかけるが
「俺が望んで映画になったんじゃない」
などとと、またもや冷たくあしらわれてしまう。が
「アンタってヒトはーーーーーッ!映画版が無期限延期になった、俺への当てつけかーーーーーーッッッ、それはぁぁぁぁッ!!」
「やばい、またシンのトラウマスイッチが入った!!
今度は血の涙どころか、トラウマ過ぎちゃって血を吐きそうになって、大暴れし始めるシン
「落ち着くんだシン、映画になるからって良いことだらけじゃないぞ!」
と声をかけてきたのは、TVが打ち切りになったどころか、映画版でこの上なく凄惨な殺され方をして幕を下ろした、イデオンのコスモである
「そうだよ、俺なんか映画で、結果的に離婚させられてるのも同然だぞ」
と言うのは、愛する女に一途になったというのに、最終的に何も報われなかった映画版ナデシコのアキトである
「僕なんて、映画が作られる度に、罵られてこき下ろされてるけど」
と言うのは、これでTVも含めて何回目のエンディングだ?つーか漫画版がまだ終わってませんよ、連載何年目ですか?というエヴァンゲリオンのシンジである
「すみません、コスモさんにアキトさんにシンジ。俺がガキだったんです」
ぺたん、と正座して謝っているデスティニーが、なんか酷く可愛い

「ねぇアスラン、僕も謝った方が良いのかな」
「多分意味がないと思うぞ、それ」
というか、それこそ当てつけでしかないぞ、とおろおろしている幼なじみに突っ込むアスランであった

「ったく、冗談やってる時かよ・・・」
吐き捨てるように言いながら、ロックオンがデュメナスで大気圏外からリボーンズガンダムを狙い撃つ。TV本編で逆をやり遂げた彼なので、もちろんそれは正しく標的に定まっていたのだが、着弾直前に氷のバリアのような物が現れ、結果としてビームをはじき飛ばしてしまう
「な、なんだと!?」
「ロックオン、お前も俺を否定するのか」
驚いているロックオンの元に、そんな刹那の冷たく凍った言葉が届く
「誰もが俺を否定する・・・だから壊す。世界を全て凍らせて砕いて、全てをやり直せばいい」
「テメェ・・・逃げを打っておいた上、言うに事欠いて」
激高寸前のロックオンを、別の者が狙っていた
「がら空きだぜ、そこのガンダムさんよ!」
ソーマと共に宇宙に上がっていたサーシェスが、獲物を見つけたと歓喜の声を上げている。地表に意識が向いていたデュメナスは、既にスローネに懐を取られていた
「・・・クッ!」
「ロックオン!!」
だがティエリアの叫び声に呼応するように、白い翼がデュメナスを覆い、幕のような物を張った。サーシェスの攻撃はそれに弾かれ、体勢を崩されてしまう
「ロックオン君、今の刹那に構うな、引き込まれるぞ!」
フィン・ファンネルを射出してデュメナスを守った、アムロのνガンダムが接近してくる
「邪魔すんじゃねぇよ、戦いの楽しみが半減すんだろうが!」
すかさずファングを射出するスローネ。ところが今度は、それらが次々と目に捉えられない相手に撃墜されていく
「な、なんだぁ!?」
「俗物が。その手の武器の扱いで、我らに敵うものか」
ファンネル使いとしては突出した物を持つハマーンに、ファングを与えられて数日のサーシェスが追いつけるはずもない、と言うのだ
「引き込まれる・・・?どういうことだよ、白いガンダムの兄さん」
「オーバーデビルは側に居るものでなくとも、負の感情や悪意を持つ者を引き寄せる。アレに構っていれば、君まで凍りつかされてしまうぞ」
それは本意ではないだろう、とアムロは付け加えた
「それよりも今はティエリア君だ。彼が"答え"に辿り着くまで、彼の気を逸らすような真似は慎んだ方がいい」
「チッ・・・それじゃ、ヤツのことはどうすんだよ」

基本的にあの氷を溶かせるのは、キングゲイナーの力だけである
「ゲイナーはあとどのくらいで到着する?」
「もう2ターンぐらいでしょうか」
本来のキングゲイナーの能力である加速をフル活用し、かつ周辺のキャラ達の精神コマンド「献身」を受け、これでもかとばかりに「加速」を何段階も使用し、ゲイナーはアザディスタン王国の荒野を全速で戻ってきていた
凍りついた友を救うために
「それまで時間を持たせろ」
「だがその前に、あの状況を何とかせねばならん!」
そう
構えられたリボーンズガンダムの刃は、今まさにアルヴァトーレを突き刺さんとしていたのだ
「ひいっ!」
もう、身動きを取ることすらままならないアレハンドロは、恐怖に引きつった叫びを上げ、そして思わず目を閉じた
だが、その一瞬はこなかった
スパロボ学園のメンバーも、思わずゴクリと唾を飲み込んだ
なぜならアルヴァトーレの前に、ウィングゼロが立ちはだかり、その刃を左肩に受けていたからである
そして返すゼロのビームサーベルの一手が、リボーンズガンダムの左肩に突き刺さった

