【スパロボSS】真・スパロボ学園 外伝4~スーパー系とリアル系~

さぁ、ガンダム無双3が発売ですねー
今回は予約無しなので、どっか通りすがりに買おうと思ってます
前情報だけ見る限りは、結構楽しいことになりそうな予感があるのですが、A.C.E Pで盛大に裏切られたからなぁw

そしてそのプレイを始める前に、書いておきたいSSがあったので勢いで書きました
荒削りですが反省はしません(苦笑

これにてスパロボ学園外伝は終了
まだまだ学園は続きますが、ここからはちょっと展開を変えていきます


年末で忙しいスパロボ学園・・・の校門付近
「少年ッ!今日こそ私と刃を交えてもらおう!!」
刹那はここ数日、この黒い鎧武者風のMSのパイロット(噂ではミスター・ブシドーと言うらしいu)に、エラい粘着されていた
「ええい、俺はこれから校庭のゴミ拾いがあると言っている!」
何故ダブルオーでゴミ拾いをするのか、と突っ込んではいけない。スパロボ学園に落ちているゴミというのは、小競り合いで爆発したメカザウルスの破片とか、MSのジャンク部品とかそう言うものなので、MSじゃないと動かせないのである
「逃げずに闘え、少年。私を切り裂き、その手に勝利を掴んでみせろ!」
「貴様に構っていてサボっていられるか!」
もしもそんなことをしようものなら、鬼の形相のハマーン先生のファンネルで袋叩きにされるか、怒り狂った神隼人に顔を酷いことにされるのがオチだ
「このマスラオに恐れを成したか?」
なおも校庭に向かおうとしているダブルオーの前に立ち塞がるマスラオは、手にした巨大な日本刀風のサーベルを振り下ろしてくる
どうにかそれをGNシールドで受ける刹那だが、このままでは集合時間に間に合いそうもないという焦りが、反撃の機会を奪っていた
だがこの危機に、颯爽と現れる影があった
「我が校の生徒に、これ以上の手出しは許さんッ!」
巨大な馬にまたがった鎧武者の影
それは、ゼンガー先生のダイゼンガーと、レーツェル先生のアウセンザイターであった
「むっ、我が武士道を極めんとする道を阻むか!」
相手の異形に一歩も屈することなく、果敢にマスラオで組かかるミスター・ブシドーの剣を、ゼンガーはその斬艦刀で受け止める
「己が名を名乗らず、対峙する者の名も知らず、剣を振るうを武士道とは・・・笑止!それは武士道にあらず、修羅道への奈落の道なり!!」
・・・一応ドイツ人のゼンガー先生と、多分アメリカ人のミスター・ブシドーの会話なのだが、やってることが時代劇なのはどうしたもんか
「修羅道望むところ!今日の私は、阿修羅すら凌駕する」
「黙れ、そして聞けいッ!」
こっちの言い分に全く耳を貸さないミスター・ブシドー(イヤ多分、修羅道が何だか判ってないんだろうが)に、それを押し込めるかのごとく叫ぶゼンガー先生の決め台詞発動
「我が名はゼンガー、ゼンガー・ゾンボルト!学園を護る剣なりッ!!」
大見得を切って斬艦刀を構えたダイゼンガーの迫力、というかゼンガー先生の威圧感に、さすがのミスター・ブシドーもぐっと身を固くしてしまう
その気迫は、今更ながらダイゼンガー(全高55m)とマスラオ(全高20m)の体格差をミスター・ブシドーに実感させ、冷や汗を垂らせるほどであった
そして愛しいガンダムは、アウンセンザイターの盾の後ろに、しっかりと護られて手が出そうにない
そこに、ダイゼンガーの巨体から繰り出される、力強い太刀の一撃
「なんと!太刀筋が読めん?」
文字通り変幻自在の斬艦刀に翻弄されるマスラオ
返す自らの剣は、相手が巨体にも関わらず、ひらりひらりと躱されてしまう
そして終いには
「斬艦刀・雷ッ光ゥッ斬りィィィィィ!!」
ゼンガー先生の気合い一閃、マスラオはキラーンとお空の星になってしまった
「すまない、ゼンガー先生、レーツェル先生。助かった」
窮地を脱した刹那は、まずは素直に二人に礼を述べた
「それにしてもやはりゼンガー先生はすごいな。ヤツの斬り込みを、その巨体であれだけ綺麗に見切って躱すとは」
「決まり切ったモーションで振り下ろされる剣など、見切るにも値せん」
純粋な刹那の感想だったが、ゼンガー先生の方は実に淡泊だった
「決まったモーション?」
「かつてジオンの名将ランバ・ラルは、まだ若いアムロ・レイと対峙し、そのビームライフルを躱して曰く『正確な射撃だ。だがそれ故に予測しやすい』」
どのようなMSであれMAであれPTであれ、その『攻撃動作』はプログラミングされたものである
なので双方の搭載コンピュータの性能が同等である限り、予測射撃も予測防御も、文字通り予測できてしまう
その状態でプログラミングされた動作をどう使いこなし、敵陣を突破するかという面は、パイロットの技量によるだろう

