【投稿SS】双天使と銃騎士の学園生活 『贖罪』と、『幸せ』と、『未来』【1】

またもやPC環境を再構築し直している管理人です

いやー、つい衝動買いでKingston SSDNow V Series SNV125-S2/30GBを買ってしまいまして

Kingston 30GB (stand along) SNV125-S2/30GBKingston 30GB (stand along) SNV125-S2/30GB
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30GBしかないので、当然OSなどのシステム情報しか入れられませんが、750GBのHDDがあるのでプログラムファイル系はそっちにインストールすれば無問題

しかし・・・このSSDは当たりですよ!
以前遭ったようなプチフリ現象は全くありませんし(元々その前評判がよくて買ってしまったのですが)
早いし静か!!
Win7 Proが、ウィルス対策ソフト諸々入ってても、3分以内に立ち上がりますよ。イヤ、3分以下だな多分
ディスクドライブ特有のカリカリ音もありませんので、本当にファンの音しか聞こえない
これで5,980円とか・・・

とはいえ、本質的にはSSDはまだまだバイト単価が高いです
一方のHDDなんかは、1TB一万円切ってるという・・・
昔、8MBのHDDドライブをン十万で買ったのが懐かしいわい・・・(遠い目
さて、漆黒の翼さん投稿のSSが佳境に入りました
前回の記事で予告編を上げたとおり、劇場版ダブルオーの流れでELSの本星に向かった刹那ですが・・・


―――――――恒星の接近により、死に瀕している惑星……ELS母星。

ELSとの相互理解を目的とし、俺はダブルオークアンタの恒星間転移能力でこの場所を訪れていた。

『刹那、本当に君はそれで良いと言うのか?』
「いい加減しつこいぞ、ティエリア」
『…………』
クアンタムバースト後にそのまま転移に移った為、機体に搭載されているヴェーダとの通信ユニットには今もティエリアの精神データが格納されている。
『君がそこまでせずとも、世界は……』
「そうだな、確かに『戦いは終わった』。だが……まだ『相互理解を始める』段階だ。
 この盟約はその為の最初の一手に過ぎない…………」
彼は、俺がELSに提示した盟約を成す事について賛同していない様だ。
だが、もう決めた事だ。これ以上何を言われようとも、俺の気持ちは揺るがない。

――――そろそろ、成立させよう。
そう思い、改めてELSに語り掛けようと思った時に、ダブルオークアンタのレーダーが警報を鳴らしてきた。
『―――――!時空間の歪み?これは……』
「どうした、ティエリア?」
『刹那、誰かが"学園からここに来る"……!』
「!?あの戦場からでは無くてか!?」
『違う、あそこから直接だ!』
「…………ッ!」
転移の事実が残るあの戦場からではなく、学園から……?
……確かに、あの戦場に俺の見知った学園のガンダムがいたのは横目で確認していた(確か……Hi‐νとZとストライクフリーダムの3機だった)。
彼らの誰かが、学園に連絡を入れたと考えるのが妥当か……?

そんな事を考えている内に、宇宙空間に一筋の光が奔る。
それは瞬間的に柱と呼べるほどの太さに達し………
『……どうやら、間に合ったようだな』
「…………ヒイロ
その"光の柱"が消えた場所に、堕天使が舞い降りた。

――――――何故、こいつが。
あの戦場に介入していたのならまだ分かる。だが、どうやって……学園から直接……!?
『……成る程、君が噂の"深淵の双天使"か。
 なら聞かせて貰おう、どうやって君はここに来た?』
「俺からも同じ質問だ。何故『この場所が分かった』?
 ここの位置は誰にも教えていなければ、データ化すらしていない……!」
目の前にいる奴とは事実上の初対面であるティエリアが、問答無用で問いただす。俺もそれに便乗した。
『…………お前がここに来たのと同じ様な理屈だ。
 "ダブルオークアンタが、そしてお前がELS母星を訪れた"と言う事実をトリガーにした』
『!!もうそんな情報が広まったと言うのか!?』
「落ち着け、ティエリア。
 ……ああ、そうだな。『事実に対する干渉』は貴様の十八番みたいなものだからな……」
その答えにティエリアは驚愕するが、一方で俺はさほど驚かなかった。
『……分かってくれた様で何よりだ』
「あんなもの(過去)を見せられたら、そういう結論に行き着くのも当然だろう」
『……それもそうか』
俺がELSとの対話で知った母星のイメージだけを頼りに転移した様に、奴にだってそれが出来てもおかしくは無い。
――――――事実さえ知っていたのなら、奴にとっては場所など大した問題にならない……!