「邪魔をするな」
そんなことがあっても、刹那は何も感じていないかのように、淡々とビームサーベルを突き立て続ける
「う、い、今のうちに・・・」
ここぞとばかりに、逃げ出そうとするアレハンドロ・コーナーだが、急に巨大な手が立ちはだかって、その機体をガッとつかみ取ってしまう
「おっと、逃がさないよ。国連大使さん」
それはダイターン3の巨体であった。スパロボ学園の面子が、そんな状況でさえアレハンドロを逃がすつもりが、あるはずもなかった。逆に、これこそが逆転の一手なのだ
「君は、公の場において、裁かれ罰を受けなければならないのだよ。アレハンドロ・コーナー」
今まで大暴れしていたMAの中に、国連大使の姿を認めたアザディスタン王国民から、ざわめきどよめきが上がり始めた
続いて流されるのは、ヴィンデル達がもしものための『切り札』として記録しておいた、アレハンドロとシャドウミラーとの会話テープであった
これには、周辺と宇宙に展開していた国連関係者にも、少なからず驚きと動揺が広まっている
その声を背に、トールギスIIに乗るトレーズが語り出す
「世界の歪み、世の中に影響を与える人物ならば、人知れず姿を消し死ぬことなど許されない。世界を変えようとする者だからこそ、道化として舞台に立たねばならない。であるならば、君にはどうあっても、生きていてもらわねばならないのだ。この世界が続いていくために」
戦いの中であえて自分を悪として晒し、世界に戦いの愚かさを伝えるため、その身を失うことも厭わなかったトレーズならでは、の言葉である
「・・・世界の・・・歪み・・・正す・・・」
それに、刹那が僅かに反応した
『なるほど、高尚なことを言う。だがそのやり取りを繰り返してきた人類の、一体何が変わったというのだね?』
リボンズは、そんなトレーズを嘲笑うように言った
『そうやって、積み重ねられてきた人類の歴史は、今日ここで終わりにする必要があるんだよ。邪魔立てすることは、神が許さないのさ』
その言葉を聞いて、刹那は尚もアルヴァトーレを破壊しようと、ビームサーベルをウィングゼロから引き抜こうとした。だが、その腕をウィングゼロは掴んで放さない
「これ以上殺し続けるつもりなら、俺はお前を殺す・・・!」
ヒイロが珍しく、心底から叫んだ。そうして、ゼロもまたじりじりとリボーンズガンダムにビームサーベルを突き立て続ける
「そんな紛い物の機体に乗って、偽りの神にさえすがって・・・いつまで、何も考えずに殺すことを繰り返す。ただ殺し続ける機械でいいのか。何も考えずに済むことなど、この世界には無いんだ。心の殻に閉じこもるな!自分自身の意志で氷を砕いて出て来い!そうでないなら、俺がお前を殺してやる・・・これ以上罪を重ねないためにも!」
その叫びにさえ、刹那は何も反応を示さない
『陳腐な説得だね。この氷の悪魔の呪縛がどれほど強いか、知っているのは君達の方だろうに』
リボンズの言葉通り、ゼロを引きはがしにかかるリボーンズガンダム
その衝撃で、ゼロのコクピットが歪み、機械類に身体を挟まれたヒイロが、痛みを堪えて呻き声を上げる。それでも刹那は止まらない
そのやり取りは、地上で見守っていたマリナの心を切り裂くようだった

自分が悪かった
そう言って済む問題を、遥かに超えている
己の僅かな過ちが、刹那にあれほどの影響を与えた
心を込めて対応し、言葉を使って戦っていくのだと言っておいて、導いた結果がこれだというのは、なんという皮肉なことだろうか