「それと比べてこのダイゼンガーは、DMLを搭載している。よほどの達人でない限り我が動き、早々読み切れるものではあるまい」
「DML?」
「ダイレクト・モーション・リンク。つまり、ゼンガーが動いたとおりに、ダイゼンガーもまた動くと言うことだよ
この手のシステムで元祖と言えば、ダイモスのアレだ

なお、厳密に言うとこの手の操作システムは、ライディーンのアレだと思われるのだが、アレはどちらかというと『ムー帝国の神像』へ祈りを捧げ、力を授かるための祈りの動作という側面が強いように感じられるため、真の一体型操作というとダイモスに譲るのではないかと考えられる

閑話休題
まぁ要するに、ゼンガーが示現流剣術に通じているからこそ、ミスター・ブシドーのプログラミングによる刀操作など、コンピュータの予測動作に頼ることなく、自然と躱せると言うことを言いたいわけだ
「すごいな・・・ダブルオーもこのシステムにすれば、ヤツの粘着に一矢報いられるか」
「いや、そうとも限らんよ、刹那君」
DMLのすごさに触れ、一気に色めきだつ刹那を諭すように、レーツェルがそう言った
「もしこのDMLが万能であれば、パーソナルトルーパーであれアーマードモジュールであれ、全てにそのシステムが搭載されているはず。だが実際はそうではない。何故だと思うかね」
キョトンとしている刹那を相手に、レーツェルは続ける
自らの動きがそのままトレースされると言うことは、即ちパイロット自身が武に優れていなければならない。名を出して失礼だが、ユウやタスク君が武の達人だと思うかね?」
あの二人は確かにパイロットしては資質があるし、何より念動能力者としてポイントが高いが、武術の達人かというと・・・そうではない
あいつらも乗り換えでグルンガストには乗れるし、いろいろとネタも提供してくれるのだが、多分実際の戦場では申し訳ないが、ゼンガーのように一騎当千というわけには行くまい
「そもそものダイモスからして、パイロットである竜崎一矢が武術の達人であるからこそ、のシステムであるはず」
乗っている者の全てが反映されるからこそのDMLというわけだ
「PTのようにプログラミングにより動く兵器は、それはそれで利点があるのだよ。ある程度の熟練度があれば、パイロットを選ばない、という点がね」
結局なんでも一長一短なのだ
MSやPTは現代の戦闘機の延長であるので、訓練によってパイロットを増やすことができるが、エースになれるかどうかは判らない
逆にAMなどの場合は操縦者を選ぶ代わりに、相性さえ良ければすぐに強力な戦力となりうると言うことだ

