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【投稿SS】双天使と銃騎士の学園生活3_『衝突』と『対話』_後編

Amazonの予約に、ガンダムXディバイダーがキター!!

HGAW 1/144 GX-9900-DV ガンダムXディバイダー (機動新世紀ガンダムX)HGAW 1/144 GX-9900-DV ガンダムXディバイダー (機動新世紀ガンダムX)
(2010/12/25)
バンダイ

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ちゃんとディバイダーが背負えますよ、お客さん!(誰

ガロード「この勢いなら、ダブルエックスが再販される日も近いぜ!」
ジャミル「信じていれば未来の夢は叶う・・・そういうことなんだな、ルチル」

オルバ「とりあえずサテライトランチャー撃っておこうか、兄さん」
シャギア「我らの未来に栄光あれ!」

シンゴ「何か遠くで、サテライトシステムの奪い合いが起きてるんだけど・・・」
サラ「放っておきなさい。近づくと死ぬわよ」
トニヤ「あーあ、フリーデンはキット化されないのかしらね?」
漆黒の翼さん投稿SS最終回です
この後はキングスフィールド攻略記事に続きます
さて、前回のラストでは一波乱ありましたが、果たして?


――――――思えば、あの時から何かが起きていたのかもしれない。
『…また、な』
その歯切れの悪い別れ言葉を聞いて、何も感じなかった訳ではない。
だが、『あいつなら大丈夫だ』と……そう思い、俺は引き留めなかった。

……だからこそ、この『事実』を俺は受け入れるわけには行かなかった。
『任務の為に学園を出て行った奴の代わりに、深淵の双天使がヒイロ・ユイとしてこの学園に存在している』
――――――その様な事実を、俺は許せなかった。

だからあの時、俺は――――情けも容赦すらも掛けずに奴に引き金を引き続けた。
奴がここに存在している事……それ自体を歪みと見なして。


「―――なに勝手な事をやってるんだ、お前はッ!!」(右ストレート!
「…………」(直撃
決闘の申し込みをしてから10時間後…つまり決闘が始まってから約8時間後。
事態を引き起こした俺は、現在学園とトレミーの橋渡しとなっているライル(※ロックオンの双子の弟らしい)に引き摺られる形で、学園長室へ連れて来られていた。
そして到着早々に、ライルの報告により飛んで来たであろうロックオンから、右ストレートを貰っている。

余談だが、ディランディ兄弟のどちらがロックオンかについては……服装が私服かソレスタルビーイングの制服かで見分けをつけている。

「…奴が『殺しても死なない奴』だと言う事は分かっていた。だから引いた」
「そう言う問題じゃないだろうが!
 ライル、お前もどうして止めなかった!?」
「『デュナメスなんかで割って入るな』って釘を刺されてたんだ。
 それに、こいつがいたのは校庭のど真ん中だぜ?普通の拳銃じゃ牽制目的でも狙い撃てねぇよ……」
以前の邂逅の時に知った情報から、『心臓を撃ち抜いた位では死なない』と断言する事が出来る状態だった。
勿論、今回は何時しかの自爆スイッチの比ではない(あれはギャグだから比べる方が間違っている気もするが……)。
奴が反応できないタイミングで心臓に一発。クリーンヒットを確認した後、装填していた全ての弾を撃ち尽くした。
そして、カートリッジを交換している間に相良やアクセルによって押さえ込まれてしまったと言う訳だ……。

「……『殺しても死なない』、か。分かってる様で実際には分かってないみたいだね……」
「何?あの『偵察』での記述が全てでは無いというのか?」
「まあ、プライバシーの問題が絡んでくるからな……」
「………」
この場にいたのは、ディランディ兄弟だけではなかった。
ビアン校長は勿論の事、俺と同じく何時しかの場に居合わせた、ギリアム先生とアサキムもだ。
おそらく……この3人は事の始まりからの、全てを理解しているだろう。
「ビアン・ゾルダーク、ギリアム・イェーガー、そしてアサキム・ドーウィン。
 ……今回の件の説明を求める。あんた達は今回の件について……全てを知っているんだろう?」
「俺からも頼む。何故あのPTを使ってたのかが気になっててね……」
その為、俺やライルは校長達に説明を要求した。
「……そうだな。あの機体が出てきた以上、説明せねばなるまい。
 ギリアム君、アサキム君。君達もいいかね?」
「やむを得ませんね。実際に事が起きた後ですし……」
「僕も構わない。彼らも、真実を訊く覚悟があるみたいだしね……」
「まず話さなければならないのは、何故『彼』が学園に来ているのか……かな?」
「当たり前だ」
まず1点目。
真っ先に聞かなければならないのは、何故『奴』がこの学園に滞在しているのか。何故『ヒイロ・ユイ』としてこの世界に存在しているのか。
「……その為には、『この世界の現状』について話さねばならないな」
「世界の……、この学園のだと?」
「その通りだ」
どうやら、それはこの学園が存在する世界の現状と、密接に関わりがあるらしい……。