……そう。俺が苛立っているのは奴が『ここに来た事』に対してではない。
来た事自体は正直どうでもいい。だが、『間に合った』という奴の言葉が……『俺に干渉する』と言う事を暗に示している!
「……質問を変えるぞ。『何故貴様はここに来た』?
 俺がこれから何をしようとしているか、貴様は把握している筈だ!」
ELSとの盟約。それを……奴は……ッ!!
『……そうだな。確かに俺は、"お前の根源が辿った軌跡"を知っている。
 だからこそ、俺は"お前を止めに来た"。学園の奴らはおろか、プレーンズウォーカーですらも来る事が出来ないこの場所に出向いてまで…』
奴は……この期に及んで止めようとしている……!!
「……その為だけに、貴様はあの戦場に介入しなかったと言うのか!?
 貴様が介入していれば、被害は少なからず減っていたはずだッ!!」
『………お前の言いたい事は分かる。だが、ELSの性質上……俺や特機の連中が干渉するわけには行かなかった。
 あの状況では、大型機・準大型機の被弾はまず避けられない。フィールドで全部シャットアウトしようなんて考えるなよ?即座に真似されただけだ……』
「………ッ」
『……成る程、一理あるな。だから、"ビーム兵器を主力とし、射撃戦に徹する事ができ、なおかつ被弾ゼロを実現できるパイロットの機体しか投入出来なかった"訳だな?』
「……その通りだ。多くの奴らが立候補していたが、最終的に学園長が承認したのはあの3機だけだ」
数多の命が散ったあの戦場への介入を他の奴らに託してまで……!

「この盟約が何を意味するか、それを知っていてか!?」
『勿論だ。だが、"それを早急にする必要はない"。………いや、違うな。この際断言しておこう』
「……!」
"お前達とELSの相互理解に、盟約を結ぶ必要性が見当たらない"!それが人類の総意でなくお前の独断であれば尚更だッ!!』
……そして、奴は先ほどのティエリア以上に、はっきりと俺の行為を否定した。
「―――――何だと!?」
『………奇遇だな、僕と考えが同じとは』
「ティエリア、お前まで!」
『分かってるはずだ、刹那。……既に、戦いは終わっている。
 加えて、パイロットや機体への侵食も………ELSの善意により取り除かれつつある』
それに便乗する形で、改めてティエリアも俺の考えを否定しにかかる。
『……これ以上、君が――――――』
「―――――黙れッ!!」
―――だが、俺はその言葉を受け入れる事が出来ない。

イノベイドとして使命に殉じるティエリア。そして、大極の護り手としての宿命を背負うヒイロ。
……お前達なら、理解してくれると思っていたのに………!!

『………それが、お前にとっての"贖罪"になるからか?そこに……お前の生きる意味を見出したからか?』
「…………ッ!」
『ELSとの対話の先陣を切った……そこまではやむを得ない事だ。
 だが、これ以上お前がそれを背負う必要は無い!ガンダムマイスターとして……お前が孤独の道を進む理由などもう何処にもない!!』
―――しかし。俺の心情は、完全に看破されていた。
1人の人間としてではなく、ソレスタルビーイングのガンダムマイスターとしての戦いに殉じようとしていた……俺の心情を、ヒイロは完全に看破していた。
ティエリアも口に出してこそいないが、おそらく奴と同じく看破していると見ていいだろう。
純粋種のイノベイター?来るべき対話の準備を進めてきたソレスタルビーイングの一員?
 ―――――――違うだろうッ!!お前はガンダムマイスターやイノベイターである以前に1人の人間だ……!
 俺がヒトとして生きている様に、お前にだってヒトとして生きる権利がある……!!