「それは判るが・・・今の俺では、このままではヤツの粘着を払うことができない。無茶を承知で頼む先生、俺にDMLが扱えるように指導してくれ!」
コクピットから熱い視線を送る刹那に、ゼンガーは何か感じ入るものがあったらしい
「・・・容赦はせんぞ」
「もとより覚悟の上だ」
そのやり取りに、ふむとレーツェルは別のことを考えた
「ではゼンガー、刹那の指導は任せよう。私はハマーン・カーンに刹那を借りる旨を伝え、そのあとは修理部に少々掛け合ってみることにする」
「わかった。では行くぞ刹那。まずは生身での特訓だ」
「了解した」
と、格納庫に走り去ろうとするアウンセンザイターのレーツェルを、刹那はふと呼び止めた
「ところで、アウンセンザイターもDMLを搭載しているのか?
「もちろん?」
・・・馬になってるとき、貴方はどうしているのだ??
「それは聞かぬが華というものだ」


スパロボ学園のどこかにある和風の道場
そこに剣道着に着替えたゼンガーと、着慣れないものに戸惑いながらも、竹刀を振るう刹那の姿があった
「ふむ・・・まがりなりにもソレスタルビーイングの工作員、基礎的な体術は問題ないようだな」
ゼンガーの目算で言うと、現状では竹刀の振るい方からして成ってないが、多少の訓練で身につくであろう下地はあると見たようだ
「だが、お前に決定的に足りない点がある」
「なんだ?正直に言ってくれ」
「それは・・・叫びだ!
「は!?」
ガンダムの主人公の中では、刹那は結構叫んでいる部類に入るとは思うが、ゼンガーにしてみれば全ッ然足りないのである
「例えば・・・GNソードを振るうモーションをしてみろ」
「ん?・・・GNソード!」
「気合いが足りん!GィィィNゥゥゥソーォォォドォォォ!!
スパロボの戦闘台詞欄が足りなくなるほど、イとかウとかが足された叫び声が、道場のみならず茶道室の方にまで響き渡る
もちろん刹那は予想外のこともあり、ビックリして思わず肩をすくめてしまう
「な・・・何故そこまで、無駄に叫ぶ必要性がある?」
「無駄ではないッ!スーパー系のお約束・・・技名は叫ばんと当たらんッ!!
「!?!?」
それはマジンガーZからの伝統である
技を放つ場合は、気合いを入れて叫ぶがお約束
かのゲシュペンストキックは、叫ばないと当たらない、と公式に言われるほどである
「気合いで動かすDMLであれば、叫びの一つで刀のキレが違うもの・・・」
「そ、そ、そ、そうなのか!?」
いくら叫びの多い刹那といえども、カテゴリはきっとリアル系であるはず。スーパー系の叫びの必要性など、早々納得いかないのは当たり前だ
「問答無用!DMLの神髄を究めんとするのではなかったのか。であるなら、素直に腹の底から叫んでみよ!!」
「う、うう・・・GィィィNゥゥゥソーォォォドォォォ!!
「まだまだぁ、GィィィィィNゥゥゥゥソーォォォドォォォッ!!
「ぐぬ・・・GィィィィィNゥゥゥゥソーォォォドォォォッ!!
その頃の格納庫
「・・・と言うわけで、ダブルオーの操縦系を改造して欲しいのだが」
アストナージに事情を説明しているのは、先ほど思うところがあって別行動を取っていたレーツェルである
「また無茶言いますねぇ、エルザム少佐」
事を相談されたアストナージとしては、何をどうしたらいいんだか、と困り顔なのは当たり前であった
「今の私はレーツェル・ファインシュメッカーだ。それ以上でも、それ以下でもない」