「今回の彼らの任務は、プリベンター総出で行う必要のある、大規模なものだそうだ。
 その為、デュオ達やレディ・アン先生らを含めたプリベンター全員と、そして彼らのオブザーバーとしてリリーナ嬢がこの学園を出て行った」
「その辺りは知っている。確か、残っているのはトレーズ先生だけだと……」
「そうだ。……だが、トレーズ先生はプリベンターに関わってはいない。
 ……これが何を意味するか、君達に分かるか?」
「…………」
プリベンターに属する者がいない……いや、厳密には……!
「『根源がプリベンターに属している、あるいは属する可能性がある存在』がいない……のか?」
「そういう事だ。
 実験室のフラスコ……平行世界では、彼ら以外にもルー君やフォウ君も属する事ができるようだがな」
プリベンターと関わりを持つ者が『この世界にいない』。つまり―――――
「『存在皆無による世界の歪み』、か……!」
「そう。任務で出て行く事自体は否定する理由が無いが、その問題だけはどうしてもクリアする必要があった」
元来プリベンターに属しうる存在が皆無になった事で、世界に歪みが起きる為か……!

「根源存在とかは意味が分からないが、あんたらの言いたい事は分かった。
 ……だが、そうすると別の疑問が出てくる」
「……だろうね」
何時しか、場に居合わせていないディランディ兄弟にも分かる話だったようだが、確かに疑問がまだ残っている。
「プリベンターには……確か、ガンダムパイロット5人と、それを纏める姉ちゃん達……最低でも8人はいる筈だ。
 ……だが、現在『この世界に存在して』るのは1人、それもガンダムパイロットの方……!」
「頭数が足りないだけでなく、ましてやプリベンターの存在定義にすら関わっていない。
 ……説明しろ、どうやって『奴』だけで歪みを防いでいるんだ?」
まず、単純に頭数の不足。そして、『プリベンターと言う組織の定義』の不安定さ。
「……確かに通常なら、『別の世界の彼ら』を丸々1セット呼び込む必要があった。けど、今回はその必要が無い。
 『深淵の双天使が、ヒイロ・ユイとしてこの世界に存在していれば』……そして『根源がプリベンターに属しうる者が1人でも存在している』という条件さえ満たせば、後は力ずくで何とかなる」
「力ずく……って、んな無茶な……」
「全くだぜ、どこからそんな根拠が出るんだよ……」
……それらを補えるほどだというのか、『奴』が抱えている力は……!


色々と困惑している所に、アサキムがまさかの爆弾発言を投下した。
「いや、根拠も確証も必要無く断言できたんだよ。
 ――――――『深淵の双天使』と言う彼の異名は、元々僕が付けたものだし」
「「「―――――――――!?!?」」」
通り名……『深淵の双天使』は、アサキムが『奴』と邂逅した際につけた異名……だと!?
「順に解説していこうか。まずは『双天使』の方について。
 これは……彼が熾天使(セラフィム)と堕天使(ルシフェル)、そのどちらの担い手にもなり得る事を意味したものだ」
「彼は……紆余曲折あって堕天使を選んだようだが、な」
「堕天使……ルシフェル、あの機体か。なら、熾天使は……?」
「『ウイングガンダム・セラフィム』と言う機体が、『彼の世界』には存在している。
 ……それを元に、あの世界ではゼロがシステム面でカスタマイズされた様だ」
「……まさか、ver2.5に積み替えたのか?」
「暴走タイプが存在しなかったから、厳密にはver2.0と呼ばれているみたいだけど……、そんな所だね」
「……??おい、途中から話がさっぱり付いていけないんだが……」
アーカイブがドマイナーなスピンオフ(※ティエルの衝動)だからね、無理も無いか。
 ……そうだね、白い羽根付きの機体のシステムが、マイナーチェンジされたとでも言っておくよ」
『ウイングガンダムゼロ』に、ウイング・セラフィムに搭載されていたシステムを搭載した……。
さしずめ、『ウイングガンダムゼロ・セラフィム』にカスタマイズされた……と言った所か。