そして、それに殉じる必要は無いのだと、真っ直ぐに語りかけてくる。
……その言葉に、嘘も誤魔化しも無い。純粋な奴自身の言葉が……俺の耳に響く。
「その権利をどうしようが、それは俺の勝手だろう!余計な口出しをするな!!」
『………そう言って、お前はそれを自ら行使しない。
 ……お前は俺と同じだ。救わなければならない筈の者の命と引き換えに生き延びた、かつての俺と………』
「何を……!」

『刹那・F・セイエイ……いや、ソラン・イブラヒム。
 ………お前は、もう自分の罪を赦してもいいんじゃないのか………?』
「―――――――――ッ!!貴様に何が言えるッ!!」
――――『お前は、俺の様になるな』、と。
まだ間に合う、今ならまだ引き返せると………そう奴は言い放つ。
『俺達が抱えている罪は………決して消えない。
 そして、その償いを誰かに肩代わりさせる事だってできやしない』
「そこまで分かっているのなら……!」
『………いや、それ以上だ。
 罪は、決して消えない。………だが、それを……自分自身で赦す事はできる』
「………貴様は、自分の罪を赦したとでも言うのか……!?」
『……総てとは言えないが、な』
「…………」
だが、引き返した所で何になる?
この歩みを止めたとして、俺は……次に何をすればいい?

止まる気は無い。……だが、『自分自身で罪を赦す』……その言葉がずっと引っかかっている。
……言葉のやり取りだけでは、その真意は完全に理解できないだろう。ならば……!
「……ティエリア、バックアップの準備を。
 クアンタムバーストを出力50%で使用する……!」
『!?人一人の想いを知るのにヴェーダのバックアップが必要だと言うのか!?』
「気にするな、今回は特別ケースだ。
 ………一度奴の記憶の断片を見た事があるが、その時点でもう頭痛がしたほどだからな……」
あの時は表面しか見えなかった奴の『罪』、それを……改めて見させてもらおう。
前回の経験から察して、ヴェーダのバックアップさえあれば……深層まで行くのは十分に可能な筈だ!
「―――――嘘も、そして誤魔化しも今回は一切認めない。
 俺達に……俺に見せてみろ!お前が背負う『闇』を、お前にとって消せない罪を――――!!」
『…………』
クアンタム―――バーストッ!!
ダブルオークアンタのシールドを背面にスライド、ツインドライヴモードに移行し……クアンタムバーストを作動させる。
発せられる高濃度のGN粒子が、俺達を……ここにいる全ての者達を包み込んでいく……!


視界が実際に目に映るものから、脳量子波が受け取るイメージに切り替わる。
光溢れる空間から……底の見えない闇の中に、俺はティエリアとELSと共にその精神を飛び込ませる。
「闇が…深い……」
暫くは光が差し込んでいる事による明るさがあったが、やがて……それが完全に途絶えた。
にもかかわらず、底が一向に見えないどころか奴の姿さえ見つからない。まだ深さが足りないか……!
「まさかここまでとは………。
 ……刹那、どうやら君の言う通りだったようだ……」
「…………」
ティエリアの言葉を聞きながら……俺達は真っ直ぐに進む。
――――――そうしているうちに、徐々に負荷が大きくなっていくのを感じていた。

<…………>
「……何?『この先は激流になっている』?
 ………ここを突っ切って来いと言う事か、上等だ。ティエリア、フォローを頼む!」
「わかっている!」
ELSから警告を受け、一端静止。態勢を整えた後……再度進撃を開始した。
伝わってくるイメージは……光の届かない闇のまま変化が無い。だが……!
「―――――うッ!?」
「刹那!?」
「……大丈夫だ!」
圧し掛かってくる重圧の質が、変わった。
闇に伴う重さではない。これは―――
「刹那、彼は本当にニュータイプでも強化人間でも無いんだろうな!?」
「それは間違いない!未来予測(ゼロドライブ)は奴自身の力だ!
 念動力も、オーラ力も何一つ持っていない!奴自身は……ただの人間の筈だ!」
苦しみ、悲しみ、痛み。……そう言った人の負の感情そのものが、押し寄せてくる。
だが、これは奴自身のものではない。何処からか…何時の間に入り込んだのか知らないが、数多の赤の他人のものだ。
「……おそらく、この理由も……聞きだせるはずだ……!」
それらに堪え、俺達はこの嵐を駆け抜ける。
それを脱した先に―――奴は佇んでいた。