「ハイハイ、どっちでも俺は構いませんけどね・・・それにしてもダブルオーにDMLねぇ・・・載るのかね、そんな簡単に」
困った顔をしつつも、否定はしないアストナージはたぶん、隠れ改造マニアである可能性がある
それは置いておいて、実際AMのシステムがそう簡単に、MSに載せられるのかというと・・・確かに微妙だ
「要はよう、刹那の動きがトレースできりゃいいんだろ?」
首を突っ込んできたのは、魔改造大好きのウリバタケ・セイヤである
「だったらアレだ、モビルトレースシステム載っけりゃいいんじゃねぇの?同じガンダム同士、相性は良さそうなもんだけどね」
なるほど、機体の大きさと搭載できるコクピットシステムの許容量を考えると、確かにアレなら何とか繋げられそうではある
「でもありゃあ危険な側面もあるだろ?・・・パイロットの安全を意識する俺としては、諸手を挙げて賛成できないなぁ」
確かに、モビルトレースシステムは他のモーションコントロールシステムと違い、そのシステムそのものを操るのに、強靱な肉体を要求される。そうでない者が迂闊に乗った場合、場合によっては死を招くことすらあるという
「でもさー、レインさんが即興で乗ってもなんとかなるんだし、刹那だったら尚更平気なんじゃないの?」
キッドの指摘するとおりで、なにせあの石破ラブラブ天驚拳を即興で打てる彼女・・・
流石ドモンの嫁、隙がない
「うーん。じゃあ当のレインさん呼んで検討してみるか」
「んじゃ俺、ダブルオーのコクピット外してみる」
「待てよ、じゃあアレも改造しなきゃならないだろ」
というわけで、いつの間にか乗り気になっちゃった修理部の手で、ダブルオーは生まれ変わろうとしていた・・・それがいいか悪いかは別として
翌朝
「待たんかヒイロ!今日という今日こそは、貴様を逃さんぞ!!」
「ええい、俺はこれから砂浜の掃除があると言っている!!」
東方不敗師匠から逃げ回っているのは、前回ちょっとお茶目しちゃったヒイロである
彼に何故師匠が粘着しているかというと、ガンダムエースで連載中の『超級!機動武闘伝Gガンダム』にまだ出番がないうえ、ドモン達が撮影でちょこちょこ留守するせいで、超絶に暇を持て余しているからである
「貴様には『流派・東方不敗』のライセンスを授けたではないか!」
「俺はそんなものを認めた覚えはないッ!!」
説明しよう
『ガンダム無双(初代)』の東方不敗シナリオでは、ヒイロの資質に目を付けた師匠は彼をスカウトし、彼の意思を全く解せずに修行を施し、最後に石破天驚拳を授ける、というぶっ飛びストーリーが展開されるのだ
その粘着ッぷりは同ストーリーに登場したドモンをして
『師匠の弟子は俺だけだぁぁぁ!』
と叫ばせるほどのものであった
「叫んでみせいッ、かの明鏡止水の境地にて、石破天驚拳を!」
「勝手にやっていろ!!」
・・・まぁ説明するまでもなく、ヒイロは猛烈に嫌がっている
中の人的にはおそらく、叫ぶのはやぶさかでないだろうが、ヒイロというキャラクター的にはNGすれすれのネタである
そんなワケなので、連日師匠のストーカーをやり過ごす、と言うのが日常茶飯事になりつつあった。いくら年末の大掃除のためとは言え、これなら帰ってこなかった方が良かった、と内心愚痴っているヒイロである
(くっ、何とかやり過ごせる方法は?)
どうにか柱の陰に隠れ、猪突猛進の師匠をやり過ごしたヒイロだが、このままではいつか捕まるのは目に見えている