「成る程、熾天使にもなり得るとはそういうことか」
「飲み込みが早くて助かるよ。
 ……本当は、君にも天使の異名をつけたかったんだけど……」
「……は?俺にだと?」
そして、俺にも天使の異名を定義される資格があったと言う。
「ああ。君が乗った最初のガンダム……エクシア(EXIA)。
 その由来となったのは……神学における第6階級天使の総称、『エクスシア(EXUSIA)』だ」
「エクスシア……。能天使か……?」
「ああ。だが……」
「『双極の閃光』ってあの銀髪が言ってたな。
 お返しとばかりに、あの堕天使さんに先に異名を定義されたって所か?」
「そういう事さ……」
『○○(※何がつけられるか予想できない)の能天使』か。『双極の閃光』か。
―――ある意味、定義されなくて良かったかもしれない。
(※その気になればティエリアの搭乗機絡みで物凄い深みに突入できるのだが、今回の趣旨からは外れるのでここでは触れなかった)

……熾天使にも堕天使にも、か。
――――――だが、もう一つ理由があるのを俺は既に知っている……!
「……まだ理由があるはずだ。
 ……『偵察』上のデータでは、その名………大極の暫定名としても使われていた」
「…………」
『全ての平行世界に12個しか存在しない』と言う、大極(スフィア)。
俺の記憶に間違いが無ければ、『奴』が所持しているのはその内の一つ……!
「…よく覚えていたね、その通りだ。
 彼が持っているのは双子座のスフィア。正式名称は失われてしまっている様だけどね……」
「双子座……だから『双』か。成る程な……」
「んじゃ、もう一つ……『深淵』は何で名づけられてるんだ?」
『双天使』についての理由付けはもう十分だろう。
もう一つ……『深淵』の由来についてそろそろ訊くべきだ。

「残念だが、それは答えられないよ。彼のプライバシーに関わるからね……」
「何?」
……しかし、プライバシーを理由に回答拒否をされてしまった。
「……だが、これだけは言っておこう。
 刹那、君はオーバーデビルに屈した時の感触を覚えているな?」
「……勿論だ」
……彼は、君が経験した以上の闇に囚われた過去がある。
 君がかつて感じた苦しみなど、彼が体験したものに比べれば些細なものだ」
「――――ッ!?」
「あれが……些細なものだと!?ふざけるな!!
 奴の……そしてリボンズの所為で、刹那は……!!」
「私は大真面目に言ったつもりだがな、ロックオン・ストラトス」
幸いにもギリアム先生がヒントを与えているが……正直眉唾ものだ。
上手く誘導尋問で滑らせられないか――――――そう考えていたときだった。
「……通信?クォヴレー君からか?」
部屋の中に、通信音が鳴り響く。
ビアン校長がボタンを操作すると、音が鳴り止むと同時にモニターに銀髪の男―――クォヴレー・ゴードンの姿が大映しになった。
『…ビアン校長、状況は?』
「『彼がここにいる理由』を説明していた最中だな。
 ……それで、君は何のようかね?」
「…生憎と、俺はただの伝令だ。
 ……刹那、お前宛てにヒイロから伝言を頼まれている」
「俺に……だと?それにもう目覚めているのか?」
「彼ならこんなものさ。まぁ、あれから8時間経ってるしね……」
奴はヒイロからの伝言を預かっているようだが、それがどんな内容であれ俺はそれを受け入れる気にはなれない。
『始めからそうならないに越した事は無いんだがな。
 ……話を戻すぞ。伝言の内容は、"お前との『対話』を望む"……だ』
「…………。……貴様と話す事など無い、そう返しておけ」
『…………』
「……いや、違うな。クォヴレー、今から俺が言う事を奴に伝えろ」