「……来たか」
「ああ、貴様のリクエスト通りにな」
「ここは……何なんだ?君の心の中には違いなさそうだが……」
「………。ヒトが触れる事の無い、負の感情そのもの………としか言えないな」
奴の言葉が、闇の中に何らかの意志(おそらく奴が結んでいる盟約の相手だろう)が紛れているのを意味しているのか……断言する事は出来なかった。

「……話す前に、一つ聞きたい事がある」
「何だ?」
「ここに到達する直前に、濁流があった筈だ。
 ……お前は、『ヴェーダのバックアップなしで乗り切る』事が出来たと思うか?」
「!…………それは」
「刹那………」
ヒイロの質問に、俺は返答する事が出来なかった。
―――――その濁流が何を意味しているのかを、問いかけられた時点で理解してしまったから。
ティエリアも、俺の様子を見て意味を察したようだ。
「………あれは、以前君の心に流れ込んできたもの……その認識で間違いないか?」
「ほぼ正解だ。……もっとも、ヴェーダの様なバックアップも無ければ今のお前達の様なベストコンディションでも無かったが」
「!?ベスト……?」
「そうだ。ELSとの対話による消耗を除けば、お前達の状態は極めてベストの状態だ。
 ………あれが流れてくる前に、俺は記憶の全てを読まれている。それも、一度で……かなりのスピードで」
「っ!?!?」
何が原因なのかは、あえて聞かないでおいた。
だが、奴は以前その濁流に飲み込まれ、そして………やがて自己を認識できなくなる程まで追い詰められた。
その様な事実があった事は、間違いないのだろう…………。

俺達の表情から、これ以上語るまいと察したのだろう。
奴は首元に掛けてあった何かを外し、俺達に見せた。
それは―――――
「ロケット………?」
「霊帝との戦いの後、2個1対の特注品として取り寄せたものだ。
 ……今思えば、かなりの無理難題だったな。当時オーブに身を寄せていたラクスの詩を使った事は」
「…………」
それは……オルゴール内蔵のロケットだった。
2個1対と言う事から、もう一つを誰が持っているのかについては察しがついた。

奴がそれを開き、オルゴールの旋律が響き始める………。
「……あの時、俺の心は完全に屈してしまっていた。
 苦しみの中で生き続けなければならない位なら、討たれて楽になった方がマシだとまで思った」
「……………」
「状況は絶望的だったと言うのに……あいつらは助けに来てくれた。
 機動兵器部隊を囮として、外からのサイコフレームの光すらも届かない場所に……白兵で直接」
やがてその旋律が重なるように増え、分かれると同時に……とある2人の後ろ姿が見えた。
ぼんやりとしか映していないが、展開的に奴を直接救い出した者達とみてほぼ間違いない。
―――――片方は、サイコフレームの欠片を携え、トンファーだがブレードだかよく分からない武器を手にしている赤髪の男。
―――――もう片方は、支援用の銃を片手に、例のロケットを2つとも持つ……金の長髪の男。
前者が誰かは断言できるのだが、ここは空気を読んで発言を避けた。

「2つの旋律と、サイコフレームの欠片から発せられた光が……俺に教えてくれた」
オルゴールの旋律が分かれ、そして俺達が佇んでいる闇の中にも光が拡がり始める―――――
「周りの者達に想われていた事を。そして、俺はそれにずっと目を背け続けていた事を。
 大切な者達を護りきる事が出来ず、ただ愛する者を救う為だけに世界を裏切り、挙句の果てに罪無き多くの者達の未来を奪った罪を……仲間達は赦してくれていた事を」
「…………!」