(奴が思いもよらない場所に退避するしかないか・・・)
ふと思いを巡らせた彼は、そこに行くのは自分も嫌だが、確かに師匠が思いもよらない場所である、と言うところを思い当たった
(撮影に戻るまでの緊急回避策だ。止むを得ない)
自分にそう言い聞かせたヒイロは、隙を見計らって格納庫に忍び込んだ
別に忍び込むような身分じゃないんだが、そこに師匠が待ち構えてたら全く意味がないので、これも我慢せざるを得ないことだ
「どうやら奴は居ないようだな・・・さて」
それのコクピットに忍び込んだヒイロは、次の瞬間想像外の事態に巻き込まれることになる
これを遡ること30分ほど前
「・・・よくぞ一日で、これだけの修行に耐え抜いたな、刹那」
「いや、ゼンガー先生もよく付き合ってくれた」
そう返事する刹那は、夜を徹した特訓のせいか目の下にクマができちゃっている
「万全とは言えまいが、今のお前ならば新生ダブルオーの力を引き出せるに違いない」
同じように夜を徹した魔改造を、修理部の手によって施されたダブルオーが、校庭にずんっと立っていた・・・見た目には何も変わったように見えないが
「超突貫だけどさ、ある程度スムースに動くようにしといたからよ」
AMに使われているABMDシステムとか、オーバーマシンのマッスルエンジンとか、あの辺りのぬるぬる動く駆動系を、その辺からかき集めてはめ込み、限り無く人間っぽく動くMS(まかり間違ってもモビルファイターではない点に注意)を、一晩で造るこいつらは何者であろうか
「みんな、ありがとう・・・俺はこの機体を駆り、今日こそヤツに勝つ!」
微妙に熱血入っている刹那の前に、今日もまた懲りずにミスター・ブシドーが立ち塞がる
「マスラオ改めスサノオ!いざ参る!!」
あっちはあっちで、一晩でMS改装して来やがったという、もう意地の塊としか思えない、合いを越え憎しみの域に到達したブシドーの、執念の集大成がこれであった
「望むところだ・・・とぅ!」
そうして(魔改造)ダブルオーに乗り込んだ刹那
中は事前の予告通り、モビルトレースシステム(シャイニングのを借りてきたらしい)が搭載されており、刹那の肉体がギチギチギチという音を立てて、ファイティングスーツに包まれる
そして最後に輝く、胸のソレスタルビーイングマーク
ネオ・ソレスタルビーイング代表、刹那・F・セイエイ!」
「ならばこちネオ・ユニオンということか!」
「GNファイト、レディィィ・・・ゴーッ!!」
こうして、刹那VSブシドーの最終決戦(?)が切って落とされたのである
「喰らえ!GィィィNゥゥゥソーォォォドォォォ!!
ゼンガーとの修行の成果か、自然に叫びを入れつつソードを振るう刹那。果たしてその切っ先はスサノオの装甲を弾き飛ばすほどの勢いである
「く、なんという威力!!だがしかし」
「させるか、GィィィNゥゥゥシィィィールドォォォ!!
防御するときまで叫ぶ辺り、完璧である。しかも、いつの間にやら"底力"を伝授されており、気合いに乗じて防御力が上がるようになってたりする
「ぬぅ、一夜にして腕を上げるとは少年、私は嬉しい限りだ!」
「貴様を喜ばせるためにやっているのではない!!」
昨日までの単調な攻撃から一転、まさに人機一体となって華麗に戦う刹那に、ブシドーはある意味で魅せられてしまうのだった
「だが私とて、このまま終わるつもりはない。我が手の"シラヌイ"と"ウンリュウ" が、君の瞳に恋してるのだ!」