俺は……奴がここにいる事自体を認めない。
『ここは貴様の様な奴がいるべき世界ではない。そしてその居場所も貴様のものではない。だから今すぐ貴様の在るべき場所に帰れ』とな……!」
「――――な!?」
「ちょっと待て刹那!さっき校長達が言ってただろう……!」
「『放っておけば世界に歪みが起きるから』、か?……勿論聞いていた。
 なら、なぜその事を俺達に公表しなかった!?そしてなぜ、『奴が別存在である』と言う事を誰も言い出さなかった!?」
「それは……!」
他人の居場所を借りて、挙句土足で人の心に踏み込んだ奴の言い分など…認めない……ッ!
『刹那、幾らなんでも言い過ぎよ。せめて話を聞くだけでも……!』
「マリナか?……済まないが、今回は俺も譲る気は無い」
『…………』
どうやらロックオンと共にマリナもこの学園に来ている様だが、それでも俺は揺るがない……!
「……今は確かに歪みが無い状態かも知れない。
 だが、『あいつ』が帰ってきたら……今度は『奴』がここにいた事による歪みが生まれる!」
「…………!?」
「何時しかあったファイナルコードの時とは違う!より上位の存在が存在していたと言う事実は……消えずに残り続ける!
 それも、『奴』が長くいればいる程強く……だ!」
「……あの時の様に、か?」
「そう言う事だ」
「??あの時……??」
俺は知っている。―――――ファイナルコードにより一時的に存在を彼方へ追いやられた『あいつ』が、一時期その反作用で苦しんでいたのを。

「――――――ヒイロ、どうせそこにいて話を聞いていたんだろう!?反論はあるか!?」
『……と言っているが?』
『…………』
そして、俺は当の本人に問いただす。姿を現しはしないものの……答えが帰ってきた。
『…………。公表しなかった事については、一応理由がある。
 歪みについては、たとえそれを知った所で対処できる者が殆どいない為……』
『……プレーンズウォーカー、或いはそれと同等の力を持つ者だな。
 偶々一緒に来た俺を除けば、ヒイロの他には……ギリアム、それとアサキム位か』
「…………」
その答えに、更にクォヴレーが補足説明を加える。
歪みについては……まぁいいだろう。
『"存在定義"については………これは俺が頼んだ事だ。勿論後始末もするつもりだった。
 学園に元々いた奴が生きた証を……その軌跡を踏みにじりたくなかった為に………』
「…………ッ!ふざけるな!!
『…………!』

だが、存在の詐称については……どう御託を並べようとも許す気は無い。
「軌跡を踏み躙りたくなかったのであれば……最初から最後まで表に出るな!!
 ―――もしくは、そんな手など使わずに最初から『別存在だ』と自分から言え!!」
『…………』
あの戦いで奴が機体を出すその瞬間まで、俺は『同じ』だとずっと思っていた。そう信じていた。
その想いを……奴は踏み躙った!
「……失望したぞ。まさか貴様がそんな奴だったとはな……!」
『!!刹那、俺は……!』
「煩い!今すぐ貴様の世界に帰れ!!もう貴様とは逢いたくも無い……ッ!!」
周りの者達が諌めてくる声が聞こえるが、それすらどうでも良かった。
『刹那、KF2の件はいいのか?』
「そんな事など、今はどうだっていい!!」
裏切られた……その思いが、失望と憎悪と悔しさの感情の中に混ざっていた。



『………お前の言い分は分かった。出て行こう……』
――――――沈黙が続いていた中、やがてヒイロが言葉を紡ぎ直した。
「ヒイロ!?しかし君は!」
『……自分がこの学園にいる全ての者に、肯定されるような存在で無い事位、始めから分かっていた。
 ……そして、真っ先に"拒絶した"人間が刹那だった。ただ…それだけの事だ』
「でも双天使さんよ、世界の歪みについてはどうするつもりだい?」
『……出て行く直前に、可能な限り固着する。
 ……幸いにも、現在プレーンズウォーカーが全員揃っている。帰ってくるまでの時間稼ぎならどうにかなる筈だ』
『まさか、貴方1人で出て行くのですか?』
『当然だ。クォヴレーもプレーンズウォーカーの1人……こいつ1人抜けただけでも固着の維持が不可能になる』
『…………』
後をプレーンズウォーカー達に委ね、自らは去る……と。