空間の重さは、先ほどと変わらない。
だが、拡がった光が……暖かさをもたらしていた。
「……俺は、その想いに応えたいと思った。
 どれだけ無様でも、這い蹲ってでもいい。ただ……足掻きたかった」
「…………」
「誰の為でもなく、自分自身の為に……『生きたい』。そう……やっと思えた」
その光は、紛れも無い……変革の証。
苦しみを受け入れ、尚も生きる為に戦う意志そのもの……。
「……………お前……」
「………自分でも馬鹿だと思っている。
 多くの罪無き者達の未来を奪い、仲間も死なせて、挙句の果てに自分も死にかけて……。
 ……そこまで追い詰められて、ようやく分かったなどと……」
「…………。もし、思えなかったら?
 『生きたい』と、そうその時口に出していなかったら……君は……?」
「!!ティエリア、お前!!」
「構わない。むしろ言われて当然なんだ。
 ……そうだな、もしそうなっていたら……俺はここにいなかったな」
空気を読まないティエリアの発言にも、奴は返答した。
――――――変われなかったら、今自分が生きてここにいる事はなかっただろう……と。


「助けられた後も……考えなければならない事は山積みだった。
 俺が目指すべき未来は何なのか、そして辿り着く為にどうすればいいのかを……」
「……その答えの為の手段が、『大極の力』と『意志を持つ負の力』か……?」
「そういう事だ。
 ………最も、後者は俺が自分で考え付いたものではなかったし、前者もまだ大極だと全く判明していなかったがな」
………その後に今の奴が持つ2つの力を受け入れた事も明かされた。
「…………。らしいと言うか……。
 『前者の力をそのまま使うと君がもちそうにないから、仲間が後者の案との併用を勧めた』と素直に言えないのか君は……?」
「……バレたか」
「僕には通じないぞ、そういう言い回しは」
その際……奴の説明をティエリアが要約すると言う妙技をやってのけたのだが、俺に対してまで呆れる様に見ていたのは気のせいだろうか?

おそらくこの調子ではティエリアに訳され続けると判断してか、ヒイロも開き直ったようだ。
一呼吸おいて、奴は改めて俺達に語り始めた。
罪を背負っていると言う表情は見えない。掲げているのは……未来への希望だった。
「もう、あいつを護る立場にはなり得ない。だが、同じ未来を目指したいと言う気持ちは……色あせなかった。
 ……だから、今の道を選んだ。世界と戦う事になっても……隣で一緒に歩いて行こう、同じ時間を刻んでいこうと」
改めて周囲に光が拡がり直され、闇が纏っていた頃の重さは完全に払われていく……。
「………隣、だと!?」
「そうだ。後ろでも陰でも傍でもなく、隣だ。
 ……これは、俺が自分で決めた事だ。誰かからも提案されなかったどころか、当時は猛反発を喰らっている」
「……当たり前だろう」
「……だが、その前例を俺はそのとき既に目の辺りにしていたからな………不可能だとは思わなかった」
奴の言う前例なのだろう、先程の様に……後ろ姿で2人の男のシルエットが映し出された。
誰かは正直バレバレなのだが、ここでもあえて発言を避けた。


「………まだ、歩き始めたばかりで………後ろ姿が遠くに見える位置でしかないが。
 ……それでも、いつかは必ず……追いついてみせる」
「…………」
半分照れているように見えるのも、きっと気のせいではないのだろう。
なぜなら、これは………
「今話したこれらの事が……俺が自分の力で掴み取り、そして今目指している……未来だ」
「…………」
今奴が話していた事は、奴自身が描いている未来であり………目指している夢でもあるのだから。
『隣で歩きたい』と言う言葉そのものが、奴が『自身の罪を赦しつつある』証拠なのだろう。
その為に、奴は世界と向き合う覚悟を持った。『翼が終(つみ)に穢れている』事を晒し、その上で……『隣に並んでもいいか』と世界に問いかけている。