一歩も引けを取らない二機の争いを、彼方で見ていたアストナージは眉をひそめた
「うーん・・・ちょっとパワー不足かねぇ」
ダブルオーの力は確かに強力だが、やはり単機の状態では決定打に欠けるようである
「でも、アレを出しても、結局あいつ一人じゃどうしようもないだろ」
「そうなんだけどな・・・ん?」
ウリバタケとそうやり取りしつつ、何となく計器類を見たアストナージは、"アレ"に火が入っていることに気づいた
「なんだ、誰か乗ってるのか?」
通信機器に手をかけたアストナージは、パネルの向こうに思いもよらない人物が映ったことに仰天した
「・・・そこで何してんの、ヒイロ」
「・・・」
むっちゃくちゃムッとしつつ、ヒイロはここに至る経緯を二人に説明した
「今度はそっちの番だ。何故ここがこんな風になってるのか、説明しろ!」
「怒るなよ、いろいろ事情があんだよ・・・かくかくしかじかでさ・・・ってちょっと待てよ」
そこまで言いかけてアストナージは、とても重要なことに気づいた
「お前今、そこで平気なんだよな?」
「当たり前だ。この程度で根を上げるほど、安くはできてない」
「今さぁ、刹那がピンチなんだわ」
「・・・それがどうした」
すっごく嫌な予感がして、ヒイロは露骨に殺意を放っている
「悪い、そのまま出てくんない?」
「断る!!」
ディスプレイから顔がはみ出そうなほどの大声で、拒絶の台詞が帰ってきたが、アストナージは敢えてスルーした
「そうは言ってもさ、その状態で出られるパイロット、他に思いつかないんだよねー」
「断固拒否だ、それくらいなら自爆する!」
「自爆装置無いよ、それ。よーし、オーライザー出すぞー
そう、ヒイロは『自分が行きたくない場所』であれば、師匠でさえここを想像しないだろうと思って、オーラザーに身を潜めていたのであった
「んじゃヒイロ、刹那のサポートよろしくー」
「アストナージ・・・後で殺す!!
問答無用で射出されたオーラザーと、ダブルオーの通信パネルが接続される
「・・・何をしてるんだ、お前は!?」
そこに映し出されたヒイロの姿に、さすがの刹那も顔が引きつってしまった
なぜなら・・・そこには刹那と同じように、ソレスタルビーイングのマークの入った、ファイティングスーツを着せられた彼があったからだ
その理由は説明するまでもなく・・・ダブルオーの操縦系をモビルトレースシステムにするからには、サポート系も同じにしないと駄目なんじゃない?などと、修理部がまだ実験中のまんまですっぽかしていたからである
「ぐ・・・い、今はそれについて言っている暇はない、とにかくドッキングするぞ!」
だが、ドッキングシステムを起動させようとした二人は、互いのシステムが何故か拒絶反応を示していることに仰天した
「あー、お前らそれさ、合体って言うお約束だから、ちゃんと心を一つにしないと駄目になってんだよね
これまた修理部の実験中で、コンバトラーみたいに脳波が一致しないと合体できない、などという実用性に欠けるシステムが、両機に組み込まれていたのであった
「ふざけるなーッ!!」
刹那とヒイロがキレるのは・・・無理もない
「落ち着けよ、似たもの同士なんだから、なんか共通点があるだろお前ら。例えばホレ、趣味とか」
「自爆」
「肉体トレーニング」
「・・・尊敬する人は?」
「居るか」
「ガンダムだ!」
・・・二人の意思は中々一致しない