そして、奴は俺に語り掛けた。
『……お前が俺との対話を望まないと言うのは理解した。
 ……だが、せめて最後に………』
「…………」
『何故ビアン校長達の要請に応じたのか、そして何故俺が大極を持っているのかを……伝えよう。
 言葉ではなく、想いで……。お前の…脳量子波に、心に……』
「……心に?何をするつもりだ?」
『柄にも無い事……だな。
 ……通信を切ってくれ。それと、他の者には窓の外を見るようにと……』
心で聴けと訳の分からない事をいい、やがてクォヴレーによって通信が切られた。
「外を…か。ふむ……」
ビアン校長でも方法が分からないらしく、俺を含めてこの場にいた全員が、窓を開けて外を……奴がいるであろう部屋の方を見た。



そして、俺が目を閉じて脳量子波の使用を開始した――――――その時だった。

"………、幽けき……"
(……?今のは……?)
何かが聴こえた……気がした。
"深淵の…底……"
「?今、何か聞こえなかったか?」
「そう言われて見れば、確かに……」
ロックオン達にも聞こえている?だとすると……?」

"聴こえ来るは……、深き息吹……"
気のせいでは……無い……!?
「ん?光……だと?」
そして、ライルが最初に気付き、やがて俺達も……その光に気付いた。
おそらく奴がいるであろう部屋…或いはその周辺のどこかから、光が放たれているのを。

"来たれや  開かれし刻"
"全て捨てて  この身は謳になる"
「………!これは……!」
淡い光が拡がると同時に、本格的に声が聞こえてきた。
「……成る程ね、確かに『柄にも無い事』だろうな……」
「だが、想いが込められている……」
「ふむ。これは……バサラ君達とも引けを取らないかもしれないな」
心に響く、詩が…聴こえて来る……。
(……何が言いたい?貴様は……何を……!)
光を見るのを程ほどにし、俺は目を閉じて意識を集中させた。

(これ…は…………!)
やがて、脳量子波にイメージが伝わってきた。
"謳は胸を溢れて  地に渓に湖に満てる"
"やがて生いし木は深く  土に根ざし大地 抱く"
護るだけで良かった日々の終わり。愛する者を救う為に投げ捨てた運命・自由・誇り・未来。
『心の闇』拡大による暴走。自らの為に投げ捨てた命の上に成り立った未来への道。
(何だ、この…闇は……!?)
そして……深淵と言う名の絶望と死の狭間。
光さえ届かぬ筈の場所に差し込み始める光、そして伝わる想い……。

"愛しき大地  一歩 靭く 踏みしめ"
"揺るがずにただ  進む この脚で"
想いから紡がれる、『生きたい』と言う決意。
誰かの為にではなく、自らの為に。自らの未来の為に。
"踏みしめられた  足跡 繋がり行く"
"歩みの軌跡  記す ひとつずつ"
(お前…は……。お前と言う奴は……ッ!!)
その為であれば、受け入れる。たとえ、自らの生命が短くなろうとも。
自らの生を繋ぐ為に。『意志を持つ負』の力を。
そして、『世界を変革しうる大極の力』をも――――

"尊き世界  この腕に抱きしめ"
"仰ぎし天よ  ひとつ この胸に 誓う"
生きる為に戦う決意。抱えていたのはそれだけではなかった。
(………………ッ)
愛する者と同じ未来を。今度は、護るのではなく共に歩む為に。
その為の……世界と戦う決意。やがて訪れるであろう、武器を持たずに戦う為の決意。

"この願い  眩き未来 刻まん"
"想いの奇蹟  遠く どこまでも 響けや"
そして、やがて気付いた異変。突きつけられた『根源存在の軌跡』。
(……何故……。どうして、お前は………!)
そして、ここへと歩を進めた。
再び刻を刻み出す為に。愛する者達と同じ世界で、同じ時間を刻んでいく為に――――――





――――――詩が聴こえなくなり光も収まった頃に、俺はようやく目を開いた。
「――――――」
「……刹那、大丈夫か?」
「……、大丈夫だ……」
余りにも情報量が多かったためか、頭に多少の痛みを感じている。
物理的な傷にはなっていないと思うのだが、念の為に後で検査を受けておくか。