そのために、彼は望みもしない戦いを、自分でそれと判らずにやっているのだ
「刹那・・・刹那、もうやめて・・・こんな戦いは、貴方がすべき事じゃないのよ!」
思わず叫んだ彼女の姿を、ふっと刹那の目が認めたのは、偶然だったろうか
「マリナ・・・イスマイール・・・」
『事の引き金を引いておいて良く言う。人間の小娘が』
そのリボンズの声に合わせるように、一気にビームサーベルを取り返したリボーンズガンダムが、王宮の庭に立つマリナを目標と定め、地上に猛スピードで降りていく
「まずい!」
相手がそう出るとは考えていなかった、洸やタケル達が慌ててその場に向かおうとした
だが、間に合わない
「・・・ファイナルコード・・・!」
ヒイロは、粗く吐く息の中で、"自分"を信じてそう呟いた
次の瞬間、虚空から突然ゼロに似た機体・・・ヒイロ本人と刹那、そしてギリアム等世界を渡る者達(プレインズウォーカー)のみが知る、平行世界のPT・ルシフェル・・・が現れた
「何あれ、ヴァイスに似てる?」
別の平行世界から来たレモンにしてみても、全く覚えのない機体である。その場に居たほぼ全員が、何が起きたか全く判らなかった
なので、こんなときだが説明しよう!
それは投稿外伝で出て来たオリジナル機体である。詳細はここを見て欲しいッ!(ぇ

そして、その黒い巨体から放たれる強烈なキックが、リボーンズガンダム右肩のGNドライブを砕く
「今だ、行けゲイナー」
そうしてまた、虚空へとかき消えていくその機体から発せられた声は、紛れもなく"ヒイロ"であった・・・
だが、ゲイナーに考えている時間は無かった
「行きますよ、マリナ姫!」
激走の延長のまま、間髪入れずにマリナをすくい上げたキングゲイナーが、チェンガンを構えてリボーンズガンダムを目指す
「心が凍りついているのなら、キングゲイナーのオーバーヒートで押し通る!」
文字通り炎をまとったキングゲイナーが、リボーンズガンダムのコクピット付近に吶喊した
「・・・刹那!!」
ふと刹那は顔を上げた
「今、誰か・・・俺を呼んだ・・・」
だが、それに応えようにも、身体を動かせない
両手両脚のみならず、全身のほとんどを氷の壁のような物に、取り込まれているからだ
「・・・・・・・・・寒い・・・」
その寒さに耐え続けるのには、今の刹那には力がなかった
疲れ切っているのだ、何もかもに
だからできれば、このまま眠ってしまいたい。そうなれば楽になれる・・・
パチン!
「しっかりしなさい、刹那!」
頬を叩かれて、驚いたように顔を上げた刹那は、目の前に何故かマリナが居ることに、驚きを隠せなかった
「起きて刹那。貴方の戦いは終わってない。私よりも先に、戦争を無くすのでしょう?たったあれだけのことで、貴方を傷つけてしまうような私よりも、貴方は先を行くのでしょう?」
懸命に叫び、謝意を混ぜながら励ますマリナだが、刹那は苦痛の表情を見せるだけだ
「・・・戦っていいのか、俺は・・・」
罪を犯した自分が、戦争根絶などを唱えて刃を振り回す、それは余りに滑稽で馬鹿げているのでは無かろうか。そもそもそんな風に考えた自分は、愚者の極みなのではないか
それが今、刹那の心に去来している物であった
「当たり前じゃない、人間だもの。スパロボ学園のみんなだって、いろんな罪を背負いながら、それでも生きて戦っているのよ」
彼方から降り注ぐ光の中に、刹那はマリナの言う"みんな"の姿を見た
孤児であるという負い目から、愚かな妄想を走らせてしまった鉄也
異星人である自分が、戦いを引き起こしているのでは、と悩む大介
自らの父が産みだした物が、人間世界を侵略することに立ち向かう万丈
望まぬ戦いで、兄をその手にかけなければいけなかったマーズ
互いの大切な人を、互いの過ちから失ったアムロとシャア
侵略者によって身体を変えられ、あまつさえその手で家族を師匠を、討たなければならなかったDボゥイ

・・・そんなふうに、スパロボ学園でいつもはバカをやっていても、実際にはいろいろな物を背負いながら、それでも何かを掴むため、皆が前進続けていることが見える
それはもしかしたら、マリナの心を通じて流れ込んできたのかも知れない
「戦っているのか・・・こうやって、彼等もまた・・・」
ある種の驚きが、刹那の心を掴んだ。何かを得たような顔をしている刹那の頬を、マリナは優しく包み込んで微笑む
「そうよ。だってこの世界に、神様は居ない・・・そうでしょう?
その言葉に刹那はハッとした
神という物を求めても、そこに辿り着けないのは当たり前だと、そう気づいたからだ
「帰りましょう、刹那。ここは、貴方が居るのには暗くて寒すぎるわ・・・」
その瞬間、彼を覆っていた氷の壁が、音を立てて砕け散った
それは現実の刹那にも及んだ
彼の体を包み込んでいた、心の壁とも言うべき氷が、パリンと小さな音を立て、カラカラと崩れ落ちていったのだ
と同時に、リボーンズガンダムは、キングゲイナーの必殺技をもろに受けた衝撃で、もろくも崩れていこうとしていた
「・・・マリナ!」
そして彼は、キングゲイナーと共にコクピットに飛び込んでいたマリナの身体を、崩れゆくその中で抱き留めた。もちろん、ゲイナーは二人をその手に取って、落下しないようにしていた
「刹那、刹那・・・よかった・・・!」
血の気が戻り、暖かみを取り戻していく刹那を感じ、マリナは心底嬉しそうに言った
「マリナ、お前の温かみを感じる、息づかいを感じる・・・俺は、今生きている・・・そうなんだな」
「ええ、私たちはこうやって、もがきながら生きてるのよ」
キングゲイナーの手の中で、しっかりと抱きしめあっている二人に、ゲイナーは声のかけようもなかった
「僕も謝りたいんだけどな・・・今はお邪魔かぁ。あーあ、なんでこう貧乏くじなんだ、僕は!」
聞こえよがしに、ちょっとした嫌味を言ってみせるゲイナーだが、その顔には安堵の笑みが浮かんでいた