ちなみにその間、ミスター・ブシドーはどうしているかというと
「はいはーい、特務大尉さん、合体終わるまで待っててね♪」
「最初の合体の時だけは、邪魔しちゃ駄目なんだよ。これお約束ね」
ザブングルとかガンレオンに両脇掴まれて、拘束されていた

「ええい、お前ら生き残って、クリスマスのプレゼントを好きな女に渡すんじゃないのか!?
半ばイラついて、ヤケクソで叫んだアストナージであったが
「「当たり前だ!!」」
ぴこーん
「脳波一致確認、コンバインOK コンバインOK
オーライザーに積まれていた赤ハロが、合体オッケーのサインを出した
こうして長い長い空中ランデブーの果て、どうにかこうにか合体を果たした二機
「トランザム合体、ダブルオー!ライザーァァァ!!
ハイ、合体が終わったら、見栄を切りつつ叫ぶのもお約束です
「ほう、パワーアップと来たか。ますますやりがいがある・・・!!」
合体が終わったので、ようやく拘束を解いてもらったミスター・ブシドー
彼の方はやる気満々になっているのだが、一方のダブルオーライザーの方が・・・何かぎこちない
「なんだ?上手く剣を構えることができない??」
「お前の腕がないだけだろうが。このまま共倒れは御免だぞ!」
先ほどより機体性能は断然上がっているはずなのに、思ったように機体を制御できずに二人が焦っていたところに、なおもアストナージの追い打ちが入る
「あー、ごめん。それ電童のシステムも試しててさぁ、二人で全く同じに動かないと、100%の性能でないんだわ
「「ふざけるなぁぁぁ!!」」
さすが魔改造。コクピットに入る人間の人間性尊重なんぞ全くしてない
「仕方ない・・・ヒイロ、俺に合わせろ!」
「お前の腕なんぞ信用なるかッ!」
前回のこともあって、信頼度が抜群に落ちている二人では、このシステムはマイナスにしか働かなかった
「何だか知らんが、戦いに集中できないとあれば・・・御命頂戴!!」
好機とばかりに襲いかかってきたスサノオの剣に、二人は咄嗟に・・・同じ方向に避けることを選択した
それ故に、ダブルオーライザーの動きは素早く、取って返す手でGNビームサーベルを展開する
「GィィィN!!」
「ビィィームッサァァァーベル!!」
おそらく死にたくないという意識が働いてのことだろうが、その後二人の動きは自然とシンクロしつつあった
刹那が避ける方向にヒイロが合わせ、防御に関してヒイロがシールドを展開すれば、刹那がそれに身を任せる
そんなふうに徐々に、その機体性能を引き出しつつある二人だが、ただの斬り合いだけではやはり、これという決定的な一手にはならないでいた
「く・・・どうするつもりだ、このままでは体力勝負になるぞ?」
GNファイトを初めて数十分
いくらGNドライブが半永久機関とは言え、中のパイロットは永久に動けない
スーパー系の最後は、超絶必殺技で決めるものだ・・・そう、ゼンガー先生が言っていた」
歴代の全てのスーパーロボットは、番組の〆には華麗なる必殺技を出すのが、伝統だというのである
「必殺技だと?馬鹿馬鹿しい・・・・・・」
リアル系の勇であるヒイロにとって、そんなものは馬鹿げた話であったが・・・
「刹那、ライザーシステムを起動させるぞ」
「一気に押すのか?」
「そういうことだが・・・この後は、俺とお前の気合いの問題になる」
ちらっとこちらを見てくるヒイロの目には、もうぎくしゃくした色がなかった
「わかった・・・お前に合わせる」
次の瞬間、圧縮粒子を解放したダブルオーライザーが、真っ赤に包まれる
「トランザムか?面白い、ならばこちらとて容赦はせん!!」
同じように圧縮粒子を解放するスサノオだが、ダブルオーライザーはその状態のまま、静かに構えをしたまま動かない
というよりも、静かに気を練っているのだ
「俺のこの手が真っ赤に燃える!」
「貴様を倒せと轟き叫ぶ!」
気力150で燃え上がったダブルオーライザーに浮かぶ、ソレスタルビーイングの紋章!
「爆ぁぁぁぁく熱っ!ライザァァァーソォォォードッッッ!!!」
ダブルオーライザーの両肩両腕から放たれた光の渦は、こちらに突進しようとしてきていたスサノオを容易に吹き飛ばし、校庭の彼方にまでその刃を伸ばした
「見事・・・流派東方不敗、免許皆伝である!」
「貴様のためにやったのではない」
校庭で満面の笑みを浮かべている師匠に、ヒイロは忌々しげにそう叫んだ
その光景を、なるほどね、というように見ていた刹那の後ろで、リュウセイがそわそわしている
「いいなー、すげーなー、リアル系の外見にスーパー系の操作系と必殺技!憧れるっ!!」
R-1も大概その系統だと思うのだが、本人はまだまだご不満のようで、素敵に魔改造されたダブルオーに釘付けであった
「・・・乗ってみるか?」
「え、マジ、いいの!?やったーーーーっ!!」
まるで子供のようにはしゃいでダブルオーに駆けていくリュウセイを、刹那はポカンと見送るしかなかった
「・・・あそこまで喜ぶか?」
「まぁー、スパロボオタのリュウセイにはたまんないでしょ、ああいう改造は」
「そう言う意味ではこの学園は、彼にとってはディ○ニーランドと同じ、夢の国だよね」
ふうん、と刹那が相づちを打った瞬間
ダブルオーからリュウセイの悲鳴が上がった
数分後に助け出された彼は、全身複雑骨折で息も絶え絶えであった