「………刹那、今のお前はどうなんだ?
 今お前が目指している未来に………描いている世界の中に、お前の姿はあるのか?」
「…………それは」
………俺には、その様な未来を……奴の様に思い描く事は出来ないだろう。
陽の光差す場所に立つ事自体を、俺は………今も尚拒んでいるのだから。
「…………フッ…。……刹那、君の負けだな」
「…………しかし」
だが、その拒絶の意志が……揺らいできている。
「彼に出来て君が出来ない道理が無い。
 君も一度、彼のように自分自身と向き合ってみてはどうだ?」
「………………」
もう一度だけ、考えてみろと。
自分自身の未来について考えてみろと………2人は俺に手を差し伸べてきている。
「俺は――――――――」
――――――GN粒子の残量が、設定していた下限値を下回ったのだろう。
いつの間にかクアンタムバーストが終了していたらしく、俺の意識は光溢れる空間からコックピットの中へと戻ってきていた。

「…………。
 ………ELS、言い出した俺から提案するのもなんだが………盟約の件は少し考える時間をくれ」
<…………>
俺は――――――迷っていた。
揺るがない筈の盟約への決意が、粉々に打ち砕かれる程に。
『刹那……!?』
『君は……まだそのつもりで……!?』
「………一度気持ちの整理をする必要がある。そう…思っただけだ……」

俺は…………今まで何をしていた?
あの学園で、俺は一体何を学んでいた?
俺が引き金を引いてしまったあの時。奴は……『深淵の双天使』は、俺に何を見せていた?

「……お前達の言う通りなのかもしれない。俺は……世界の未来しか見据えていなかった。
 あの恵まれた環境に……学園にいたにもかかわらず、俺は……自分自身の未来から目を背けていた……」
『陽の光が差す場所に、俺がいる資格などない』………そう自覚し直した瞬間、足元が崩れるような感覚がした。
オーバーデビルの悪意に囚われた時程ではなかったが、その感覚は……俺を戦慄させるには十分すぎた。


『――――――お前1人で、答えを出せとは言わない。
 ……いや、この段階で出せると俺は始めから思っていない』
「――――――!?」
その戦慄すら、奴には予測されていた。
……それもそうだろう。この戦慄も、奴にとっては通ってきた経験に過ぎないのだから。
『………今こそ晒すべきだ、お前の罪を……その苦しみを。
 信頼するソレスタルビーイングの仲間達に、そしてお前が想う者に………』
「アザディスタンに………行けと言うのか?」
『僕も同意見だ。このままここにいても、君の様子を見る限りでは堂々巡りで終わりそうだからな』
「……………」
そして、2人は俺に道を示す。
――――――地球圏に戻り、仲間達との……そしてマリナとの『対話』を行え、と。

<…………>
「!ELS…………」
ELSも彼らに同意したらしく、その証として盟約の成立有無関係無く同行する意を示した。
ここに転移する前に放棄したダブルオークアンタの装備兵装、GNソード??悗箸修了僂鯤僂┐董?

「…………仕方が無い、行こう」
周りの者が全員一致の状況で………俺が拒否しても無駄だろう。
ELSが形を変えたGNソード??魑∥里留?縫泪Ε鵐箸掘?兇話狼綏北瓩觧鮃陲欧拭?
「………と言っても、ダブルオークアンタはクアンタムバーストの使用で粒子残量が少ない。
 ……お前の機体を転移に巻き込めるかの保証ができないばかりか、直接大気圏内に2機も転移させられるかどうかの技術的な裏もとれない」
『………つまり、"ダブルオークアンタも転移させろ"、と』
『その通りだ。
 ……ヴェーダで学園のデータベースにアクセスして知ったが、君の機体はXNシステムに類似する転移装置を積んでいるのだろう?』
『厳密には装置ではないんだがな。………まぁいいか』
―――――その為に、奴の機体の力を借りなければならない……その事実に若干の苛立ちを感じてしまった事は否定しない。
世界内の転移は機体のシステムで可能だと言う事、そして……ここに来た際の世界間の転移は機体ではなく奴の力で行っていた事を、俺は明確に理解していたからだ。


『始めるぞ、刹那。
 ――――――世界の未来の為ではなく、お前自身の未来の為の"対話"を』
「―――――ああ」
転移開始の際に生じる空間の歪みに機体の制御を委ねつつ、俺は……これから行う事になる『対話』に向けて気持ちの整理を始めていた。
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テーマ : スーパーロボット大戦 - ジャンル : ゲーム

2010/11/22 22:36 | 頂き物COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

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