『クッ、ヤツめ、せっかく拾い上げてやったのに、時間稼ぎにもならなかったな。所詮は人間かッ・・・だが、もう遅い!』
ヴェーダの掌握に絶対の自信を持っていたリボンズは、例えこうなったとしても勝利は自分にある、と宣言したのだ
だが、事はそう上手く行かなかった
器用に四方へ伸びていたオーバーデビルの腕は、ヴェーダに関わる配線をいじり倒していたのだが、それらの腕が突然、虚空からのビームで撃たれ、コンピュータールームにぼろぼろと落ちていく
『なっ・・・?』
「己の力を過信したな、リボンズ・アルマーク」
目の前に現れたのは、深紅の重MS・サザビーだ
『貴様、どうとしてここに!』
ナデシコで指揮を執っているシャアは、それ故に艦から動けなかったはずではなかったか
「まだ判らんか?先ほどから流れている、アレハンドロ・コーナーの映像で、国連関係者は既に大義を失った。部隊の大半は我々との停戦協定に応じ、ヴェーダ上空から撤退している。アレハンドロとの会話も、負けるなどと考えずに流したのだろうが、墓穴を掘っただけに終わったようだな」
シャアの言うとおりで、CBの問題はあったが、国連大使の愚かな所行に付き合っている、そんな風に見られるのは、多くの国にとっては不利だったからである
『まぁいいさ、人間達の軍勢になど期待してはいなかったからな。それに、このオーバーデビルの力は、衰えていない!』
オーバーデビルに尚も拘り、氷の礫をまき散らさせるリボンズだが、その全てはサザビーのファンネルで打ち消されてしまう
「私を甘く見ないことだ、リボンズ・アルマーク。このシャア・アズナブル、伊達に赤い彗星と呼ばれているわけではない
びっしりと決めているシャアは、いつにも増してやる気満々であった
「ねーねー、なんか大佐、今日はすっごいやる気じゃない?」
「ああ、多分リボンズの声がアレだからじゃないかな」
「・・・要するに、俺への当てつけか」
いつもは本人に勝てないので、声が似ている別のヒトに八つ当たりしているらしい
こうして、月での戦闘は収束に向かおうとしていた

もちろん例外は居たが
「大義が有ろうが無かろうが関係ねぇな、俺が戦争ができてりゃそれでいいんだよ!」
そう、サーシェスであった
そしてロックオンもまた、家族の仇を討てるチャンスを、捨てるつもりはなかった
「戦意が衰えてないようで何よりだぜ!お陰でこっちも、問答無用でそっちを討てるってモンだ」
超速で移動し、遠隔から攻撃してくるスローネを、デュメナスのスナイパーライフルが追い、そして光弾が何度か放たれる
「へっへぇ、楽しいなぁ、ええガンダムさんよ?紛争根絶とか嘯いてやがるてめぇとの戦争はよぉ!」
そうだ、自分は今戦争をやっている。家族を奪った者と、同じフィールドにいる
「そんなこたぁ言われなくっても判ってらぁ・・・同じ穴の狢だって事は・・・」
だがヤツを討たなければ、家族の敵を取らなければ、彼の心が先に進むことがない
それでは、刹那のことを受け入れられそうもない。このままでは、ただの戦争屋になってしまうかも知れない。ティエリアにああ言っておいて、そんな醜態を曝すのは許せない
「だからさぁ・・・狙い撃つぜぇぇぇッ!!
「ほざいてんじゃねぇよ、格好付けやがってェェェ!!
狙い定めるために、一瞬動きを止めたデュメナスを、サーシェスは逃そうとしなかった。だが
「お前のようなヤツがいるから、戦争が終わらないんだ!消えろッ!!」
「今はこの世界全体が、やり直さなきゃならないんだ!なのにアンタは!!」
スローネの両脇から、ΖとΖΖがビームサーベルを奮った。デュメナスを撃とうとしていたその両腕を切り落としたのだ
「んだとぉーーーーーーーッ!!」
それが、サーシェスの断末魔だった
狙い定めたデュメナスの攻撃は、過たずスローネを撃ち抜いたのである
「やったぜ・・・父さん、母さん、エイミー・・・仇は・・・討った」
感慨深い彼の元に、カミーユとジュドーが近づいてくる
「あんがとよ、おかげさまでスッキリしたぜ」
ロックオンは素直に、そう礼を言った
「貴方が死んだら、あの人が喜びませんからね」
カミーユは、ナデシコの甲板上でヴェーダとアクセスしている、ヴァーチェを見やった
そう言う哀しみが広がるのは、もうカミーユは御免だった
「でもお兄さん、憎しみは憎しみを呼ぶ。アンタは終わったかも知れないけど、これを始まりにする人も居るんだ」
「ご忠告どうも・・・その罪を背負うのは、もうとっくに覚悟してるさ」
ジュドーの妙に悟った忠告を、ロックオンは皮肉な笑みを浮かべながら聞いていた