こうして
リュウセイでさえファイティングスーツに耐えられないのだから、もし後々オーライザーのパイロット(になる可能性がある)の沙慈なんぞ乗せようモンなら、即死間違いなしと言うことになり、ダブルオーライザーは通常のMS操作システムに戻されたという

「・・・シコ、ナデシコ、応答願いたい」
ナデシコ艦橋でモニタリングをしていたルリは、悲鳴にも似たその声にぴくりと眉をひそめた
「ナデシコ、こちらティエリア・アーデ。応答を願う」
「ティエリアさん?・・・どうしたんですか、顔色が悪いですよ」
それよりも、彼の方から緊急通信を入れること自体珍しい話だ
この時点でルリは、何事か異常事態が発生したことを察した
「都合の良いときだけ頼って済まない・・・君達の力をどうか貸して欲しい。もうこれは、僕たちの許容する範囲を超えている」
彼の顔には、徒労の色がありありと浮かんでいた
「何があったんですか・・・?」
「僕たちの世界が・・・崩壊を始めている・・・そうとしか、思えない」
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2010/12/16 01:28 | 【二次創作・スパロボ系】-真・スパロボ学園-COMMENT(5)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

DMC

ガンダム無双3

購入されましたか?刹那さん以外のガンダムマイスター、DLCらしいですね(泣)やれやれ…。

この際、ベアッガイとか淡泊さんって、無理無茶ですね…スイマセン。

失礼しました~

No:2326 2010/12/17 00:08 | 酢ダコ #- URL [ 編集 ]

そんな魔改造したのは恐らくシェリリンとレインですね……当然師匠のイアンは怒りませんがシャルさんが……(笑)。


・出稽古

箒「ふう、久しぶりに“生身”で剣道の試合が出来た」
伊織「話には聞いていたけど、流石に中学生全国優勝者だね……侍所の女性侍尉もここまで出来る人居ないからね」←二人も周囲には死屍累々の侍尉達の屍が……。

九十九「強化手術している隊長'Sとまともに試合出来るって、どれだけバケモノやねん……」←完全にダウン。
一夏「木刀でドア突き破るわ、AICを強引にちぎってベットを両断するからな」
円「前衛としては申し分ないわね」
庵「作品の枠超えての勧誘は御法度ですよ」

No:2327 2010/12/17 01:25 | YF-19k(kyousuke) #vOF08ZPo URL [ 編集 ]

魔改造

マリオン博士の超絶お手製カスタム機(ビルガー、リーゼ)&改造プラン(ガンドロ、ズィーガー)っすね♪

最近、SDのクアンタを作りました。なんと、SDオーライザーと合体できます(笑)ある意味魔改造でしょうか。もしオリジナルの太陽炉搭載だとあり得なくもないのかな、と。それとも何かしらの関連作品のフラグ(爆)

クルーゼ隊長がアラスカでパクったスーパーストライクガンダムのデータをベースに議長がデスティニーガンダムを完成させたとか~(嘘です。どこかのサイトでそんなネタを見ました)

あと、アストレイミラージュフレーム。SDの武者アストレイに獣モードがありまして、まさか…(汗)

ガンダム無双3のDLC。以前、こちらナイトガンダム出ないかなぁ~、なんてカキコしましたが、本当に出ますっ!!(デビルガンダムと戦闘→合体ってないですよね…)

長々と失礼しました~。

No:2328 2010/12/17 20:50 | 酢ダコ #- URL [ 編集 ]

今回は当たりかも

無双は結構さくさく進みます

酢ダコさん>
見ての通り買いました
で、ナイトガンダムとはいかに・・・?

YF-19kさん>
ようやくイレブンソウルの続刊が出るので、ワタクシは嬉しいです

No:2330 2010/12/18 00:10 | あるす #- URL [ 編集 ]

あるすさん>

返信どうもです。

イレブンソウルも出るんですが……ISの最新刊とVFのマスターファイル第三弾も出るのでDS買うの迷ってます(笑)


No:2332 2010/12/18 01:18 | YF-19k(kyousuke) #vOF08ZPo URL [ 編集 ]

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