「…………」
「……刹那?」
……あの時、俺は何を見ていた?
『偵察』のデータにはきちんと書いていた。当初疑問に感じていたそれを……俺は先程軽んじていた……!
「……あの、馬鹿……!!」
「お、おい!刹那!?」
考えるよりも先に、体が動き出した。
――――――あいつに謝る為に。「何も分かっていなかった」と詫びる為に。

―――『偵察』のデータには、『虚空の銃騎士』…もといクォヴレーによって、以下の様な文が書き加えられていた。
・スフィア『深淵の双天使』(※正式名称不明の為、暫定呼称)の所有者。また、ミーディエイターと呼称される『人の心の闇の化身(集合し、一つの意思を持ったもの)』との盟約者でもある。
・平行世界において唯一の、『ODEシステムのマスターコアにされながらも生還した』生身の人間。
・本来であれば再起不能(※当時の仲間達によると、死も有り得たとの事)であるが、先述したスフィアとミーディエイターの力によって日常の行動を可能にしている。
……そして、スフィアは『命を繋ぎとめる楔』として奴自身の中にあるとも本人は述べていた。
――――――スフィアを直接体内に埋め込み、そして(イネス先生から聞いた話だが)神経と直結状態など……無茶苦茶にも程がある。
ツインドライヴシステムをトランザムで無理矢理起動させたのと同じ位、代償は半端なものでは無い筈だ。
―――その事に、俺は気付かなかった。それどころか、先程までそれを記憶の片隅に押し込んでいた。



「―――――!」
先程光が放たれていた場所にたどり着き、扉を開ける。
しかし――――――
「マリナ、あいつらは……ヒイロは何処に行った!?」
部屋の中にいたのはマリナのみ。
ヒイロ本人どころか、クォヴレーすらもその中にはいなかった。
「あの後、『直ぐにここから出る』と言って……」
「……ッ、遅かったか……」
どうやら、あの後直ぐにここを出て行ったようだ。病み上がりの身体でよくやる……!

――――――直後、窓の方から眩い光が差し込んできた。
「―――――――ッ!!」
あの時と同じだった。
ファイナルコードが使用され、そして奴が自力で帰っていったあの時と。
だとすると……。
「馬鹿な、早すぎる……!」
「え、どういう事……?」
「光が収まってからまだ20分も経ってない。
 ……にもかかわらず、あいつは世界の歪曲状態を現状で定着させて、そしてここから『出て行った』……」
この世界から『出て行った』……と見てほぼ間違いないだろう。

「……そう。謝りたかったのね……」
「………、俺は……」
それはつまり、直接面と向かって謝る機会を失ってしまったと言う訳だ………。



―――――――それから30分後、奴とは異なりこの世界に留まったクォヴレーを見つけた俺は、『何も理解しておらず、済まなかった』と伝言を頼んだ。
……その伝言はおそらくクォヴレーが出て行った後に果たされると思っていたのだが……結果的には想定していたよりもずっと早く果たされる事になる。
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テーマ : スーパーロボット大戦 - ジャンル : ゲーム

2010/10/11 23:17 | 頂き物COMMENT(1)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

やはり眠気がある中で書いたらいけなかったww

改めて見直したら文章が一部ハチャメチャな事になってた……(汗
……と言う事で、一応シリアスパートは区切りをつけたのでここらで解説を。


>『双極の閃光』
これ、実は元ネタあります。以下のリンク先を参照の事。
http://www.carddas.com/cdmasters/gundamwar/products/pickup/25.html



>柄にも無い事
……うん、やってしもうた。けど後悔はしてないです。

使用した楽曲は、アルトネリコ2で使用されている『METHOD_METAFALICA/.』です。片翼の鳥などを謳ってる志方さんがボーカルです。
本編終盤にある演説で使用されているバージョンを参考にしてます。

Game.ver
http://www.nicovideo.jp/watch/sm5149534
本編イベントver
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1471488
ヒュムノスコンサートver
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8560847

No:2187 2010/10/12 19:12 | 漆黒の翼 #e9EPk88s URL編集 ]

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