ロックオンの仇討ちを見とったのと同じ頃、ティエリアはD.O.M.Eの助力もあって、ついに隠された領域への道をこじ開けた
「ヴェーダの機密領域へのアクセス成功。今からデータを転送する」
ティエリアは慎重に、そのデータを吸い出して、オモイカネへ転送する
「・・・これは・・・」
データを読み取りながら、ティエリアはそれが何故隠匿され、自分でなければ辿り着けなかったかを理解した
隠されていたのは、イオリア・シュヘンベルグからの、未来へのメッセージであった
『太陽炉とガンダムを受け継いだ者達よ。君達が私の理想とする後継者か、それは判らない。だが、これだけは伝えておく。私の計画はひとえに、この世界の人類の意思を統一し、来るべき異種との接触のため、人類を変革させるためにあった。そのために必要な行動、戦略、一つ一つの目的は、時代によって変わるだろう。それは、今を生きる君達の目で確かめつつ進んで欲しい。自らの足で世界に踏み出し、ぶつかり例え滅びようとも、人類を変えることを目標にした君達が、最良の選択をすることを信じている。そしてその希望を、太陽炉に託す』
イオリア自身が、ソレスタルビーイングにもがきながら生きることを望み、それによる変革を求めていたのだ
「自分で考え、自身の足で歩めと・・・」
人類だけにではなく、ソレスタルビーイング自体にも、それをイオリアが求めていたのだと、ティエリアはその時直感した
そうして、このメッセージの解放を最後に、ヴェーダとティエリアのリンクは、完全に断ち切られてしまった。それ以上は、ヴェーダの方が持たなかったらしい
「グローバル艦長、ミスマル艦長・・・」
通信を入れてきたティエリアの顔は、何故か穏やかな笑顔であった
「ヴェーダへの最後の手向け、手伝っていただきたい」
既にヴァーチェの手元では、GNバズーカのチャージが始まっていた
「いいんですね、ティエリアさん?」
「ええ。ソレスタルビーイングには、イオリア・シュヘンベルグの意思と、ヴェーダの意思を受け継いだ、優秀なマイスターとクルーたちが居ます・・・これからは・・・その僕たちが一人一人の意思で、歩んでいかなければならないのです」
「了解した・・・マクロスキャノンスタンバイ、DXも砲撃に参加して欲しい」
「はーい、皆さん危ないですから、射線上からどいてくださいね~」
「さようなら・・・さようならだ、ヴェーダ・・・今まで、ありがとう・・・僕は人間と・・・ロックオンと共に、生きていく・・・」

だが、リボンズはその道を認めようとは、思わなかった
『馬鹿な!何故不完全な存在である人間に、そこまでの事を託すのだ?僕という、完璧な存在を生み出しておいて、何故主導権は人間にあるとする!』
その叫びを、刹那は否定した
「リボンズ・アルマーク!この世界に、完璧な物など、神など存在しない!!」
『まだ言うか、刹那・F・セイエイ!そんな、地に這いつくばって、どうにもできない状態の癖に・・・不完全な人間風情がッ!!』
確かに、地上にいる刹那の叫びは、ただの負け惜しみと言われても仕方なかった
しかし、リボンズの読みは甘かった
「来い!エクシアァァァァッ!!」
指パッチンにより、どこからともなく召喚されたエクシア(R2)に、刹那とマリナは飛び乗る
「おお、あヤツめ。ついに指パッチン召喚を、完全に物にしたようだな」
「そのようです師匠。我々との修行、無駄ではなかったようです」
そのまま上空へと駆け上がったエクシア。とはいえその移動力では、大気圏外ましてや月まで移動できようはずもなかった
それを見越したように、キングゲイナーがエクシアの手を取る
「行くよ刹那!」
「うおおおおっ!」
ゲイナーは最後の精神コマンドを使い、エクシアを超高々度まで引っ張り、導き上げ、そして渾身の力を振り絞って、その背を押す
そしてこの瞬間、刹那は最後の精神コマンドを会得した
『覚醒』である
それは今この時だけ、別の効果も付与されていた
通常の2回行動以外の変化に、マリナは驚かされていた
刹那の姿が、いつか見た"青年"の姿に変わっていたからである。さらに、金色の輝きを持つ瞳と、機体の移動スピードの劇的な増加が加わった
量子化・・・
それは言うまでもなく、4年後の「純粋種のイノベイター」の能力だった

『馬鹿な、あれは・・・僕をも越える、イノベイターだというのか!?』
その時リボンズは、今までにない『恐怖』とも思える感情を抱いた
なぜ、人間ごときからイノベイターが生まれなければならないのか
いや、確かにイオリア・シュヘンベルグはそれを望んでいた
本来のリボンズは、それの発生を助けるために造られたのだ
それでもリボンズにしてみれば、そのような考えこそが根拠のない理想であり、そのような世界は来ないと感じていた
ならばイオリアの思想を体現するのが、自分であっても構わないはずだ、そう考えたのである
それほどまでに、自分は完璧に完成された存在だと、そう自負していたのだ
「完璧でないのは貴様も同じだ。元々歪んでいる人間に生み出されたお前に、どうして完璧な物を与えることができる?この世界においては、あらゆる物が歪んでいるのが、当たり前なんだ。そうであるからこその世界だ!歪み無い存在などと言うモノは、どこにもあり得ない!!」
むしろこの世界においては、神がもし実在したとしても、生きていくことなど出来はしないだろう
だがそれでいいのだ
そう言った者達が集まり、歪みを乗り越え、一歩一歩僅かずつでも前進していくのが、人間なのだ
その小さな一歩が、明日の希望を作るのだから
「そして貴様の歪みを、この俺が断ち切る!」
『馬鹿な・・・そんな、馬鹿な・・・』
刹那が操るエクシアの刃が、オーバーデビルの腹部を貫いた
同時に、マクロス・ナデシコ・GX、そしてヴァーチェの砲撃がヴェーダを焼き尽くし・・・
この世界での戦いは、ひとまず終わりを見た
「刹那・・・」
コクピットの中で、マリナは彼の顔を見、そして微笑みながら小さな包みを取り出した
「やっと、これを渡すべき相手が判って、ホッとしたわ」
それは、バレンタインデーの時、ビアンから手渡された、チョコレートだった
「すごく長く間が開いたけれど・・・貴方に、ハッピーバレンタイン
一瞬キョトンとした刹那だったが、ふっと優しい笑顔を浮かべながら、彼女の持つ包みを受け取った

一方ヒイロは
「よく頑張りましたね、ヒイロ」
傷ついたその身体を、リリーナが優しく抱きしめていた
「・・・任務、完了」
「そうですね、これでこの世界は・・・次の一歩を歩み出すでしょう」

「よぉし!これにて夏の自由課題完了!!」
ビアンの盛大なイベント終了宣言に、どうにかシリアスを通してきた学園メンバー全員がずっこけた
「まだ続いてたのかよ、自由研究!」
「なんでシリアスで終われないかな、毎度!!」
こんな所で真面目をやっていても仕方ないじゃないか(by作者)
「はぁ~い、そういうことなので、帰りの点呼を取りますよぉ、まずはアキトぉ!」
ノリのいいユリカは、まるでバスガイドさんみたいなことを言う
「レポートは二学期に回収するからな、採点は容赦せんぞ」
「冗談やめて下さいよ、クワトロ大尉・・・」
「・・・バカばっか」

「マリーは、マリーはどこだ!?」
CBの他の面子のフラグが回収された中、キュリオスの中でアレルヤだけが、戦場で泣きわめいていた。もちろん、人革連は既に撤退していて、マリーというかソーマはとっくに居ないんだが
「アレルヤさん、大丈夫ですかぁ?」
目的を見失ったアレルヤは、ナデシコの点呼にもマクロスの点呼でも忘れ去られ、行方不明者が居ないか捜していたロランに、偶然助けられる羽目になったのであった・・・
だが、これで何もかもが終わり、平和が訪れるというわけには行かなかった
アレハンドロ・コーナーが国際法廷に預けられ、アザディスタン王国の抱える問題に対し、各国が資金援助を始めた、というところまでは良かったかも知れない
だが、ソレスタルビーイングが反秩序的な存在であり、世界に恐怖と敵意を抱かせたことだけは、否定のしようがない問題であったし、CBのメンバーもそれを承知していた
だから、相変わらずCBは国連軍のお尋ね者であり、彼等を巡った小さな戦いは、おそらくこれからもまだまだ続くのだろう


そして・・・
「あのなぁお前・・・なんでまだここに居るんだよ」
「悪かったか?」
もう呆れて物が言えない、と言うのが甲児の心境であった
だが当の刹那は、自由課題のレポートを手にしつつ、キョトンとしているだけである
「普通さ、例えば姫様抱えてCBに行くとか、過去を捨てて姫のボディーガードとして寄り添うとか、そんなパターンがあるでしょ」
「どれを取ってもマリナ・イスマイールのためになるとは思えない。なら、俺はまだ勉強をする方を選ぶ」
お決まりのフラグを並べて解説したゲイナーだが、ぜんっぜんそういうことを考えていた兆候すらない、凄まじいまでのフラグクラッシュぶりである
「駄目だコイツ・・・ヒイロより上手だよ」
「そうか、俺にもヤツに勝るところがあったのか」
そんなカミーユの、ある種の嫌味さえ全然通じてない辺り、どうにかならんかコイツ、と高等部全員が頭を抱えていた

そんなこんなで、結局刹那のスパロボ学園留学は、そのまま継続されるに至った
イオリアの言う、自分自身で考えて進めという言葉と、ビアンの言っていた数限りない思案ができる空間に居ることの意味が、一致していたことにようやく気づいたからだ

そして、学園周辺には
「少年ッ、今日こそ私とラケットを交わしてもらおう!」
刹那を付け狙う、仮面に羽織袴っぽい恰好をしつつ、卓球のラバーを構えた、変な人が彷徨くようになった
「あれ、上級大尉さんじゃん」
「何してるんですか、そんな恰好で?おかしいですよ」
「違う、私は断じてグラハム・エーカーではない!」
「誰も何も言ってないよ」
まぁ言うまでもなく、正体は思いっきりバレバレだったが

「ん、出かけるのか、シン」
「うん、A.C.Eの撮影」
一方でスパロボ学園は、いろんな意味で時間が動き出していた
「そうか・・・羨ましいな、いろんな連中と勉強ができる」
「その内お鉢が回って来るさ、その時はお手柔らかに頼むぜ」
そう、今のところお先の見えない刹那達は、スパロボ学園から離れることはできない
いつか何処かで機会が訪れて、スパロボに出演する瞬間が来るまで、ここで戦いの意味を模索し続けなければならない
そう言う心を持つことができたのも、この学園に関わったからであり、またマリナとの出逢いがあってこそだ

ソレスタルビーイングの戦いは、これからだ!
「・・・って、こんなエンディングでいいの?」
報告書をタイプしていたアレルヤの叫び声が、トレミーに響き渡る
「しょーがねぇだろ、連載中に結局スパロボ出演が確定しなかったんだから」
既にロックオンは全部終わった、とばかりに珈琲片手にゴロンとしていた
「なぁ兄さん、俺の出番は?」
「お前は『ガンダムVs.ガンダム ExVS』があるだろ、いいからあっち行ってろ」
「(´・ω・`)」
結局ライルにお鉢が回ることはなかったわけで・・・
「で、何そわそわしてるのさ、ティエリアは」
何処かぎこちなくしているティエリアを見咎めたアレルヤが、そんな風に声をかける
「いっ・・・いや、なんでもない!」
「『ロックオンが二人居る・・・どうしよう!』とか思ってんでしょ」
スメラギは面白がっているのか、そんな風にティエリアをからかう
「やめてくださいよ・・・それじゃ完全に腐女子の世界だから・・・」
「愚痴はイイから早くレポート書けよ、ビアンのオッサン待ってるぞ」
とりあえず、彼等にもレポート提出は要求されているようだ
「・・・なんで一番出番がなかったオレがレポート書いとんじゃぁぁぁ!ふざけんじゃねぇぞ、テメーらぁぁぁぁ!!」
こうして逆ギレしたハレルヤのせいで、トレミーの動力部が壊れてしまい、CB一同危うく宇宙で死にかけたらしいが、それはまた別の話である
《終わり》
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2010/08/09 23:18 | 刹那 参戦編COMMENT(3)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

こちらこそ感謝感激極まりないです♪

いえいえ、こちらこそ無理に出していただきありがとうございました。


>OGメンバーのエクセレン
>α外伝で催眠術に引っかかった鉄也さん
他に候補を挙げるとすれば、OG外伝でデュナミスに洗脳されたラミアとか、EXCEEDにてコードPTPで操られたアシェンとかですかね。
(余談:この7番ロット姉妹、どちらもアクセルがコードDTDを外部から強制発動する事で助かっています)


>版権キャラが、他の版権ユニットに乗った例はない!
アムロ「………どうも、作者はDC版αを良く知らなかったようだ」(※XFT-Sガーディアルが初代ガンダムを元に造られた)
ショウ「ヒイロには悪いけど、ガーディアルとガルストームは隠しで入手できてしかも乗り換え出来たんだよな」(※XFT-Fガルストームがダンバインをry)
ヒイロ「あの時…俺はまだロンド・ベルにいなかったからな、仕方が無い。それにしてもカンジ、お前達いなかったことにされているぞ?」(※XFT-Wウィンテッドがウイングガンダムをry)
カンジ「…………(血涙)」(3を除くサンライズ英雄譚シリーズの主人公。DC版αにGブレイカー名義で参戦)


>本当にシンは(サンライズ以外からは)良くしてもらっているとは思うんだが
ガンダム無双2でも優遇されていましたね♪


>その黒い巨体から放たれる強烈なキックが、リボーンズガンダム右肩のGNドライブを砕く
サイズ差補正(L対M)はまだしも、グラビティ・カノンによる超重力拘束無しで!?
……いや、加速度補正か?それとも精神コマンド『熱血』か『希望(※熱血必中ひらめき同時発動)』でも事前にかけてたか!?
それとも、『実は脚の裏にアークゲイン宜しくリボルバーを追加で仕込んでました)キリッ』とこっそり追加設定してごまかすか!?(えええ


>デュナメス対スローネ
カミーユ&ジュドー、GJ!兄貴の死亡フラグをへし折ってくれました!


>「そうか、俺にもヤツに勝るところがあったのか」
いや、その部分では勝っちゃいけないでしょ(汗


>仮面に羽織袴っぽい恰好をしつつ、卓球のラバーを構えた、変な人
ミスターブシドー自重しる(笑)


>「お前は『ガンダムVs.ガンダム ExVS』があるだろ、いいからあっち行ってろ」
ケルディムはコスト2500ですぜ、お二人さん!


>「・・・なんで一番出番がなかったオレがレポート書いとんじゃぁぁぁ!ふざけんじゃねぇぞ、テメーらぁぁぁぁ!!」
〆のお仕事お疲れ様でしたハレルヤさん(笑)



P.S.
同時観測に気付いたゲイナーとか、ヴァイスに似た機体についての説明を求めるレモンお姉さまとか、果ては1度ならず2度も勝ち逃げされたせっちゃんの為に、現在後日談を妄想しています……が、とりあえずガンダムエース10月号の発売まで待ってください(えええ

No:2033 2010/08/10 00:53 | 漆黒の翼 #e9EPk88s URL編集 ]

お疲れ様でした~!!

話数にすれば十分長いのに、あっと言う間な感じでした。
刹那がみんなそれぞれ傷つきながら前に進もうとしているんだと知るところとか凄く良い部分はあったのですが
、書ききれないので突っ込みどころの方を少々・・・

①なんか、話聞いてると映画版ってロクなことがない気が・・・(エウレカも全然話変わったって聞くし・・・)

②「ねーねー、なんか大佐、今日はすっごいやる気じゃない?」
「ああ、多分リボンズの声がアレだからじゃないかな」
→ヤクトな2人の会話で良いんですよね?

③姫様抱えてCBに行くとか、過去を捨てて姫のボディーガードとして寄り添うとか、そんなパターンがあるでしょ
→どうしよう定番っぽいのに微妙に分からない・・・ヒイロは「過去」捨ててないし・・・トビアだと余りにも悲惨だし・・・

ところで、今後はA.C.E.Rまで新作はお預けでしょうか?スパロボ学園の反省会やA.C.E.R参加者の意気込みを話す会とかも嬉しいですが・・・

とにかく、スパロボ学園修了お疲れ様でした!!!
次回作楽しむにしています!!!

(ってか、本家も早く新作出すか、PSPでDを~~~!!)

No:2034 2010/08/10 05:54 | 壱華 #- URL [ 編集 ]

お疲れ様です!

お久しぶりです。最近回線の調子が悪かったのでしばらく漫画喫茶で作品の経過を見ていました。

本編の方は・・・・・



お兄ぃぃぃぃぃぃぃ様ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!



・・・・・ふう、すっきりした(おい)
ゲイナー様がかっこよかったです!今までの中で最高の活躍でした!!え?刹那はどうしたって?何も見えないが?

と、悪ふざけはさておき、ほんとにお疲れ様でした。
外伝は楽しみにしてください。

No:2035 2010/08/10 10:29 | イヴ #cnZdQCf. URL [ 編集 ]

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